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2章 高校生

15.家(3)*

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 まりんの肌に浮かんだ汗とごうてのひらからたれた汗が混ざって、揉みしだかれた胸の間を水滴が流れた。じっとりとした湿気が肌にまとわりつく。古びた畳の部屋は、少しカビたような匂いがした。そこに、制汗剤のすーっとしたエタノールの匂い、それから汗の匂いが混ざる。
 
 剛は彼女からする、その汗の匂いを甘い匂いだと思った。胸から顔を離し、日に焼けた首元に顔を持っていく。ポニーテールは根元のゴムが緩んで、緩く一本の束になって畳に流れていた。それに手を伸ばし引っ張った。ヘアゴムはするりと束から抜け、ほどけた髪の毛が畳に広がった。それを指でブラシをかけるようになでると、さらりとした髪が手にじんわり浮いた汗で湿ってまとまった。

 剛はまりんを見た。彼女の顔は紅潮していた。剛と一瞬目を合わせると、顔を背け、噛んでいた唇と緩め、「はぁ」と息を吐いた。

 その息の音を聞いた瞬間、どくん、と心臓が鳴って心拍数が上がった。

(触りたい)

 それしか言葉が頭に浮かんでこない。彼女の頭を自分の方へ向かせると、キスをした。もっと、彼女の中に。衝動に動かされるまま、唇が触れた瞬間に、彼女の唇をこじ開け、舌を入れた。ぬめぬめした感覚に思考がまとまらなくなる。

(何これ)

 ぐるぐると、口の中全体を動かす。触れる度、ぴくりとするだけだったまりんの舌が絡んできた。

 剛の手は、いつの間にか彼女のスカートの中に入っていた。指に、しっとりとした布の感覚があった。パンツの布地をなぞるように触る。触れたことのないレースの質感をたどる。やがて、レースの網目がなくなり、少し分厚い布に触れた。そこは、しっとりではなく、じっとりと、重たく湿っていた。触れた瞬間、唇と唇のすき間から、まりんが「ん」と息を漏らし、膝と膝をくっつけるように足を閉じた。剛の手は彼女の太ももに強く挟まれた。

 そこを湿らせているのは、汗ではないと剛は気づいた。布越しに、また布のすき間から指を動かすと、粘りけのあるものが指に触れる。ぎゅうっとまりんは足を閉じた。剛は、その間を縫うように、指を下着の中へ入れた。ちりちりした毛の触感、そして、ぬるっとしたものに触れた。キスしていた口を話すと、思わずつぶやいた。

「すご……ぬるぬるしてる……」

 まりんは両手で顔を押さえて、脚を閉じた。剛はそのまま指を動かした。
 ぬめりの先に進むと、ぴらぴらひだのようなものに指が触れた。そこを撫でるように指で触れていると、やがて指が突起のようなところに触れた。その瞬間、彼女の身体がびくん、と跳ねた。じわっと、染み出るようにぬめりが広がる。

(これ……クリトリス?)

 ネットや漫画の記憶を総動員して、剛はそこを指でくるくるといじった。まりんは、顔を隠した腕の間から、声を漏らした。

「あ……あ、んっ、ああん」

 ぐぐっと閉じた足に力が入る。そのままいじり続けると、一点で彼女の力が抜けた。腕をだらりと畳に投げ出して、彼女は、はぁはぁと天井を見つめて息をした。

 剛は身体を起こすと、彼女のスカートのチャックを下し、脱がせ、それから、ブラと同じ水色のパンツに手をかけると、引っ張って脱がせた。剛はぐにゃりと力の抜けた彼女の膝を掴んで折らせると、そのまま押し広げた。足が開かれ、中が晒される。むわっと、濃い彼女の匂いが鼻先を包んだ。

 思わず、そこを凝視した。自分より薄い、ちりちりした毛の生えた場所の中央で、濡れててかてかと光った赤みがあるヒダのようなものがぱっくり割れて、ピンク色の肉肉しいものがてかっていた。その生々しさに、思わずごくりと唾を飲んだ。

(ここ、に入るか……?)

「……で」

 まりんの声ではっとした。彼女はぐぐぐ、と足を閉じようとしていた。

「あんまり、見ないで」

 また腕で顔を覆っている。反射的に、剛は閉じようとする足を広げた。クリトリスを指で触る。

「ぁ」

 彼女の身体がのけぞった。ねっとりとした液体がが指にからみつく。まりんは身体を震わせると、脚の力を抜いた。

「ごう、くん、」

 まりんは腕をどけると、剛の方を見た。その声と、見たことのない女の表情に、剛は頭が沸騰するのを感じた。ジャージのズボンと下着をおろす。そこは痛みを感じるくらい膨れていて、ちょっと触ったら、すぐに弾けそうだった。

 まりんは、そのまま身体の向きを変えると、少し這って、本棚の中に手を突っ込んだ。小さな紙箱を取り出すと、中身を空けて取り出し、剛に渡した。

 コンドームだった。剛は一瞬、はっとした。彼女のその動作が何だか手慣れているようでショックだった。

「前、買ったの、お母さんに」

 まりんは座布団を枕に横を向きながら呟いた。
 蝶のマークのパッケージを破る。薄いピンクのゴムが出てきた。

(これ、着け方……)

 ゴムはつけたことがなかった。小さ丸まっているそれをペニスに被せると、輪になったところを少しずつ出して上まで登らせた。垂直に勃っていたものが、少し頭を下げた。全体にピンク色の膜がかかったようになり、自分のものが自分のものでなくなったように思った。

 起き上がったまりんが、装着を確認するかのように、それを触った。

「あ」

 声を出したのは剛だった。彼女に触られた瞬間に、血が沸騰する感覚があり、またぴん、とそれは垂直に立ち上がった。剛は彼女の手を掴んで畳に押さえつけた。

「……触んないで」

 すぐにでも、出そうだった。
 右手で、それをさすりながら、彼女の上に覆いかぶさった。
 ぐっとまりんの根元にそれを押し付ける。ぬめりで滑って、彼女の太ももの方に跳ねた。それを慌てて戻し、指で割れ目の位置を探って、再度押し当てる。手で支えながら、ぐぐっと腰を入れた。

「……った」

 まりんは顔を歪めたが、剛はそれを見ていなかった。ずぶずぶと人の身体に自分の一部が埋まっていく感覚、生暖かいものにぎゅぎゅっとそこを締めつけられる感覚に、全ての意識が持っていかれていた。

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