88 / 89
最終章「ふたりの想い」
88.アンナの涙
しおりを挟む
それはいつもと変わらぬ午後の王城だった。
午前の公務を終えたアンナが立ち上がりリリーに言う。
「これから少し出掛けるわ。あとよろしくね」
リリーが頭を下げて答える。
「はい、かしこまりました。お気をつけて」
「では行きましょうか。ロレンツさん」
テーブルでコーヒーを飲んでいたロレンツも立ち上がり答える。
「ああ」
アンナはお気に入りの赤い帽子を手にしてロレンツと共に部屋を出る。
最強の『護衛職』。アンナはその彼と共に歩くことに心からの安心を覚えていた。記憶をなくしたと言われもどかしい気持ちはあったが、それでも満たされていた。
「こんにちは、姫様」
「あら、こんにちは」
すれ違う貴族とも気持ちよく挨拶できる。
以前の『氷姫』と呼ばれていた頃の面影はもうない。ロレンツと言う心の支えを得たアンナは毎日が楽しかった。
ただ禍福は糾える縄の如し。そんな彼らに新たな危険が迫っていた。
「嬢ちゃん……」
王城の中庭に差し掛かった時、後ろを歩くロレンツがアンナに言った。
「なに?」
立ち止まり振り向いてアンナが答える。
「動くな。何か来る……」
真剣なロレンツの顔。中庭にいる数名の貴族に特段変化はない。
(呪剣……)
右斜め下に差し出されたロレンツの手に漆黒の剣が発現する。
(あれ、この黒い剣って……)
アンナは初めて見たはずであるその漆黒の剣を見て、どこか懐かしさを感じる。
「キィヤアアアアア!!!!!」
突然右手から現れる黒い影。
剣を振り上げてふたりに斬りかかって来た。
ガン!!!!
ロレンツが呪剣を使ってそれを防ぐ。同時に叫ぶ。
「下がれ!! 嬢ちゃん!!!」
ロレンツの声を聞いて驚いて後方に下がるアンナ。周りにいた貴族達は突然始まった争いに皆が驚く。ロレンツが言う。
「おめえは確か、暗殺者の……」
剣を交わしながら尋ねるロレンツに男が答える。
「暗殺者ヴァン・フレイヤル。お前に対する積年の恨み。ここで晴らさん!!!」
カンカンカン!!!!
以前、ジャスター家にアンナ暗殺を依頼されロレンツに防がれた暗殺者ヴァン。相手が悪かったとは言えまるで歯が立たずに任務を終えた彼の評価はガタ落ちし、裏社会での信頼を失っていた。
蓄積される恨み。それがこの命を懸けた奇襲へと彼を走らせた。
ガンガンガン!!!
(こいつ、以前とは剣の太刀が違う……)
前に交えた剣。
以前は何の感情もなかった剣だが、今の太刀には恐ろしいほどの負の力が込められている。恨み、苦しみ、矜持、怒り。そのすべての感情がロレンツに向けられていた。
「負けぬ、負けぬ、絶対にお前を殺す!!!」
狂気に駆られたヴァンの強撃が次々とロレンツを襲う。
だが、ロレンツはそれ以上に強かった。
(嬢ちゃんには、指一本触れさせねえ!!!)
ガン!!!!!
(なっ!?)
ヴァンは強い衝撃と共に、持っていた剣が腕ごとロレンツの呪剣によって上へとあげられる。
「くそっ!!!」
そして迫る呪剣に対してヴァンは素手でそれを掴んだ。
「ぐっ!!」
剣を掴んだ両手から鮮血が滴れ落ちる。
それを見たロレンツに一瞬の隙ができた。
「ロレンツさん、後ろっ!!!!」
(!!)
ヴァンの行動に意識をとられたロレンツは、後ろからやって来たその人物に気付くことが数秒遅れた。
グサッ!!!
その男。ネガーベルの若い貴族。
以前、王城内でロレンツを『平民』と言って馬鹿にし、逆に追い払われた男。ヴァンはロレンツに恨みを持つ人物を探し、周到に今回の作戦を練った。アンナが叫ぶ。
「ロレンツさーーーーーーーーん!!!!!」
同時にロレンツの背中に刺さった短剣を見たヴァンが大声で言う。
「やった、やった、やったぞおおお!!!!」
(呪剣、黒波斬!!!!!)
ドン、ドン!!!!
「ぎゃあ!!!」
ロレンツは流れ落ちる血で手を真っ赤に染めながら、ふたりの男を呪剣で吹き飛ばした。
「何事!?」
中庭での騒動に気付いた警備兵が駆け付ける。ロレンツが片膝をつきながら兵士に言う。
「そのふたりを捕らえろ!!」
命じられた兵士達が攻撃され倒れているヴァンと貴族の男を縄で締め上げる。
「ロレンツさん!!!」
アンナが慌ててロレンツの元へと駆け付ける。
「こんな、こんなことって……」
ロレンツの背中には貴族の男の短剣で刺された傷口がぽっかり空いている。そしてそこからは真っ赤な鮮血がどくどくと流れ出す。アンナが顔を青くして言う。
「早く、早く治療をしないと!!!」
そう言ってロレンツに手を触れると、それはまるで壁に立てかけた棒のように簡単に床に倒れた。
ドン!!!
「ロレンツさん!!!!」
力なく床に横になるロレンツ。
その間にも体から流れ出た血で辺りが真っ赤に染まる。運悪く刺された場所は急所であった。ロレンツが言う。
「怪我はないか、嬢ちゃん……」
アンナが倒れたロレンツに手を乗せて泣きながら言う。
「大丈夫、私は大丈夫!! でもあなたが!!!」
ロレンツが小さな声で答える。
「俺は、大丈夫だ。少し、疲れただけだ……」
その声にもはや力はない。
アンナは目の前が真っ暗になった。
(私が、私が治さなきゃ!!!!)
倒れたロレンツを膝の上に乗せ、その傷口に手を当てて心で念じる。
(お願い、お願い、一回でいいからお願い!! 完全回復っ!!!)
変わらぬ手。
治療魔法が発動した時に光る手は依然ロレンツの血で染まったままの赤色である。アンナが泣きながら言う。
「どうして!! どうして、治らないのよ!!! お願い、お願いよ……、一回でいいから……」
(完全回復、完全回復……、強回復……)
しかしアンナがどれだけ魔法を念じようとも全く変化は起きなかった。
「ロレンツさん……、嫌だよ……、こんなの嫌だよ……」
段々と反応が無くなる銀髪の男。
出血多量。触れている肌も徐々に生気がなくなってきている。それはまるで以前同じように大切な人が刃に倒れ、何もできずに涙を流していたミセルのようであった。
「ロレンツさん、ロレンツさん!!!」
力のない手を握るアンナ。
刺された傷は背中から心臓へ達しており、出血多量に加え呼吸もできなくなっている。
(強回復、強回復、強回復……)
冷たくなりつつあるロレンツの手を握りながら、アンナが何度も心の中で治療魔法を唱え続ける。それでも何も起こらない。アンナの目から大粒の涙がぼろぼろと溢れ出る。
「う、ううっ、うわあああん……、こんなの嫌だよぉ……」
何もできない自分。
目の前で大切な人がいなくなっていく現実。そのすべてがアンナを襲った。
(私が聖女じゃないから、こんな時になっても救えない。私が、私がダメだから……)
彼の過去の記憶はない。
それでも一緒に過ごした短い期間だけで、彼が自分にとってどれほど大切な存在なのか良く分かっていた。何も言わないがいつも自分を見守っていてくれた彼。必死に過去の記憶を取り戻そうとしてくれていた。
アンナから力が抜けて行く。
何もできない無力さに負け、全身の力が抜けて行く。
絶望と流れる涙以外、今のアンナを形作るものはなかった。
その時だった。
(え?)
アンナが握っていた手が動き、そのままその美しい金色の髪の頭にそっと置かれた。
「笑いな、アンナ。お前には……、笑顔が、良く、似合う……」
そう言ってその血にまみれた手は優しくアンナの頭を撫でた。
(!!)
その瞬間、アンナの頭にある言葉が木霊した。
――ロレンツぅ、なでなでして~
武骨で寡黙な男。
そんな男の大きくてごつごつした手。
(そうだわ……)
アンナが思い出す。
(私、この手で、この大きな手で……)
アンナが目を閉じて心の中で言う。
――撫でられるのが大好きだった。
目を開けたアンナが生気のないロレンツの顔を両手で包み込む。
(私が助ける!! 絶対に死なせないっ!!!!)
「回復!!!!」
その瞬間、アンナの両手が白く光り、そして不完全ながらも流血が止まり傷が癒え始める。何度も治療魔法を唱えた後、アンナが涙を流して言う。
「いつまで寝てるのよぉ。あなたは……、私の『護衛職』でしょ。早く起きなさい、ロレンツ!!」
アンナはそう言いながら横たわる銀髪の男の胸の上でぼろぼろと涙を流す。その彼女の頭を、大きなごつい手が何度も優しく撫でた。
午前の公務を終えたアンナが立ち上がりリリーに言う。
「これから少し出掛けるわ。あとよろしくね」
リリーが頭を下げて答える。
「はい、かしこまりました。お気をつけて」
「では行きましょうか。ロレンツさん」
テーブルでコーヒーを飲んでいたロレンツも立ち上がり答える。
「ああ」
アンナはお気に入りの赤い帽子を手にしてロレンツと共に部屋を出る。
最強の『護衛職』。アンナはその彼と共に歩くことに心からの安心を覚えていた。記憶をなくしたと言われもどかしい気持ちはあったが、それでも満たされていた。
「こんにちは、姫様」
「あら、こんにちは」
すれ違う貴族とも気持ちよく挨拶できる。
以前の『氷姫』と呼ばれていた頃の面影はもうない。ロレンツと言う心の支えを得たアンナは毎日が楽しかった。
ただ禍福は糾える縄の如し。そんな彼らに新たな危険が迫っていた。
「嬢ちゃん……」
王城の中庭に差し掛かった時、後ろを歩くロレンツがアンナに言った。
「なに?」
立ち止まり振り向いてアンナが答える。
「動くな。何か来る……」
真剣なロレンツの顔。中庭にいる数名の貴族に特段変化はない。
(呪剣……)
右斜め下に差し出されたロレンツの手に漆黒の剣が発現する。
(あれ、この黒い剣って……)
アンナは初めて見たはずであるその漆黒の剣を見て、どこか懐かしさを感じる。
「キィヤアアアアア!!!!!」
突然右手から現れる黒い影。
剣を振り上げてふたりに斬りかかって来た。
ガン!!!!
ロレンツが呪剣を使ってそれを防ぐ。同時に叫ぶ。
「下がれ!! 嬢ちゃん!!!」
ロレンツの声を聞いて驚いて後方に下がるアンナ。周りにいた貴族達は突然始まった争いに皆が驚く。ロレンツが言う。
「おめえは確か、暗殺者の……」
剣を交わしながら尋ねるロレンツに男が答える。
「暗殺者ヴァン・フレイヤル。お前に対する積年の恨み。ここで晴らさん!!!」
カンカンカン!!!!
以前、ジャスター家にアンナ暗殺を依頼されロレンツに防がれた暗殺者ヴァン。相手が悪かったとは言えまるで歯が立たずに任務を終えた彼の評価はガタ落ちし、裏社会での信頼を失っていた。
蓄積される恨み。それがこの命を懸けた奇襲へと彼を走らせた。
ガンガンガン!!!
(こいつ、以前とは剣の太刀が違う……)
前に交えた剣。
以前は何の感情もなかった剣だが、今の太刀には恐ろしいほどの負の力が込められている。恨み、苦しみ、矜持、怒り。そのすべての感情がロレンツに向けられていた。
「負けぬ、負けぬ、絶対にお前を殺す!!!」
狂気に駆られたヴァンの強撃が次々とロレンツを襲う。
だが、ロレンツはそれ以上に強かった。
(嬢ちゃんには、指一本触れさせねえ!!!)
ガン!!!!!
(なっ!?)
ヴァンは強い衝撃と共に、持っていた剣が腕ごとロレンツの呪剣によって上へとあげられる。
「くそっ!!!」
そして迫る呪剣に対してヴァンは素手でそれを掴んだ。
「ぐっ!!」
剣を掴んだ両手から鮮血が滴れ落ちる。
それを見たロレンツに一瞬の隙ができた。
「ロレンツさん、後ろっ!!!!」
(!!)
ヴァンの行動に意識をとられたロレンツは、後ろからやって来たその人物に気付くことが数秒遅れた。
グサッ!!!
その男。ネガーベルの若い貴族。
以前、王城内でロレンツを『平民』と言って馬鹿にし、逆に追い払われた男。ヴァンはロレンツに恨みを持つ人物を探し、周到に今回の作戦を練った。アンナが叫ぶ。
「ロレンツさーーーーーーーーん!!!!!」
同時にロレンツの背中に刺さった短剣を見たヴァンが大声で言う。
「やった、やった、やったぞおおお!!!!」
(呪剣、黒波斬!!!!!)
ドン、ドン!!!!
「ぎゃあ!!!」
ロレンツは流れ落ちる血で手を真っ赤に染めながら、ふたりの男を呪剣で吹き飛ばした。
「何事!?」
中庭での騒動に気付いた警備兵が駆け付ける。ロレンツが片膝をつきながら兵士に言う。
「そのふたりを捕らえろ!!」
命じられた兵士達が攻撃され倒れているヴァンと貴族の男を縄で締め上げる。
「ロレンツさん!!!」
アンナが慌ててロレンツの元へと駆け付ける。
「こんな、こんなことって……」
ロレンツの背中には貴族の男の短剣で刺された傷口がぽっかり空いている。そしてそこからは真っ赤な鮮血がどくどくと流れ出す。アンナが顔を青くして言う。
「早く、早く治療をしないと!!!」
そう言ってロレンツに手を触れると、それはまるで壁に立てかけた棒のように簡単に床に倒れた。
ドン!!!
「ロレンツさん!!!!」
力なく床に横になるロレンツ。
その間にも体から流れ出た血で辺りが真っ赤に染まる。運悪く刺された場所は急所であった。ロレンツが言う。
「怪我はないか、嬢ちゃん……」
アンナが倒れたロレンツに手を乗せて泣きながら言う。
「大丈夫、私は大丈夫!! でもあなたが!!!」
ロレンツが小さな声で答える。
「俺は、大丈夫だ。少し、疲れただけだ……」
その声にもはや力はない。
アンナは目の前が真っ暗になった。
(私が、私が治さなきゃ!!!!)
倒れたロレンツを膝の上に乗せ、その傷口に手を当てて心で念じる。
(お願い、お願い、一回でいいからお願い!! 完全回復っ!!!)
変わらぬ手。
治療魔法が発動した時に光る手は依然ロレンツの血で染まったままの赤色である。アンナが泣きながら言う。
「どうして!! どうして、治らないのよ!!! お願い、お願いよ……、一回でいいから……」
(完全回復、完全回復……、強回復……)
しかしアンナがどれだけ魔法を念じようとも全く変化は起きなかった。
「ロレンツさん……、嫌だよ……、こんなの嫌だよ……」
段々と反応が無くなる銀髪の男。
出血多量。触れている肌も徐々に生気がなくなってきている。それはまるで以前同じように大切な人が刃に倒れ、何もできずに涙を流していたミセルのようであった。
「ロレンツさん、ロレンツさん!!!」
力のない手を握るアンナ。
刺された傷は背中から心臓へ達しており、出血多量に加え呼吸もできなくなっている。
(強回復、強回復、強回復……)
冷たくなりつつあるロレンツの手を握りながら、アンナが何度も心の中で治療魔法を唱え続ける。それでも何も起こらない。アンナの目から大粒の涙がぼろぼろと溢れ出る。
「う、ううっ、うわあああん……、こんなの嫌だよぉ……」
何もできない自分。
目の前で大切な人がいなくなっていく現実。そのすべてがアンナを襲った。
(私が聖女じゃないから、こんな時になっても救えない。私が、私がダメだから……)
彼の過去の記憶はない。
それでも一緒に過ごした短い期間だけで、彼が自分にとってどれほど大切な存在なのか良く分かっていた。何も言わないがいつも自分を見守っていてくれた彼。必死に過去の記憶を取り戻そうとしてくれていた。
アンナから力が抜けて行く。
何もできない無力さに負け、全身の力が抜けて行く。
絶望と流れる涙以外、今のアンナを形作るものはなかった。
その時だった。
(え?)
アンナが握っていた手が動き、そのままその美しい金色の髪の頭にそっと置かれた。
「笑いな、アンナ。お前には……、笑顔が、良く、似合う……」
そう言ってその血にまみれた手は優しくアンナの頭を撫でた。
(!!)
その瞬間、アンナの頭にある言葉が木霊した。
――ロレンツぅ、なでなでして~
武骨で寡黙な男。
そんな男の大きくてごつごつした手。
(そうだわ……)
アンナが思い出す。
(私、この手で、この大きな手で……)
アンナが目を閉じて心の中で言う。
――撫でられるのが大好きだった。
目を開けたアンナが生気のないロレンツの顔を両手で包み込む。
(私が助ける!! 絶対に死なせないっ!!!!)
「回復!!!!」
その瞬間、アンナの両手が白く光り、そして不完全ながらも流血が止まり傷が癒え始める。何度も治療魔法を唱えた後、アンナが涙を流して言う。
「いつまで寝てるのよぉ。あなたは……、私の『護衛職』でしょ。早く起きなさい、ロレンツ!!」
アンナはそう言いながら横たわる銀髪の男の胸の上でぼろぼろと涙を流す。その彼女の頭を、大きなごつい手が何度も優しく撫でた。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
死神は世界を回る ~異世界の裁判官~
アンジェロ岩井
ファンタジー
魔界と人界とが合流を行うようになり、早くも百年の月日が経った。
その間に魔界から魔物や魔族が人界に現れて悪事を行うようになり、それらの事件を抑えるために魔界から魔界執行官が派遣されるようになった。同時に魔界で悪事を行う人間を執行するために人界執行官も制定された。
三代目の魔界執行官に任命されたのはコクラン・ネロスと呼ばれる男だった。
二代目の人界執行官に任命されたのはルイス・ペンシルバニアという男だった。
どこか寡黙なコクランに対し、明るく無邪気なルイスという対照的なコンビであったが、コクランにはある秘密が隠されていた……。
練習船で異世界に来ちゃったんだが?! ~異世界海洋探訪記~
さみぃぐらぁど
ファンタジー
航海訓練所の練習船「海鵜丸」はハワイへ向けた長期練習航海中、突然嵐に巻き込まれ、落雷を受ける。
衝撃に気を失った主人公たち当直実習生。彼らが目を覚まして目撃したものは、自分たち以外教官も実習生も居ない船、無線も電子海図も繋がらない海、そして大洋を往く見たこともない戦列艦の艦隊だった。
そして実習生たちは、自分たちがどこか地球とは違う星_異世界とでも呼ぶべき空間にやって来たことを悟る。
燃料も食料も補給の目途が立たない異世界。
果たして彼らは、自分たちの力で、船とともに現代日本の海へ帰れるのか⁈
※この作品は「カクヨム」においても投稿しています。https://kakuyomu.jp/works/16818023213965695770
一人暮らしのおばさん薬師を黒髪の青年は崇めたてる
朝山みどり
ファンタジー
冤罪で辺境に追放された元聖女。のんびりまったり平和に暮らしていたが、過去が彼女の生活を壊そうとしてきた。
彼女を慕う青年はこっそり彼女を守り続ける。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
おっさん、勇者召喚されるがつま弾き...だから、のんびりと冒険する事にした
あおアンドあお
ファンタジー
ギガン城と呼ばれる城の第一王女であるリコット王女が、他の世界に住む四人の男女を
自分の世界へと召喚した。
召喚された四人の事をリコット王女は勇者と呼び、この世界を魔王の手から救ってくれと
願いを託す。
しかしよく見ると、皆の希望の目線は、この俺...城川練矢(しろかわれんや)には、
全く向けられていなかった。
何故ならば、他の三人は若くてハリもある、十代半ばの少年と少女達であり、
将来性も期待性もバッチリであったが...
この城川練矢はどう見ても、しがないただの『おっさん』だったからである。
でもさ、いくらおっさんだからっていって、これはひどくないか?
だって、俺を召喚したリコット王女様、全く俺に目線を合わせてこないし...
周りの兵士や神官達も蔑視の目線は勿論のこと、隠しもしない罵詈雑言な言葉を
俺に投げてくる始末。
そして挙げ句の果てには、ニヤニヤと下卑た顔をして俺の事を『ニセ勇者』と
罵って蔑ろにしてきやがる...。
元の世界に帰りたくても、ある一定の魔力が必要らしく、その魔力が貯まるまで
最低、一年はかかるとの事だ。
こんな城に一年間も居たくない俺は、町の方でのんびり待とうと決め、この城から
出ようとした瞬間...
「ぐふふふ...残念だが、そういう訳にはいかないんだよ、おっさんっ!」
...と、蔑視し嘲笑ってくる兵士達から止められてしまうのだった。
※小説家になろう様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる