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三章
二十二話 大乱交
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※ちょっといつも以上に長くなりました。すみません。
今日は最後の乱交パーティーの日だ。二十時から開催なので十九時にはサークルの飲み会を退出する予定だった。
だが翠に連れ出され、十八時半にホテルに戻ったはいいが、未だ泥酔状態だ。
最後なので参加者に上限をつけず、希望者は全員参加で、伊吹も混ざって盛大にしようとしていたのだが……。
心の中で夏鈴を恨んだ。ここまで酔ってしまったのは七割方、夏鈴の責任と言ってもいいだろう。
ホテルに着いた時、まだ頭がグラついている。店長に支えられながら受付前を通ると、受付に座っているバイトの高橋に心配された。
「お疲れ様でーす……って伊吹さん!? 何があったんです!?」
「サークルの飲みに顔を出したんだけど……気付いたら飲まされてて……」
「これから、イベントですよね? 大丈夫ですか?」
「うーん……分かんねぇ」
「先に瑞希さん七階に通してますよ。ベッドメイク等は済んでいます。後は伊吹さんの私物を移動するだけです」
「ありがとー。店長も、ありがとう。一人で行けます」
「大丈夫ですか?」
「はい。後は瑞希に助けてもらうんで」
一人でエレベーターに乗って七階へと上がる。部屋に入ると、瑞希がソファーに座って読書をしていた。
「お帰りなさい。伊吹……って酒臭くない? なんでこんな時に飲んでるわけ!?」
瑞希は嫌悪感を露わにした。プロである瑞希は仕事の時は絶対に飲酒もしないし、食事にも、見た目にも気を使っている。
伊吹に同じレベルを求めたりはしないが、さすがに仕事に影響を及ぼす程の失態は軽蔑に値するらしい。
「一杯だけって、坂本が言うから断れなくて。でも、他の人と話してる内に、継ぎ足しされてたみたいで。
いくら飲んでもグラスの中減らないな~って思ってたら……」
「あぁもう分かった。伊吹ってそういうところあるよね。
天然なのは仕方ないけど、リスク管理くらいちゃんとしてよ! 経営者でしょ? イベントの主催者なんでしょ? 責任持ってよ!
今日が最後なんだよ!? お客さんの事第一に考えて行動してよ!」
瑞希に腕を引っ張られ、ソファーに寝かされた。
「あんまり責めんなよ……」
責任を追及されるような事を言われるのは苦手だ。伊吹は眉間の皺を深めた。
「僕、普通の事しか言ってないからね。伊吹の周りには叱ってくれる大人がいないでしょ。だから僕が言ってあげてるの。
そんなんじゃ社会でやっていけないよ!」
「翠にも似たような事言われたけど。お前の言い方の方がキツい」
「翠君は伊吹に強く言えないからね。とりあえず、その酔いをどうするか考えよう。
最近は伊吹が参加出来なかったから来なくなってた人も、今日は伊吹目当てで来るし。
とりあえず水飲んで」
瑞希は受付に連絡し、瑞希を二リットル用意してもらった。伊吹に数回に分けて何度も飲ませ、自分の持ち物である錠剤を渡した。
「はい、利尿剤飲んで。プレイで使ってるやつだから安心して」
「……んっ」
利尿剤を飲んで、ソファーで横になる。しばらくしてトイレに行き、また尿意がやってきてトイレに行く。
それを繰り返すと、もう尿は出なくなったが、まだ胃に水が溜まっている感覚がある。
「ほら、お茶飲んで。酔い覚ましに良いから」
「うん……」
その後シャワーを浴び、ソファーで寝転がると、本当に眠ってしまった。
起きたのは開始二十分前だ。酒に酔っている感覚はなく、急いで自分の私物を外の道具入れに押し込んだ。
「トイレは?」
瑞希が子供の準備を手伝う親のごとく世話を焼いてきた。
「行っておく」
「酒臭さはなくなったね。歯、磨いた方がいいよ」
「分かってるよ」
開始三分前になり、ようやく準備が整った。二十ちょうどに、部屋の扉を開けると既に参加者達が待っていた。
「お待たせしました~」
総勢二十名集まっている。今までは八人から十人程度だったので、始める前のシャワーも十分程度で終わっていたが、今日は全員が身体を洗い終えてバスローブに着替えるまでに三十分はかかった。
その間客に「伊吹君、酒飲んだ?」と聞かれるが、「景気付けに少し」と誤魔化した。
「皆様、今日で乱交パーティー最後の日です。お集まりいただきありがとうございます。
いつも聞き飽きているとは存じますが、最後なので聞いてください。
このパーティーには、四つのルールを守って頂く事に了承している方のみ参加を許しています。
まず一つ目、ゴムを着ける事。
二つ目、無理矢理しない事。
三つ目、乱パの内容をネットに書き込むの禁止。
四つ目、主催者である俺、篠伊吹にプライベートで話しかけない事。止むを得ない事情の場合以外。
……でしたが、まず一つ目のルールですが、今日、俺に限っては生で入れて構いません。受けの方で生の方が良いという方は、相手の方に伝えて下さい。
それ以外の方には絶対生で入れないよう願います。
それと、今後四つ目のルールは解禁となります。もし良かったら外で会った時、声を掛けて下さい。
俺からお声掛けする事もあると思いますので、その時は反応して下さると嬉しいです。
今まで厳しいルールを守っていただき、ありがとうございました。今後もこのパーティーがあった事が明るみにならないように各自で注意していただきたいです」
参加者達は、伊吹の話を聞きながら頷いた。その瞳には哀愁を感じられる。
「寂しくなるなぁ」
「これから、伊吹君は乱パをしていた時間どうするんだ?」
参加者からの声が伊吹に向けられた。
「まだ決めてはいないんですが、私事でこれから忙しくなります。
詳細はいずれ皆様にも伝えられると思いますので、待っていて下さると嬉しいです」
今の言葉に参加者達は期待を含ませた笑みを浮かべた。「なんだろう?」「楽しみにしてるよ」と声を送る人達もいた。
「今日は特に時間制限はありません。明日の朝まで解放しているので、好きに出入りしていただいても良いですよ」
伊吹の言葉に歓声が上がった。
「但し……乱パがバレないように、注意してくださいね! では、始めましょうか」
その後は淫らな行為が繰り広げられ、ベッドは三つでは足りずにソファーや床でも肉の交わりが行われていた。
伊吹は、周りに集まってきた人達に、正座で迎えると三指をついて頭を深々と下げた。
「一週間オナ禁しました! 欲求不満な俺の身体を皆様でお使い下さい」
すると客の一人が伊吹の頭に足を乗せ、グリグリと踏みつけながら、伊吹を見下した。
「お前が欲求不満だろうが関係ねぇよ。こっちは伊吹って名前のオナホ便器使って射精するだけなんだからよ」
「そうだぞ。テメェが性処理道具って事忘れんじゃねぇよ。俺らはテメェを気持ち良くさせる為に来たんじゃねぇんだ」
「早くケツ穴広げろ。この公衆便器がよ!」
「はいっ」
今の言葉責めで完全にドMになった伊吹は、床に四つん這いになると、すぐに口と尻穴を男性器で塞がれた。
男性が伊吹の中に射精をすると、次に別の男が伊吹の中に侵入してくる。
肉棒で身体を好き勝手弄られる事に大興奮して、仰向けに体勢を変えると両手をそれぞれ使って二人の男の男性器をしこり始めた。
伊吹の尻穴には二つの性器が埋め込まれ、それぞれが好きに上下や左右に動く。
内壁を突き破りそうな責めに、伊吹は幸せそうな笑みを浮かべていた。
「んぶっ……ん、あぁっ……んっ、んん」
「伊吹君! 可愛いよ、伊吹君っ」
誰かがそう言いながら腰を乱暴に動かしていたが、伊吹は目の前の男性器に夢中で誰が言ってるのかまでは判別出来ない。
交代すると、当然違う人の声で淫語や言葉責めを受けた。
「このビッチが! こんな沢山のチンポでよがりやがって!」
「最後だから伊吹君に俺の全部を注ぎ込んでやる! この……孕め!」
「伊吹君の肉ディルド気持ちイイ。根元縛っていい? 俺が中イキするまで射精禁止ね」
一人だけ、受けの誰かが伊吹の腰の上に乗って騎乗位をした。
「ふぁい。皆様の好きに、使って下さい。俺の身体は、肉オナホで、肉ディルドで、肉便器ですぅ」
すぐに伊吹の男性器は、根元から玉も一緒に纏めて紐でキツく縛られる。激痛に苦しむが、誰もそれを気に留める事などせず好き勝手に伊吹の身体を使うのだ。
今の伊吹は口も、尻穴も、男性器すら男の性欲を発散させる為の道具であり、小便を催した時の肉便器でもある。
「オラ、全部飲みやがれ! この小便器が!」
と、小便をしたい者はトイレになど行かず、罵声付きで全て伊吹の口の中に放った。伊吹は嬉しそうに全部飲み込んでいた。
「ゴクゴク……はぁ、あん、口の中、オシッコで感じちゃいます。俺の口、小便器に使ってくだひゃい」
「当たり前だボケ! 道具が指図すんじゃねぇよ! 好き勝手に使って捨ててやるからな!
故障したら大便器に使うから、覚悟しやがれ!」
「ひゃいぃ。大便器にもなりますぅ」
さすがに大便をする者はいなかったが、大便をした後の尻穴を伊吹に舐めさせる者は少数いた。
伊吹は常に嬉しそうだった。数時間前まで泥酔していた事などなかったかのようだ。
今は快楽に酔っている。
それは瑞希も同じだった。彼の場合、男性器や尻穴を勝手に触る者は誰もいない。群がる男達は瑞希が許していない事をする権利など無いのだ。
もちろん尻穴への生挿入は許していない。
瑞希が男の腰の上に乗って腰を振る。下の者には腰を振らないよう命令し、男性器をしゃぶって欲しいと甘い愛撫を乞う者を許してからしゃぶる。両手で掴んでいる肉棒も同じだ。
手コキを求めてきたので承諾してあげたのだ。
「あの、瑞希様。瑞希様のペニスにご奉仕させていただけませんか?」
「んー。そんなにそのお口で舐めたいんですか?」
「い、いえ。瑞希様に気持ちよくなっていただきたいので、瑞希様がお嫌でしたら口以外でも、どこでも奉仕致します」
「とか言っちゃって、本当はお口の中に僕のペニス入れて、感じるところゴリゴリしたいんですよね?」
瑞希は男の舌を掴むと、グイッと引っ張った。
「ひ……ひえっ、ほんなこおは……けっひて……」
そして摘んだ舌を、ギリギリと強く抓る。
「ひぃぃぃいいっ!!」
痛がって涙を浮かべる男性は、心なしか嬉しそうだ。
瑞希は手を離してニコニコと頷いた。
「いいですよ、舐めて。ただし、お前の快楽に僕のペニスが使われたって判断した時は……どうなるか分かってますね?」
「はいっ、勿論です! 俺の口は瑞希様の快楽の為だけに存在する道具ですから!」
誰も瑞希の身体を玩具のように扱う者は一人もいない。あくまで瑞希に許されたから性処理を施してもらえるものであり、瑞希に対しても快楽を与えさせてもらえる……という流れが出来上がっている。
深夜になって人数が減り、午前三時頃には参加頻度の多い常連メンバーだけとなった。
ニューハーフで女性らしい顔立ちだが、バリ攻めの若歌。普段は大学教授だがドMでリバの佐竹。気弱なサラリーマンだがドSでバリ攻めのソラ。
伊吹と瑞希を除けばその三人だけだ。
だが、もう全員精根尽き果てている。
伊吹は床にうつ伏せになって誰かに掛けられた精液を舐めており、瑞希はソファーで仰向けに寝転がり、全身の力を抜いている。
三人も、それぞれベッドに横になって動けなくなっていた。
「このメンツで会うのも最後か……」
呟いたのは佐竹だ。声にも寂しさが篭っている。
「寂しーね。伊吹ってば、最後だってのに泥酔して帰ってきてさ」
「嘘っ!? お酒飲んでるなって思ったけど、泥酔したようには見えなかったわ」
若歌がガバッと起き上がり、床に這いつくばっている伊吹を見た。伊吹はずっと床を汚している白い液体を舌で掃除している。
「って、伊吹ちゃん! 何してんのぉ!?」
「ザーメン、残したら勿体ないと思って……」
「汚いわよ。ペッしなさい!」
「汚くないですよ。だって俺、便器ですよ。ザーメンは俺のエサです。若歌さんも便器使います? 俺、伊吹って名前の便器なんだそうですよ。
何しても良いんですよ。ワクワクしませんか?」
「はぁ。そこまでのドM根性はさすがについていけないわ。私ドSじゃないし、ただ乱パが好きなだけだから」
若歌は伊吹や瑞希とはあまり性行為はしない。よく参加している、お気に入りの受けの一人とセックスする為に来ているだけだ。
「じゃあ若歌さんのおチンポ舐めていい?」
「私はもう無理よ」
「じゃーソラさんか、佐竹さんは?」
「伊吹君とは一生分ヤッた気分だよ。無理無理」
ソラは五本の指をピンと張った手を左右に振って拒む。佐竹もそれに同調した。
「同じく無理だ。私のペニスは瑞希君のものだからね」
その言葉に瑞希が反論する。
「僕のものになった記憶ないですよ。店で呼んだ時だけは僕のものにしてあげてもいいですけどねぇ」
「店のプレイ以外で冷たくされるのも良いものですね」
「はは。じゃあ次は今までで一番濃いプレイで壊してあげます。ロングで予約入れて下さいね」
「……はい! 勿論です!」
全員がボーッとしながら駄弁っていると、コンコンとノック音が聞こえた。
出て行った客の誰かが戻ってきたのだと思ったが──。
今日は最後の乱交パーティーの日だ。二十時から開催なので十九時にはサークルの飲み会を退出する予定だった。
だが翠に連れ出され、十八時半にホテルに戻ったはいいが、未だ泥酔状態だ。
最後なので参加者に上限をつけず、希望者は全員参加で、伊吹も混ざって盛大にしようとしていたのだが……。
心の中で夏鈴を恨んだ。ここまで酔ってしまったのは七割方、夏鈴の責任と言ってもいいだろう。
ホテルに着いた時、まだ頭がグラついている。店長に支えられながら受付前を通ると、受付に座っているバイトの高橋に心配された。
「お疲れ様でーす……って伊吹さん!? 何があったんです!?」
「サークルの飲みに顔を出したんだけど……気付いたら飲まされてて……」
「これから、イベントですよね? 大丈夫ですか?」
「うーん……分かんねぇ」
「先に瑞希さん七階に通してますよ。ベッドメイク等は済んでいます。後は伊吹さんの私物を移動するだけです」
「ありがとー。店長も、ありがとう。一人で行けます」
「大丈夫ですか?」
「はい。後は瑞希に助けてもらうんで」
一人でエレベーターに乗って七階へと上がる。部屋に入ると、瑞希がソファーに座って読書をしていた。
「お帰りなさい。伊吹……って酒臭くない? なんでこんな時に飲んでるわけ!?」
瑞希は嫌悪感を露わにした。プロである瑞希は仕事の時は絶対に飲酒もしないし、食事にも、見た目にも気を使っている。
伊吹に同じレベルを求めたりはしないが、さすがに仕事に影響を及ぼす程の失態は軽蔑に値するらしい。
「一杯だけって、坂本が言うから断れなくて。でも、他の人と話してる内に、継ぎ足しされてたみたいで。
いくら飲んでもグラスの中減らないな~って思ってたら……」
「あぁもう分かった。伊吹ってそういうところあるよね。
天然なのは仕方ないけど、リスク管理くらいちゃんとしてよ! 経営者でしょ? イベントの主催者なんでしょ? 責任持ってよ!
今日が最後なんだよ!? お客さんの事第一に考えて行動してよ!」
瑞希に腕を引っ張られ、ソファーに寝かされた。
「あんまり責めんなよ……」
責任を追及されるような事を言われるのは苦手だ。伊吹は眉間の皺を深めた。
「僕、普通の事しか言ってないからね。伊吹の周りには叱ってくれる大人がいないでしょ。だから僕が言ってあげてるの。
そんなんじゃ社会でやっていけないよ!」
「翠にも似たような事言われたけど。お前の言い方の方がキツい」
「翠君は伊吹に強く言えないからね。とりあえず、その酔いをどうするか考えよう。
最近は伊吹が参加出来なかったから来なくなってた人も、今日は伊吹目当てで来るし。
とりあえず水飲んで」
瑞希は受付に連絡し、瑞希を二リットル用意してもらった。伊吹に数回に分けて何度も飲ませ、自分の持ち物である錠剤を渡した。
「はい、利尿剤飲んで。プレイで使ってるやつだから安心して」
「……んっ」
利尿剤を飲んで、ソファーで横になる。しばらくしてトイレに行き、また尿意がやってきてトイレに行く。
それを繰り返すと、もう尿は出なくなったが、まだ胃に水が溜まっている感覚がある。
「ほら、お茶飲んで。酔い覚ましに良いから」
「うん……」
その後シャワーを浴び、ソファーで寝転がると、本当に眠ってしまった。
起きたのは開始二十分前だ。酒に酔っている感覚はなく、急いで自分の私物を外の道具入れに押し込んだ。
「トイレは?」
瑞希が子供の準備を手伝う親のごとく世話を焼いてきた。
「行っておく」
「酒臭さはなくなったね。歯、磨いた方がいいよ」
「分かってるよ」
開始三分前になり、ようやく準備が整った。二十ちょうどに、部屋の扉を開けると既に参加者達が待っていた。
「お待たせしました~」
総勢二十名集まっている。今までは八人から十人程度だったので、始める前のシャワーも十分程度で終わっていたが、今日は全員が身体を洗い終えてバスローブに着替えるまでに三十分はかかった。
その間客に「伊吹君、酒飲んだ?」と聞かれるが、「景気付けに少し」と誤魔化した。
「皆様、今日で乱交パーティー最後の日です。お集まりいただきありがとうございます。
いつも聞き飽きているとは存じますが、最後なので聞いてください。
このパーティーには、四つのルールを守って頂く事に了承している方のみ参加を許しています。
まず一つ目、ゴムを着ける事。
二つ目、無理矢理しない事。
三つ目、乱パの内容をネットに書き込むの禁止。
四つ目、主催者である俺、篠伊吹にプライベートで話しかけない事。止むを得ない事情の場合以外。
……でしたが、まず一つ目のルールですが、今日、俺に限っては生で入れて構いません。受けの方で生の方が良いという方は、相手の方に伝えて下さい。
それ以外の方には絶対生で入れないよう願います。
それと、今後四つ目のルールは解禁となります。もし良かったら外で会った時、声を掛けて下さい。
俺からお声掛けする事もあると思いますので、その時は反応して下さると嬉しいです。
今まで厳しいルールを守っていただき、ありがとうございました。今後もこのパーティーがあった事が明るみにならないように各自で注意していただきたいです」
参加者達は、伊吹の話を聞きながら頷いた。その瞳には哀愁を感じられる。
「寂しくなるなぁ」
「これから、伊吹君は乱パをしていた時間どうするんだ?」
参加者からの声が伊吹に向けられた。
「まだ決めてはいないんですが、私事でこれから忙しくなります。
詳細はいずれ皆様にも伝えられると思いますので、待っていて下さると嬉しいです」
今の言葉に参加者達は期待を含ませた笑みを浮かべた。「なんだろう?」「楽しみにしてるよ」と声を送る人達もいた。
「今日は特に時間制限はありません。明日の朝まで解放しているので、好きに出入りしていただいても良いですよ」
伊吹の言葉に歓声が上がった。
「但し……乱パがバレないように、注意してくださいね! では、始めましょうか」
その後は淫らな行為が繰り広げられ、ベッドは三つでは足りずにソファーや床でも肉の交わりが行われていた。
伊吹は、周りに集まってきた人達に、正座で迎えると三指をついて頭を深々と下げた。
「一週間オナ禁しました! 欲求不満な俺の身体を皆様でお使い下さい」
すると客の一人が伊吹の頭に足を乗せ、グリグリと踏みつけながら、伊吹を見下した。
「お前が欲求不満だろうが関係ねぇよ。こっちは伊吹って名前のオナホ便器使って射精するだけなんだからよ」
「そうだぞ。テメェが性処理道具って事忘れんじゃねぇよ。俺らはテメェを気持ち良くさせる為に来たんじゃねぇんだ」
「早くケツ穴広げろ。この公衆便器がよ!」
「はいっ」
今の言葉責めで完全にドMになった伊吹は、床に四つん這いになると、すぐに口と尻穴を男性器で塞がれた。
男性が伊吹の中に射精をすると、次に別の男が伊吹の中に侵入してくる。
肉棒で身体を好き勝手弄られる事に大興奮して、仰向けに体勢を変えると両手をそれぞれ使って二人の男の男性器をしこり始めた。
伊吹の尻穴には二つの性器が埋め込まれ、それぞれが好きに上下や左右に動く。
内壁を突き破りそうな責めに、伊吹は幸せそうな笑みを浮かべていた。
「んぶっ……ん、あぁっ……んっ、んん」
「伊吹君! 可愛いよ、伊吹君っ」
誰かがそう言いながら腰を乱暴に動かしていたが、伊吹は目の前の男性器に夢中で誰が言ってるのかまでは判別出来ない。
交代すると、当然違う人の声で淫語や言葉責めを受けた。
「このビッチが! こんな沢山のチンポでよがりやがって!」
「最後だから伊吹君に俺の全部を注ぎ込んでやる! この……孕め!」
「伊吹君の肉ディルド気持ちイイ。根元縛っていい? 俺が中イキするまで射精禁止ね」
一人だけ、受けの誰かが伊吹の腰の上に乗って騎乗位をした。
「ふぁい。皆様の好きに、使って下さい。俺の身体は、肉オナホで、肉ディルドで、肉便器ですぅ」
すぐに伊吹の男性器は、根元から玉も一緒に纏めて紐でキツく縛られる。激痛に苦しむが、誰もそれを気に留める事などせず好き勝手に伊吹の身体を使うのだ。
今の伊吹は口も、尻穴も、男性器すら男の性欲を発散させる為の道具であり、小便を催した時の肉便器でもある。
「オラ、全部飲みやがれ! この小便器が!」
と、小便をしたい者はトイレになど行かず、罵声付きで全て伊吹の口の中に放った。伊吹は嬉しそうに全部飲み込んでいた。
「ゴクゴク……はぁ、あん、口の中、オシッコで感じちゃいます。俺の口、小便器に使ってくだひゃい」
「当たり前だボケ! 道具が指図すんじゃねぇよ! 好き勝手に使って捨ててやるからな!
故障したら大便器に使うから、覚悟しやがれ!」
「ひゃいぃ。大便器にもなりますぅ」
さすがに大便をする者はいなかったが、大便をした後の尻穴を伊吹に舐めさせる者は少数いた。
伊吹は常に嬉しそうだった。数時間前まで泥酔していた事などなかったかのようだ。
今は快楽に酔っている。
それは瑞希も同じだった。彼の場合、男性器や尻穴を勝手に触る者は誰もいない。群がる男達は瑞希が許していない事をする権利など無いのだ。
もちろん尻穴への生挿入は許していない。
瑞希が男の腰の上に乗って腰を振る。下の者には腰を振らないよう命令し、男性器をしゃぶって欲しいと甘い愛撫を乞う者を許してからしゃぶる。両手で掴んでいる肉棒も同じだ。
手コキを求めてきたので承諾してあげたのだ。
「あの、瑞希様。瑞希様のペニスにご奉仕させていただけませんか?」
「んー。そんなにそのお口で舐めたいんですか?」
「い、いえ。瑞希様に気持ちよくなっていただきたいので、瑞希様がお嫌でしたら口以外でも、どこでも奉仕致します」
「とか言っちゃって、本当はお口の中に僕のペニス入れて、感じるところゴリゴリしたいんですよね?」
瑞希は男の舌を掴むと、グイッと引っ張った。
「ひ……ひえっ、ほんなこおは……けっひて……」
そして摘んだ舌を、ギリギリと強く抓る。
「ひぃぃぃいいっ!!」
痛がって涙を浮かべる男性は、心なしか嬉しそうだ。
瑞希は手を離してニコニコと頷いた。
「いいですよ、舐めて。ただし、お前の快楽に僕のペニスが使われたって判断した時は……どうなるか分かってますね?」
「はいっ、勿論です! 俺の口は瑞希様の快楽の為だけに存在する道具ですから!」
誰も瑞希の身体を玩具のように扱う者は一人もいない。あくまで瑞希に許されたから性処理を施してもらえるものであり、瑞希に対しても快楽を与えさせてもらえる……という流れが出来上がっている。
深夜になって人数が減り、午前三時頃には参加頻度の多い常連メンバーだけとなった。
ニューハーフで女性らしい顔立ちだが、バリ攻めの若歌。普段は大学教授だがドMでリバの佐竹。気弱なサラリーマンだがドSでバリ攻めのソラ。
伊吹と瑞希を除けばその三人だけだ。
だが、もう全員精根尽き果てている。
伊吹は床にうつ伏せになって誰かに掛けられた精液を舐めており、瑞希はソファーで仰向けに寝転がり、全身の力を抜いている。
三人も、それぞれベッドに横になって動けなくなっていた。
「このメンツで会うのも最後か……」
呟いたのは佐竹だ。声にも寂しさが篭っている。
「寂しーね。伊吹ってば、最後だってのに泥酔して帰ってきてさ」
「嘘っ!? お酒飲んでるなって思ったけど、泥酔したようには見えなかったわ」
若歌がガバッと起き上がり、床に這いつくばっている伊吹を見た。伊吹はずっと床を汚している白い液体を舌で掃除している。
「って、伊吹ちゃん! 何してんのぉ!?」
「ザーメン、残したら勿体ないと思って……」
「汚いわよ。ペッしなさい!」
「汚くないですよ。だって俺、便器ですよ。ザーメンは俺のエサです。若歌さんも便器使います? 俺、伊吹って名前の便器なんだそうですよ。
何しても良いんですよ。ワクワクしませんか?」
「はぁ。そこまでのドM根性はさすがについていけないわ。私ドSじゃないし、ただ乱パが好きなだけだから」
若歌は伊吹や瑞希とはあまり性行為はしない。よく参加している、お気に入りの受けの一人とセックスする為に来ているだけだ。
「じゃあ若歌さんのおチンポ舐めていい?」
「私はもう無理よ」
「じゃーソラさんか、佐竹さんは?」
「伊吹君とは一生分ヤッた気分だよ。無理無理」
ソラは五本の指をピンと張った手を左右に振って拒む。佐竹もそれに同調した。
「同じく無理だ。私のペニスは瑞希君のものだからね」
その言葉に瑞希が反論する。
「僕のものになった記憶ないですよ。店で呼んだ時だけは僕のものにしてあげてもいいですけどねぇ」
「店のプレイ以外で冷たくされるのも良いものですね」
「はは。じゃあ次は今までで一番濃いプレイで壊してあげます。ロングで予約入れて下さいね」
「……はい! 勿論です!」
全員がボーッとしながら駄弁っていると、コンコンとノック音が聞こえた。
出て行った客の誰かが戻ってきたのだと思ったが──。
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