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第三章「ライバルたちの群雄割拠」
18.先輩、助けてください!
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(あれ……?)
ハロウィンの翌日、眠い目をこすりながらタケルが目を覚ます。
(いてててて……)
目覚めると同時に感じる足首の痛み。
実は昨晩、歩き辛い着ぐるみで全力で走った際に足をくじいてしまっていた。足首を見るとやや赤くなって腫れている。歩行には問題なさそうだが激しい運動はできないようだ。
(参ったな……、とりあえず起きるか……)
「おはよ、母さん」
足の様子を見ながら起きてくると、母親が少し困ったような顔で言った。
「おはよう、タケル。お父さんと慎太郎が話があるって。道場で待ってるわよ」
「え? 親父たちが??」
タケルはすぐにそれがあまり良くない話だと直感した。
朝のひんやりする一条家の庭。まだ少し薄暗い中を庭にある道場へとタケルが向かう。
「お、おはようございます……」
まだ冴えぬ頭で道場へ入りタケルが挨拶をする。
「タケル、ここへ座れ」
道場の中心には既に道着に着替えた父重蔵と兄の慎太郎が正座して座っている。絶対に叱られるパターンだと思いながら、タケルがふたりの前に行き痛む足を我慢して同じように正座して座る。重蔵が言う。
「タケル。ひとつ聞きたいのだが、お前はアヒルが好きなのか?」
(へ?)
思っても見なかった言葉にタケルが顔を上げる。同時に思い出される着ぐるみのアヒル。少し笑いを堪えたタケルに兄の慎太郎が言う。
「昨日ね、タケルを見たんだよ。ハロウィンで」
「え?」
タケルの顔が真剣になる。
「大学の宣伝も兼ねた行事で駅前のハロウィンに行ったのだけど、どこかで見覚えのあるアヒルが歩いてね」
兄の話を聞くタケルの顔に汗が流れ始める。
「急に早足になったかと思ったら路地裏に入って行き、何があったか知らないけどそのアヒルが中にいた男ふたりを投げ飛ばしたんだ」
タケルの心臓はバクバクと鳴り目の前がぐるぐると回り始める。父親が言う。
「まずは聞こう。そのアヒルと言うのはお前だな」
自分の投げを兄に見られたと言うのであれば誤魔化しはできない。
「はい……」
タケルがうなだれて答える。
「なぜ喧嘩で柔道を使った?」
ゆっくりだが圧のある声。
柔道の私用での利用は厳しく禁止されている。
「友達が、あいつらに絡まれていて……」
「黙れっ!!」
話をし始めたタケルを父親が一喝する。
「相手は素人。素人相手に一条家が技を繰り出すなど言語道断っ!!!」
「はい……」
父としてはせっかく柔道を再開した息子が、街での喧嘩に安易に柔道を使ったことが許せなかった。タケルの話はほとんど聞かずに怒りを露にする。
「今後、私闘で柔道を使ったら破門だ!! 一条家から追放する!!!」
父親は真剣な顔でそう言うとタケルを見つめる。その言葉に驚いた慎太郎が言う。
「父さん、それはあまりにも厳しすぎ……」
「黙れ、慎太郎!!!」
「はい……」
父は兄に向っても言い放つ。
「そもそもお前が近くにいながらなぜこいつを止められなかった??」
「はい、申し訳ございません」
タケルは骨の折れた兄の腕を見つめる。あれではチンピラとのいざこざを止められない。父親がタケルに言う。
「分かったな! タケル」
「はい、分かりました……」
タケルは下を向いて小さく返事をした。
「はあ……」
通勤通学の客で賑わう朝の駅前。
優花は冷える手をこすりながらひとりタケルがやって来るのを待った。
(どうして私はあんな奴を誘ったんだろう……)
スマホに残るタケルを誘うメッセージ。
『明日の朝いつもの駅前で待ってるからね、タケルの優花より♡』
何度読み返しても恥ずかしい文章。
書いている時は嬉しくて書いていたような気がするが、それもよく分からない。
(私って本当はあいつのことが好きなのかな……? 確かに昨日の投げるあの姿、すっごく格好良かった……)
優花の頭に昨晩、華麗にチンピラを投げ飛ばしたアヒルのタケルの姿が蘇る。少し笑う優花だが、同時に首を左右に何度も振って否定する。
(そんなことはない!! 私はあいつが嫌い!!! そう、あいつが……)
そこへ待ち合わせにやって来たタケルが現れる。
「よお、優花。待っ……」
「嫌いなのっ!!!」
「えっ!?」
突然怖い顔で『嫌い宣言』されるタケル。少し後退しながら言う。
「わ、分かった。俺のことが嫌いなんだろ……?」
タケルは優花の黒目をしっかり見据えて言う。
「え? あ、いや、その、なんて言うか……」
優花はそうタケルに尋ねられて回答に困る自分に戸惑う。
(なぜはっきり言わないの、嫌いだと……)
優花は自分の中にあるタケルへの矛盾する感情、大嫌いなはずの彼とそれを心のどこかで良しとしない自分。相反するふたつの感情に優花の頭が混乱する。
「訳分からないわ……」
真顔でそう言われたタケルが答える。
「いや、俺の方が訳分からんぞ」
「そうかもね。さ、行くわよ」
優花はそう言うとタケルの前を歩き出した。
「一限は何の授業?」
駅に着き、大学へ歩き始めた優花がタケルに尋ねる。
「経済学。そっちは?」
「英語」
「そうか」
終わる会話。
周りに歩く人達と足並みをそろえて教室へと向かう。くじいた足首がやや痛い。それを悟られぬよう優花と並んで歩く。校門が近付いて来ると優花が言った。
「じゃあね」
「ああ、また……」
そう言って別れようとしたふたりの背後から元気な声が響く。
「せんぱーい!!!」
「え?」
その声で振り返るタケル。声の主はそんな彼に躊躇わずに抱き着いた。
「わわっ!? し、雫ちゃん!?」
青葉雫。聡明館大学柔道部のマネージャーにて、タケルの『第二の恋人』を宣言した女の子。青の短いスカートに白いブラウス、厚手のジャケット。頭にはトレードマークの大きなリボンが可愛く結われている。雫が言う。
「会いたかったですぅ~、せ~んぱい!! ああ、いい匂い~」
人の目を気にせず抱き着き匂いを嗅ぐ雫。周りを歩く学生たちは皆驚いた表情でふたりを見つめる。
「ちょ、ちょっと離れて、雫ちゃん!!」
雫が不満そうな顔で言う。
「えー、どうしてですか!? 私、一条先輩の彼女なんですよ!! ね、桐島先輩?」
雫はタケルと一緒に居ながら全然彼女っぽくしない優花にあえて話を振った。優花が答える。
「私には関係のない事でしょ?」
明らかに不服そうな態度の黒目の優花。それを聞いた雫がタケルの腕を組んで言う。
「そうですよね~、桐島先輩には関係のないこと。じゃ、行きましょ。一条先輩!!」
そう言って雫はタケルの腕に自分の胸をぎゅうぎゅうと押し付ける。
(お、お、お、マ、マジか!? この感触は!!)
それを見た優花の顔が真っ赤になり、そしてむっとした顔で言う。
「最低っ!! もう知らない!!!」
そう言って優花がひとり歩き出す。
「あ、ちょ、ちょっと、優花!!」
タケルが呼ぶ声も無視してひとりで歩く優花。残されたタケルが雫に言う。
「なあ、雫ちゃん。そろそろ腕、放してくれないかな。俺、やっぱり優花の彼氏だし」
「私の彼氏、でもありますよね!!」
雫は笑顔を絶やさずに答える。タケルがため息をついて言う。
「俺はそんなのはちゃんと認めていないよ。それより何か用事でもあったんじゃないの?」
雫は腕を組みながら思い出したように言う。
「ああ、そうでした!! 実は……」
歩き出したふたり。雫はタケルに上目遣いで言う。
「今度、他校との練習試合があるんですけど部員がひとり怪我しちゃいまして、先輩出て頂けませんか?」
五人で行う団体戦。部員数がぎりぎりの総館大の柔道部。ひとりでも怪我をすれば試合ができなくなる。
「あー、でも俺弱いし……」
先日の見学で情けなく負けたタケル。あれ以来顔を出していなかったのだが、雫が懇願するような顔で言う。
「先輩が出てくれないと……」
雫が組んだタケルの腕にぎゅっと力を入れて言う。
「私が出なきゃいけないんです」
タケルは男ばかりの柔道の試合に美少女である雫が出る図を思い浮かべ唖然とした。
(もー、一条のやつ、あんなにデレデレして!! 嫌いだけど、あー、なんか腹立つ!!)
優花はタケルたちと別れた後も、ひとり先程のタケルたちを思い出して怒りを膨らませていた。
(私は、そうあいつが嫌い。嫌いなの!! でもほかの女の子と仲良くするのは許せない!! なぜって、私がそう思うから!!)
優花は自分で矛盾していることに気付きながらも、抑えられない感情に苦しんでいた。
(あれ?)
そんな彼女がスマホに届いていた一通のメッセージに気付く。
(お父さんからだ……)
嫌な予感がした。
無表情になってそのメッセージを開ける。
『少し予定が早まった。結城レン君との食事会だが来週に行う』
優花の頭に豹変した文化祭実行委員責任者の笑う顔が思い浮かぶ。
(一条……)
優花はすぐにタケルの携帯に電話をかけた。
「もしもし? 優花?」
すぐに電話に出るタケル。優花が言う。
「ちょっと声を聞きたくなって、ごめん……」
タケルはそれを聞きながら、今の優花はどっちの優花なのかなと少し考えた。
ハロウィンの翌日、眠い目をこすりながらタケルが目を覚ます。
(いてててて……)
目覚めると同時に感じる足首の痛み。
実は昨晩、歩き辛い着ぐるみで全力で走った際に足をくじいてしまっていた。足首を見るとやや赤くなって腫れている。歩行には問題なさそうだが激しい運動はできないようだ。
(参ったな……、とりあえず起きるか……)
「おはよ、母さん」
足の様子を見ながら起きてくると、母親が少し困ったような顔で言った。
「おはよう、タケル。お父さんと慎太郎が話があるって。道場で待ってるわよ」
「え? 親父たちが??」
タケルはすぐにそれがあまり良くない話だと直感した。
朝のひんやりする一条家の庭。まだ少し薄暗い中を庭にある道場へとタケルが向かう。
「お、おはようございます……」
まだ冴えぬ頭で道場へ入りタケルが挨拶をする。
「タケル、ここへ座れ」
道場の中心には既に道着に着替えた父重蔵と兄の慎太郎が正座して座っている。絶対に叱られるパターンだと思いながら、タケルがふたりの前に行き痛む足を我慢して同じように正座して座る。重蔵が言う。
「タケル。ひとつ聞きたいのだが、お前はアヒルが好きなのか?」
(へ?)
思っても見なかった言葉にタケルが顔を上げる。同時に思い出される着ぐるみのアヒル。少し笑いを堪えたタケルに兄の慎太郎が言う。
「昨日ね、タケルを見たんだよ。ハロウィンで」
「え?」
タケルの顔が真剣になる。
「大学の宣伝も兼ねた行事で駅前のハロウィンに行ったのだけど、どこかで見覚えのあるアヒルが歩いてね」
兄の話を聞くタケルの顔に汗が流れ始める。
「急に早足になったかと思ったら路地裏に入って行き、何があったか知らないけどそのアヒルが中にいた男ふたりを投げ飛ばしたんだ」
タケルの心臓はバクバクと鳴り目の前がぐるぐると回り始める。父親が言う。
「まずは聞こう。そのアヒルと言うのはお前だな」
自分の投げを兄に見られたと言うのであれば誤魔化しはできない。
「はい……」
タケルがうなだれて答える。
「なぜ喧嘩で柔道を使った?」
ゆっくりだが圧のある声。
柔道の私用での利用は厳しく禁止されている。
「友達が、あいつらに絡まれていて……」
「黙れっ!!」
話をし始めたタケルを父親が一喝する。
「相手は素人。素人相手に一条家が技を繰り出すなど言語道断っ!!!」
「はい……」
父としてはせっかく柔道を再開した息子が、街での喧嘩に安易に柔道を使ったことが許せなかった。タケルの話はほとんど聞かずに怒りを露にする。
「今後、私闘で柔道を使ったら破門だ!! 一条家から追放する!!!」
父親は真剣な顔でそう言うとタケルを見つめる。その言葉に驚いた慎太郎が言う。
「父さん、それはあまりにも厳しすぎ……」
「黙れ、慎太郎!!!」
「はい……」
父は兄に向っても言い放つ。
「そもそもお前が近くにいながらなぜこいつを止められなかった??」
「はい、申し訳ございません」
タケルは骨の折れた兄の腕を見つめる。あれではチンピラとのいざこざを止められない。父親がタケルに言う。
「分かったな! タケル」
「はい、分かりました……」
タケルは下を向いて小さく返事をした。
「はあ……」
通勤通学の客で賑わう朝の駅前。
優花は冷える手をこすりながらひとりタケルがやって来るのを待った。
(どうして私はあんな奴を誘ったんだろう……)
スマホに残るタケルを誘うメッセージ。
『明日の朝いつもの駅前で待ってるからね、タケルの優花より♡』
何度読み返しても恥ずかしい文章。
書いている時は嬉しくて書いていたような気がするが、それもよく分からない。
(私って本当はあいつのことが好きなのかな……? 確かに昨日の投げるあの姿、すっごく格好良かった……)
優花の頭に昨晩、華麗にチンピラを投げ飛ばしたアヒルのタケルの姿が蘇る。少し笑う優花だが、同時に首を左右に何度も振って否定する。
(そんなことはない!! 私はあいつが嫌い!!! そう、あいつが……)
そこへ待ち合わせにやって来たタケルが現れる。
「よお、優花。待っ……」
「嫌いなのっ!!!」
「えっ!?」
突然怖い顔で『嫌い宣言』されるタケル。少し後退しながら言う。
「わ、分かった。俺のことが嫌いなんだろ……?」
タケルは優花の黒目をしっかり見据えて言う。
「え? あ、いや、その、なんて言うか……」
優花はそうタケルに尋ねられて回答に困る自分に戸惑う。
(なぜはっきり言わないの、嫌いだと……)
優花は自分の中にあるタケルへの矛盾する感情、大嫌いなはずの彼とそれを心のどこかで良しとしない自分。相反するふたつの感情に優花の頭が混乱する。
「訳分からないわ……」
真顔でそう言われたタケルが答える。
「いや、俺の方が訳分からんぞ」
「そうかもね。さ、行くわよ」
優花はそう言うとタケルの前を歩き出した。
「一限は何の授業?」
駅に着き、大学へ歩き始めた優花がタケルに尋ねる。
「経済学。そっちは?」
「英語」
「そうか」
終わる会話。
周りに歩く人達と足並みをそろえて教室へと向かう。くじいた足首がやや痛い。それを悟られぬよう優花と並んで歩く。校門が近付いて来ると優花が言った。
「じゃあね」
「ああ、また……」
そう言って別れようとしたふたりの背後から元気な声が響く。
「せんぱーい!!!」
「え?」
その声で振り返るタケル。声の主はそんな彼に躊躇わずに抱き着いた。
「わわっ!? し、雫ちゃん!?」
青葉雫。聡明館大学柔道部のマネージャーにて、タケルの『第二の恋人』を宣言した女の子。青の短いスカートに白いブラウス、厚手のジャケット。頭にはトレードマークの大きなリボンが可愛く結われている。雫が言う。
「会いたかったですぅ~、せ~んぱい!! ああ、いい匂い~」
人の目を気にせず抱き着き匂いを嗅ぐ雫。周りを歩く学生たちは皆驚いた表情でふたりを見つめる。
「ちょ、ちょっと離れて、雫ちゃん!!」
雫が不満そうな顔で言う。
「えー、どうしてですか!? 私、一条先輩の彼女なんですよ!! ね、桐島先輩?」
雫はタケルと一緒に居ながら全然彼女っぽくしない優花にあえて話を振った。優花が答える。
「私には関係のない事でしょ?」
明らかに不服そうな態度の黒目の優花。それを聞いた雫がタケルの腕を組んで言う。
「そうですよね~、桐島先輩には関係のないこと。じゃ、行きましょ。一条先輩!!」
そう言って雫はタケルの腕に自分の胸をぎゅうぎゅうと押し付ける。
(お、お、お、マ、マジか!? この感触は!!)
それを見た優花の顔が真っ赤になり、そしてむっとした顔で言う。
「最低っ!! もう知らない!!!」
そう言って優花がひとり歩き出す。
「あ、ちょ、ちょっと、優花!!」
タケルが呼ぶ声も無視してひとりで歩く優花。残されたタケルが雫に言う。
「なあ、雫ちゃん。そろそろ腕、放してくれないかな。俺、やっぱり優花の彼氏だし」
「私の彼氏、でもありますよね!!」
雫は笑顔を絶やさずに答える。タケルがため息をついて言う。
「俺はそんなのはちゃんと認めていないよ。それより何か用事でもあったんじゃないの?」
雫は腕を組みながら思い出したように言う。
「ああ、そうでした!! 実は……」
歩き出したふたり。雫はタケルに上目遣いで言う。
「今度、他校との練習試合があるんですけど部員がひとり怪我しちゃいまして、先輩出て頂けませんか?」
五人で行う団体戦。部員数がぎりぎりの総館大の柔道部。ひとりでも怪我をすれば試合ができなくなる。
「あー、でも俺弱いし……」
先日の見学で情けなく負けたタケル。あれ以来顔を出していなかったのだが、雫が懇願するような顔で言う。
「先輩が出てくれないと……」
雫が組んだタケルの腕にぎゅっと力を入れて言う。
「私が出なきゃいけないんです」
タケルは男ばかりの柔道の試合に美少女である雫が出る図を思い浮かべ唖然とした。
(もー、一条のやつ、あんなにデレデレして!! 嫌いだけど、あー、なんか腹立つ!!)
優花はタケルたちと別れた後も、ひとり先程のタケルたちを思い出して怒りを膨らませていた。
(私は、そうあいつが嫌い。嫌いなの!! でもほかの女の子と仲良くするのは許せない!! なぜって、私がそう思うから!!)
優花は自分で矛盾していることに気付きながらも、抑えられない感情に苦しんでいた。
(あれ?)
そんな彼女がスマホに届いていた一通のメッセージに気付く。
(お父さんからだ……)
嫌な予感がした。
無表情になってそのメッセージを開ける。
『少し予定が早まった。結城レン君との食事会だが来週に行う』
優花の頭に豹変した文化祭実行委員責任者の笑う顔が思い浮かぶ。
(一条……)
優花はすぐにタケルの携帯に電話をかけた。
「もしもし? 優花?」
すぐに電話に出るタケル。優花が言う。
「ちょっと声を聞きたくなって、ごめん……」
タケルはそれを聞きながら、今の優花はどっちの優花なのかなと少し考えた。
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