26 / 26
《番外編》本編終了後のお話
アレスの秘密の部屋
しおりを挟む
「妻たるもの! 旦那様のお部屋ぐらい掃除しなきゃよね!」
頭に三角巾を巻き、質素なエプロンドレスに身を包んだリオノーラはふんと胸をはる。
アレスは朝から王城へ行ってしまった。夕方まで戻らないという。
(アレス様がいらっしゃらない、今がチャンス……!)
リオノーラの大きな瞳がきらりと光る。
アレスの部屋は二階にある。だが、彼女はこの部屋に一度も立ち入ったことがなかった。仕事に使う道具などが収められていて危ないというのが、入れてもらえない理由だった。
(アレス様のことだから、ご自分のお部屋も綺麗にしていらっしゃると思うけど……)
アレスは綺麗好きだ。リオノーラが朝起きると、水まわりも居室も、まるで新築のようにピッカピカになっている。
『プロの掃除屋さんみたいですねっ』と褒めると『まぁ……プロの掃除屋ですから……』とアレスは暗い顔をした。
掃除屋は、暗殺者の隠語であった。
彼が汚い部屋で寝ている姿は想像できない。だが、それでも……。
(一度は入ってみたい! アレス様のお部屋!)
掃除がしたいというのは、建前だった。
本当はアレスの部屋を見てみたかったのだ。
「では、お邪魔しまぁ~す」
アレスの部屋の、扉のドアノブを握る。
やはりというか、開かなかった。
扉はどこにでもあるような、化粧板製のものだ。
「やっぱり鍵がかかってるわね……」
仕事に使う危険なものが置かれた部屋。開けっぱなしはないと思っていたが、やはりだった。
「でもここで諦める私じゃないのよ」
エプロンドレスのポケットに手を突っ込むと、リオノーラは不敵な笑みを浮かべながらそれを取り出した。
彼女の手には、銀色にきらりと輝く細いものが。
「レイラ謹製、何でも開く万能鍵!」
アレスは昼間は大抵出かけている。一人きりのリオノーラはすっかり独り言が増えていた。
彼女はまじまじと万能鍵を眺める。
「本当に開くのかしら? ま、とりあえずやってみましょうか」
鍵穴に万能鍵を突っ込み、左右に揺らす。鍵が深く入ったところでぐるりと回した。
「あっ! 本当に開いた……けど……」
扉を開けたリオノーラは目を丸くする。
扉の先には更に扉があったのだ。今度の扉は真っ黒でつるりとしている。
「さすがアレス様……厳重だわ」
次の扉の鍵はダイヤル式になっていた。ダイヤルは縦に八個並んでいる。こういう時、番号の定番は生年月日と決まっているが。
「う~ん、アレス様のお誕生日でも、私のお誕生日でもない……」
建国記念日、王立騎士団の設立日……ありとあらゆる年月日を入れるが、鍵は開かない。
「仕方ないわね……」
鍵が開かない時の最終兵器を、リオノーラは背後から取り出した。
「じゃーん、丸太!」
そう丸太、丸太である。太さは人の顔ぐらいある。丸太は扉をどうしても開けたい時の最終兵器だ。
近所に住む奥さんに、『夫の部屋に入ったことがない。たぶん鍵がかかっていると思うが、どうにかして入りたい』と相談したら、快く貸してくれたのだ。きっとその奥さんも旦那の開かずの間に困っていたのだろう。
リオノーラは自分の背丈ほどある丸太をひょいと肩に担ぐと、黒い扉へ向かって突進した。
ドンッと鈍い音が廊下に響く。一発丸太をぶつけただけでは、扉はびくともしない。
もう一発、丸太をぶち当てる。……やはり、傷一つつかない。
「くっ……! この扉、頑丈すぎるっ!」
リオノーラの眉間に汗が滴った、その時だった。
「何をしてるんですか? リオノーラ……」
「ウオオッッ!?」
背後から声がして、リオノーラは叫ぶ。
振り向くと、そこには出掛けたはずのアレスがいた。
「ひっ、アレス様!? なぜここに?」
「なぜって……。何だかとてつもなく嫌な予感がして、戻ってきました」
宗西戦争の、勝利の立役者の勘の鋭さよ。
今まで王城に行ったっきり、夕方まで戻ってくることなどなかったのに。
「……。俺の部屋の扉を開けようとしていたのですか?」
「は、はい、そろそろ掃除をしたほうがいいかな~と思いまして……」
「心遣いはありがたいですけど、この部屋には危険なものもありますし、近寄らないほうが……」
「あ、あの!」
このままでは、部屋の中を見ることは叶わなくなってしまう。扉の外からでもいい。ほんの少しでも覗くことができたらと思い、リオノーラは片手をあげる。
「お部屋の中、ほんの少しだけでもいいので見せてもらえたらなぁ~なんて……。や、やっぱり駄目、ですか?」
ちらっちらとリオノーラが遠慮がちにアレスの顔を見上げると、彼は諦めたような顔をして頷いた。
「……分かりました」
「!! ありがとうございますっ!」
「俺がいない間に、扉を壊されては敵わないですからね」
「ご、ごめんなさい……」
アレスは扉についたダイヤル錠を回す。並んだ数字は何かの年月日のようだが、リオノーラの見覚えのないものだった。
「何の年月日ですか? 十六年前……?」
「……個人的な記念日ですよ」
十六年前に何かあったのだろうか──と考えたところで思い出す。二人が出会ったのはちょうどその頃だった。
アレスは兵学校の長期休暇を利用して南方地域に修行に出ていたが、途中で体調を崩してしまった。そして療養先として選ばれたのは、南方地域と隣接したティンエルジュ領──
「あっ、もしかして、私達が出会った日ですか?」
「……リオノーラにとっては何てことのない日かもしれませんが、俺の人生が決まった日ですから」
あの日のことは今でも覚えている。アレスは痩せていて顔色も悪かったが、王都にはこんなにも綺麗な男の子がいるのかとリオノーラは大層驚いた。
一方リオノーラは、母がいなくなった寂しさを埋めるため、食べに食べまくっていたので、丸々と肥えた幼女だった。
懐かしい。懐かしいが、あの頃の自分自身の肥えっぷりを思うと居た堪れなくなる。
◆
アレスの部屋は、簡易ベッドと鍵付きの戸棚、それに机と椅子があるだけの簡素な空間だった。生活感はまるでない。職場の一室といった感じだ。
想像していたとおり、塵一つ落ちていない。
「戸棚は何が入ってるんですか?」
「そうですね……。たとえばここは、化粧品棚になっています」
「化粧品棚?」
三段ある棚の中央には大きな引き出しがあった。取っ手を引くと、中には瓶やブラシ、小さな鋏などが整然と並べられていた。まるで髪結の道具箱のようだ。
「これは各種美容液、身体に塗るクリーム各種、こっちはパック、これは……」
「アレス様、こんなの使ってるんですね……。何もしなくてもお綺麗なのだと思っていました」
ただ石鹸で洗っているだけで、外見を保てていると思ったら。貴族令嬢顔負けの……いや、それ以上の美容用品を駆使していたとは。
「そんなわけないでしょう。頭から脚の先まで、身だしなみを整えるのは騎士の務めです」
そう淡々と言い放つ、アレスの顔をまじまじと見る。艶さらの黒髪、日の光を浴びているはずなのに毛穴一つないすべらかな肌、眉も太すぎず細すぎず、彼の印象に合っている。手指も爪の形は綺麗に整っていて、艶がある。ごつごつしているのは、剣だこがある手ぐらいだ。
「すごいですね……。私、何にもしてないです」
リオノーラは自分の頬に手を当てる。
石鹸で身体を洗ってるだけで、あとは何もしていない。さすがにうぶ毛の処理ぐらいはしているが、美容液やクリームの類はべたべたしていて苦手なので、持っていてもつけていない。領から送られてくるそれらの化粧品は全部近所の奥さん達にあげてしまった。
「無理に何かつける必要はないです。俺はインナードライなので化粧水・乳液・クリームでしっかり肌を整える必要があるだけですから」
「い、いんなーどらい……?」
それからアレスは色々と自分がやってる美容法を語ってくれたが、リオノーラは半分も理解できなかった。
ただ分かったことは一つ、綺麗な人は日々何かしらの努力をしている。
「こっちの棚は毒物とか暗器が入ってるので、ぜったいに開けないでください」
「はい……」
また一つ、アレスの秘密を知れた。
(ほんと、アレス様は努力家よねぇ……。私も頑張らないと)
リオノーラの手には、アレスから貰ったお高そうな瓶に入った美容液があった。
今度こそ、肌のお手入れを続けようと思う。
<完>
頭に三角巾を巻き、質素なエプロンドレスに身を包んだリオノーラはふんと胸をはる。
アレスは朝から王城へ行ってしまった。夕方まで戻らないという。
(アレス様がいらっしゃらない、今がチャンス……!)
リオノーラの大きな瞳がきらりと光る。
アレスの部屋は二階にある。だが、彼女はこの部屋に一度も立ち入ったことがなかった。仕事に使う道具などが収められていて危ないというのが、入れてもらえない理由だった。
(アレス様のことだから、ご自分のお部屋も綺麗にしていらっしゃると思うけど……)
アレスは綺麗好きだ。リオノーラが朝起きると、水まわりも居室も、まるで新築のようにピッカピカになっている。
『プロの掃除屋さんみたいですねっ』と褒めると『まぁ……プロの掃除屋ですから……』とアレスは暗い顔をした。
掃除屋は、暗殺者の隠語であった。
彼が汚い部屋で寝ている姿は想像できない。だが、それでも……。
(一度は入ってみたい! アレス様のお部屋!)
掃除がしたいというのは、建前だった。
本当はアレスの部屋を見てみたかったのだ。
「では、お邪魔しまぁ~す」
アレスの部屋の、扉のドアノブを握る。
やはりというか、開かなかった。
扉はどこにでもあるような、化粧板製のものだ。
「やっぱり鍵がかかってるわね……」
仕事に使う危険なものが置かれた部屋。開けっぱなしはないと思っていたが、やはりだった。
「でもここで諦める私じゃないのよ」
エプロンドレスのポケットに手を突っ込むと、リオノーラは不敵な笑みを浮かべながらそれを取り出した。
彼女の手には、銀色にきらりと輝く細いものが。
「レイラ謹製、何でも開く万能鍵!」
アレスは昼間は大抵出かけている。一人きりのリオノーラはすっかり独り言が増えていた。
彼女はまじまじと万能鍵を眺める。
「本当に開くのかしら? ま、とりあえずやってみましょうか」
鍵穴に万能鍵を突っ込み、左右に揺らす。鍵が深く入ったところでぐるりと回した。
「あっ! 本当に開いた……けど……」
扉を開けたリオノーラは目を丸くする。
扉の先には更に扉があったのだ。今度の扉は真っ黒でつるりとしている。
「さすがアレス様……厳重だわ」
次の扉の鍵はダイヤル式になっていた。ダイヤルは縦に八個並んでいる。こういう時、番号の定番は生年月日と決まっているが。
「う~ん、アレス様のお誕生日でも、私のお誕生日でもない……」
建国記念日、王立騎士団の設立日……ありとあらゆる年月日を入れるが、鍵は開かない。
「仕方ないわね……」
鍵が開かない時の最終兵器を、リオノーラは背後から取り出した。
「じゃーん、丸太!」
そう丸太、丸太である。太さは人の顔ぐらいある。丸太は扉をどうしても開けたい時の最終兵器だ。
近所に住む奥さんに、『夫の部屋に入ったことがない。たぶん鍵がかかっていると思うが、どうにかして入りたい』と相談したら、快く貸してくれたのだ。きっとその奥さんも旦那の開かずの間に困っていたのだろう。
リオノーラは自分の背丈ほどある丸太をひょいと肩に担ぐと、黒い扉へ向かって突進した。
ドンッと鈍い音が廊下に響く。一発丸太をぶつけただけでは、扉はびくともしない。
もう一発、丸太をぶち当てる。……やはり、傷一つつかない。
「くっ……! この扉、頑丈すぎるっ!」
リオノーラの眉間に汗が滴った、その時だった。
「何をしてるんですか? リオノーラ……」
「ウオオッッ!?」
背後から声がして、リオノーラは叫ぶ。
振り向くと、そこには出掛けたはずのアレスがいた。
「ひっ、アレス様!? なぜここに?」
「なぜって……。何だかとてつもなく嫌な予感がして、戻ってきました」
宗西戦争の、勝利の立役者の勘の鋭さよ。
今まで王城に行ったっきり、夕方まで戻ってくることなどなかったのに。
「……。俺の部屋の扉を開けようとしていたのですか?」
「は、はい、そろそろ掃除をしたほうがいいかな~と思いまして……」
「心遣いはありがたいですけど、この部屋には危険なものもありますし、近寄らないほうが……」
「あ、あの!」
このままでは、部屋の中を見ることは叶わなくなってしまう。扉の外からでもいい。ほんの少しでも覗くことができたらと思い、リオノーラは片手をあげる。
「お部屋の中、ほんの少しだけでもいいので見せてもらえたらなぁ~なんて……。や、やっぱり駄目、ですか?」
ちらっちらとリオノーラが遠慮がちにアレスの顔を見上げると、彼は諦めたような顔をして頷いた。
「……分かりました」
「!! ありがとうございますっ!」
「俺がいない間に、扉を壊されては敵わないですからね」
「ご、ごめんなさい……」
アレスは扉についたダイヤル錠を回す。並んだ数字は何かの年月日のようだが、リオノーラの見覚えのないものだった。
「何の年月日ですか? 十六年前……?」
「……個人的な記念日ですよ」
十六年前に何かあったのだろうか──と考えたところで思い出す。二人が出会ったのはちょうどその頃だった。
アレスは兵学校の長期休暇を利用して南方地域に修行に出ていたが、途中で体調を崩してしまった。そして療養先として選ばれたのは、南方地域と隣接したティンエルジュ領──
「あっ、もしかして、私達が出会った日ですか?」
「……リオノーラにとっては何てことのない日かもしれませんが、俺の人生が決まった日ですから」
あの日のことは今でも覚えている。アレスは痩せていて顔色も悪かったが、王都にはこんなにも綺麗な男の子がいるのかとリオノーラは大層驚いた。
一方リオノーラは、母がいなくなった寂しさを埋めるため、食べに食べまくっていたので、丸々と肥えた幼女だった。
懐かしい。懐かしいが、あの頃の自分自身の肥えっぷりを思うと居た堪れなくなる。
◆
アレスの部屋は、簡易ベッドと鍵付きの戸棚、それに机と椅子があるだけの簡素な空間だった。生活感はまるでない。職場の一室といった感じだ。
想像していたとおり、塵一つ落ちていない。
「戸棚は何が入ってるんですか?」
「そうですね……。たとえばここは、化粧品棚になっています」
「化粧品棚?」
三段ある棚の中央には大きな引き出しがあった。取っ手を引くと、中には瓶やブラシ、小さな鋏などが整然と並べられていた。まるで髪結の道具箱のようだ。
「これは各種美容液、身体に塗るクリーム各種、こっちはパック、これは……」
「アレス様、こんなの使ってるんですね……。何もしなくてもお綺麗なのだと思っていました」
ただ石鹸で洗っているだけで、外見を保てていると思ったら。貴族令嬢顔負けの……いや、それ以上の美容用品を駆使していたとは。
「そんなわけないでしょう。頭から脚の先まで、身だしなみを整えるのは騎士の務めです」
そう淡々と言い放つ、アレスの顔をまじまじと見る。艶さらの黒髪、日の光を浴びているはずなのに毛穴一つないすべらかな肌、眉も太すぎず細すぎず、彼の印象に合っている。手指も爪の形は綺麗に整っていて、艶がある。ごつごつしているのは、剣だこがある手ぐらいだ。
「すごいですね……。私、何にもしてないです」
リオノーラは自分の頬に手を当てる。
石鹸で身体を洗ってるだけで、あとは何もしていない。さすがにうぶ毛の処理ぐらいはしているが、美容液やクリームの類はべたべたしていて苦手なので、持っていてもつけていない。領から送られてくるそれらの化粧品は全部近所の奥さん達にあげてしまった。
「無理に何かつける必要はないです。俺はインナードライなので化粧水・乳液・クリームでしっかり肌を整える必要があるだけですから」
「い、いんなーどらい……?」
それからアレスは色々と自分がやってる美容法を語ってくれたが、リオノーラは半分も理解できなかった。
ただ分かったことは一つ、綺麗な人は日々何かしらの努力をしている。
「こっちの棚は毒物とか暗器が入ってるので、ぜったいに開けないでください」
「はい……」
また一つ、アレスの秘密を知れた。
(ほんと、アレス様は努力家よねぇ……。私も頑張らないと)
リオノーラの手には、アレスから貰ったお高そうな瓶に入った美容液があった。
今度こそ、肌のお手入れを続けようと思う。
<完>
83
お気に入りに追加
1,176
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。