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城塞都市エスオゴ
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口城塞都市エスオゴ
ランド=ダデム。
白金の渚亭。
季節。初夏。
初夏のさわかやな風が、ブラインドウインドから、入ってくる。
室内は、白と黒のまだら模様。
カールの手元のティーカップも、時折、影に入る。
エディブ「とうとう出発するか」
「カールの坊ちゃんが、王の血族なんて、正直、ビビったぜ」
「ソフィア姫も、王家の血筋」
「もしや、アラゴーさんも?!」
アラゴー「いや、わしは、ただの年寄りじゃ」
エディブ「ホントに?!」
アラゴー「ガハハ」
カール「今回は気をつけないと」
「なんでかわからないけど、レトが王位についている」
ソフィア「たしかに」
ドグラス「軍事を、預かる、アルフォンソ=ペタ=カミロ侯爵の策略ではとみな考えています」
アラゴー「なるほど」
ドグラス「国民は、レト一色にそまり」
「場内衛士の士気もレトを信奉しております」
カール「みぶるいするな」
アラゴー「ガハハ。たしかに」
ドグラス「まず、エスオゴに着いたら、私の主人。アベラルド=ピコ=バルトロメ伯爵に会ってください」
「伯爵は、まだ、使える部下が、数多くおりますので。」
カール「ふぅー」
ソフィア「いつもの通り、装備を固めて」
一同「さあ、行くか!!」
かくして、冒険の旅に出発する、一行。
果たして、どうなることやら。
ミッションスタート
キャスト
人間 カール=ザルツバーグ
エルフ ソフィア=ゴールドバーク
ドワーフ アラゴー=マブ=ライルデン アラゴー=ルイス
国王 アルフレド=エクサ=アリエル
伯爵 アベラルド=ピコ=バルトロメ
男爵 アルトゥロ=テラ=アントニオ
偽王 アルフレド=エクサ=レト
侯爵 アルフォンソ=ペタ=カミロ
ソフィア「ここが城塞都市エスオゴね」
カール「ふぅー久しぶりに帰った」
巨大な城壁に囲まれた街。
街は、オレンジの屋根に、白い壁といった、古風な作りになっている。
エスオゴに戻る、カール一行。
帰り着くと、青い、シルクの洋服に身を包んだ、騎士が出迎える。
ドグラス「ただいま、戻りました、バルトロメ伯爵」
バルトロメ「よくやった、ドグラス!。入れ違いで、レトの密使も帰ってきたぞ!!」
バルトロメ「初めまして、爵位。伯爵。アベラルド=ピコ=バルトロメと申します」
「お待ちしておりました。カール王子」
カール「ハハハッ。 王子?だって」
バルトロメ「カール様のお住まいは、たしかに23番地区。老夫婦もご健在だと」
カール「そうだよ」
「久しぶりに、爺ちゃんと、ばあちゃんの顔をみるか」
ソフィア「フフフ」
アラゴー「ガハハ」
家にたどり着く、カール一行。
カール「帰ったぞー」
レット爺「カール」
カールは老夫婦を抱きしめる。
年老いた、養父と養母。レット老夫婦。
「なんで、あの時、逃げたんじゃ?!」
「アリエル国王が、あなたの、父になるんじゃ」
カール「!?」
「どうして、早く、言ってくれなかったんだ!」
「友達とも、急に疎遠になってくるし」
レット爺「すまんかった」
レット爺「それがな、カール。お前にと、アリエル国王から預かったいた、宝剣があったんじゃが、
わしらが留守にしている時に、誰かに盗まれての」
「アリエル国王が、宝剣を持って、王宮まで、来てくれと、言付けが」
「これが、その手紙じゃ」
バルトロメ「レトか、カミロだな」
レット爺「たいそう、高価な宝剣じゃったので、なくなったのを知られると、わしが打ち首になるかもしれんと思って」
バルトロメ「まだ、話していなかったと」
「たぶん、宝剣は、偽帝アリエル国王がもっています」
「諦めましょう」
レット爺「そうですか」
「わしは、命拾いした訳ですな」
バルトロメはクスリと笑う。
バルトロメ「それでは、父王、アリエル国王陛下のもとに、ご案内しましょう!!」
口バザール
粗末なバラック。
バザールに近づくにつれ、浮き足立つ、アラゴー。
カール「アラゴー?! どうしたんだ?」
アラゴー「いや、数十年ぶりに、旧友にあえるかと思って」
カール「?」
粗末はバラックまで行くと。
そこには、両目を病んだ、アリエル国王が。
抱きつく、アラゴー。
「わしは、だーれーじゃ。アリエル国王陛下」
アリエル国王「よし」
「声に聞き覚えあるぞ」
顔を近づける、アラゴーの顔を、手で探る、アリエル国王。
アリエル国王「む、これは、ドワーフ」
「この鼻に、りっぱなヒゲは」
「たしか、どこかで‥」
「あ」
「アラゴー=ルイス将軍」
「兵器品評会の時、ご一緒した」
アラゴー「あたり」
「ご機嫌麗しゅう、陛下」
アリエル国王「ハハハ、まさか、カールと一緒とは」
アラゴー「品評会で、お酒の回った席で、うっかり、実子がいると漏らしましたな」
アリエル国王「あの時は、大変失礼いたしました」
アラゴー「年寄りの遊びで、カールを密かに、探し当て、一緒にパーティーを組んでいた始末ですわ」
アリエル国王「それは、それは、ありがとうございます」
アラゴー「ガハハ」
アリエル国王「あの時は、各国が、ロードを引くという、大規模なインフラの話になりまして」
「我が、エスオゴは、万が一の事態に備え、貴公の国、ガルツザルドからタンクを購入する話に、あいなった訳です」
「タンク、2000台、ありがとうございました」
アラゴー「こちらこそ、売れるとは思ってもみなんだんで」
アリエル国王「いやいや、それにしても」
アラゴー「懐かしい」
カール「!?」
カール「えーー、ってことは、いままで、俺の査察に?!」
アラゴー「うむ。そういうことになる」
カール「初めて知った」
ソフィア「どうりで、アラゴーが、カールに肩入れすると思ってたわ」
アラゴー「ガハハ」
「わしらは、エルフと違って、寿命が短いんじゃ」
「アラゴールイス、ガルツザルド第56代、ジェネラル。人呼んで、碧雲のアラゴー」
拍手する、アリエル国王。
バルトロメ「それでは、カール王子。こちらへ」
カールが15の立志式に、一度、会ったことのある、国王。
その頃の国王は、壮麗で、強く、威厳に満ちていた。
どことなく、面影が似ていたのを、冗談がてらに、覚えていたことがある。
アリエル国王「カール、会いたかった、我が息子」
「顔を見せてくれ」
もう、目の見えそうにない、国王は、両目を涙で濡らしながら、震える手でカールの顔を触る。
カール「おやじ‥?」
アリエル国王「カール、着いてこい」
一人歩いて行く、国王に、着いて行く、冒険者一行と、バルトロメたち。
口ジギラビリンス
四方20kmの巨大な、迷宮。
足音以外、静寂に包まれた、恐ろしいほど巨大な迷宮。
カール「だれが、こんな建造物を‥」
アリエル国王「戦前からあったんじゃ」
ラビリンスに、入っていく、冒険者一行。
アリエル国王「本当は触れたくはなかったんじゃが」
「わしも、国王在籍中、無茶なことをしておったんじゃ」
「情報画策犯を、フェンダール城に、強制隔離しておったんじゃ」
「その数、数千」
「各国との交渉との手前もあって」
開く城門。
巨大な城門は、軋みながら、開く。
白骨死体とお墓。
アリエル国王「国を治めると言うことは、汚いことにも手を染める場合もある」
「若かりし、頃は、強靭だった肉体も、いまは、ほれ」
カール「おやじ‥」
各国より、早く、ロケット発射台を備えていた、エスオゴ。
非戦の時代になり、スペースアクシオムの旅行用、ロケットも良いと考えていた。
が、各国の経済界から、追い出された、エスオゴ。
金融封鎖で、多額の借金を負ってしまう。
若かりし時は、体力で、乗り切っていたアリエル国王も、時とともに、重圧に苦しみだした。
非戦を願っての、軍事歴史博物館など、国費の多くを費やしたが、徒労に終わる。
知らなかった、王、父の苦しみ。
戻らない、両目。
心の中に、なにかが、芽生える。
首をふる、カール。
アリエル国王「カール!?」
「よかった、カール、お前に出会えて」
「聞かせてくれ、お前は、冒険をつづけ、この先どうしたいのだ?」
カール「俺は、一介の冒険者だ」
「冒険で、貯めたお金で、ささやかでも良い、小さな家を一軒立てたい」
「できることなら、ソフィアと結婚して、子供を産み、ささやかに、暮らしたい」
キョトンとするソフィア。
アリエル国王「ソフィアと?」
笑う国王。
アリエル国王「カール、TVは見ていないのか?」
カール「 TVって、最近、エディブがやっと購入したばかりの」
アリエル国王「ハハハ」
「私は、ランド=マヨイへ視察旅行へ行った時、乗ったのだよ、自動4輪に」
「いいもんだぞ、ビューっと」
カール「ああ!、夢のロードカー」
アリエル国王「今は、売り出したばかりで、高いが、新婚祝いに、買わないと」
鼻をこする、カール。
カールの、手を強く、握りしめてくる、国王。
アリエル国王「カール」
カール「と、父さん」
涙が、溢れてくる。
カール「わかった、父さん。仇はとる」
アリエル国王「カール!」
アリエル国王「息子をよろしくお願いします」
ソフィアに礼をする、国王。
キョトンとする、ソフィア。
口バザール
小さな農園
帰ってくる、アリエル国王は、バラックの側の、小さな農園に、みなを連れてくる。
アリエル国王「一人で、試行錯誤の末、作り始めた、この小さな農園」
「エルフのセッシェルさんに手伝ってもらっての」
「なんとか、作物が出来ているところじゃ」
エルフ「初めまして、カール坊ちゃん。カイ=コーレ=セッシェルと申します」
カール「初めまして。いつも、父をありがとうございます」
アリエル国王「カール。こちらに、来てみ」
着いて行く、カール。
そこには、葡萄農園が。
アリエル国王「どうじゃ、すごいじゃろ」
手で葡萄の房を触る、アリエル国王。
アリエル国王「粒の大きい房を作るのがコツじゃ」
「目が見えにくいわしには、ようやっとでの」
「カール、ここで言うのはなんじゃが、葡萄は美味いぞ」
「復讐はやめて、小さいが、この農園を継がんか?」
カール「いや、まだ、冒険を続けたいと思う」
アリエル国王「そうか‥」
コーレ「カール、お父さん、ああ言っているぞ」
「命あっての種ものですし」
「お父さんと、いつまでも、この農園で、待ってるぞ」
アリエル国王「カールに会って、生きる元気が出て来た」
「時には、タネ入り葡萄でも作ってみようかの」
ソフィア「フフフ」
コーレ「ハハハ」
所は変わって、ランド=エスオゴ。
エスオゴ城。
王室。
ランド=ミサハマの視察に行って、帰る、レト。
一人、考える、レト。
フラワーレイス。商店の版権をもつ、隣国ランド=ミサハマ。
経済界。金融界の、ランド=ゴードーとも、親交が厚い。
レトは、ミサハマに、交渉に出向くが、断られる。
ミサハマは、情報網が厚く、ヒッピー上がりの新国王になにができると、突き返されてしまう。
素性のばれるレト。
恐怖に震える。
カミロ侯爵に、言うレト。
「隣国、ミサハマは、吹く風もとまる程、裕福」
エスオゴ城
別室。
机前。頭を両手で抱え、椅子に座るレト。
やってくるカミロ侯爵。
レトは、立ち上がると、つっかかるように、カミロのもとへ行く。
カミロ侯爵「どうした? レト」
レト「カミロ侯爵、お話があります」
「我が国には、ガルツザルドから購入した、タンクがあるでしょう」
カミロ侯爵「うむ。道路交通防衛用の」
レト「せっかく、大量にタンクがあると言うのにどうしたのですか?」
カミロ侯爵「もしやレト?!」
レト「そうです、力で、奪い取りましょう」
カミロ侯爵「!!」
カミロ侯爵「よく、言った」
「それでこそ、国王」
戦時放送
街灯、冒険者の宿、いたるところのTV。
レト「我、アルフレド=エクサ=アリエル」
「これから、ランド=ミサハマに、進軍し、ポリスを奪う!!」
注)ポリス。 ランド=ミサハマの学園都市。過去の世界からある、スーパーコンピューターがある。
レト「我、アルフレド=エクサ=アリエル」
「これから、ランド=ミサハマに、進軍し、ポリスを奪う!!」
放送は、何重にもなっている。
ざわめく、国民たち。
「冗談だろ!?」
「でも、ポリスから追い出された俺たち」
「ポリスが手に入ることになったら」
「こんな暮らしとは、おさらばだー!!」
「バカ、やめろ!」
「いいぞ!! アリエル国王」
「カッコいいー」
「ヒャッハー!!」
ざわめく国民たち。
ランド=エスオゴ
冒険者の宿。
紅の南風亭。
くつろぎながら、食事をとっているアリエル国王と、冒険者一行。
TVから、臨時政権放送が流れる。
レト「我、アルフレド=エクサ=アリエル」
「これから、ランド=ミサハマに、進軍し、ポリスを奪う!!」
「我が国がほこる、鉄機戦団を使う」
仰天する、冒険者一行。
アリエル国王「バカめ、戦争に踏み切るだと」
「タンクは、道路交通防衛のため、購入しただけじゃぞ」
バルトロメ「タンクを戦争に使うだと」
アラゴー「いかん、いかんぞー、タンクは!」
人が変わったように、壇上で、叫ぶレトを見るカール。
カール「あんなだったかな?!」
ソフィア「大変なことになったわね」
冒険者の宿に、突入してくる、憲兵隊。
「バルトロメー、捕獲に参った!!」
剣、武器を抜く、冒険者一行。
怯えるマスター。
マスター「まだ、ローンが残っているんですー!!」
憲兵隊VS冒険者
バルトロメ、冒険者は、ことごとく、憲兵隊をうち倒していく。
アントニオ「手におえん。場所を変えよう!!」
紅の南風亭を、後にする、冒険者一行。
バルトロメ「ひとまず、バラックへ」
走りながら、アラゴー。
アラゴー「あれをやるか?!」
カール「TNT?!」
笑う、バルトロメ。
アラゴー「爆薬、詰めるだけ持っていけ」
口英雄集結。
碧雲のアラゴー。蒼海のバルトロメ、飛天のアントニオ、仰夏のカール。爽風のソフィア。
季節は、夏。 時は、早朝。
爽夏の空のもと。集まる、5人。
ソフィア「いざ決戦ね」
並ぶ戦車。その数、400台。
戦車一台で、騎兵200機の能力がある。
残り、1600台は、倉庫に入っている。
騎士「バルトロメ伯爵!!」
敬礼する、騎士。
騎士「40機団体、揃いました」
快晴の空のもと、水平線に並ぶ、1200機。
お願いします、アラゴーさん!
アックスを立てると。
呪文を詠唱する、ドワーフ。
「悠久の時は、収束し、時間は、虚空の空間へと帰る」
「ストップ!!」
地平線には、積乱雲が浮かび、時計の盤面が浮かんだように見える。
ホライゾンラインと並行に走る、アントニオ。
並ぶ戦車の前を疾風のように、駆け抜ける。
先頭車両に、TNTを並べる。
吹き飛ぶ、キャタピラ。
「始まったぞー!!」
キューポラに、TNTを投げ込むアラゴー。
キューポラから、慌てて、逃げ出す、兵士。
爆発して吹き飛ぶ、砲塔。
アラゴー「ガハハ」
バルトロメが騎兵をつれて、次々と、城門をくぐる。
バルトロメの40機団体と、場内衛士。
その数、1200と3000
北門を除く、三門から、次々に流れ込む、バルトロメの騎兵。
騎士、衛士、近衛兵、入れ乱れ。
乱戦に。
スペクタクルアクション。
バルトロメ「カミロー!!」
カミロ侯爵「バルトロメ伯爵」
バルトロメ「私の留守中に、よくも、アリエル父王陛下をはめたなー!!」
カミロ侯爵「バレてしまっては、仕方ない!!」
剣抜く、カミロ侯爵。
カミロ侯爵「我、アルフォンソ=ペタ=カミロ、 お相手つかまつる」
バルトロメ伯爵「我、アベラルド=ピコ=バルトロメ いざ、尋常に」
カミロVSバルトロメ。
剣先で、牽制しあう、カミロとバルトロメ。
時折、突きを出しては、間合いをはかる。
駆けつけるアラゴーたち。
アラゴー「ああ、もう、あんななっとる!」
アラゴー「来い、カール!」
カール「OK!」
タルを横に置き、その上に板を置く。
板の後ろに立つ、アラゴー。
アラゴー「準備はオーケーじゃ!!」
カール「GO!」
回廊の上から、板の前に飛び降りる、カール。
擬音「ビヨーン」
飛ぶ、アラゴー。
アラゴー「わしの一撃をくらえ!!」
カミロ「うわああ!!」
アラゴーのアックスの一撃に、カミロの剣が弾け飛ぶ。
カール「先を急ごう!」
走る、カール。
エスオゴ城。王宮。
王室。
「来たぞー、レト!!」
レト「待っていたよ、カール!」
カール
「さあ、こい、勝負だ、レト!」
レト「僕は、白兵戦は、好みじゃないんだよ、っと」
振り向きざまに、デリンジャーを打ち込む、レト。
かわす、カール。
カール「卑怯な」
逃げるレト。
カール「待て!!」
場内、尖塔の螺旋階段を登る、レトとカール。
アーチをくぐる。
屋上まで、レトを、追い詰める、カール。
碧空の屋上。 真っ青な空。
飛行機がやってくる。
12機編隊で、直線滑空をして飛び、分かれる。
空を見上げる、アラゴー。
アラゴー「ありゃ、飛行機あったのね」
剣を抜く、レト。
カールVSレト。
突く、レト。
剣で、さばくカール。
つづけざまに、回し蹴りを入れる。
吹き飛ぶレト。
走るカール。
剣の一刀。
カールに剣を払われ、弾き飛ばされる、レトのつるぎ。
両手を前に出し、止まれと合図する、レト。
遅れて、駆けつける、アラゴーたち。
手元の、三角形のブロックが光る。
記憶の真相をたどる。
黒をバックに、レトと、カール。
光がレトとカールを包む。
「?!」
我に帰る、カール。
レト「?」
レト「強い剣士だね。負けたよ、カール」
「強い男がいないとダメなんだ!」
カール「同性愛者か‥」
レト「妻は自殺し、他界した」
カール「?!」
レト「カール、君も僕と、同じ運命をたどることになるぞ!」
カール「俺が!?」
アラゴー「待て、レト!!」
「おぬしの言動が、戦争を引き起こしたのじゃぞ」
「気はどうかしたのか?!」
レト「もうわからないんだ!!」
アラゴー「おぬし、記憶から逃げているだけじゃないのか?!」
「人間は、妻に先立たれた、苦しみさえ、記憶の一部として
「人間は、苦しみも、記憶の一部として、痛みが消えるまで、大切に覚えておく」
「それだから、人間なんじゃ」
レト「負けたよ、ドワーフ」
「おぬし、それだけか! 戦争を引き起こしたのだぞ」
レト「僕ではない。すべて、カミロの命令でやったまでのことだ」
アラゴー「バカモン!!」
怯えるレト。
レト「カール、カールお前は、どうなんだー!!」
カール「お、俺は‥」
「俺は、自分の過ちであっても、罪を認め、奥さんとの思い出を大切に一人生きる‥」
レト「!」
入ってくる憲兵隊。
憲兵に連れて行かれる、レト。
あまりの恐怖に、気が触れるレト。
「オモロ、オモロ、オモロ、オモロー」
偽王アリエルに、政権を先導され、国王アリエルは追放されていた。
カール王子の、戴冠式。
王座までのカーペットの両脇に、立つ、爵位家。
カールがカーペットを進むと、礼をする、バルトロメたち。
アリエル国王のもとへ行くと、冠を頂く、カール。
拍手する、爵位家。
カール「こうして、冠を頂いた、俺、コホン。私だが、エスオゴには、まだ、腰を下ろせない。また冒険へ旅立つ」
再び、王座へ戻る、アリエル国王。
アリエル国王「おいぼれは、末長く、待つとするか!」
「バルトロメを、侯爵に推薦する」
拍手喝さいの場内。
ミサハマの重鎮「ありがとうございました、アリエル国王」
もう一度、カールの手を取り、両手をあげる、アリエル国王。
拍手喝さいは、絶頂に。
Fin.
ミッションエンド。
キャスト
人間 カール=ザルツバーグ
エルフ ソフィア=ゴールドバーク
ドワーフ アラゴー=マブ=ライルデン アラゴー=ルイス
国王 アルフレド=エクサ=アリエル
伯爵 アベラルド=ピコ=バルトロメ
男爵 アルトゥロ=テラ=アントニオ
偽王 アルフレド=エクサ=レト
侯爵 アルフォンソ=ペタ=カミロ
ランド=ダデム。
白金の渚亭。
季節。初夏。
初夏のさわかやな風が、ブラインドウインドから、入ってくる。
室内は、白と黒のまだら模様。
カールの手元のティーカップも、時折、影に入る。
エディブ「とうとう出発するか」
「カールの坊ちゃんが、王の血族なんて、正直、ビビったぜ」
「ソフィア姫も、王家の血筋」
「もしや、アラゴーさんも?!」
アラゴー「いや、わしは、ただの年寄りじゃ」
エディブ「ホントに?!」
アラゴー「ガハハ」
カール「今回は気をつけないと」
「なんでかわからないけど、レトが王位についている」
ソフィア「たしかに」
ドグラス「軍事を、預かる、アルフォンソ=ペタ=カミロ侯爵の策略ではとみな考えています」
アラゴー「なるほど」
ドグラス「国民は、レト一色にそまり」
「場内衛士の士気もレトを信奉しております」
カール「みぶるいするな」
アラゴー「ガハハ。たしかに」
ドグラス「まず、エスオゴに着いたら、私の主人。アベラルド=ピコ=バルトロメ伯爵に会ってください」
「伯爵は、まだ、使える部下が、数多くおりますので。」
カール「ふぅー」
ソフィア「いつもの通り、装備を固めて」
一同「さあ、行くか!!」
かくして、冒険の旅に出発する、一行。
果たして、どうなることやら。
ミッションスタート
キャスト
人間 カール=ザルツバーグ
エルフ ソフィア=ゴールドバーク
ドワーフ アラゴー=マブ=ライルデン アラゴー=ルイス
国王 アルフレド=エクサ=アリエル
伯爵 アベラルド=ピコ=バルトロメ
男爵 アルトゥロ=テラ=アントニオ
偽王 アルフレド=エクサ=レト
侯爵 アルフォンソ=ペタ=カミロ
ソフィア「ここが城塞都市エスオゴね」
カール「ふぅー久しぶりに帰った」
巨大な城壁に囲まれた街。
街は、オレンジの屋根に、白い壁といった、古風な作りになっている。
エスオゴに戻る、カール一行。
帰り着くと、青い、シルクの洋服に身を包んだ、騎士が出迎える。
ドグラス「ただいま、戻りました、バルトロメ伯爵」
バルトロメ「よくやった、ドグラス!。入れ違いで、レトの密使も帰ってきたぞ!!」
バルトロメ「初めまして、爵位。伯爵。アベラルド=ピコ=バルトロメと申します」
「お待ちしておりました。カール王子」
カール「ハハハッ。 王子?だって」
バルトロメ「カール様のお住まいは、たしかに23番地区。老夫婦もご健在だと」
カール「そうだよ」
「久しぶりに、爺ちゃんと、ばあちゃんの顔をみるか」
ソフィア「フフフ」
アラゴー「ガハハ」
家にたどり着く、カール一行。
カール「帰ったぞー」
レット爺「カール」
カールは老夫婦を抱きしめる。
年老いた、養父と養母。レット老夫婦。
「なんで、あの時、逃げたんじゃ?!」
「アリエル国王が、あなたの、父になるんじゃ」
カール「!?」
「どうして、早く、言ってくれなかったんだ!」
「友達とも、急に疎遠になってくるし」
レット爺「すまんかった」
レット爺「それがな、カール。お前にと、アリエル国王から預かったいた、宝剣があったんじゃが、
わしらが留守にしている時に、誰かに盗まれての」
「アリエル国王が、宝剣を持って、王宮まで、来てくれと、言付けが」
「これが、その手紙じゃ」
バルトロメ「レトか、カミロだな」
レット爺「たいそう、高価な宝剣じゃったので、なくなったのを知られると、わしが打ち首になるかもしれんと思って」
バルトロメ「まだ、話していなかったと」
「たぶん、宝剣は、偽帝アリエル国王がもっています」
「諦めましょう」
レット爺「そうですか」
「わしは、命拾いした訳ですな」
バルトロメはクスリと笑う。
バルトロメ「それでは、父王、アリエル国王陛下のもとに、ご案内しましょう!!」
口バザール
粗末なバラック。
バザールに近づくにつれ、浮き足立つ、アラゴー。
カール「アラゴー?! どうしたんだ?」
アラゴー「いや、数十年ぶりに、旧友にあえるかと思って」
カール「?」
粗末はバラックまで行くと。
そこには、両目を病んだ、アリエル国王が。
抱きつく、アラゴー。
「わしは、だーれーじゃ。アリエル国王陛下」
アリエル国王「よし」
「声に聞き覚えあるぞ」
顔を近づける、アラゴーの顔を、手で探る、アリエル国王。
アリエル国王「む、これは、ドワーフ」
「この鼻に、りっぱなヒゲは」
「たしか、どこかで‥」
「あ」
「アラゴー=ルイス将軍」
「兵器品評会の時、ご一緒した」
アラゴー「あたり」
「ご機嫌麗しゅう、陛下」
アリエル国王「ハハハ、まさか、カールと一緒とは」
アラゴー「品評会で、お酒の回った席で、うっかり、実子がいると漏らしましたな」
アリエル国王「あの時は、大変失礼いたしました」
アラゴー「年寄りの遊びで、カールを密かに、探し当て、一緒にパーティーを組んでいた始末ですわ」
アリエル国王「それは、それは、ありがとうございます」
アラゴー「ガハハ」
アリエル国王「あの時は、各国が、ロードを引くという、大規模なインフラの話になりまして」
「我が、エスオゴは、万が一の事態に備え、貴公の国、ガルツザルドからタンクを購入する話に、あいなった訳です」
「タンク、2000台、ありがとうございました」
アラゴー「こちらこそ、売れるとは思ってもみなんだんで」
アリエル国王「いやいや、それにしても」
アラゴー「懐かしい」
カール「!?」
カール「えーー、ってことは、いままで、俺の査察に?!」
アラゴー「うむ。そういうことになる」
カール「初めて知った」
ソフィア「どうりで、アラゴーが、カールに肩入れすると思ってたわ」
アラゴー「ガハハ」
「わしらは、エルフと違って、寿命が短いんじゃ」
「アラゴールイス、ガルツザルド第56代、ジェネラル。人呼んで、碧雲のアラゴー」
拍手する、アリエル国王。
バルトロメ「それでは、カール王子。こちらへ」
カールが15の立志式に、一度、会ったことのある、国王。
その頃の国王は、壮麗で、強く、威厳に満ちていた。
どことなく、面影が似ていたのを、冗談がてらに、覚えていたことがある。
アリエル国王「カール、会いたかった、我が息子」
「顔を見せてくれ」
もう、目の見えそうにない、国王は、両目を涙で濡らしながら、震える手でカールの顔を触る。
カール「おやじ‥?」
アリエル国王「カール、着いてこい」
一人歩いて行く、国王に、着いて行く、冒険者一行と、バルトロメたち。
口ジギラビリンス
四方20kmの巨大な、迷宮。
足音以外、静寂に包まれた、恐ろしいほど巨大な迷宮。
カール「だれが、こんな建造物を‥」
アリエル国王「戦前からあったんじゃ」
ラビリンスに、入っていく、冒険者一行。
アリエル国王「本当は触れたくはなかったんじゃが」
「わしも、国王在籍中、無茶なことをしておったんじゃ」
「情報画策犯を、フェンダール城に、強制隔離しておったんじゃ」
「その数、数千」
「各国との交渉との手前もあって」
開く城門。
巨大な城門は、軋みながら、開く。
白骨死体とお墓。
アリエル国王「国を治めると言うことは、汚いことにも手を染める場合もある」
「若かりし、頃は、強靭だった肉体も、いまは、ほれ」
カール「おやじ‥」
各国より、早く、ロケット発射台を備えていた、エスオゴ。
非戦の時代になり、スペースアクシオムの旅行用、ロケットも良いと考えていた。
が、各国の経済界から、追い出された、エスオゴ。
金融封鎖で、多額の借金を負ってしまう。
若かりし時は、体力で、乗り切っていたアリエル国王も、時とともに、重圧に苦しみだした。
非戦を願っての、軍事歴史博物館など、国費の多くを費やしたが、徒労に終わる。
知らなかった、王、父の苦しみ。
戻らない、両目。
心の中に、なにかが、芽生える。
首をふる、カール。
アリエル国王「カール!?」
「よかった、カール、お前に出会えて」
「聞かせてくれ、お前は、冒険をつづけ、この先どうしたいのだ?」
カール「俺は、一介の冒険者だ」
「冒険で、貯めたお金で、ささやかでも良い、小さな家を一軒立てたい」
「できることなら、ソフィアと結婚して、子供を産み、ささやかに、暮らしたい」
キョトンとするソフィア。
アリエル国王「ソフィアと?」
笑う国王。
アリエル国王「カール、TVは見ていないのか?」
カール「 TVって、最近、エディブがやっと購入したばかりの」
アリエル国王「ハハハ」
「私は、ランド=マヨイへ視察旅行へ行った時、乗ったのだよ、自動4輪に」
「いいもんだぞ、ビューっと」
カール「ああ!、夢のロードカー」
アリエル国王「今は、売り出したばかりで、高いが、新婚祝いに、買わないと」
鼻をこする、カール。
カールの、手を強く、握りしめてくる、国王。
アリエル国王「カール」
カール「と、父さん」
涙が、溢れてくる。
カール「わかった、父さん。仇はとる」
アリエル国王「カール!」
アリエル国王「息子をよろしくお願いします」
ソフィアに礼をする、国王。
キョトンとする、ソフィア。
口バザール
小さな農園
帰ってくる、アリエル国王は、バラックの側の、小さな農園に、みなを連れてくる。
アリエル国王「一人で、試行錯誤の末、作り始めた、この小さな農園」
「エルフのセッシェルさんに手伝ってもらっての」
「なんとか、作物が出来ているところじゃ」
エルフ「初めまして、カール坊ちゃん。カイ=コーレ=セッシェルと申します」
カール「初めまして。いつも、父をありがとうございます」
アリエル国王「カール。こちらに、来てみ」
着いて行く、カール。
そこには、葡萄農園が。
アリエル国王「どうじゃ、すごいじゃろ」
手で葡萄の房を触る、アリエル国王。
アリエル国王「粒の大きい房を作るのがコツじゃ」
「目が見えにくいわしには、ようやっとでの」
「カール、ここで言うのはなんじゃが、葡萄は美味いぞ」
「復讐はやめて、小さいが、この農園を継がんか?」
カール「いや、まだ、冒険を続けたいと思う」
アリエル国王「そうか‥」
コーレ「カール、お父さん、ああ言っているぞ」
「命あっての種ものですし」
「お父さんと、いつまでも、この農園で、待ってるぞ」
アリエル国王「カールに会って、生きる元気が出て来た」
「時には、タネ入り葡萄でも作ってみようかの」
ソフィア「フフフ」
コーレ「ハハハ」
所は変わって、ランド=エスオゴ。
エスオゴ城。
王室。
ランド=ミサハマの視察に行って、帰る、レト。
一人、考える、レト。
フラワーレイス。商店の版権をもつ、隣国ランド=ミサハマ。
経済界。金融界の、ランド=ゴードーとも、親交が厚い。
レトは、ミサハマに、交渉に出向くが、断られる。
ミサハマは、情報網が厚く、ヒッピー上がりの新国王になにができると、突き返されてしまう。
素性のばれるレト。
恐怖に震える。
カミロ侯爵に、言うレト。
「隣国、ミサハマは、吹く風もとまる程、裕福」
エスオゴ城
別室。
机前。頭を両手で抱え、椅子に座るレト。
やってくるカミロ侯爵。
レトは、立ち上がると、つっかかるように、カミロのもとへ行く。
カミロ侯爵「どうした? レト」
レト「カミロ侯爵、お話があります」
「我が国には、ガルツザルドから購入した、タンクがあるでしょう」
カミロ侯爵「うむ。道路交通防衛用の」
レト「せっかく、大量にタンクがあると言うのにどうしたのですか?」
カミロ侯爵「もしやレト?!」
レト「そうです、力で、奪い取りましょう」
カミロ侯爵「!!」
カミロ侯爵「よく、言った」
「それでこそ、国王」
戦時放送
街灯、冒険者の宿、いたるところのTV。
レト「我、アルフレド=エクサ=アリエル」
「これから、ランド=ミサハマに、進軍し、ポリスを奪う!!」
注)ポリス。 ランド=ミサハマの学園都市。過去の世界からある、スーパーコンピューターがある。
レト「我、アルフレド=エクサ=アリエル」
「これから、ランド=ミサハマに、進軍し、ポリスを奪う!!」
放送は、何重にもなっている。
ざわめく、国民たち。
「冗談だろ!?」
「でも、ポリスから追い出された俺たち」
「ポリスが手に入ることになったら」
「こんな暮らしとは、おさらばだー!!」
「バカ、やめろ!」
「いいぞ!! アリエル国王」
「カッコいいー」
「ヒャッハー!!」
ざわめく国民たち。
ランド=エスオゴ
冒険者の宿。
紅の南風亭。
くつろぎながら、食事をとっているアリエル国王と、冒険者一行。
TVから、臨時政権放送が流れる。
レト「我、アルフレド=エクサ=アリエル」
「これから、ランド=ミサハマに、進軍し、ポリスを奪う!!」
「我が国がほこる、鉄機戦団を使う」
仰天する、冒険者一行。
アリエル国王「バカめ、戦争に踏み切るだと」
「タンクは、道路交通防衛のため、購入しただけじゃぞ」
バルトロメ「タンクを戦争に使うだと」
アラゴー「いかん、いかんぞー、タンクは!」
人が変わったように、壇上で、叫ぶレトを見るカール。
カール「あんなだったかな?!」
ソフィア「大変なことになったわね」
冒険者の宿に、突入してくる、憲兵隊。
「バルトロメー、捕獲に参った!!」
剣、武器を抜く、冒険者一行。
怯えるマスター。
マスター「まだ、ローンが残っているんですー!!」
憲兵隊VS冒険者
バルトロメ、冒険者は、ことごとく、憲兵隊をうち倒していく。
アントニオ「手におえん。場所を変えよう!!」
紅の南風亭を、後にする、冒険者一行。
バルトロメ「ひとまず、バラックへ」
走りながら、アラゴー。
アラゴー「あれをやるか?!」
カール「TNT?!」
笑う、バルトロメ。
アラゴー「爆薬、詰めるだけ持っていけ」
口英雄集結。
碧雲のアラゴー。蒼海のバルトロメ、飛天のアントニオ、仰夏のカール。爽風のソフィア。
季節は、夏。 時は、早朝。
爽夏の空のもと。集まる、5人。
ソフィア「いざ決戦ね」
並ぶ戦車。その数、400台。
戦車一台で、騎兵200機の能力がある。
残り、1600台は、倉庫に入っている。
騎士「バルトロメ伯爵!!」
敬礼する、騎士。
騎士「40機団体、揃いました」
快晴の空のもと、水平線に並ぶ、1200機。
お願いします、アラゴーさん!
アックスを立てると。
呪文を詠唱する、ドワーフ。
「悠久の時は、収束し、時間は、虚空の空間へと帰る」
「ストップ!!」
地平線には、積乱雲が浮かび、時計の盤面が浮かんだように見える。
ホライゾンラインと並行に走る、アントニオ。
並ぶ戦車の前を疾風のように、駆け抜ける。
先頭車両に、TNTを並べる。
吹き飛ぶ、キャタピラ。
「始まったぞー!!」
キューポラに、TNTを投げ込むアラゴー。
キューポラから、慌てて、逃げ出す、兵士。
爆発して吹き飛ぶ、砲塔。
アラゴー「ガハハ」
バルトロメが騎兵をつれて、次々と、城門をくぐる。
バルトロメの40機団体と、場内衛士。
その数、1200と3000
北門を除く、三門から、次々に流れ込む、バルトロメの騎兵。
騎士、衛士、近衛兵、入れ乱れ。
乱戦に。
スペクタクルアクション。
バルトロメ「カミロー!!」
カミロ侯爵「バルトロメ伯爵」
バルトロメ「私の留守中に、よくも、アリエル父王陛下をはめたなー!!」
カミロ侯爵「バレてしまっては、仕方ない!!」
剣抜く、カミロ侯爵。
カミロ侯爵「我、アルフォンソ=ペタ=カミロ、 お相手つかまつる」
バルトロメ伯爵「我、アベラルド=ピコ=バルトロメ いざ、尋常に」
カミロVSバルトロメ。
剣先で、牽制しあう、カミロとバルトロメ。
時折、突きを出しては、間合いをはかる。
駆けつけるアラゴーたち。
アラゴー「ああ、もう、あんななっとる!」
アラゴー「来い、カール!」
カール「OK!」
タルを横に置き、その上に板を置く。
板の後ろに立つ、アラゴー。
アラゴー「準備はオーケーじゃ!!」
カール「GO!」
回廊の上から、板の前に飛び降りる、カール。
擬音「ビヨーン」
飛ぶ、アラゴー。
アラゴー「わしの一撃をくらえ!!」
カミロ「うわああ!!」
アラゴーのアックスの一撃に、カミロの剣が弾け飛ぶ。
カール「先を急ごう!」
走る、カール。
エスオゴ城。王宮。
王室。
「来たぞー、レト!!」
レト「待っていたよ、カール!」
カール
「さあ、こい、勝負だ、レト!」
レト「僕は、白兵戦は、好みじゃないんだよ、っと」
振り向きざまに、デリンジャーを打ち込む、レト。
かわす、カール。
カール「卑怯な」
逃げるレト。
カール「待て!!」
場内、尖塔の螺旋階段を登る、レトとカール。
アーチをくぐる。
屋上まで、レトを、追い詰める、カール。
碧空の屋上。 真っ青な空。
飛行機がやってくる。
12機編隊で、直線滑空をして飛び、分かれる。
空を見上げる、アラゴー。
アラゴー「ありゃ、飛行機あったのね」
剣を抜く、レト。
カールVSレト。
突く、レト。
剣で、さばくカール。
つづけざまに、回し蹴りを入れる。
吹き飛ぶレト。
走るカール。
剣の一刀。
カールに剣を払われ、弾き飛ばされる、レトのつるぎ。
両手を前に出し、止まれと合図する、レト。
遅れて、駆けつける、アラゴーたち。
手元の、三角形のブロックが光る。
記憶の真相をたどる。
黒をバックに、レトと、カール。
光がレトとカールを包む。
「?!」
我に帰る、カール。
レト「?」
レト「強い剣士だね。負けたよ、カール」
「強い男がいないとダメなんだ!」
カール「同性愛者か‥」
レト「妻は自殺し、他界した」
カール「?!」
レト「カール、君も僕と、同じ運命をたどることになるぞ!」
カール「俺が!?」
アラゴー「待て、レト!!」
「おぬしの言動が、戦争を引き起こしたのじゃぞ」
「気はどうかしたのか?!」
レト「もうわからないんだ!!」
アラゴー「おぬし、記憶から逃げているだけじゃないのか?!」
「人間は、妻に先立たれた、苦しみさえ、記憶の一部として
「人間は、苦しみも、記憶の一部として、痛みが消えるまで、大切に覚えておく」
「それだから、人間なんじゃ」
レト「負けたよ、ドワーフ」
「おぬし、それだけか! 戦争を引き起こしたのだぞ」
レト「僕ではない。すべて、カミロの命令でやったまでのことだ」
アラゴー「バカモン!!」
怯えるレト。
レト「カール、カールお前は、どうなんだー!!」
カール「お、俺は‥」
「俺は、自分の過ちであっても、罪を認め、奥さんとの思い出を大切に一人生きる‥」
レト「!」
入ってくる憲兵隊。
憲兵に連れて行かれる、レト。
あまりの恐怖に、気が触れるレト。
「オモロ、オモロ、オモロ、オモロー」
偽王アリエルに、政権を先導され、国王アリエルは追放されていた。
カール王子の、戴冠式。
王座までのカーペットの両脇に、立つ、爵位家。
カールがカーペットを進むと、礼をする、バルトロメたち。
アリエル国王のもとへ行くと、冠を頂く、カール。
拍手する、爵位家。
カール「こうして、冠を頂いた、俺、コホン。私だが、エスオゴには、まだ、腰を下ろせない。また冒険へ旅立つ」
再び、王座へ戻る、アリエル国王。
アリエル国王「おいぼれは、末長く、待つとするか!」
「バルトロメを、侯爵に推薦する」
拍手喝さいの場内。
ミサハマの重鎮「ありがとうございました、アリエル国王」
もう一度、カールの手を取り、両手をあげる、アリエル国王。
拍手喝さいは、絶頂に。
Fin.
ミッションエンド。
キャスト
人間 カール=ザルツバーグ
エルフ ソフィア=ゴールドバーク
ドワーフ アラゴー=マブ=ライルデン アラゴー=ルイス
国王 アルフレド=エクサ=アリエル
伯爵 アベラルド=ピコ=バルトロメ
男爵 アルトゥロ=テラ=アントニオ
偽王 アルフレド=エクサ=レト
侯爵 アルフォンソ=ペタ=カミロ
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