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四章
最終話
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伊吹は全裸になり、ベッドに仰向けに横になった。両手をそれぞれ翠と瑞希がベッドヘッドに縛り付けた。
「まずは僕がやってみせるね。翠君は伊吹のおちんぽ扱いてあげて」
「はい」
伊吹の男性器は既に固くなっており、鈴口からは蜜が浮き上がっている。そこを翠の大きな手が触れ、優しく握られる。
「んっ」
「伊吹は乳首開けるの初めてだっけ?」
「はい」
「意外。高校時代とか、僕と離れてる間に、どこぞのご主人様に開けられてると思った」
「……その時は、俺のご主人様は瑞希様だけって思ってました」
「嘘つくなって。僕から逃げたかった癖に。本当にご主人様って思ってたら、自分が援交してるのがバレそうだからって、僕が援交してる場面を写真撮って匿名で学校に送らないよね」
「え、伊吹さんそんな事したんですか?」
「そうだよ。昔の伊吹は、卑怯で、弱虫で、最悪な男だったよねぇ」
「申し訳、ありません。もうそんな事しません」
伊吹は首を振って、五年も前の事を謝罪する。瑞希にいいと言うまで近寄るなと言われ、疎遠になっていた頃にしてしまった事だ。
もうとっくに謝罪をして許しをもらっているが、その話を振られるとまだ許されていないように思えるのだ。
「とか言って、本当は僕が罰を理由に伊吹に会いに行くの待ってた?」
「いいえ。ただ、俺が弱い人間だからご主人様を盾にして逃げたんです。本当に申し訳ありませんでした」
深層心理は分からない。もしかしたら瑞希の言う通り、罰を受けたいが為にしてしまったのかもしれない。
そう言われると「そうかも」も思いそうになる。
「その事はもう怒ってないよ。伊吹、これ噛んでてね」
瑞希がハンカチを伊吹の口に入れてきた。舌を噛まないようにする為だと分かる。言われた通りに咥える。
そして、瑞希の手にニードルが握られた。アルコール消毒をして準備万端である。
瑞希はプロだ。ニップルピアスを他人に付けた事もあるのだろう。慣れた手つきで右側の乳首を摘み、ニードルの先端を当てている。
「昔の事は怒ってないけど、嘘ついた罰は受けてもらおっかな。じわじわゆっくり刺してあげる」
その言葉に伊吹は恐怖を感じた。どれ程の痛みだろうか、そう考えただけで射精しそうだ。翠が扱いている事もあり、じれったくて切ない。
ググッと少しずつ皮膚を破って、肉をかき分けるようにニードルが入っていく。
「んんんんんんんっーーーー!!」
余りの痛みに、歯を食いしばったまま叫んだ。叫び声は布に吸収されてあまり響かないが、目を瞑ると涙が流れる程の痛みだ。
射精してしまったような感じはするが、痛みが強くて感覚がない。
「伊吹、終わったよ」
「ふー……ふー……ふー……」
荒い息を吐くことしか出来ず、片方が終わった事を喜べない。痛くて、辛くて、早く終わって欲しいと願った。
あともう片方も開けるなど、想像するだけで気絶しそうだ。
(拒否権はない。苦痛を耐えるのは、本当に辛い。でもご主人様方の命令には背けない。なのに、何故か嬉しい)
次は翠の番だ。緊張しているのだろう、震える手で伊吹の左側の乳首を摘んだ。見ると、ニードルを持つ手も震えている。
瑞希に指導されて、空中で刺す練習をし始めた。見ている事しか出来ない事がじれったい。
やるなら早くやってしまって欲しい。
「伊吹さん、すぐ終わらせますから」
「うー……」
伊吹が言葉を発しようとすると、それに気付いた翠が一度だけハンカチを伊吹の口から離した。
「翠様も、好きに俺をいたぶっていいですよ」
「それはまた今度にしますよ。今は出来るだけ負担を減らしてあげたいです」
「翠様……」
伊吹と翠は見つめ合った。二人だけの時間が流れているようで、伊吹は赤面する。そうしていると、瑞希が伊吹の男性器を揉み始めた。
やはり先程射精していたらしい。今は柔らかくなっていた。
「やっぱり二人がラブラブだと妬けちゃうな~。ほら翠君、そろそろやってあげて」
「はい。じゃあ伊吹さん、いきますよ」
翠は伊吹の口にハンカチを戻し、ニードルの先端を一度だけ乳首に当てる。
真剣な目に額から流れる汗が、顎に伝って落ちてくるのが見えた瞬間。一瞬に近い速さで乳首を貫通させた。
「んぐぅっ!!」
激痛である事には変わりないが、徐々に穴を広げていくよりかはマシだ。ピアスを付けられると、ホッとした。
「伊吹お疲れ様」
瑞希はまだ伊吹の陰茎や、亀頭をいじっていた。
「射精は出来なさそう?」
翠がすかさず、伊吹の口からハンカチを外した。
「はい。申し訳ありません。もっと痛みをいただけたら、ちゃんと射精します」
「僕に指図するんだ? 奴隷のくせに?」
「いえっ、すみません。ご主人様の意向に沿います。奴隷である俺の射精は瑞希様と翠様次第です」
「そうだよ。勝手に射精するしないを自分で決めるな」
玉をぎゅうっと強く握られるとそれだけでペニスは萎えてしまった。
「ぎぃっ!!」
「あっ。伊吹さん、自分の胸見れます?」
伊吹が苦しむ姿に慣れてしまったのか、翠は心配する事なくそんな事を聞いてきた。
少し頭を上げて胸に視線を向けた。ピアスが綺麗に伊吹の乳首を飾っている。
「はい。ようやくご主人様方のモノになれて嬉しいです」
「一ヶ月はいじっちゃダメだよ。その代わりに、ちんぽとアナル弄るからね」
既に瑞希の手には尿道プラグが手に握られており、これからされる事を想像するだけで心臓が高鳴る。
「は、はい……」
「今、二十二時なんだよね。そろそろ寝る時間だからさ、伊吹には気持ち良くおネンネしてもらおうかな」
「ご主人様のお心遣い、嬉しいです」
「伊吹は明日休みだもんねぇ。僕は仕事で、翠君は大学だっけ。まぁ、だから今日を選んだんだけど……眠れたらいいね?」
「はい……?」
瑞希の言葉の意味が分からない。ただ、酷い目に遭いそうな事は想像ついた。
「じゃあ翠君、手筈通りに」
翠の手には特大のディルドが握られている。
「伊吹さん、明日の朝までアナルを塞ぎますね。なるべく大きなディルドで塞ぎますから」
「えっ……それはどういう?」
本気で朝までディルドを入れたままにされるのか? と、質問をするが、瑞希によって口をギャグボールで塞がれてしまった。ベルトタイプで頭の後ろでキツめに固定される。
「んんー、んーっ」
「聞かなくても今に分かるよ」
伊吹のアナルは翠によって解されるが、拡張はそこそこに無理矢理こじ開けるようなやり方で、ディルドをねじ込まれた。
あまり慣らされていないアナルに、伊吹の感覚で特大だと感じたディルドは、かなり圧迫感がある。
次に、瑞希が尿道プラグを伊吹の男性器の鈴口に当てた。
「ほーら伊吹。こんな太いのが伊吹の中入ってくよ」
よく見ると、初めて見る太さの尿道プラグだ。中心に穴が空いているタイプのもので、リングも付いている。
よく尿道責めはされる事が多かったが、その太さだと気持ち良さより痛みの方が強い。
伊吹は痛みを発散させるように叫ぶ。
「うーーーーっ!!」
陰茎にリングを付けられ、簡単に外れないようになった。
「ディルドも抜けないようにしたいね」
「この貞操帯とかどうです?」
翠が持ってきたのは、紐パンツみたいな貞操帯だ。
前から見ればペニスが丸見えになる紐のようなデザインだが、アナル部分だけが革製の布でディルドを押さえている。
サイズ調整が出来るらしく、股に食い込ませてくる。
「うううっ、うーー!!」
貞操帯を着けられると、ディルドがアナルの奥に深く入ってきた。伊吹は身を捩らせるが、快楽を逃がせないでいる。
「あぁ、奴隷契約書のサインは明日でいいよ。じゃおやすみなさい。もし逃げようとしたら、僕達の奴隷になりたくないって事を意味するからね。
奴隷契約書は破棄させてもらうよ。もちろん、そのピアスも外すからそのつもりで。
じゃあ翠君いこっか」
一人にされるのだと気付いた伊吹は戦慄した。
「ううううっ!! んーーー!!」
確かにNGにはしていないが、伊吹が一番嫌いなプレイだ。瑞希は分かっていてこのプレイを選んだと気付く。
本当に奴隷になるかどうかのテストだろう。
「伊吹さん、俺達にご主人様になってもらいたかったら、耐えて下さいね」
ニッコリとした笑顔を浮かべた翠の表情は、まるで瑞希のように無邪気な悪意がある。
ゾクゾクと鳥肌が立つ。伊吹好みのドSに育っていると。瑞希がそう育ててくれているのだと。
(これさえクリアすれば、もっと二人がかりで酷い事をしてもらえる。俺をもっと壊して欲しい!)
そのまま、本当に朝まで放置された。伊吹は一睡も出来ないまま、アナルで何度かドライで絶頂し、二回ほど尿道プラグの穴から尿が流れた。
「おはよー伊吹、どんな様子? ──って、ずっとカメラ越しに見てたから知ってるけど」
瑞希の言葉から、どこかにカメラを仕掛け、別の部屋で伊吹の様子を見ていたのだと理解した。が、それを確認する余裕はない。
早く本物の肉棒でアナルを擦られたいのだ、必死に腰を上下に動かして、アピールをした。
「ふわぁ、さすがに徹夜で放置プレイは堪えるね」
「授業中寝そうですよ。ここまでする必要ありました?」
「あるよ。ほら、伊吹の苦しそうな顔見てよ。この顔を見る為なら、僕はどんな苦行でも耐えられる。
本当に伊吹は美しいよね」
「美しいのは同意ですが、俺はここまで犠牲を払う覚悟ないですよ。とりあえず全部外して……」
翠が急いだ様子で伊吹に着けた貞操帯と、ディルド、尿道プラグを外し、ギャグボールも外した。
伊吹の口の周りは涎まみれだ。下半身周辺はベッドが尿で汚れている。
掃除が大変そうだと言っている翠に対して、伊吹が叫んだ。
「ごひゅじんさまぁ!! おれのっ、おれのあにゃる犯してくらさい!! おれのあにゃる使って、しゃせーしてくらさい!!」
口の中が乾いているせいで上手く言葉が言えない。
涙目で訴えた。もう限界だと。ボロボロと涙がこぼれた。
その時、翠の目が変わった。
伊吹の上に覆い被さると、伊吹の舌を噛みそうな勢いでキスをし、舌を絡まてせながら、実際舌も噛まれる。
強く噛まれたせいで舌から少し血が滲んだ。
「……っ!!」
驚いている間もなく、開ききってヒクヒクとしている尻穴に、翠の男性器が強引に入れられる。
特大ディルドを入れられていたからか、中はスカスカだ。伊吹も、性器を入れられている気がしない。
「この……っ。伊吹さん、早くガバマンキツめてくれませんか?
全然肉オナホの機能果たしてませんよ」
「ひぅっ、らって、ディルドが大きくて……」
話し始めると唾液が分泌されて、少しずつ喋れるようになってくる。
「あれ? 伊吹さん、俺の奴隷ですよね? 口答えして良かったんでしたっけ?」
「すみません! ちゃんとマンコ締めますっ。お許し下さい」
ボロボロ涙がこぼれた。必死にお腹や尻に力を入れるが、上手くはいらない。広げられた穴を閉じるのは難しい。
どんな難題でも、ご主人様に命令されたら応じなければならないのに、満足に出来ない自分が恨めしい。
「僕が手伝ってあげるね」
瑞希が半径三センチ程のバイブを、翠の男性器に沿わせて、伊吹の尻穴に入れてきた。二本挿しだ。
「ひぃうぅぅぅっ!!」
翠が、伊吹の体を揺さぶるように腰を前後に動かし、瑞希は瑞希で好きなようにバイブを前後させたり、時折バイブレーションをオンにした。
「あああああっ!! バイブがぁっ、気持ち良いとこゴリゴリしてぇっ、翠様のペニスもっ、奥、奥に来てるぅぅ!!」
「瑞希さん急に何するんです。イきそうになったんですけど」
「伊吹、翠君がイくって。どこに出して欲しいの?」
「あぁっ、中っ、俺の、内臓に流すようにっ、奥に入れて欲しいのぉ!」
翠が中に入れたまま立ち上がると、伊吹の身体は背中が宙に浮いたように上に上げられた。
マングリ返しだ。膝が伊吹の顔を挟むように、ベッドに付きそうな程持ち上げられ、上から突き下ろすように翠が腰を打ち付ける。
「伊吹さん、イきます。一番奥で受け止めてください」
「あぁぁーーー!! きてる!! 俺も、イくぅ!!」
性器や玩具では届かないような場所に、翠の精液が出されるのを感じながら、自身も射精した。
上から降り注ぐ白い液体は、伊吹の顔を穢していく。
落ち着いたのか、翠が伊吹の身体をゆっくりと戻して寝かせた。
呆然としている伊吹の口に、瑞希が自身の性器を埋め、喉を塞ぐようにして腰を動かす。
伊吹が窒息しないよう気を付けながら動かしているのが分かる。
十分程喉を使われ、一番奥で射精をした。必然的に精液を飲み込んだ。
「今後は、今みたいに自分含めた全員分の精液を、伊吹さん一人で受け止めてくださいね」
「僕達、伊吹以外には出さないようにしようって話し合って決めたの。だから今後、伊吹に僕達の精液処理の仕事を任せるね」
伊吹は恍惚と、嬉しそうに頷いた。ご主人様を二人持つ奴隷になれたのだと。
長いプレイが終わった。
翠も瑞希も、伊吹が動けるようになってから支えるように風呂場へと連れて行き、二人がかりで伊吹の身体を綺麗にした。
風呂から上がり、瑞希に身体を拭いてもらっている間に翠が朝食の準備をした。
三人でテーブルを囲って朝食を摂る。
「瑞希のベッドなのに、汚くしてごめん。俺片付けるよ」
と、伊吹が言うが、それは二人が制止した。
「いいよ。マットレスにいかないように敷布団の下にレジャーシート敷いてるし。
僕と翠君で掃除するつもりでやったんだから、伊吹は気にしなくていいの」
「そうですよ! 伊吹さんはちゃんと寝てくださいね。それくらい俺と瑞希さんでやれますから。
それより、伊吹さんはこっちの大仕事して下さいね」
と、翠が伊吹の前に出してきたのは、昨日読まされた奴隷契約書だ。サインをするよう要求される。
「二人とも、これから末永く、俺のご主人様としてよろしくお願いします」
翠と瑞希が嬉しそうな目で頷いた。今後どんなプレイをされるのか、恐怖もあるが期待の方が大きい。
本気で二人と生きていくと決めたから。
───────────────────
※最終話だけ長くなってしまってすみません。
元々はもっと短かったのですが、直していくうちにどんどん長くなってしまいました。
話の流れは全く変えていないのに、なぜだろうか。
これでも書きたいシーン削ったんですが。やっぱり途中で次の話に分けるべきだったかな。
次から善処します。
あとおまけ二話です。もう少しお付き合いください。
「まずは僕がやってみせるね。翠君は伊吹のおちんぽ扱いてあげて」
「はい」
伊吹の男性器は既に固くなっており、鈴口からは蜜が浮き上がっている。そこを翠の大きな手が触れ、優しく握られる。
「んっ」
「伊吹は乳首開けるの初めてだっけ?」
「はい」
「意外。高校時代とか、僕と離れてる間に、どこぞのご主人様に開けられてると思った」
「……その時は、俺のご主人様は瑞希様だけって思ってました」
「嘘つくなって。僕から逃げたかった癖に。本当にご主人様って思ってたら、自分が援交してるのがバレそうだからって、僕が援交してる場面を写真撮って匿名で学校に送らないよね」
「え、伊吹さんそんな事したんですか?」
「そうだよ。昔の伊吹は、卑怯で、弱虫で、最悪な男だったよねぇ」
「申し訳、ありません。もうそんな事しません」
伊吹は首を振って、五年も前の事を謝罪する。瑞希にいいと言うまで近寄るなと言われ、疎遠になっていた頃にしてしまった事だ。
もうとっくに謝罪をして許しをもらっているが、その話を振られるとまだ許されていないように思えるのだ。
「とか言って、本当は僕が罰を理由に伊吹に会いに行くの待ってた?」
「いいえ。ただ、俺が弱い人間だからご主人様を盾にして逃げたんです。本当に申し訳ありませんでした」
深層心理は分からない。もしかしたら瑞希の言う通り、罰を受けたいが為にしてしまったのかもしれない。
そう言われると「そうかも」も思いそうになる。
「その事はもう怒ってないよ。伊吹、これ噛んでてね」
瑞希がハンカチを伊吹の口に入れてきた。舌を噛まないようにする為だと分かる。言われた通りに咥える。
そして、瑞希の手にニードルが握られた。アルコール消毒をして準備万端である。
瑞希はプロだ。ニップルピアスを他人に付けた事もあるのだろう。慣れた手つきで右側の乳首を摘み、ニードルの先端を当てている。
「昔の事は怒ってないけど、嘘ついた罰は受けてもらおっかな。じわじわゆっくり刺してあげる」
その言葉に伊吹は恐怖を感じた。どれ程の痛みだろうか、そう考えただけで射精しそうだ。翠が扱いている事もあり、じれったくて切ない。
ググッと少しずつ皮膚を破って、肉をかき分けるようにニードルが入っていく。
「んんんんんんんっーーーー!!」
余りの痛みに、歯を食いしばったまま叫んだ。叫び声は布に吸収されてあまり響かないが、目を瞑ると涙が流れる程の痛みだ。
射精してしまったような感じはするが、痛みが強くて感覚がない。
「伊吹、終わったよ」
「ふー……ふー……ふー……」
荒い息を吐くことしか出来ず、片方が終わった事を喜べない。痛くて、辛くて、早く終わって欲しいと願った。
あともう片方も開けるなど、想像するだけで気絶しそうだ。
(拒否権はない。苦痛を耐えるのは、本当に辛い。でもご主人様方の命令には背けない。なのに、何故か嬉しい)
次は翠の番だ。緊張しているのだろう、震える手で伊吹の左側の乳首を摘んだ。見ると、ニードルを持つ手も震えている。
瑞希に指導されて、空中で刺す練習をし始めた。見ている事しか出来ない事がじれったい。
やるなら早くやってしまって欲しい。
「伊吹さん、すぐ終わらせますから」
「うー……」
伊吹が言葉を発しようとすると、それに気付いた翠が一度だけハンカチを伊吹の口から離した。
「翠様も、好きに俺をいたぶっていいですよ」
「それはまた今度にしますよ。今は出来るだけ負担を減らしてあげたいです」
「翠様……」
伊吹と翠は見つめ合った。二人だけの時間が流れているようで、伊吹は赤面する。そうしていると、瑞希が伊吹の男性器を揉み始めた。
やはり先程射精していたらしい。今は柔らかくなっていた。
「やっぱり二人がラブラブだと妬けちゃうな~。ほら翠君、そろそろやってあげて」
「はい。じゃあ伊吹さん、いきますよ」
翠は伊吹の口にハンカチを戻し、ニードルの先端を一度だけ乳首に当てる。
真剣な目に額から流れる汗が、顎に伝って落ちてくるのが見えた瞬間。一瞬に近い速さで乳首を貫通させた。
「んぐぅっ!!」
激痛である事には変わりないが、徐々に穴を広げていくよりかはマシだ。ピアスを付けられると、ホッとした。
「伊吹お疲れ様」
瑞希はまだ伊吹の陰茎や、亀頭をいじっていた。
「射精は出来なさそう?」
翠がすかさず、伊吹の口からハンカチを外した。
「はい。申し訳ありません。もっと痛みをいただけたら、ちゃんと射精します」
「僕に指図するんだ? 奴隷のくせに?」
「いえっ、すみません。ご主人様の意向に沿います。奴隷である俺の射精は瑞希様と翠様次第です」
「そうだよ。勝手に射精するしないを自分で決めるな」
玉をぎゅうっと強く握られるとそれだけでペニスは萎えてしまった。
「ぎぃっ!!」
「あっ。伊吹さん、自分の胸見れます?」
伊吹が苦しむ姿に慣れてしまったのか、翠は心配する事なくそんな事を聞いてきた。
少し頭を上げて胸に視線を向けた。ピアスが綺麗に伊吹の乳首を飾っている。
「はい。ようやくご主人様方のモノになれて嬉しいです」
「一ヶ月はいじっちゃダメだよ。その代わりに、ちんぽとアナル弄るからね」
既に瑞希の手には尿道プラグが手に握られており、これからされる事を想像するだけで心臓が高鳴る。
「は、はい……」
「今、二十二時なんだよね。そろそろ寝る時間だからさ、伊吹には気持ち良くおネンネしてもらおうかな」
「ご主人様のお心遣い、嬉しいです」
「伊吹は明日休みだもんねぇ。僕は仕事で、翠君は大学だっけ。まぁ、だから今日を選んだんだけど……眠れたらいいね?」
「はい……?」
瑞希の言葉の意味が分からない。ただ、酷い目に遭いそうな事は想像ついた。
「じゃあ翠君、手筈通りに」
翠の手には特大のディルドが握られている。
「伊吹さん、明日の朝までアナルを塞ぎますね。なるべく大きなディルドで塞ぎますから」
「えっ……それはどういう?」
本気で朝までディルドを入れたままにされるのか? と、質問をするが、瑞希によって口をギャグボールで塞がれてしまった。ベルトタイプで頭の後ろでキツめに固定される。
「んんー、んーっ」
「聞かなくても今に分かるよ」
伊吹のアナルは翠によって解されるが、拡張はそこそこに無理矢理こじ開けるようなやり方で、ディルドをねじ込まれた。
あまり慣らされていないアナルに、伊吹の感覚で特大だと感じたディルドは、かなり圧迫感がある。
次に、瑞希が尿道プラグを伊吹の男性器の鈴口に当てた。
「ほーら伊吹。こんな太いのが伊吹の中入ってくよ」
よく見ると、初めて見る太さの尿道プラグだ。中心に穴が空いているタイプのもので、リングも付いている。
よく尿道責めはされる事が多かったが、その太さだと気持ち良さより痛みの方が強い。
伊吹は痛みを発散させるように叫ぶ。
「うーーーーっ!!」
陰茎にリングを付けられ、簡単に外れないようになった。
「ディルドも抜けないようにしたいね」
「この貞操帯とかどうです?」
翠が持ってきたのは、紐パンツみたいな貞操帯だ。
前から見ればペニスが丸見えになる紐のようなデザインだが、アナル部分だけが革製の布でディルドを押さえている。
サイズ調整が出来るらしく、股に食い込ませてくる。
「うううっ、うーー!!」
貞操帯を着けられると、ディルドがアナルの奥に深く入ってきた。伊吹は身を捩らせるが、快楽を逃がせないでいる。
「あぁ、奴隷契約書のサインは明日でいいよ。じゃおやすみなさい。もし逃げようとしたら、僕達の奴隷になりたくないって事を意味するからね。
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じゃあ翠君いこっか」
一人にされるのだと気付いた伊吹は戦慄した。
「ううううっ!! んーーー!!」
確かにNGにはしていないが、伊吹が一番嫌いなプレイだ。瑞希は分かっていてこのプレイを選んだと気付く。
本当に奴隷になるかどうかのテストだろう。
「伊吹さん、俺達にご主人様になってもらいたかったら、耐えて下さいね」
ニッコリとした笑顔を浮かべた翠の表情は、まるで瑞希のように無邪気な悪意がある。
ゾクゾクと鳥肌が立つ。伊吹好みのドSに育っていると。瑞希がそう育ててくれているのだと。
(これさえクリアすれば、もっと二人がかりで酷い事をしてもらえる。俺をもっと壊して欲しい!)
そのまま、本当に朝まで放置された。伊吹は一睡も出来ないまま、アナルで何度かドライで絶頂し、二回ほど尿道プラグの穴から尿が流れた。
「おはよー伊吹、どんな様子? ──って、ずっとカメラ越しに見てたから知ってるけど」
瑞希の言葉から、どこかにカメラを仕掛け、別の部屋で伊吹の様子を見ていたのだと理解した。が、それを確認する余裕はない。
早く本物の肉棒でアナルを擦られたいのだ、必死に腰を上下に動かして、アピールをした。
「ふわぁ、さすがに徹夜で放置プレイは堪えるね」
「授業中寝そうですよ。ここまでする必要ありました?」
「あるよ。ほら、伊吹の苦しそうな顔見てよ。この顔を見る為なら、僕はどんな苦行でも耐えられる。
本当に伊吹は美しいよね」
「美しいのは同意ですが、俺はここまで犠牲を払う覚悟ないですよ。とりあえず全部外して……」
翠が急いだ様子で伊吹に着けた貞操帯と、ディルド、尿道プラグを外し、ギャグボールも外した。
伊吹の口の周りは涎まみれだ。下半身周辺はベッドが尿で汚れている。
掃除が大変そうだと言っている翠に対して、伊吹が叫んだ。
「ごひゅじんさまぁ!! おれのっ、おれのあにゃる犯してくらさい!! おれのあにゃる使って、しゃせーしてくらさい!!」
口の中が乾いているせいで上手く言葉が言えない。
涙目で訴えた。もう限界だと。ボロボロと涙がこぼれた。
その時、翠の目が変わった。
伊吹の上に覆い被さると、伊吹の舌を噛みそうな勢いでキスをし、舌を絡まてせながら、実際舌も噛まれる。
強く噛まれたせいで舌から少し血が滲んだ。
「……っ!!」
驚いている間もなく、開ききってヒクヒクとしている尻穴に、翠の男性器が強引に入れられる。
特大ディルドを入れられていたからか、中はスカスカだ。伊吹も、性器を入れられている気がしない。
「この……っ。伊吹さん、早くガバマンキツめてくれませんか?
全然肉オナホの機能果たしてませんよ」
「ひぅっ、らって、ディルドが大きくて……」
話し始めると唾液が分泌されて、少しずつ喋れるようになってくる。
「あれ? 伊吹さん、俺の奴隷ですよね? 口答えして良かったんでしたっけ?」
「すみません! ちゃんとマンコ締めますっ。お許し下さい」
ボロボロ涙がこぼれた。必死にお腹や尻に力を入れるが、上手くはいらない。広げられた穴を閉じるのは難しい。
どんな難題でも、ご主人様に命令されたら応じなければならないのに、満足に出来ない自分が恨めしい。
「僕が手伝ってあげるね」
瑞希が半径三センチ程のバイブを、翠の男性器に沿わせて、伊吹の尻穴に入れてきた。二本挿しだ。
「ひぃうぅぅぅっ!!」
翠が、伊吹の体を揺さぶるように腰を前後に動かし、瑞希は瑞希で好きなようにバイブを前後させたり、時折バイブレーションをオンにした。
「あああああっ!! バイブがぁっ、気持ち良いとこゴリゴリしてぇっ、翠様のペニスもっ、奥、奥に来てるぅぅ!!」
「瑞希さん急に何するんです。イきそうになったんですけど」
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「あぁっ、中っ、俺の、内臓に流すようにっ、奥に入れて欲しいのぉ!」
翠が中に入れたまま立ち上がると、伊吹の身体は背中が宙に浮いたように上に上げられた。
マングリ返しだ。膝が伊吹の顔を挟むように、ベッドに付きそうな程持ち上げられ、上から突き下ろすように翠が腰を打ち付ける。
「伊吹さん、イきます。一番奥で受け止めてください」
「あぁぁーーー!! きてる!! 俺も、イくぅ!!」
性器や玩具では届かないような場所に、翠の精液が出されるのを感じながら、自身も射精した。
上から降り注ぐ白い液体は、伊吹の顔を穢していく。
落ち着いたのか、翠が伊吹の身体をゆっくりと戻して寝かせた。
呆然としている伊吹の口に、瑞希が自身の性器を埋め、喉を塞ぐようにして腰を動かす。
伊吹が窒息しないよう気を付けながら動かしているのが分かる。
十分程喉を使われ、一番奥で射精をした。必然的に精液を飲み込んだ。
「今後は、今みたいに自分含めた全員分の精液を、伊吹さん一人で受け止めてくださいね」
「僕達、伊吹以外には出さないようにしようって話し合って決めたの。だから今後、伊吹に僕達の精液処理の仕事を任せるね」
伊吹は恍惚と、嬉しそうに頷いた。ご主人様を二人持つ奴隷になれたのだと。
長いプレイが終わった。
翠も瑞希も、伊吹が動けるようになってから支えるように風呂場へと連れて行き、二人がかりで伊吹の身体を綺麗にした。
風呂から上がり、瑞希に身体を拭いてもらっている間に翠が朝食の準備をした。
三人でテーブルを囲って朝食を摂る。
「瑞希のベッドなのに、汚くしてごめん。俺片付けるよ」
と、伊吹が言うが、それは二人が制止した。
「いいよ。マットレスにいかないように敷布団の下にレジャーシート敷いてるし。
僕と翠君で掃除するつもりでやったんだから、伊吹は気にしなくていいの」
「そうですよ! 伊吹さんはちゃんと寝てくださいね。それくらい俺と瑞希さんでやれますから。
それより、伊吹さんはこっちの大仕事して下さいね」
と、翠が伊吹の前に出してきたのは、昨日読まされた奴隷契約書だ。サインをするよう要求される。
「二人とも、これから末永く、俺のご主人様としてよろしくお願いします」
翠と瑞希が嬉しそうな目で頷いた。今後どんなプレイをされるのか、恐怖もあるが期待の方が大きい。
本気で二人と生きていくと決めたから。
───────────────────
※最終話だけ長くなってしまってすみません。
元々はもっと短かったのですが、直していくうちにどんどん長くなってしまいました。
話の流れは全く変えていないのに、なぜだろうか。
これでも書きたいシーン削ったんですが。やっぱり途中で次の話に分けるべきだったかな。
次から善処します。
あとおまけ二話です。もう少しお付き合いください。
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