73 / 89
第五章「聖女と神騎士」
73.ミセルの決断
しおりを挟む
(どうしよう、私はどうしたらいいでしょうか……?)
ミセル・ジャスターは焦っていた。
突如知った『アンナ姫並びにロレンツ拘束』。アンナについては正直どうでも良かったが、想いを寄せるロレンツ拘束については納得いかなかった。
(なぜ私にあのようなことを……)
父ガーヴェルは自分にロレンツ攻略を命じた。
つまりそれは彼が『人生の伴侶』になることも視野に入れての命令だったと思っている。だが現実はそんなミセルには何も伝えずに、秘密裏でロレンツ達を始末しようとしていた。
「ロレ様……」
ミセルが目を閉じ、自分の胸に手を当てて思う。
(私はあの方を失いたくない。ひとりの女としてあの方の傍にずっといたい。だったらすべきことはひとつ……)
兄エルグにこの件を尋ねようと聖騎士団長の部屋を訪れていたミセル。あいにく彼は不在で、部屋にいた兄の付き人からその恐るべき出撃が知らされた。そして彼の部屋のドアが突然勢い良く開かれた。
「エルグ様っ!!!」
それはエルグへの報告の為にやって来た兵士。真っ青な顔の兵士がエルグがいないことに気付く。居合わせたミセルが尋ねる。
「どうしました?」
余りにも青い顔をして落ち着きのない兵士。震えた声でミセルに尋ねる。
「エ、エルグ様はどちらへ?」
ミセルはその兵士が、ミスガリア王国へ行ったまま音信不通となった部隊の調査隊の者だと気付いた。ミセルが答える。
「お兄様は今急用で不在です。何かございましたか?」
「いや、その……」
兵士は今すぐにでもエルグの元へ報告に行きたかった。ミセルが大きな声で言う。
「申しなさい!!」
「あ、はい!! 実は……」
兵士はミセルの一声に驚き、ミスガリアで見たことを全て話した。
「うそ……、あの【赤き悪魔】を越える魔物ですって……」
思い出されるネガーベル襲撃事件。
最強と称えられたネガーベル軍がまるで歯が立たなかった【赤き悪魔】。それを遥かに凌駕する黒い竜が存在しているとは。しかもこちらに向かって飛来しているという。兵士が敬礼して言う。
「エ、エルグ様に報告に向かいます。失礼します!!」
兵士は慌ててミセルから聞いた軍を率いて出陣したエルグを追いかけ始める。
ミセルは体が震えた。
また再びあの悪夢が始まるのか。それも今度ももっと深刻な状態で。不思議とミセルにはこのネガーベル王城が襲来されると確信していた。
「悩んでいても仕方がない。急がなきゃ!!」
ミセルはまず父親であるガーヴェルの元へと走って向った。
(いないわ。お父様どこへ?)
しばらく父を探したが見つからず、ミセルはそのまま躊躇うことなくすぐに城の階段を駆け上がる。そして数名の兵士がまるで門番のようにして見張るその部屋へと辿り着いた。驚いた兵士が言う。
「あ、あなたはミセル様? どうしてここへ?」
ミセルは走って乱れた真っ赤な髪をそのままに、息を切らしながら言う。
「中にいるイコちゃんに会わせてくれるかしら。はあはあ……」
突然のミセルの訪問に驚く兵士達。
ロレンツの身内を守っていた彼らは敵であるジャスター家ミセルの登場に警戒したものの、どうも様子がおかしく困惑する。兵士の中から小隊長が前に出てミセルに尋ねる。
「ミセル様、あの子に一体何の御用でしょうか?」
ミセルが答える。
「ロレ様の大切なイコちゃん。私は守ってあげたい。それがいま私にできる務めなんです!!」
小隊長はそこに同じ志を持つ何かを感じた。
周りの兵士達の驚きをよそに、小隊長は部屋のドアを開けてミセルを中に招き入れた。
「あ、ミセルお姉ちゃん!!」
(え?)
喜ぶイコとは対照的に、驚いたのは侍女のリリーとミンファ。
ミセルと言えばいわば敵対関係の女。ロレンツとアンナを拘束に向かったジャスター家の人間がなぜここに来るのだろうか。リリーが尋ねる。
「何の御用でしょうか、ミセル様!!」
明らかに敵意を含んだ口調。ミンファはミセルの方へ向かおうとしたイコの手を行かせないよう掴み、ぎゅっと抱き寄せる。ミセルが答える。
「信じて貰えないかもしれないけど、ここは危なくなりますわ。一緒に避難して頂きたいの」
「……」
これまで散々自分達を嵌め、痛めつけようとしていたジャスター家。現に先程は自分達を、そして今は兄エルグが脱出したロレンツやアンナを軍を率いて追撃している。リリーが大きな声で言う。
「一体どうやったらミセル様を信用できると仰るのですか!?」
「ミセル様、お引き取り下さい」
ミンファもリリーに同調して言う。ミセルが焦りながら言う。
「本当なのよ!! ここはもうすぐ危険に、イコちゃんを安全な場所に……」
「お引き取り下さい!! 小隊長さん、お願いします!!!」
リリーに命じられ、小隊長が困った顔をしてミセルに近付く。ミセルが言う。
「本当なんです。本当ですわ、ここは危険で……、!?」
必死に叫ぶミセル。
そんな彼女にイコが近付き、その手に自分の手を乗せて言った。
「ミセルお姉ちゃん、イコは信じるよ。ありがとう、来てくれて」
「イ、イコちゃん……」
強すぎる思い。
ミセルから溢れ出たイコを救いたいという強い思いが、目の前にいる当人にしっかりと届いた。嘘ではない。心から思っている。イコはすぐに理解した。
「ミセルお姉ちゃんと一緒に避難しましょう!!」
イコが皆に向かって言った。
リリーもミンファも、そして小隊長も黙ってその言葉に頷いた。
「じゃあ、行くよ~、ロレロレぇ~」
ピンク髪を風に靡かせながらキャロルが手にしたレイピアを掲げて言う。ロレンツが答える。
「かかって来な。手加減はしねえぜ」
そう言いながらアンナを守るようにその前に立つ。
ふたりの間を流れる静寂。
少しずつ歩み寄るキャロル。一度は敗れたキャロルの余裕の表情が、これからどうなるのだろうと見ている者達をじっと黙らせる。ただロレンツだけは別の意味で黙り込んでいた。
(あれ、これは……、まさか……)
レイピアを構えながら歩み寄って来るキャロル。ロレンツも漆黒の呪剣を構えているのだが微動たりもしない。
そしてふたりは剣の交わる距離まで近づいた。
(え?)
近くで見ていたアンナがまず驚いた。
キャロルは一切剣を交えることなくくるっと回転し、ロレンツ達に背を向け上官であるエルグにその鋭いレイピアを向けた。驚いたエルグが言う。
「な、何をやっているんだ、キャロル!! 敵を討て、敵をっ!!!」
キャロルがレイピアをくるくると回しながら答える。
「えー、だってキャロルはロレロレと戦いたくないも~ん。いやいや、なの~。キャロルがロレロレと剣を交えるのは~」
そう言いながらキャロルはロレンツの太い腕を人差し指でつつーと撫でながら言う。
「ロレロレと剣を交えるのは~、ベッドの上だけだよ~、きゃはっ!!」
「や、やめんかー!! この発情女がっ!!!」
それまで震えていたアンナがロレンツに色目を使うキャロルに激怒して言う。
「きゃー、アンナ様ぁ、怖いですぅ~!!」
「こ、この女がぁ!!!」
それでも怒鳴り続けるアンナから逃げるようにキャロルがロレンツの後ろに隠れる。ロレンツがキャロルに尋ねる。
「いいのか? 嬢ちゃん」
キャロルがにっこり笑って答える。
「いいんですぅ~。エルグ様のやっていることは、ちょおっと、良くないことですから~」
「そうか、助かる」
ロレンツが少し笑って答える。キャロルが言う。
「じゃあ~、またキャロルに稽古つけてくださいね」
「ああ、約束する」
ロレンツは再びエルグに剣を向ける。その茶番劇を黙って見ていたエルグが顔を真っ赤にして大声で怒鳴る。
「キャロル!!! 貴様、造反は死罪だぞ!!! 分かっているのか!! 嫌ならそいつの首を討て!!!」
大声で叫ぶエルグ。
しかしその先でキャロルは舌を出してその指示を拒否する。
「うぬぬぬっ、討つぞ!! すべて捕らえて処刑する!!!」
その声に応じてキャロルの部隊がロレンツの方へと突然走り出す。
突撃命令の前に勝手に動いた部隊にエルグが驚く。だが、彼らがキャロルと合流するとすぐにその意味を理解した。その全員が剣を収めロレンツに敬礼している。ロレンツが尋ねる。
「いいのか、おめえさんら?」
部隊を代表してひとりの兵士が答える。
「我らはすべてロレロレ様に共感するものでございます。そしてその多くが【赤き悪魔】から家族を救って貰った者達。キャロル様と共にあなたを援護致します!!」
「ロレンツぅ……」
それを聞いていたアンナが少しだけ見えた一縷の望みに喜びの表情を浮かべる。ロレンツが頷き、皆に言う。
「有難てえ。じゃあおめえさんらは後ろの部隊、それからピンクの嬢ちゃんは姫さんを頼む。俺は、前の奴等をぶっ叩く!!!!」
「了解です!!」
「は~い、分かったよ~ん!!!」
ロレンツはアンナをキャロルに託すと、ひとり呪剣を構えエルグ本陣へと突撃する。それを見たエルグが叫ぶ。
「行け、行け!! 総員、突撃っ!!!!」
エルグ自身は後方に下がりつつ、全軍に突撃命令を出す。身軽になったロレンツが、この戦い始まって以来初めて全力でぶつかる。
ミセル・ジャスターは焦っていた。
突如知った『アンナ姫並びにロレンツ拘束』。アンナについては正直どうでも良かったが、想いを寄せるロレンツ拘束については納得いかなかった。
(なぜ私にあのようなことを……)
父ガーヴェルは自分にロレンツ攻略を命じた。
つまりそれは彼が『人生の伴侶』になることも視野に入れての命令だったと思っている。だが現実はそんなミセルには何も伝えずに、秘密裏でロレンツ達を始末しようとしていた。
「ロレ様……」
ミセルが目を閉じ、自分の胸に手を当てて思う。
(私はあの方を失いたくない。ひとりの女としてあの方の傍にずっといたい。だったらすべきことはひとつ……)
兄エルグにこの件を尋ねようと聖騎士団長の部屋を訪れていたミセル。あいにく彼は不在で、部屋にいた兄の付き人からその恐るべき出撃が知らされた。そして彼の部屋のドアが突然勢い良く開かれた。
「エルグ様っ!!!」
それはエルグへの報告の為にやって来た兵士。真っ青な顔の兵士がエルグがいないことに気付く。居合わせたミセルが尋ねる。
「どうしました?」
余りにも青い顔をして落ち着きのない兵士。震えた声でミセルに尋ねる。
「エ、エルグ様はどちらへ?」
ミセルはその兵士が、ミスガリア王国へ行ったまま音信不通となった部隊の調査隊の者だと気付いた。ミセルが答える。
「お兄様は今急用で不在です。何かございましたか?」
「いや、その……」
兵士は今すぐにでもエルグの元へ報告に行きたかった。ミセルが大きな声で言う。
「申しなさい!!」
「あ、はい!! 実は……」
兵士はミセルの一声に驚き、ミスガリアで見たことを全て話した。
「うそ……、あの【赤き悪魔】を越える魔物ですって……」
思い出されるネガーベル襲撃事件。
最強と称えられたネガーベル軍がまるで歯が立たなかった【赤き悪魔】。それを遥かに凌駕する黒い竜が存在しているとは。しかもこちらに向かって飛来しているという。兵士が敬礼して言う。
「エ、エルグ様に報告に向かいます。失礼します!!」
兵士は慌ててミセルから聞いた軍を率いて出陣したエルグを追いかけ始める。
ミセルは体が震えた。
また再びあの悪夢が始まるのか。それも今度ももっと深刻な状態で。不思議とミセルにはこのネガーベル王城が襲来されると確信していた。
「悩んでいても仕方がない。急がなきゃ!!」
ミセルはまず父親であるガーヴェルの元へと走って向った。
(いないわ。お父様どこへ?)
しばらく父を探したが見つからず、ミセルはそのまま躊躇うことなくすぐに城の階段を駆け上がる。そして数名の兵士がまるで門番のようにして見張るその部屋へと辿り着いた。驚いた兵士が言う。
「あ、あなたはミセル様? どうしてここへ?」
ミセルは走って乱れた真っ赤な髪をそのままに、息を切らしながら言う。
「中にいるイコちゃんに会わせてくれるかしら。はあはあ……」
突然のミセルの訪問に驚く兵士達。
ロレンツの身内を守っていた彼らは敵であるジャスター家ミセルの登場に警戒したものの、どうも様子がおかしく困惑する。兵士の中から小隊長が前に出てミセルに尋ねる。
「ミセル様、あの子に一体何の御用でしょうか?」
ミセルが答える。
「ロレ様の大切なイコちゃん。私は守ってあげたい。それがいま私にできる務めなんです!!」
小隊長はそこに同じ志を持つ何かを感じた。
周りの兵士達の驚きをよそに、小隊長は部屋のドアを開けてミセルを中に招き入れた。
「あ、ミセルお姉ちゃん!!」
(え?)
喜ぶイコとは対照的に、驚いたのは侍女のリリーとミンファ。
ミセルと言えばいわば敵対関係の女。ロレンツとアンナを拘束に向かったジャスター家の人間がなぜここに来るのだろうか。リリーが尋ねる。
「何の御用でしょうか、ミセル様!!」
明らかに敵意を含んだ口調。ミンファはミセルの方へ向かおうとしたイコの手を行かせないよう掴み、ぎゅっと抱き寄せる。ミセルが答える。
「信じて貰えないかもしれないけど、ここは危なくなりますわ。一緒に避難して頂きたいの」
「……」
これまで散々自分達を嵌め、痛めつけようとしていたジャスター家。現に先程は自分達を、そして今は兄エルグが脱出したロレンツやアンナを軍を率いて追撃している。リリーが大きな声で言う。
「一体どうやったらミセル様を信用できると仰るのですか!?」
「ミセル様、お引き取り下さい」
ミンファもリリーに同調して言う。ミセルが焦りながら言う。
「本当なのよ!! ここはもうすぐ危険に、イコちゃんを安全な場所に……」
「お引き取り下さい!! 小隊長さん、お願いします!!!」
リリーに命じられ、小隊長が困った顔をしてミセルに近付く。ミセルが言う。
「本当なんです。本当ですわ、ここは危険で……、!?」
必死に叫ぶミセル。
そんな彼女にイコが近付き、その手に自分の手を乗せて言った。
「ミセルお姉ちゃん、イコは信じるよ。ありがとう、来てくれて」
「イ、イコちゃん……」
強すぎる思い。
ミセルから溢れ出たイコを救いたいという強い思いが、目の前にいる当人にしっかりと届いた。嘘ではない。心から思っている。イコはすぐに理解した。
「ミセルお姉ちゃんと一緒に避難しましょう!!」
イコが皆に向かって言った。
リリーもミンファも、そして小隊長も黙ってその言葉に頷いた。
「じゃあ、行くよ~、ロレロレぇ~」
ピンク髪を風に靡かせながらキャロルが手にしたレイピアを掲げて言う。ロレンツが答える。
「かかって来な。手加減はしねえぜ」
そう言いながらアンナを守るようにその前に立つ。
ふたりの間を流れる静寂。
少しずつ歩み寄るキャロル。一度は敗れたキャロルの余裕の表情が、これからどうなるのだろうと見ている者達をじっと黙らせる。ただロレンツだけは別の意味で黙り込んでいた。
(あれ、これは……、まさか……)
レイピアを構えながら歩み寄って来るキャロル。ロレンツも漆黒の呪剣を構えているのだが微動たりもしない。
そしてふたりは剣の交わる距離まで近づいた。
(え?)
近くで見ていたアンナがまず驚いた。
キャロルは一切剣を交えることなくくるっと回転し、ロレンツ達に背を向け上官であるエルグにその鋭いレイピアを向けた。驚いたエルグが言う。
「な、何をやっているんだ、キャロル!! 敵を討て、敵をっ!!!」
キャロルがレイピアをくるくると回しながら答える。
「えー、だってキャロルはロレロレと戦いたくないも~ん。いやいや、なの~。キャロルがロレロレと剣を交えるのは~」
そう言いながらキャロルはロレンツの太い腕を人差し指でつつーと撫でながら言う。
「ロレロレと剣を交えるのは~、ベッドの上だけだよ~、きゃはっ!!」
「や、やめんかー!! この発情女がっ!!!」
それまで震えていたアンナがロレンツに色目を使うキャロルに激怒して言う。
「きゃー、アンナ様ぁ、怖いですぅ~!!」
「こ、この女がぁ!!!」
それでも怒鳴り続けるアンナから逃げるようにキャロルがロレンツの後ろに隠れる。ロレンツがキャロルに尋ねる。
「いいのか? 嬢ちゃん」
キャロルがにっこり笑って答える。
「いいんですぅ~。エルグ様のやっていることは、ちょおっと、良くないことですから~」
「そうか、助かる」
ロレンツが少し笑って答える。キャロルが言う。
「じゃあ~、またキャロルに稽古つけてくださいね」
「ああ、約束する」
ロレンツは再びエルグに剣を向ける。その茶番劇を黙って見ていたエルグが顔を真っ赤にして大声で怒鳴る。
「キャロル!!! 貴様、造反は死罪だぞ!!! 分かっているのか!! 嫌ならそいつの首を討て!!!」
大声で叫ぶエルグ。
しかしその先でキャロルは舌を出してその指示を拒否する。
「うぬぬぬっ、討つぞ!! すべて捕らえて処刑する!!!」
その声に応じてキャロルの部隊がロレンツの方へと突然走り出す。
突撃命令の前に勝手に動いた部隊にエルグが驚く。だが、彼らがキャロルと合流するとすぐにその意味を理解した。その全員が剣を収めロレンツに敬礼している。ロレンツが尋ねる。
「いいのか、おめえさんら?」
部隊を代表してひとりの兵士が答える。
「我らはすべてロレロレ様に共感するものでございます。そしてその多くが【赤き悪魔】から家族を救って貰った者達。キャロル様と共にあなたを援護致します!!」
「ロレンツぅ……」
それを聞いていたアンナが少しだけ見えた一縷の望みに喜びの表情を浮かべる。ロレンツが頷き、皆に言う。
「有難てえ。じゃあおめえさんらは後ろの部隊、それからピンクの嬢ちゃんは姫さんを頼む。俺は、前の奴等をぶっ叩く!!!!」
「了解です!!」
「は~い、分かったよ~ん!!!」
ロレンツはアンナをキャロルに託すと、ひとり呪剣を構えエルグ本陣へと突撃する。それを見たエルグが叫ぶ。
「行け、行け!! 総員、突撃っ!!!!」
エルグ自身は後方に下がりつつ、全軍に突撃命令を出す。身軽になったロレンツが、この戦い始まって以来初めて全力でぶつかる。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる