乱交パーティー出禁の男

眠りん

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三章

十九話 嫉妬心

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※痛々しいシーンがあります。


 三味線を使った和風な曲と共に二人は現れた。
 縄太郎は最初伊吹達の前に現れた時と同じ上半身裸にレザーパンツ姿で、セーラー服を着た黒髪を左右に三つ編みにしている華奢な女と共に出てきた。
 両者とも裸足である。

 シチュエーションも演出しているようだ。ヤクザに拉致されたか弱い女子高生……といったところだろうか。
 説明があるわけでもないので、想像するしかないが。明らかにセーラー服の女は嫌そうな顔をしている。

 縄太郎は先程の紳士的な表情から一転、話しかけただけで殺されるのではないか、心配になりそうな程の迫力がある。

 女は腕を伸ばした状態で後ろで両手首を縛り、肘の辺りまでを頑丈に縛った。その縛りは計算され尽くしており、芸術性を忘れていない。
 そして、腕の辺りで余った縄を上のカラビナに吊るす。
 肩は最上限まで上がっており、肩の骨が前に向いている状態だ。
 足もギリギリ指が床に着く程度で、必死に立っている。

 苦しむ表情を浮かべている女に、セーラー服の上から鞭を打っていく。どこに当たろうがお構い無し、とでも言うように胸、腹、脇、腰、背中を全体的に周りながら打つ。

 鋭い音が響く。女は目を瞑り、歯を食いしばって耐えていた。何度も何度も打たれ、終わったと思うと、次に両足首を纏めて縛った。
 その両足首から膝までを、腕と同じ様に縛ると、余った縄を上のカラビナに繋げ、手首と同じ位置まで足首を持っていき、足首に巻いて固定した。スカートが捲れ白い下着が見えている。

 そして、反り返っている背中の上に、重しを乗せた。目立たないよう隅に置いてあった煉瓦だ。
 江戸時代に被疑者が受けたと言われる駿河問いである。
 煉瓦のサイズ自体は小さいものの、どれ程の重さかは聴衆には分からない。乗せた瞬間、苦痛に顔を歪めていた女が悲鳴をあげた。

「ひぃぎぃやぁぁあっ!」

 悲痛な叫びを上げる女に、縄太郎は容赦しない。三つ編みの髪を二つとも纏めて握り、頭を上に向かせたのだ。
 そして、髪を縄で縛り、足首と繋げた。

 縄太郎は女の身体をグルグルと回し、縄が絡まると手を離した。勢いよく女の身体は逆回転し、また回りきると、逆回転を繰り返す。
 女の呻き声が痛々しい。

「ひぃっ……ぐぅ……」

 それが終わると縄太郎は女の背中の煉瓦を下ろした。女は少し安堵した表情になる。
 そして、火の付いた低温蝋燭を二つ用意した。一つは女の口に咥えさせ、もう一つは髪と足首を繋げる縄に括り付けた。
 蝋燭の溶けるスピードは早く、口の周りに垂れ、背中にポタポタと蝋が落ちる。

 口周りは特に反応はないが、背中に落ちる度に女の身体はビクビクと揺れ、蝋燭で塞がれた口からくぐもった呻き声が漏れる。

「ん……んぅっ……んっ」

 前方の席だと分かるが、女の下着はびしょ濡れだ。興奮し、愛液を過剰分泌している。

 蝋燭が外されると、露わになっている太腿を一本鞭で執拗に打たれる。
 綺麗な白い肌に、真っ赤な線が伸びる。
 縄太郎の下半身は勃起している。彼女を責める事に興奮しているのだ。それはどの観客から見ても明らかであった。

 最後に縄を解いて二人並んで頭を下げた。終わった時には縄太郎は紳士のような顔に戻っており、始終眉間に皺を寄せていた女も、ショーを成功させた事に喜びの笑顔を見せていた。

 拍手喝采だった。観客全員が二人に魅入っており、興奮の中緊縛ショーは終了した。


「すーっごく良かったよねぇ、今日のショー!
皆良い縛りしてたし。まさか縄太郎様、駿河問いやるなんてなぁ。
 伊吹にも今度やってあげよっか?」

 外に出て歩き出すと、いつになく無邪気な瑞希が伊吹に問いかけた。
 伊吹は正直、縄太郎の回で勃起してしまったのだが、貞操帯がそれを許さなかった。
 ズキズキという痛みに苛まれており、笑顔で頷く事は難しい。

 そんな伊吹の様子を知っている翠が伊吹の身体を支えている。

「伊吹さん、今それどころじゃないみたいですよ」

「あぁ、興奮しちゃったか。じゃあ……僕からのミッションにクリアしたら外してあげようね」

「毎回やるんですか!?」

「うん。だって、貞操帯は僕が鍵持ってるし。僕を喜ばせたら外してあげる条件なの」

「もういいじゃないですか。折角のデートで……って、俺もいますけど。こうやって伊吹さんと外で遊ぶの数年ぶりなんですよね?」

「八年振りだよ。僕とのデートが普通だと思われても嫌だし。それに、伊吹だって僕からの命令を望んでる筈だよ? ね?」

 瑞希は伊吹の頬に手を添えた。伊吹の顔は赤い。切なげに潤む目を瑞希に向けた。

「は……やく、命……令を……」

「ほらね。じゃあ、今からバイブの振動を最強にするから。三分耐えてね?
 エッチな声出して喘いだら、ここでデート終了ね」

「瑞希さんっ!」

「いい。翠……。瑞希、やって」

 伊吹は翠に支えられながら、近くのベンチに座った。そこで瑞希はバイブのスイッチを入れて、強度を一番強くした。

 座った事もあるだろう、尻穴に埋め込まれたバイブは余計に伊吹の前立腺を抉り、強烈な快楽を与えた。
 伊吹は手で口を塞いで耐えた。涙が出る。気持ち良くて仕方がない。だからといって、立つ事は不可能だ。

 耐えなければ。瑞希に捨てられるのは嫌だ。
 ここでデートが終わるのは嫌だ。

 伊吹は片手で翠にしがみつく。翠の皮膚に食い込む程の力を入れている自覚はあるが、どうにもコントロールが出来ない。
 翠に酷い事をしてしまっている……と悲しくなるのに、翠は伊吹を抱き締めて宥めた。

「伊吹さん。辛い、ですよね? 頑張って下さい。伊吹さん……伊吹さん……」

 名前を呼ばれると嬉しくなる。彼にこんな姿を見せるのが恥ずかしくなってくる。何度も見せたドMの顔。
 外でこんな痴態を見せるのは初めてだ。恥ずかしくなる。

 瑞希にならどんな姿を見られても何も思わないのに、翠は違う。
 やはり彼は特別なのだと、再認識した。





 そんな伊吹の様子を見て、瑞希が気付かない筈がない。辛そうにしながらも翠に身体を委ねて、心底愛しているという目を翠に見せているのが、瑞希には分かった。

 まだ三分経たない。だがスイッチを止めた。これ以上翠に心酔する伊吹を見たくなかったのだ。

「伊吹、終わり。外してやるからこっちに来い」

 瑞希は無理矢理伊吹の腕を引いて立たせた。翠を放置して伊吹を連れ去る。
 近くの公園の公衆トイレに入った。多目的となっており、中は広々としている。

 伊吹のズボンを脱がせて貞操帯を外し、バイブも抜くと、便座に座らせた。両脚を広げた状態で上にあげて両手で押さえるよう命令する。

「伊吹、脚は絶対そのままにしとけよ」

 瑞希が怒りの目を向けると、伊吹の男性器が反応した。痛みで勃起していたのだが、更に大きくなった。
 これでいいのだと、瑞希は持ってきたまち針を伊吹に見せた。

「これなんだ?」

「針です……」

「どこに刺すと思う?」

「……ぺ、ペニス……ですか?」

「当たり。伊吹はこれが好きだよね? 我慢出来たご褒美に好きな事してあげる」

 瑞希は台にまち針と、脱脂綿、アルコール消毒液を置いて準備した。
 伊吹は期待で顔を赤くしているが、少し浮かない顔をしている。

「伊吹?」

「あの……さっき……三分経っていなかったように思えたのですが……」

「いい? 伊吹はそんな事気にしなくていいの。三分経っていなかろうが、僕が三分って言ったら三分なんだよ。分かった?」

 伊吹が素面であればツッコミを入れるところだが、性欲に支配され脳が上手く機能していない為、安心したように頷いた。

「そうですよね。意見してすみません」

「ううん、いいよ。とりあえず、一回イッちゃおうか」

 瑞希は足を抱えている伊吹の前に膝を付いて、蜜を垂らして期待している男性器を口に含んだ。
 伊吹の感じるところは全て分かっている。鈴口を優しく舐め、亀頭を唇で扱くように強く吸いながら頭を上下させる。

 口の中に塩っぱい味が広がる。先走りが吸っても吸っても口の中に流れてくるのだ。
 全て飲み込んで、次は喉奥で亀頭を扱く。気道が塞がれるが構わない。

「ん……ふぅ……んっ、あっ、喉……だめ」

「……だひていいよ」

 喉奥に突くようにグポグポと音を立てて頭を前後に動かすと、口の中に生暖かい液体が広がった。
 それを飲んでしまうと、手の甲で口周りを拭った。

「ご主人様、ごめんなさい」

「何が?」

「口の中に出してしまいました」

「気持ち良かった?」

「き……きもぢよかっだです……うぅっ」

 伊吹は主人の口に出してしまった罪悪感から泣き出してしまった。そんな姿を見て、瑞希は余計に寂しくなった。

(伊吹にとって僕は「ご主人様」でしかない……。僕がそうしたのが悪いのは分かってるけど。
 翠君相手なら同じプレイでも反応が違うんだろうなぁ……)

 悲しさをグッと堪えて笑ってみせる。

「それなら良かったじゃん。伊吹は今日一日頑張って偉いね。ご褒美に好きなプレイするんだから、喜んでよね。あんまり叫んじゃダメだよ」

 瑞希はハンカチを伊吹の口内に埋めた。そして、脱脂綿に消毒液を付けて伊吹の男性器を拭く。
 刺激があるのだろう、伊吹はビクビクと身体を揺らしている。消毒したまち針を手にした。
 柔らかくなった男性器の包皮を左手で摘み、一気に針を貫通させた。

「んっ──! ぐぅぅぅうううぅっ!!」

 くぐもった声だが、伊吹の叫びが心地よい。まち針を更に二本刺すと、激痛に伊吹は悦んでいる。
 包皮に刺した三本の針のせいで完勃ちが出来ないのだ。だが、針の隙間から精液をダラダラと流している。

 涙を流しながら震える伊吹は、確かに瑞希に更なる激痛を求めている。

「今日はダメだよ。ここまでで終わり、ね?」

 伊吹はフルフルと頭を左右に振って拒んでいる。もっと痛みが欲しいのだと。

「今日から一週間、オナ禁が始まるんだから。我慢して」

 オナ禁の言葉に伊吹は喜んで頷いた。精神的な苦痛でもあるので、一週間オナ禁の方が嬉しいようだ。
 針を抜くと、また苦しそうに呻いた。そんな伊吹を見ていたら、段々と翠への嫉妬心は消えた。
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