乱交パーティー出禁の男

眠りん

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三章

三十一話 拷問

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「ふぁ~ちょっと疲れたかなぁ?」

 まだまだ性欲の有り余っている瑞希としては、準備運動を終えたくらいの感覚だが、三人は疲れきって壁に身体を預けてぐったりしている。
 瑞希はかなりの遅漏だ。三人がそれぞれ二回ずつ射精してからようやく一回射精した。一度では足りないので三人の男性器を無理矢理勃たせてその後二回ずつセックスを強要したのだ。
 二回射精した程度なので、やろうと思えば瑞希の射精回数であと二、三回くらいは出来る。

「皆も疲れたでしょ。良かったら飲み物あるし、コップもあるから皆で飲もうよ」

「ありがとう。瑞希さん。誘拐した俺らにそんな優しくしてくれて……」

 翔瑠は最早瑞希を信用しきっている。

「そんな! 皆だって好きでやってるわけじゃないんでしょ? 僕は皆の味方だから、なんなら共犯者にもなるし、もし僕の恥ずかしい写真とか撮りたいっていうなら、協力しますよ」

「そんな写真撮らないよ! 不安にさせてたならごめんな」

 優介が申し訳なさそうにしている。
 誰かに依頼された復讐屋等でもないようだ。誘拐目的が全く分からない。やはり拷問するしかないと、腹を括る。

 瑞希は三人に背を向けて自分のリュックからお茶の入ったペットボトルと、リュックの底にある隠しポケットからスプレー缶とスタンガンを取り出した。
 何をしているかは、三人からは見えない。
 
「なんでそこまでしてくれんの? 俺ら悪人なんだぞ?」

「そんなぁ。悪人だなんて思った事ないですよ」

 優介は瑞希の心配をしているらしい。瑞希からすれば笑ってしまう。

(悪人って言うより、レベルの低い小悪党って感じだけど)

「優しくて、器量が良くて、床上手で、天使のような瑞希さんを誘拐するなんて、俺らなんて事したんだろうな。
 他の人間をターゲットにすれば良かった」

 と、耕平も同情的だ。瑞希は新たな情報を逃さない。

「僕以外でも良かったって事ですか?」

「え……う、うん。まぁ。詳しくは言えないんだ。ごめんな」

「いえ。皆さんが僕を狙ってくれて良かったです。こうして楽しくエッチ出来た事ですし。僕にとってプラスでしかないですよ~」

「なんて良い子なんだ……」

 瑞希は奴隷に利尿剤を飲ませる為に用意していた紙コップに、ペットボトルの中身を注ぎ、奴隷を管理しているノートを台替わりに使う。

 ボトルとスタンガンをノートと共に持ち、三人にコップのみを渡した。どれほど瑞希を信じきっているのか、ボトルとスタンガンには気付かない。
 いや、気付いているのかもしれないが、それが自分を害するものだとは思っていないようだ。

 喉が乾いていたようで、三人ともすぐに飲み干した。瑞希はその隙にスプレー缶を取り出して、三人の顔にそれぞれ噴出させた。

「うわっ!?」

「なんだ……ぐあっ!?」

「ぐぅぅっ」

 三人とも驚いて目を瞑ったがもう遅い。かけたのは護身用の催涙スプレーだ。涙と鼻水が止まらないらしく、三人とも蹲って顔を手で押さえている。
 そしてすぐに瑞希はスタンガンを、まずは運転手に食らわせた。
 スタンガンはただの護身用ではない。相手を倒す為に電流値を上げている違法改造品だ。

「ぎゃああああっ!!」

「み、瑞希君!? ぐああああっ!!」

 何故か瑞希の心配をしている耕平にもスタンガンで攻撃。筋肉質なので早めに戦闘不能にしなければならない。
 状況を読み込めたらしい優介が逃げようとするが、瑞希はすぐに追いかけて後ろからスタンガンを当てた。

「ぎぃああああああっ!!」

「あはははは! もう、逃げるから強めに当てちゃったじゃないですか。注意して下さいよ」

 瑞希は責任は優介にあるかのように言ってのける。当てた時間が一秒程ならショックを与えるだけで済むが、当て続ければ死亡するような代物だ。
 瑞希はすぐに脱ぎ捨てられていた翔瑠のズボンのポケットから、没収されていた瑞希スマホを出して三人の悶える様子をカメラに収めた。

 そして、リュックが置いてある場所に戻り、リュックごと持って引き返す。ひっくり返して中の道具を全部地面に落とした。
 山田専用の麻縄を手に取る。七メートルの麻縄が三本だ。
 綺麗にSM用に縛りたいのであれば一人に対して三本使うのは普通だが、ただ拘束するだけなら一人に対して一本で十分だ。

 悶える彼らの両手を背中に回してそれぞれ縛っていく。縄がかなり余ってしまったが、SMのつもりはないのでそのまま放置した。
 催涙スプレーの影響がまだ残っているらしい、三人とも涙が止まらないようだ。

「瑞希……さん。信じてたのに……」

 最初に落ち着いたのは耕平だった。落胆した様子で、瑞希に恨みよりも悲しみの表情を向けている。

「誘拐犯が何言ってんの? 君達悪党向いてないから転職を勧めるよ」

「そうかもな……」

 まだ目を開けられない翔瑠が諦めた様子で溜息をつく。

「転職前に、引き継ぎ業務は行ってもらうけどね。さて、答えてもらおうか、誰の差し金?」

 三人はシンとして答えない。

「僕に服従出来ない子にはお仕置きが必要だなぁ」

 瑞希は地面に落とした道具の中から開口具を選び、耕平に取り付けた。やや長方形型になっている金属の枠は歯が閉じないように噛ませるタイプのものだ。
 口に嵌め込むと、頭にベルトを回して外れないようにキツめに調整する。

 そして、次に尿道カテーテルを翔瑠の男性器の中へと侵入させた。翔瑠は尿道を通される違和感に身悶えている。

「なっ、何をする気だ!? いだっ……」

 瑞希はすかさず翔瑠の口の中に、近くにあった誰かの服を捻じ込んだ。翔瑠が自由に喋るのは邪魔だ。

「ずっとエッチしてたから尿が溜まってる筈だよね? これは医療道具で尿道カテーテルっていうの。強制的に排尿させられるんだよ。
 んで、その尿が出る出口を、耕平君の口の上にセットしたら……どうなるか分かるよね?」

 三人の顔がサーッと青くなる。

「やめてくれよ! 瑞希さんはそんな事出来る人じゃないだろ? 本当はドSじゃないってさっき……」

 優介が必死に止め始めた。この人選は間違いではなかったと、瑞希は余裕の笑みを見せる。

「は? そんなの嘘に決まってるじゃん。僕は鬼畜で容赦ない責めをする事で有名なドSだよ?
 やめて欲しければ、首謀者の名前吐きなよ。優介君は友達見捨てる薄情者じゃないよね?」

 翔瑠の膀胱にカテーテルが到達すると、尿が管を通って排出され、耕平の口内へと排出されていく。

「!? がはっ! ゴボッ、ゲェッ!」

 耕平は飲み込めないのだろう、必死に尿をどうにかしようと頭を振るので、瑞希は耕平の首を挟むようにして胸の上に座った。
 両膝で耕平の顔を挟み、動けないように固定をする。

「ほらほら、優介君のせいで耕平君が尿で窒息死しちゃうね?」

「この……悪魔!」

「悪魔はお前だろ。吐けば止めるって言ってんだよ。さっさとしろ」

「グッ……柳川哲平って人だよ!」

 瑞希はすぐに尿道カテーテルを口の上から外し、耕平の開口具を外すと、自分の膝の上にうつ伏せにし、背中をバンバンと叩いて尿を吐かせた。

「ゲボッ……ゲェェ!」

 気持ち悪さからだろう、胃の中を全部吐き出した。何度かに分けて消化された異物が地面にビチャビチャと流される。
 饐えた臭いが充満した。
 その横ではまだショロショロと尿が排出されている。合わせると凄まじい悪臭だ。瑞希にとっては嗅ぎ慣れたものであるが。

「よく出来ました。ん、あれ? 柳川……。ねぇ、翠君知ってる?」

「直接は知らない。けど、依頼者の子供だと聞いた」

「ふーん。翠君パパが僕に何の用?」

「瑞希さんは何も関係ない。篠伊吹って奴に用があるんだ」

「伊吹に?」

 いきなり出てきた濃い知り合い達の名前に、瑞希は眉間に皺が寄るのが分かった。
 そして、すぐにピンとくる。以前、翠が瑞希に、兄が伊吹を狙っているから守って欲しいと頼んできた事を思い出したのだ。

「はーん、僕はとばっちりか。詳しい依頼内容教えて」

「言えるわけないだろ!」

 瑞希はリュックから針責めの道具を取り出して優介の前に見せた。

「じゃあ、この針で次は優介君のタマタマに穴を開けようかなぁ?」

「ヒッ!」

 優介は顔面蒼白となった。無意識にだろう、尿まで漏らしていた。

「怖い? 大丈夫。陰嚢に針で刺すプレイってあるからさ。僕くらいのプロなら精巣を傷付けずに刺せるよ。
 あぁけど、なかなか情報吐かずに僕を苛立たせたら、手が滑るかもね。
 そしたら、一生子供とか作れないよ? ねぇ、その事彼女さんに言える?」

「そ……それだけは……」

「だーいじょうぶ! 話す時は僕も一緒に行って謝ってあげるから、ねっ?」

「ひっ……ひぃぃっ、ごめんなさい! ごめんなさい! 助けてください! もうしませんっ、もうしま……」

 瑞希は陰嚢を睾丸を握り潰すかのようにぎゅっと強く握る。

「ぃぎゃああああああっ!! やめっ、でぐえぇぇえっ!」

「あはははは。痛いねぇ。早く話さないと片方の玉なくなっちゃうね? それとも、両方一気に潰す?」

「げいやぐっ!」

「うん?」

 痛みで上手く話せないようだ。仕方がないので瑞希は握っていた陰嚢から手を離す。
 優介はボロボロと涙を流した。

「ハァッ……ハァッ……。篠伊吹がっ、柳川家に、無理矢理署名させた、契約書を……破棄させる為に、瑞希さんを人質に取る計画を立て、ましたっ」

「どんな契約?」

「分かりません」

「この計画立てたのは翠君パパ?」

「いえっ! 手段は問わないから、篠伊吹に契約を破棄させるよう脅せと言われて……篠伊吹の交友関係の情報を渡されました!
 中でも弱そうに見えた瑞希さんを攫うことにしたんですっ! すみませんでした!」

「ん? 伊吹って女友達も結構いた筈だよね?」

「い……いました」

「なのに僕?」

「あ……そ、その……」

 優介は言いづらそうに視線を逸らした。その女性達よりも弱そうだと判断されたという事だ。
 瑞希はガーンと心に大きなショックを受けたが、見せないように毅然とした態度を貫く。

「ふーん。情報提供ありがと。伊吹の奴、帰ったらお仕置きしなくちゃ。
 あー楽しみ。泣いて許しを求めても絶対許さない。ねぇねぇ、優介君は水責めと火責め、どっちが好き?」

「!? どっちも嫌です!! 嫌だぁ!! ひぃぃっ、うぅぅぅっ」

「自分にされると思った? ふふ、可愛いね優介君。心配しないで、もう君に用はないよ。君が選んだ方を伊吹にやってやろうと思って」

「うぅぅ……」

「でも、やっぱりお仕置きの内容は僕が考えなくちゃね。あははっ。すっごく楽しみ」

 瑞希は優介に興味を失くし、翔瑠に歩み寄った。口に詰めた服を取り出すと、翔瑠はハァハァと荒い呼吸をしている。

「今日のエッチね、翔瑠君は合格だったよ。おチンポの大きさと、形、僕のお尻との相性、僕を気遣うような腰使い。気持ち良かった。
 他の二人はとにかく突っ込むだけでテクなんて全然なかったしね。
 二人はテクを磨いたら、店経由で指名してね。あっSMじゃなくて、普通のデリの方。
 翔瑠君は、僕の名刺あげる。後ろのコードをお店の人に伝えたら割引出来るからね」

「だっ、誰が行くか!」

 瑞希はリュックから取り出した名刺を胸の上に置いた。
 翔瑠は瑞希を睨み続けていた。元を正せば悪いのは誘拐犯だが、信用してしまってから騙し討ちをされた事は許せないようだ。

「待ってるよ」

 翔瑠の唇にキスをしてから立ち上がると、外から足音が聞こえた。 
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