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オーク・ザ・ダンジョン

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口004オーク・ザ・ダンジョン

ランド=ダデム
白金の渚亭。昼下がり。
約束の期日まで、あと9日。

酒場で、のんびりとしている冒険者に、声をかけてくるマスター。
マスター=ダッド。「ミッション、オークダンジョンだったな。ほれ、これが地図だ。」
「儲かったら、1割、ギルドに預けること」
「あと、ダンジョンは、装備を固めておかないと、生きては帰れないぞ。」
マスター曰く「ロープ、マッチ、ロウソク、ランタン、縄ばしご、ちょっと難しいが火打ち石。あと水に食料、ピッケルかな」
「草原の草焼き用に使える、虫眼鏡は、なんのことやらわからないが、ダンジョンでも使えるらしい」
「なるべく、フルプレートなどやめて、レザーアーマーとかの方がいいかな。」
「軽装がベストだな」
「装備はしっかり買っておく」

マスターに言われたように、各自、装備を話し合って購入する冒険者達。
装備を購入し終わったら、早速、冒険に出発する。


デビルズヒル=ヤパベルの手前の高陵地。積乱雲は連なっている。
季節は夏。照りつく暑さだ。
高陵地をしばらく歩くと、湿地帯を抜けて、密林に入る。
密林は、深く、太陽の光がまばらに差す。聞いたことのない鳥の鳴き声がこだまする。
葦のような雑草を、クックリで、なぎ払いながら進むと、ひときわ開けた砂地にでる。
渓流が現れる。
川のせせらぎを聞きながら、渓流沿いに、しばらく進むと、
切り立った崖の中程に、直径5メートルはあろうかという、巨大な洞穴が見えてくる。

「わりと高いな」
「10メートルはありますね」
「登るか」

購入してきた、ピッケルで足場を探しながら、ロープを張る冒険者達。
上まで登ると、荷物をロープで、引き上げる。

「ふぅ」

洞穴に入って、しばらく進むと、中程に大きな扉がある。
薄暗いので、松明を灯す冒険者達。
すると、石壁には、古代語で何か書いてある。
エルフ「マスター。言語、知覚ロール」
ロール成功。
明かりを灯して Light a lamp  と描いてある。
「なに、古代語で、書いてある。えーと明かりを灯して、」
「松明なら灯しておるじゃないか?」
「ライト ア ランプ?」
古びた音をたて、扉は開く。


中に入ると、松明の明かりの薄暗がりの中、川のせせらぎの音が聞こえてくる。
「地下水?」
みると、地下へ続く、深い穴が空き、水が湧き出している。
「どうする?」
「川の流れの方、進もう」
冒険者一行は、しばらく進む。
すると、10メートルはある、一本橋が。
「気をつけて進むか」
そろり、そろりと、一本橋を進む、冒険者たち。
「うわぁ」
「なんダァ」
一本橋を中程まで渡ると、吸血バットが頭上から襲ってくる。
「こなくそ」
「ホーリーライト」
バッシャーン
川に落ちるドワーフ。
「わ、わしは、トンカチなんじゃー!」
「人生、天、落馬の如しーーブクブクブク」
荷物をエルフに渡すと、川に飛び込む、人間。
バシャン。

地下道。岸。
たきぎに服をくべて、服を乾かす、冒険者達。
「とんだ目にあったわい」
「それにしても、借りができてしまったの」
「ハハハ」
川のせせらぎ以外、何も聞こえない、空洞内。
「気味が悪いわね。本当にこんな所に、オークが住んでいるのかしら」
マスター観察ロール。
許可。
人間は、観察ロールをする。成功。
すると、洞窟の空洞の奥に、2つの通路を見つける。
人間「どうやら、通路があるぞ」
ドワーフ「ひとまず、休んだし、行ってみるか」

「さて、2つの通路、一つはトラップかな?」
マスター、ロウソクをつけて、技能「風読み」使います。
ロール 成功。
すると、右の通路から、かすかに風が漏れている。
「よし、こっちにしよう!」

右の通路をしばらく進むと、かすかに明かりが見えてくる。
松明を消す、冒険者。
「明かりを頼りに行こう」
足音を立てずに進むと、ダンジョン深部。
ひときわ大きい空洞を、階下に見下ろす形で、オークのアジトを見つける。
アジトは、壁面に、かがり火をつけているので、明るい。

観察ロール。
成功。
そこには、顔がブタ。口からは、2本の長い牙が下から突き出している。
体は白く、ぽっちゃりとしていて、腹は出ている。
体躯は、1メートル60~2メートル20。
オークの数、23名。
「強奪を生業としている、オークね」
「ツイスターは使えないし、23人はきついわね」
「わしの、アックスで10名」
「俺は、5名」
「ギリギリね」
「どうする?」
すると、エルフ。
「引きながら、斬る!」
顔を見合す、人間とドワーフ。

オークの頭にどんぐりが落ちてくる。
「ブギャッ?」
振り返る、オーク。
足元に、どんぐりが転がってくる。
「ブギャーー」
通路に入ってくる、オーク。
バシュン。
一匹。
見張りが帰ってこないので、探しにやってくるオーク2匹。
『ブギャーーア」
バシュン。バシュ。
3匹。

順調に倒していく冒険者達。
残り、16匹。

忍び足ロール。振ってください。
失敗。

驚いた、7匹のオークが追ってくる。

「困ったことになったな、まだ数が多い。」
「ひとまず、通路まで戻ろう」

二手ある通路に戻ると、風の吹いていないもう片方の通路に飛び込む冒険者達。
通路は、坂になっている。急いで上がると、石の扉が。
「なんだ、行き止まりか」
よく見ると、石の扉の横にレバーがある。
「なんだ、これは?」
人間「マスター、危険感知ロールを」
マスター「OK!」
クリティカル。
マスター「どうやら、石の壁の向こう側に、丸い大きな物体があることがわかる」
人間「端に避けれるスペースありますか?」
4、5個見つける。
人間「よし、やってみよう」
レバーを引く、ドワーフ。
石の扉は開き、巨大な、丸い石が。
「OK」
石は転がり、スピードを上げていく。
「ブギャ、ブギャーー」

「よし、あと、9匹」

「広間まで、戻ろう!」

広間まで、戻ると、オーク達は慌てふためいている。

エルフ「フォース=レイ」
エルフのロッドを持ち替えて、指先から、電撃のような、光が、オークにめがけて飛ぶ。
「ブギャーー」
逃げ出す、オーク達。

逃げ出した、オークの後には、宝物が。
宝物品は、7000Gの金塊に銀食器。バスタードソードにプレートメイル。
後、見慣れないカードが。
「とりあえず、銀食器と、プレートメイルは、現金に」
「バスタードソードは、ほれ、ヒューマン。お前にやるぞ」
「カードは鑑定に」
鑑定成功。
古代語でかかれたカードは、「星のしるし」と書かれ、起動入力と紋様が描かれている。
「なんだろ?」
「ふーん。これは、もらっておくわ」


ミッションクリア。
ランド=ダデム に つづく。




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