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王城潜入

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口王城、潜入




ランド=ダデム
白金の渚亭。昼下がり。
今日は、慌ただしく食事をとっている、エルフとドワーフ。
マスター=ダッド「ヒュー、見違えたぜ!!」
階段から、ぎこちなく、お古のタキシードを着て恥ずかしそうに降りてくるカール。
カール「お待たせ!」
ドワーフ「孫にも衣装とはこのことじゃ」
エルフ「プッ」
ドワーフ「用意はしてある」
カール「えっ? いつもの普段着じゃ」
エルフ「私たちは、王宮で、晩餐会前にあわせて着替えるわ」
ドワーフ「ふぅ~む~」
ドワーフ「では行こうか」
エルフ「OK」
カール「‥」



キャスト
人間    カール=ザルツバーグ
エルフ   ソフィア=ゴールドバーク
ドワーフ  アラゴー=マブ=ライルデン

ミッションスタート



山のような人だかりで、大勢の警備の兵士が出向している。
かき分けて進む冒険者たち。

王城。夜。城門。
ドワーフ「ふぅーどうやら着いたぞい」
並ぶ客品の列に、近衛兵が、招待状をあづかっている。
サインを書く、貴賓席の客。
エルフ「サインね」
サインを流麗に書くエルフ。
サインを書く、カール。
サインをグーで書く、ドワーフ。
近衛兵の横の接客係が言う。
「一人、一室用意してます。お着替えも用意しております」
「いいわね」
「グーぞい」
「着てくんじゃなかった‥」




南にバルコニーのついた、綺麗な部屋に通される。
ベットと、テーブル、ソファが置いてある。
「綺麗な部屋ね」
「わしもじゃ」
「俺も」
エルフの部屋に集まる、3人。
接客係が、また時間がきたらお邪魔しますと言って去っていく。
ドアを閉める。
声をひそめるカール。
「姫様、軟禁されているのかな?」
「それにしても、ファナ姫。結婚を破断にしてくれとか」
「アシュリー姫には、舞踏会前に、一度、お会いしたいわね」
「うむ」
「警備は厳重」
「うむ」
「無理だぁ」
「そうね」
時間は刻々とすぎていく。
結論のでない、討論。
「一息つきましょう」
「テーブルに置いてある紅茶を、ポットからティーカップに注ぐ、エルフ」
「いい香り」
「最高級の茶葉じゃな」
「ふぅ~」
「他に打つ手がない、さっきの執事が言っていた通り、時間まで待つか」
「うーん」
「しかたないわね」
部屋に戻り、しばし休む、冒険者たち。



ルクス城。夜。
尖塔をバックに、薄雲のかかった月が見える。
尖塔の明かりから見えるバルコニー。
あたたかい光に、照らされている。
「姫さま、休んでいるかしら」
「どうしたんじゃ、エルフ」
「結婚、決心、迷っていたんじゃないかって」
「あと、久々の、お城だから」
夜風になびく、黄金の髪。
夜風に吹かれながら、しばし、尖塔のあかりを見る二人。
「やっぱり、あたたかいわね」
「そりゃ、お金があるもん」
「それも、そうね」
笑うエルフ。


照明のついた、明るい部屋に戻ると、
ライトパステル、エメラルドの装飾を施した、豪華なドレスが置いてある。
「綺麗ね」
髪を結い上げ、コルセットをつけるエルフ。
「いいわね」
見違えるように、美しくなるエルフ。
隣の部屋
タキシードを着込むドワーフ。
「やぶれそうじゃぞい」
擬音「ビリッ」
「うおっ!」
右袖の付け根あたりが、少し破ける。
「安物かの?!」
「借り物じゃから、内緒にしとこ」

「食事の準備は整いました」
「まもなく、開演の時間ですよ。ソフィア、カール、アラゴーさん」

早速、会場へ向かう、3人。
会はもう、始まっている。
遅れて、席に通される、3人。
「ここか」
「ちょっとよく見えないわね」
「すごいご馳走」

壇上で、ルクス王が、なにやら演説をしている。
「ルートルード公は、本日も欠席。体を壊す前に、一度、御目通りした後、消息不明。
大切な日に、どうしたものやら」
笑う会場内。
「本日は、ランド=ダデム、我がルクス城へお越しいただき、誠にありがとう」
「あとは、司会に任せますので」
退席する、ルクス王。


司会「ミシュトランとダデムの100年、メープルウォー休戦期の良き式日」
「本日は、ご列席くださり、誠に、感謝。謝意の限りもありません」
「式の進行は、お食事、舞踏会、演奏会の順になっています」
「お食事は、ソムリエに、食前、食後、ワインをお申しください」
「フルコースです」
0.ウォーター
1.オードブル(前菜)
2.スープ。またはコンソメ。
3.魚
4.口直しの、ポタージュなどのスープ。今日では、牛肉。
5.ロースト。鶏、鴨、七面鳥のロースト。
6.サラダ。
7.口直しのアイス。
8.デザート。フルーツなど。
9.コーヒー。
「の順になっております」
「お手洗いは、係のものに言いください」

「舞踏会のルールは、立食式で」
1.挨拶をする。
2.名前を述べる。
3.社交辞令を述べる。
4.食事を取り分ける。
5.お話をする。
6.ダンスをする。
「くれぐれも、お怪我のないように」
「最後の演奏会も、立食になっておりますので、お自由に」
「以上です」
拍手喝采が起こる。
「それでは、起席から、順次紹介申し上げます」
「ランド、ミシュトラン」
「アルフォンス=ミシュトラン=アルセルム国王陛下」
軽く会釈する国王。
拍手喝采が起こる。
ルーカス=アンガスター伯爵。
膝を少し、屈める、伯爵。
拍手喝采が起こる。
順次、紹介が始まる。
オウゲスト=マローリ男爵

ゴードーから
レイモンド=ギル侯爵
ドンディック=フランクリン侯爵
ハロルド=ゴードン伯爵
ジュシュア=エルマー司祭
ジェイ=バーナード

ソルメーヌから
ダーグ=エルランド侯爵
バルブロ=グスタフ男爵

リサから
ヘルゲ=トピアス伯爵

ランオイから
ステファン=ヴァレンティン子爵

ソホンから
タグ=オズワルド伯爵

ダデム
エドガー=ルクス国王
エドガー=レメディオス女王
○プリンセス=シエラ
○プリンセス=エレラ
○プリンセス=シラー
○プリンセス=リシェ
○プリンセス=ファナ
ルートルード=ドゲッテ公爵
マクシミリアン=リケス侯爵
オウゲスト=ダリア=リケス侯爵夫人
ゲペリ=ファザード伯爵
ルートルード=ハルバード伯爵
ルートルード=テイルゴット男爵
マキシム=マクシモフ子爵 
ユーハン=フリーベリ子爵 
○プリンセス=モルガン
◯プリンセス=アシュリー

○ダデム。レナード神父




「それでは、ごゆるりと、お食事をどうぞ」

「これはなんじゃ?」
ナプキンです。
首からかける、冒険者たち。
「なにごともないじゃろ」
ミネラルウォーターで、口をくゆらす冒険者。
「美味しい水」
「ホントだ」
前菜、スープとこなしていく冒険者たち。
スープを飲み干す、ドワーフ。
「もう一杯」
エスカルゴをフォークで、突き刺すドワーフ。
エスカルゴが飛んでいく。
執事の頭にあたる。
「ありゃ」
「なにくそ」
夢中で、エスカルゴと格闘するドワーフ。
ポーン
ポーン
キャッチする執事。
「もっと、他の食べ物はないのか」
「はい、少々、お待ちを」
フィッシュが配られてくる。
「なんじゃ、魚かぁ」
スープが配られてくる。
「また、スープか。さっき頼んじゃった」
子牛のフィレが配られてくる。
「これを待っとたんじゃ」
ナイフとフォークで切り分けて食べる冒険者。
次々と食べる冒険者。
食後のコーヒーで一服する。
「割と、満足じゃったぞい」
「次は、立食パーティーと舞踏会か」


食事会が終わると、楽団が音楽をかえる。
テーブルをすこし、たたむ、近衛兵。

パーティー会場は、バラとシミに分かれる。
楽団のリズムに合わせて、踊り出す、来客たち。

ダンスをしているドワーフ。
回転してこけている。

「ご機嫌よう、ソフィア」
プリンセス=ファナが、手招きしている。
「お姫様」
「プリンセス=アシュリーと話せないかしら」
「今は、無理よ」
「それより、一曲いかがですか?」
「ご機嫌よう、お姫様」
手を差し伸べるファナ。
軽くおじぎするエルフ。
エルフはファナの手を取ると、円を描くようステップする。
ダンスを踊り始める。
「上手いわね」

壇上から、見ているレメディオス女王。
壇上から降りてくる。
頭をさげる、プリンセス=ファナ。
「我も踊ってみたいぞ」
「レメディオス女王陛下」
「名は、なんと言う?」
「ソフィア、ソフィア=ゴールドバーク」
「お手柔らかにお願いします、女王陛下」
女王のリードにフォローするエルフ。
「できるか?」
リードにうつるソフィア。
ステップ、ターン、ターン、ステップ。
曲目が終わる。
握手する二人。



エルフ「美味しいお酒」
女王「シェリー酒ね」

食べ物をいっぱい頬張っているドワーフ。
ドワーフ「女王陛下、ご機嫌麗しゅう」
女王「ドワーフか」
「よきにはからえ」

ドワーフ、食事に戻る。
「堅苦しい、食事では、腹に入らんかった」
「食いなおそう」
カール「それより、依頼、依頼」

カール「それで、どうする?」
ドワーフ「どうも、こうも、なかろう」
「ダデムは軍事を進めたいらしいのじゃから、紙幣のゴードーの侯爵に話をつけて、コネをつくってみる」
カール「ええー!? そんな、上役と?」
ドワーフ「まあ、まかしてみろ!」
遅れてくるエルフ。
エルフ「私は、アシュリーの実の父、マローリ伯爵と話をしてみたいわ」
「そうだよね。リケス侯爵のミシュトランからの奥さんの子供だったらしいから」
カール「俺はどうしよう」
ドワーフ「テイルゴットでも見張っとけ!」
カール「ああ」

パーティーもしばらく進むと、カールに女性から、ダンスの誘いがくる。
断りきれず、承諾するカール。
照れながら、楽しそうにダンスを踊る、カール。

遠目に見るドワーフ。
「うまく、やりおって、全く」
「では、侯爵、ダデムは次々に最新の兵器を購入したいとか」
侯爵「兵器にはきりがありませんから」
「エスオゴに聞かなければなりません」
「各国で、ダデムは、昔ながら、の軍備でいてほしいと要請しているのです」
ドワーフ「それで、ありっ、テイルゴットは誰と話しているんだ?」
侯爵「ハハハッ テイルゴット君か」
「んっ?」


レトに、剣を見せてほしい。とテイルゴット。
テーブルから、大きな花瓶が落ちて割れる。
擬音「ガシャーーン」
テイルゴット「ぐわぁーいたい、何をするんだ?」
広間の、諸公貴族が、おどろいて見る。
驚いて剣を抜く、レト。
手を押さえながら、剣を抜くテイルゴット。
焦るレトに、鋭い突きをくりだすテイルゴット。
さばく、レト。
剣の切っ先の音が、広間に鳴り響く。
貴賓席の方が、悲鳴をあげる。
「人殺しー」
ざわめく、場内。
レトとテイルゴットの剣劇。
場内の貴賓席の方は大混乱。
「なにをやっている!」
テイルゴットに、助太刀するルクス王。
レト、渾身の一撃。
するどい突きに、ひるむテイルゴット。
逃げるレト。
階段で、守る衛兵を一瞥すると、身を翻してバルコニーの方に。
道をあける、貴賓席の方。
バルコニーから、飛び降りるレト。
拍手をする。貴賓席の方々。
何事もなかったのように、食事、舞踏にもどる、諸公の貴族。


ルクス王「何奴だ」
「出席証をさがしてこい」

テイルゴット「レトだ」
「レトと言う剣士に、してやられた。あんな卑怯なやつだとはー」
ドワーフ「策士ですぞーー!!」
ビクっとするテイルゴット。
女王「!?」
ドワーフ「あなたが、剣を差し向けるよう、策をしたのを見た」
ギル侯爵「わたしもです」
ルクス王「レイモンド=ギル侯爵」

ルクス王「テイルゴット!!」

テイルゴット「そうだよ、俺がやったんだ」

ルクス王「馬鹿者!、各国から、大使がきているのに
「今日、お前の、婚姻発表をしようとしたが、取りやめだ!!」
「厳戒処分に関して、自宅謹慎を命ずる!!」
テイルゴット「ちぇっ」


司会「お騒がせして、すみませんでした」
「もうすぐ、演奏会が始まります」
「演奏会が始まります」
「しばし、御談楽を」

和やかな場に戻る、会場。

バルコニーで夜風に吹かれながら、シェリー酒を飲んでいるエルフ。
やってくるカールとドワーフ。
「よっこらしょっと」
「なんだか、決着ついたみたいだね」
「お主が、見とらんから」
「挙式発表のびたみたいね」
プリンセス=ファナがやってくる。
「ありがとうございます」
「いえ、僕たちはなにも」
「いいんじゃ、いいんじゃ」
「それにしても、宮中で決闘」
「あれが、レトか‥」
「アシュリーもありがとうって」
「姫様も、そうとう気苦労されたじゃろ」
「そうね」
「小切手渡しとくわ」
「いえ、今は、そんな、ありがたく、頂戴しますじゃ」
笑うプリンセスと冒険者たち。
月夜をバックに尖塔。
夜は更けていく。







ミッションクリア
40000Gの小切手。









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