132 / 139
四章
二十一話 家族
しおりを挟む
瑞希を部屋に入れてから、すぐにベットに飛び込んだ。伊吹が瑞希を押し倒し、お互いの舌を出してペロペロと舐めあっている間に、翠が横に寝そべって瑞希の服の裾を胸の上に上げた。
胸を飾るピンクの可愛らしい二つの突起、翠はその右側を先に舐め始める。
「あ、ちょっ、翠君!?」
「乳首は好きじゃないですか?」
「嫌いではないけど、翠君は僕が嫌じゃないの?」
瑞希は不安そうな目をしている。それは伊吹も同じなようで、まるで信用がない。
「あのねぇ、嫌だったら伊吹さんとヨリ戻すよう頼みませんし、迎えに行ってません!」
「それもそっかぁ」
「翠は、いきなりなんで瑞希を連れ戻そうと思ったんだ?」
伊吹が不思議そうに翠を見る。
「この前伊吹さんが酒飲み過ぎたからですよ。色々聞きました。やっぱり伊吹さんには瑞希さんが必要なんだって、実感したんです」
「俺、何か言った?」
「思い出さなくていいですよ」
翠はまた、瑞希の乳首の愛撫を再開する。すると、伊吹が瑞希のズボンを脱がし、セクシーパンツからまだふにゃふにゃと柔らかい男性器を取り出して、パクリと口内に咥えた。
二人がかりで瑞希の全身を舐める。
時折瑞希の目がピクピクと反応する。あまり感じていないのか、瑞希は黙ってされるがままだ。
翠は瑞希が師匠という事もあり、間違った行動をしていないか、見られているような気分になった。
「瑞希さん、気持ちいいです?」
「野暮な事聞かないでよ。普通に気持ちいいから」
伊吹を見ると、喉の奥まで使って瑞希の男性器をしゃぶっていた。ジュポジュポ唾液がかき混ぜられる音がしている。
「伊吹は僕のチンポで遊ばないでくれるかな?」
「ふぇ?」
伊吹が口から瑞希の男性器を離すと、伊吹の口に収まっていたのが不思議な程の巨根が現れた。
「瑞希さんの大きいですね!?」
今までも瑞希の裸は見た事はあるが、あまり視界に映していなかった。まして臨戦状態を見るのは初めてだ。
「伊吹ったら、自分の喉が気持ちいいからって僕のチンポで喉オナするなんて、はしたないなぁ」
「す、すみませんっ」
いつの間にか伊吹はドMスイッチが入っており、悪い事をした子供のように肩を縮こませている。
「そこに正座して」
「はい!」
伊吹が言われた通り正座をすると、瑞希はベッドの上で立ち上がり、伊吹の頭を両手で掴んだ。
「いっぱい苦しんでね?」
にこにこと楽しそうな笑顔を浮かべた瑞希が、自分の男性器を伊吹の口の中に突き入れ、根本まで全て伊吹の口の中に収まってしまった。
「ぅごぉっ、ぐぇっ」
伊吹は苦しそうに顔を歪ませると、瑞希はそのまま腰をリズミカルに打ち付ける。その度に伊吹の喉を男性が行き来するのが外からでも見えた。
伊吹は息が出来ていないようで、苦痛の表情を浮かべている。
翠は、ローションを手に取り、指を濡らすと瑞希のアナルを揉み始めた。
その尻穴は柔らかく、難なく指が二本入った。瑞希が腰を動かしているので、勝手に指が奥に行ったり、手前に引き戻されたりしている。
「何? 翠君、僕を抱くつもり?」
「いえ。先に解しておいた方がすぐに伊吹さんの入れられるかなと。
もう伊吹さんのチンコバキバキに固くなってますし」
「あ、ホントだ。伊吹ぃ、何勝手に固くしてんの?」
瑞希は器用に、ズボンの上から伊吹の男性器を踏みつけながらも、腰を打ち付ける動作を止めない。
時計の針を見て秒数を確認しながらやっているらしく、一度男性器を口から抜き、伊吹がゼェゼェ呼吸を整えてから再度喉奥を埋める。
翠はその間も瑞希の尻穴を舐めて解したり、伊吹のズボンのファスナーを広げて男性器を舐めたり、補佐の役割を果たしていた。
「伊吹、これから伊吹の好きに僕の身体を使っていいよ?」
男性器を伊吹の口から抜いた瑞希は、優しい口調で微笑む。
もう我慢の限界だったのだろう、伊吹は獣のように瑞希に襲いかかり、自身の男性器を瑞希の解れた尻穴に擦り、ゆっくりと中に埋めていった、
「瑞希っ、瑞希、会いたかった。ずっと、一日だって、忘れた事ない。ずっと瑞希の事ばっか考えてた」
「ん、あっ、んっ、それぇ、翠君がっ、拗ねっ、ちゃうから……」
「拗ねませんよ」
翠は伊吹のズボンと下着を一気に下ろすと、再度指をローションで濡らすと伊吹の尻穴をなぞった。
もう慣れた行為だ。いつものように、伊吹の尻穴にいきなり指三本を突っ込む。
グチュグチュと前後に抽挿し、手首ごとグリグリと左右に回転させると穴はすぐに広がった。
「ひぃっ、あっ、はぁっ、あぁぁ、翠ぃ、もっと、もっとアナル壊ひてっ」
翠は太めのディルドを伊吹の中に、容赦なく最奥まで入れてバイブをオンにした。
「ひぃあっ、きもちいいよぉ。瑞希ぃ、助けて、気持ちよすぎて死んじゃう」
「僕の中に入れたまま、お尻も犯されてるんだもんね。機械に犯されるのと、翠君のチンポで犯されるの、どっちが好き?」
「どっちも!! どっちも好き!!」
「……だって。翠君、即答で翠君だけを選ばないなんて、お仕置きが必要だよねぇ?」
「そうですね。って事で、伊吹さんにはもっと壊れてもらいますよ」
「な、何……ひぃっ」
翠は伊吹の尻穴とバイブの隙間に、自身の亀頭をあてがった。
「そういえば、伊吹さんにした事なかったですね。二輪挿し。
知ってるんですよ、伊吹さんのアナルがチンポ二つくらい入れるの余裕って事」
ゆっくりと慎重に、伊吹の中へと侵入していく。奥へ入って行く毎に、伊吹の背中は弓なりに反り返ったり、瑞希に抱き着いて悶えたりした。
「伊吹、頑張って」
「ひぃぃ、うううぅっ! やあっ、あぁん! もっとぉ、もっと俺のアナルいじめて、くださいぃ!!」
翠が激しく腰を振ると、その振動は瑞希にまで影響する。
「ちょ、激し……あっ、伊吹のがぁっ、入っちゃいけないところきてるよ。そんな奥、だめ……だめぇっ! イッ……クゥ……」
瑞希は自身の腹の上に吐精してしまった。その直後に伊吹の精液が瑞希の体内に放出される。
「あっ、ん。伊吹のあったかい」
「翠の、入ってくる」
「……くっ」
翠も伊吹の中に精を吐き出した。
終わると不思議なもので、三人とも無言でテキパキと後始末を始めた。
伊吹と瑞希、二人に尻穴を拭くようウェットティッシュを渡し、自分も男性器を拭く。
その後三人で交代でシャワーを浴び、服を着る。ベッドで翠が真ん中に寝転がり、伊吹が左側に腕枕で横になった。
翠は当然右側に瑞希がくるだろうと準備して腕を広げて待っているが、なかなか瑞希は来ない。
立ったまま遠慮をしていた。
「瑞希さん?」
「僕は嫌でしょ? 前、嫌がってたもんね」
「瑞希さん、来てください。右腕は瑞希さんの特等席ですよ。それとも伊吹さんの隣がいいですか?」
「腕枕は翠君が一番良いけど。本当にいいの? 遠慮しないよ?」
「しないでくださいよ」
瑞希は翠の腕に恐る恐る頭を預けた。
「やっぱり翠君の腕、居心地いいなぁ」
「瑞希さんこそ、俺の隣は嫌じゃないですか?」
「何言うの、もー。嫌いとまではいかないけど、不満に思ってたのは理由があるの。まずはMやってる時、やる気なさそうなのが一つ。
あと、やっぱり伊吹の心を奪われちゃったから」
「SMに関してはすみません。今は真面目に伊吹さんの為だけにSやってますから。
でも、もう伊吹さんがどれだけ瑞希さんを愛してるか分かったでしょう? 伊吹さんの心奪われちゃったは、俺も同じですよ」
「うん。だからもう翠君を嫌いな理由なくなっちゃったね」
「俺もですよ。瑞希さんが嫌なら断って欲しいんですけど。俺、瑞希さんとも家族になりたいです。
恋愛感情的なものは持てないので、付き合ってくださいとは言いません。けど、結婚してから夫婦円満になる人だって、中にはいるじゃないですか。
俺と瑞希さん、そんな感じになれませんかね?」
「いいの? 僕はどうしても伊吹の事愛してるよ?」
「分かってます。それは俺も同じ事言えますから。ここで三人で家族になりませんか?」
「伊吹は? 伊吹はそれを望んでるの?」
瑞希が不安げに伊吹を見るので、翠も伊吹に視線を向ける。勝手に話を進めた事は悪いと思っているが、結果が同じなら事後報告でも良いだろうと思ったのだ。
(伊吹さんが反対する筈ないから)
「俺も初耳だから、翠の提案には驚いてるよ。それめっちゃ良いアイデアだな。翠もたまには良いこと言うもんだ」
「へへへ。なんか照れます」
「翠君ありがとう。僕の事まで考えてくれて、本当にありがとね。その話乗るよ。三人で家族になろ」
瑞希は翠の身体に抱きついて涙を流していた。瑞希の涙を見るのは初めてだ。いつも笑顔で隠してしまう瑞希だ。
翠にも心を開いてくれたのだと実感する。
「これで定住出来るわけですし。フラフラしてないで、仕事も無理のない範囲でやってくださいよ。二十四時間勤務なんて、何考えてるんですか。バカなんですか」
「だって僕を待ってくれるお客さんとかたくさんいて、予約で待たせるのも心苦しいし。
……ってのは建前。少しでも伊吹の事考える時間をなくしたかったんだよ」
「伊吹さんも同じような事してましたよ。二人とも本当、不器用なんですから。
これからは、常識の範囲内で仕事してくださいね」
ようやくこれで三人で平和に過ごせる、と翠が溜息を吐いたが、すぐに伊吹に否定されてしまった。
「これから忙しくなるから無理だよ」
「僕も。二十四時間勤務はやめるけど、十二時間は最低限やらないと。週一~二くらいでロングで十二時間の予約するお客様いるから」
「えっ!? その人どれだけ瑞希さん独占したいんですか!?」
「いや、大体五人から十人くらいのグループで呼ばれるんだよね。
ここだけの話、場所はお客さんの家とか使って乱パしててさ、それだけはやめられないんだよねぇ」
「それってアリ!?」
伊吹が驚いて身体を起こした。
「社会的にはアウト、店的にはグレーってところかな。やっぱり乱パはやめられないよね」
「結局乱パかよ。それ俺も参加したい! 瑞希の客に口利きしてくんない?」
翠は嫌な予感がした。ニマニマしている伊吹がまた翠の腕に戻ってきた。楽しそうなので、予感は的中しそうだ。
「ちょっと、伊吹さん!? なんか嫌な予感するんですけど、当たってませんよね?」
「え、翠がそう言うなら当たってんじゃね? なぁなぁ俺も乱パしたい~」
「えぇ~。先に翠君の許可取ってよ。恋人でしょ?」
「それ瑞希さんも同じです! 家族になりましょうって言って、瑞希さんオッケーしてくれたじゃないですか!
二人がやるなら俺もします! 監視しに行きますからね!」
伊吹と瑞希が、同時に翠の頬に指でつついて言った。
「翠は……」
「翠君は……」
「「乱交パーティー出禁だからダメ」」
「なっ!? それまだ有効なんですか!?」
伊吹が手を伸ばす。瑞希も同じように手を伸ばして、翠の腹の上で恋人繋ぎをした。
(ったくこの二人は……仕方ないなぁ)
諦めた様に溜息をつくが、心は穏やかだ。二人が家族になってくれるなら、乱交パーティーをしようが些細な事のように思えたのだった。
胸を飾るピンクの可愛らしい二つの突起、翠はその右側を先に舐め始める。
「あ、ちょっ、翠君!?」
「乳首は好きじゃないですか?」
「嫌いではないけど、翠君は僕が嫌じゃないの?」
瑞希は不安そうな目をしている。それは伊吹も同じなようで、まるで信用がない。
「あのねぇ、嫌だったら伊吹さんとヨリ戻すよう頼みませんし、迎えに行ってません!」
「それもそっかぁ」
「翠は、いきなりなんで瑞希を連れ戻そうと思ったんだ?」
伊吹が不思議そうに翠を見る。
「この前伊吹さんが酒飲み過ぎたからですよ。色々聞きました。やっぱり伊吹さんには瑞希さんが必要なんだって、実感したんです」
「俺、何か言った?」
「思い出さなくていいですよ」
翠はまた、瑞希の乳首の愛撫を再開する。すると、伊吹が瑞希のズボンを脱がし、セクシーパンツからまだふにゃふにゃと柔らかい男性器を取り出して、パクリと口内に咥えた。
二人がかりで瑞希の全身を舐める。
時折瑞希の目がピクピクと反応する。あまり感じていないのか、瑞希は黙ってされるがままだ。
翠は瑞希が師匠という事もあり、間違った行動をしていないか、見られているような気分になった。
「瑞希さん、気持ちいいです?」
「野暮な事聞かないでよ。普通に気持ちいいから」
伊吹を見ると、喉の奥まで使って瑞希の男性器をしゃぶっていた。ジュポジュポ唾液がかき混ぜられる音がしている。
「伊吹は僕のチンポで遊ばないでくれるかな?」
「ふぇ?」
伊吹が口から瑞希の男性器を離すと、伊吹の口に収まっていたのが不思議な程の巨根が現れた。
「瑞希さんの大きいですね!?」
今までも瑞希の裸は見た事はあるが、あまり視界に映していなかった。まして臨戦状態を見るのは初めてだ。
「伊吹ったら、自分の喉が気持ちいいからって僕のチンポで喉オナするなんて、はしたないなぁ」
「す、すみませんっ」
いつの間にか伊吹はドMスイッチが入っており、悪い事をした子供のように肩を縮こませている。
「そこに正座して」
「はい!」
伊吹が言われた通り正座をすると、瑞希はベッドの上で立ち上がり、伊吹の頭を両手で掴んだ。
「いっぱい苦しんでね?」
にこにこと楽しそうな笑顔を浮かべた瑞希が、自分の男性器を伊吹の口の中に突き入れ、根本まで全て伊吹の口の中に収まってしまった。
「ぅごぉっ、ぐぇっ」
伊吹は苦しそうに顔を歪ませると、瑞希はそのまま腰をリズミカルに打ち付ける。その度に伊吹の喉を男性が行き来するのが外からでも見えた。
伊吹は息が出来ていないようで、苦痛の表情を浮かべている。
翠は、ローションを手に取り、指を濡らすと瑞希のアナルを揉み始めた。
その尻穴は柔らかく、難なく指が二本入った。瑞希が腰を動かしているので、勝手に指が奥に行ったり、手前に引き戻されたりしている。
「何? 翠君、僕を抱くつもり?」
「いえ。先に解しておいた方がすぐに伊吹さんの入れられるかなと。
もう伊吹さんのチンコバキバキに固くなってますし」
「あ、ホントだ。伊吹ぃ、何勝手に固くしてんの?」
瑞希は器用に、ズボンの上から伊吹の男性器を踏みつけながらも、腰を打ち付ける動作を止めない。
時計の針を見て秒数を確認しながらやっているらしく、一度男性器を口から抜き、伊吹がゼェゼェ呼吸を整えてから再度喉奥を埋める。
翠はその間も瑞希の尻穴を舐めて解したり、伊吹のズボンのファスナーを広げて男性器を舐めたり、補佐の役割を果たしていた。
「伊吹、これから伊吹の好きに僕の身体を使っていいよ?」
男性器を伊吹の口から抜いた瑞希は、優しい口調で微笑む。
もう我慢の限界だったのだろう、伊吹は獣のように瑞希に襲いかかり、自身の男性器を瑞希の解れた尻穴に擦り、ゆっくりと中に埋めていった、
「瑞希っ、瑞希、会いたかった。ずっと、一日だって、忘れた事ない。ずっと瑞希の事ばっか考えてた」
「ん、あっ、んっ、それぇ、翠君がっ、拗ねっ、ちゃうから……」
「拗ねませんよ」
翠は伊吹のズボンと下着を一気に下ろすと、再度指をローションで濡らすと伊吹の尻穴をなぞった。
もう慣れた行為だ。いつものように、伊吹の尻穴にいきなり指三本を突っ込む。
グチュグチュと前後に抽挿し、手首ごとグリグリと左右に回転させると穴はすぐに広がった。
「ひぃっ、あっ、はぁっ、あぁぁ、翠ぃ、もっと、もっとアナル壊ひてっ」
翠は太めのディルドを伊吹の中に、容赦なく最奥まで入れてバイブをオンにした。
「ひぃあっ、きもちいいよぉ。瑞希ぃ、助けて、気持ちよすぎて死んじゃう」
「僕の中に入れたまま、お尻も犯されてるんだもんね。機械に犯されるのと、翠君のチンポで犯されるの、どっちが好き?」
「どっちも!! どっちも好き!!」
「……だって。翠君、即答で翠君だけを選ばないなんて、お仕置きが必要だよねぇ?」
「そうですね。って事で、伊吹さんにはもっと壊れてもらいますよ」
「な、何……ひぃっ」
翠は伊吹の尻穴とバイブの隙間に、自身の亀頭をあてがった。
「そういえば、伊吹さんにした事なかったですね。二輪挿し。
知ってるんですよ、伊吹さんのアナルがチンポ二つくらい入れるの余裕って事」
ゆっくりと慎重に、伊吹の中へと侵入していく。奥へ入って行く毎に、伊吹の背中は弓なりに反り返ったり、瑞希に抱き着いて悶えたりした。
「伊吹、頑張って」
「ひぃぃ、うううぅっ! やあっ、あぁん! もっとぉ、もっと俺のアナルいじめて、くださいぃ!!」
翠が激しく腰を振ると、その振動は瑞希にまで影響する。
「ちょ、激し……あっ、伊吹のがぁっ、入っちゃいけないところきてるよ。そんな奥、だめ……だめぇっ! イッ……クゥ……」
瑞希は自身の腹の上に吐精してしまった。その直後に伊吹の精液が瑞希の体内に放出される。
「あっ、ん。伊吹のあったかい」
「翠の、入ってくる」
「……くっ」
翠も伊吹の中に精を吐き出した。
終わると不思議なもので、三人とも無言でテキパキと後始末を始めた。
伊吹と瑞希、二人に尻穴を拭くようウェットティッシュを渡し、自分も男性器を拭く。
その後三人で交代でシャワーを浴び、服を着る。ベッドで翠が真ん中に寝転がり、伊吹が左側に腕枕で横になった。
翠は当然右側に瑞希がくるだろうと準備して腕を広げて待っているが、なかなか瑞希は来ない。
立ったまま遠慮をしていた。
「瑞希さん?」
「僕は嫌でしょ? 前、嫌がってたもんね」
「瑞希さん、来てください。右腕は瑞希さんの特等席ですよ。それとも伊吹さんの隣がいいですか?」
「腕枕は翠君が一番良いけど。本当にいいの? 遠慮しないよ?」
「しないでくださいよ」
瑞希は翠の腕に恐る恐る頭を預けた。
「やっぱり翠君の腕、居心地いいなぁ」
「瑞希さんこそ、俺の隣は嫌じゃないですか?」
「何言うの、もー。嫌いとまではいかないけど、不満に思ってたのは理由があるの。まずはMやってる時、やる気なさそうなのが一つ。
あと、やっぱり伊吹の心を奪われちゃったから」
「SMに関してはすみません。今は真面目に伊吹さんの為だけにSやってますから。
でも、もう伊吹さんがどれだけ瑞希さんを愛してるか分かったでしょう? 伊吹さんの心奪われちゃったは、俺も同じですよ」
「うん。だからもう翠君を嫌いな理由なくなっちゃったね」
「俺もですよ。瑞希さんが嫌なら断って欲しいんですけど。俺、瑞希さんとも家族になりたいです。
恋愛感情的なものは持てないので、付き合ってくださいとは言いません。けど、結婚してから夫婦円満になる人だって、中にはいるじゃないですか。
俺と瑞希さん、そんな感じになれませんかね?」
「いいの? 僕はどうしても伊吹の事愛してるよ?」
「分かってます。それは俺も同じ事言えますから。ここで三人で家族になりませんか?」
「伊吹は? 伊吹はそれを望んでるの?」
瑞希が不安げに伊吹を見るので、翠も伊吹に視線を向ける。勝手に話を進めた事は悪いと思っているが、結果が同じなら事後報告でも良いだろうと思ったのだ。
(伊吹さんが反対する筈ないから)
「俺も初耳だから、翠の提案には驚いてるよ。それめっちゃ良いアイデアだな。翠もたまには良いこと言うもんだ」
「へへへ。なんか照れます」
「翠君ありがとう。僕の事まで考えてくれて、本当にありがとね。その話乗るよ。三人で家族になろ」
瑞希は翠の身体に抱きついて涙を流していた。瑞希の涙を見るのは初めてだ。いつも笑顔で隠してしまう瑞希だ。
翠にも心を開いてくれたのだと実感する。
「これで定住出来るわけですし。フラフラしてないで、仕事も無理のない範囲でやってくださいよ。二十四時間勤務なんて、何考えてるんですか。バカなんですか」
「だって僕を待ってくれるお客さんとかたくさんいて、予約で待たせるのも心苦しいし。
……ってのは建前。少しでも伊吹の事考える時間をなくしたかったんだよ」
「伊吹さんも同じような事してましたよ。二人とも本当、不器用なんですから。
これからは、常識の範囲内で仕事してくださいね」
ようやくこれで三人で平和に過ごせる、と翠が溜息を吐いたが、すぐに伊吹に否定されてしまった。
「これから忙しくなるから無理だよ」
「僕も。二十四時間勤務はやめるけど、十二時間は最低限やらないと。週一~二くらいでロングで十二時間の予約するお客様いるから」
「えっ!? その人どれだけ瑞希さん独占したいんですか!?」
「いや、大体五人から十人くらいのグループで呼ばれるんだよね。
ここだけの話、場所はお客さんの家とか使って乱パしててさ、それだけはやめられないんだよねぇ」
「それってアリ!?」
伊吹が驚いて身体を起こした。
「社会的にはアウト、店的にはグレーってところかな。やっぱり乱パはやめられないよね」
「結局乱パかよ。それ俺も参加したい! 瑞希の客に口利きしてくんない?」
翠は嫌な予感がした。ニマニマしている伊吹がまた翠の腕に戻ってきた。楽しそうなので、予感は的中しそうだ。
「ちょっと、伊吹さん!? なんか嫌な予感するんですけど、当たってませんよね?」
「え、翠がそう言うなら当たってんじゃね? なぁなぁ俺も乱パしたい~」
「えぇ~。先に翠君の許可取ってよ。恋人でしょ?」
「それ瑞希さんも同じです! 家族になりましょうって言って、瑞希さんオッケーしてくれたじゃないですか!
二人がやるなら俺もします! 監視しに行きますからね!」
伊吹と瑞希が、同時に翠の頬に指でつついて言った。
「翠は……」
「翠君は……」
「「乱交パーティー出禁だからダメ」」
「なっ!? それまだ有効なんですか!?」
伊吹が手を伸ばす。瑞希も同じように手を伸ばして、翠の腹の上で恋人繋ぎをした。
(ったくこの二人は……仕方ないなぁ)
諦めた様に溜息をつくが、心は穏やかだ。二人が家族になってくれるなら、乱交パーティーをしようが些細な事のように思えたのだった。
0
お気に入りに追加
309
あなたにおすすめの小説



体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる