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第三章「ライバルたちの群雄割拠」
23.同級生
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「先輩、先輩、遅いです……、本当に来ないかと思っちゃいました……」
幾分落ち着いた雫。しかしその青い髪とは対照的に目は真っ赤である。
「大将、早く前へ!!」
タケルの登場に一瞬静かになった会場だが、審判の声で再びヤジが飛び始める。雫が目をこすり、審判の方へと歩いて行く。
「あの、選手交代をお願いしたいのですが……」
雫は本当の選手が間に合うか分からなかったことを告げ交代をお願いする。それを横で聞いていた剛力が言う。
「構わん。俺とて女を投げ飛ばす訳にはいかんからな」
そう言いながらも、男ならばこのみの前でどれだけでも豪快に投げ飛ばすことができる。女ではそうはいかない。言葉の理由はただそれだけであった。
無事選手交代が認められ、タケルが畳へと上がる。
「ぷぷっ、クスクス……」
会場からヤジに変わって笑い声が聞こえる。
向かい合った剛力とタケル。その身長差は五里以上。体重別ではない無差別なので問題ではないのだが、あまりにも体格差があり過ぎる。剛力が向かい合ったタケルに言う。
「手加減はしないから、覚悟しろよ」
「え? ああ、よろしく……」
タケルは下を向いて足を見つめたまま剛力の言葉に答える。
(ふん、無礼者め!! 思いきり投げ飛ばしてやるわ!!!)
一方のタケルは痛めた左足首を確かめるように動かしていた。
(まずいな。歩く分にはだいぶ良くなったけど、柔道の動きにはさすがに痛みが伴う)
アヒルの着ぐるみで痛めた左足首がまだ完治していない。どうしようか悩むタケルの耳に、審判の声が響いた。
「始めっ!!!」
「うおおおお!!!!」
その号令と同時に剛力がタケルに掴みかかる。
「ぐっ!!」
見た目通りの怪力。初手からどんと押される。
そして感じた。
――あ、こいつ。強い。
大学選手権決勝リーグへ進んだ実力者。
やはりその強さはそこらの部員とは一線を画す。
「ぬん!!!」
「くっ!!」
左足を庇うように動くタケル。剛力の怪力がそんなタケルの自由を奪う。
「はあ!!!」
剛力の力任せの投げ技がタケルを襲う。タケルは右足を軸に体を回転させるようにしてそれを払う。
「はあ、はあ……」
一旦離れる両者。
最初から全力で向かう剛力の呼吸が乱れる。タケルが思う。
(油断していた。あいつ、強いわ。片足だけでどうやって戦う……)
真剣な顔で悩むタケル。
しかし剛力はそれ以上に驚いていた。
(な、なんだんだ。こいつは……)
細く弱そうな相手。
しかし組んだ瞬間に鉛のように重く感じる相手の体。それなのに技をかけるとまるで空気を相手にしているように逃げられる。
(何者だ? こいつ……)
剛力の目に呼吸ひとつ乱さず立つタケルの姿が映る。
「剛力さーん、やっちゃってください!!!」
「一条先輩、頑張れっ!!!」
お互いの席から応援の声が響く。剛力が応援席でこちらを真剣に見つめるこのみの姿に気付く。
(そ、そうだった。俺は佐倉の前でカッコいい姿を見せなければならなかったんだ!!!)
剛力の体に力が漲る。そして掛け声とともにタケルに突進する。
「はああああっ!!!」
再び組み合う両者。
タケルは剛力の怪力に右足一本で耐える。
(痛ってえええ、くっそ!!! マジで痛いぞ!!!)
タケルは先程無意識で使ってしまった左足の痛みに耐える。剛力が思う。
(くそっ、重い重い重い!!! まるで地面に根を張った木のように動かん!!!)
剛力は先程からまったく隙を見せないタケルに動揺し始める。しかし組み合う中でようやくその事実に気付く。
(ちょっと待て……、こいつ、左足を使っていない? まさか、使えないとか!?)
怪我をしているとか、何か別の理由があるとかそんなことどうでも良かった。とにかく勝ちたい。豪快に勝ちたい。剛力の頭にはそれしかなかった。
「が、頑張って!!!」
その時、開盛大学の観客席から可愛らしい大きな声が響いた。
(さ、佐倉!!!)
剛力が自分にかけられた応援だと勘違いし、体の底からの力で技を繰り出す。
「うおおおおっ!!!」
左足の大外刈り。
素早く出した左足が、運悪くタケルの痛めている左足首に当たる。
(ぎゃっ!!)
突然の痛みに内心叫び声を上げるタケル。それでも飛んできた大外刈りに天性の反射神経でかわす。
「はあ、はあ、はあ……」
再び離れる両者。
先程まで騒がしかった観客席も水を打ったように静かになる。開盛大学の部員たちが小声で話し始める。
「な、なあ、剛力さん。あれかなり本気だよな……」
「ああ、大学選手権以来の真面目な顔。全力だぞ……」
それなのに全く倒れない相手。
ゼイゼイと肩で息をする剛力とは対照的に、全く息が乱れないタケル。剛力の攻撃を最小限の動きですべてかわしている。
「だ、誰なんだよ、あいつ……」
「青葉、だっけ……、確か?」
混乱する部員たち。しかし当の剛力はそれ以上に混乱していた。
(だ、駄目だ。このままではやられる……)
一方的に攻めている剛力。
それでも強者の勘でこのままでは勝ち目がないと直感する。タケルが思う。
(いい加減勝負を決めないと、まずいな。マジで足痛いし、あいつ普通に強いし……)
ほぼ片足立ちになっているタケル。そんなタケルに剛力が突進して来た。
(勝つ、勝つ、勝つ、勝つ!!! 俺は絶対に勝つ!!!!!)
鬼の形相でタケルに組みかかる剛力。
ブルドーザーのような突進に、タケルが思わず両足でそれを受け止める。
(ぐっ!!!)
左足に広がる激痛。
その隙を剛力は見逃さなかった。
「ぐおおおお!!!!」
再び大外刈り。
タケルがバランスを崩しかける。
(やべっ!!)
その時、ひとりの女の子の声がタケルの耳に響いた。
「タケルくーーーーーん、負けるな!!!!」
(え?)
その聞き慣れた愛おしい声がタケルの頭へ直接届く。
ドオオオオン!!!!
次の瞬間、巨漢の剛力がくるりと体を回転させられ、派手に畳に叩きつけられた。
「い、一本っ!!! 勝者、聡明館大学!!!」
「うおおおおお!!!!」
大外刈りをかわしてからの内股。左足に負担が掛からない投げ技でタケルが剛力を仕留めた。総館大の柔道部から次々と喜びの声が上がる。タケルはその中から先程の声の主を見つめた。
(優花……)
水色の澄んだ目をした優花が戻って来たタケルに抱き着いて言う。
「最高っ。カッコ良かったぞ!!」
「あ、ああ……」
タケルは痛む左足を庇いながら返事をする。それを見た雫がむっとした顔で言う。
「ちょ、ちょっと!! 私も彼女なんですからね!! 先輩、私とも抱擁してくださいよ!! 匂いかがせてくださいよ!!!」
そう言ってふたりに抱き着く雫。
「わっ、わ、ちょっと待って、雫ちゃ……」
そう言い掛けたタケルの前にひとりの女の子が立つ。
(あれ?)
赤みがかったツインテール。大きな目。どこか記憶のある顔。彼女に気付きその姿をじっと見つめる優花。女の子が言う。
「やっぱり一条君だ……、一条君、だ……」
女の子の目は既に真っ赤である。優花が先に気付いて言う。
「あ、あれ。もしかして、このみ?」
このみが頷いて答える。
「うん、そうだよ。優花ちゃん」
「うそ……」
久し振りの再会。それだけでも驚きなのだが、このみは更に驚きの行動をとる。
「一条君……」
このみはタケルの手を取ると、赤い髪と同じぐらい顔を真っ赤にして言う。
「あなたが好きなんです。結婚して下さい!!」
(え?)
タケルは足の痛みを忘れるほど心から驚いた。
幾分落ち着いた雫。しかしその青い髪とは対照的に目は真っ赤である。
「大将、早く前へ!!」
タケルの登場に一瞬静かになった会場だが、審判の声で再びヤジが飛び始める。雫が目をこすり、審判の方へと歩いて行く。
「あの、選手交代をお願いしたいのですが……」
雫は本当の選手が間に合うか分からなかったことを告げ交代をお願いする。それを横で聞いていた剛力が言う。
「構わん。俺とて女を投げ飛ばす訳にはいかんからな」
そう言いながらも、男ならばこのみの前でどれだけでも豪快に投げ飛ばすことができる。女ではそうはいかない。言葉の理由はただそれだけであった。
無事選手交代が認められ、タケルが畳へと上がる。
「ぷぷっ、クスクス……」
会場からヤジに変わって笑い声が聞こえる。
向かい合った剛力とタケル。その身長差は五里以上。体重別ではない無差別なので問題ではないのだが、あまりにも体格差があり過ぎる。剛力が向かい合ったタケルに言う。
「手加減はしないから、覚悟しろよ」
「え? ああ、よろしく……」
タケルは下を向いて足を見つめたまま剛力の言葉に答える。
(ふん、無礼者め!! 思いきり投げ飛ばしてやるわ!!!)
一方のタケルは痛めた左足首を確かめるように動かしていた。
(まずいな。歩く分にはだいぶ良くなったけど、柔道の動きにはさすがに痛みが伴う)
アヒルの着ぐるみで痛めた左足首がまだ完治していない。どうしようか悩むタケルの耳に、審判の声が響いた。
「始めっ!!!」
「うおおおお!!!!」
その号令と同時に剛力がタケルに掴みかかる。
「ぐっ!!」
見た目通りの怪力。初手からどんと押される。
そして感じた。
――あ、こいつ。強い。
大学選手権決勝リーグへ進んだ実力者。
やはりその強さはそこらの部員とは一線を画す。
「ぬん!!!」
「くっ!!」
左足を庇うように動くタケル。剛力の怪力がそんなタケルの自由を奪う。
「はあ!!!」
剛力の力任せの投げ技がタケルを襲う。タケルは右足を軸に体を回転させるようにしてそれを払う。
「はあ、はあ……」
一旦離れる両者。
最初から全力で向かう剛力の呼吸が乱れる。タケルが思う。
(油断していた。あいつ、強いわ。片足だけでどうやって戦う……)
真剣な顔で悩むタケル。
しかし剛力はそれ以上に驚いていた。
(な、なんだんだ。こいつは……)
細く弱そうな相手。
しかし組んだ瞬間に鉛のように重く感じる相手の体。それなのに技をかけるとまるで空気を相手にしているように逃げられる。
(何者だ? こいつ……)
剛力の目に呼吸ひとつ乱さず立つタケルの姿が映る。
「剛力さーん、やっちゃってください!!!」
「一条先輩、頑張れっ!!!」
お互いの席から応援の声が響く。剛力が応援席でこちらを真剣に見つめるこのみの姿に気付く。
(そ、そうだった。俺は佐倉の前でカッコいい姿を見せなければならなかったんだ!!!)
剛力の体に力が漲る。そして掛け声とともにタケルに突進する。
「はああああっ!!!」
再び組み合う両者。
タケルは剛力の怪力に右足一本で耐える。
(痛ってえええ、くっそ!!! マジで痛いぞ!!!)
タケルは先程無意識で使ってしまった左足の痛みに耐える。剛力が思う。
(くそっ、重い重い重い!!! まるで地面に根を張った木のように動かん!!!)
剛力は先程からまったく隙を見せないタケルに動揺し始める。しかし組み合う中でようやくその事実に気付く。
(ちょっと待て……、こいつ、左足を使っていない? まさか、使えないとか!?)
怪我をしているとか、何か別の理由があるとかそんなことどうでも良かった。とにかく勝ちたい。豪快に勝ちたい。剛力の頭にはそれしかなかった。
「が、頑張って!!!」
その時、開盛大学の観客席から可愛らしい大きな声が響いた。
(さ、佐倉!!!)
剛力が自分にかけられた応援だと勘違いし、体の底からの力で技を繰り出す。
「うおおおおっ!!!」
左足の大外刈り。
素早く出した左足が、運悪くタケルの痛めている左足首に当たる。
(ぎゃっ!!)
突然の痛みに内心叫び声を上げるタケル。それでも飛んできた大外刈りに天性の反射神経でかわす。
「はあ、はあ、はあ……」
再び離れる両者。
先程まで騒がしかった観客席も水を打ったように静かになる。開盛大学の部員たちが小声で話し始める。
「な、なあ、剛力さん。あれかなり本気だよな……」
「ああ、大学選手権以来の真面目な顔。全力だぞ……」
それなのに全く倒れない相手。
ゼイゼイと肩で息をする剛力とは対照的に、全く息が乱れないタケル。剛力の攻撃を最小限の動きですべてかわしている。
「だ、誰なんだよ、あいつ……」
「青葉、だっけ……、確か?」
混乱する部員たち。しかし当の剛力はそれ以上に混乱していた。
(だ、駄目だ。このままではやられる……)
一方的に攻めている剛力。
それでも強者の勘でこのままでは勝ち目がないと直感する。タケルが思う。
(いい加減勝負を決めないと、まずいな。マジで足痛いし、あいつ普通に強いし……)
ほぼ片足立ちになっているタケル。そんなタケルに剛力が突進して来た。
(勝つ、勝つ、勝つ、勝つ!!! 俺は絶対に勝つ!!!!!)
鬼の形相でタケルに組みかかる剛力。
ブルドーザーのような突進に、タケルが思わず両足でそれを受け止める。
(ぐっ!!!)
左足に広がる激痛。
その隙を剛力は見逃さなかった。
「ぐおおおお!!!!」
再び大外刈り。
タケルがバランスを崩しかける。
(やべっ!!)
その時、ひとりの女の子の声がタケルの耳に響いた。
「タケルくーーーーーん、負けるな!!!!」
(え?)
その聞き慣れた愛おしい声がタケルの頭へ直接届く。
ドオオオオン!!!!
次の瞬間、巨漢の剛力がくるりと体を回転させられ、派手に畳に叩きつけられた。
「い、一本っ!!! 勝者、聡明館大学!!!」
「うおおおおお!!!!」
大外刈りをかわしてからの内股。左足に負担が掛からない投げ技でタケルが剛力を仕留めた。総館大の柔道部から次々と喜びの声が上がる。タケルはその中から先程の声の主を見つめた。
(優花……)
水色の澄んだ目をした優花が戻って来たタケルに抱き着いて言う。
「最高っ。カッコ良かったぞ!!」
「あ、ああ……」
タケルは痛む左足を庇いながら返事をする。それを見た雫がむっとした顔で言う。
「ちょ、ちょっと!! 私も彼女なんですからね!! 先輩、私とも抱擁してくださいよ!! 匂いかがせてくださいよ!!!」
そう言ってふたりに抱き着く雫。
「わっ、わ、ちょっと待って、雫ちゃ……」
そう言い掛けたタケルの前にひとりの女の子が立つ。
(あれ?)
赤みがかったツインテール。大きな目。どこか記憶のある顔。彼女に気付きその姿をじっと見つめる優花。女の子が言う。
「やっぱり一条君だ……、一条君、だ……」
女の子の目は既に真っ赤である。優花が先に気付いて言う。
「あ、あれ。もしかして、このみ?」
このみが頷いて答える。
「うん、そうだよ。優花ちゃん」
「うそ……」
久し振りの再会。それだけでも驚きなのだが、このみは更に驚きの行動をとる。
「一条君……」
このみはタケルの手を取ると、赤い髪と同じぐらい顔を真っ赤にして言う。
「あなたが好きなんです。結婚して下さい!!」
(え?)
タケルは足の痛みを忘れるほど心から驚いた。
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