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三章
四話 電マ責め
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「伊吹、オナニーしろ。勝手に出すなよ」
瑞希は命令した。脅しのように鞭を向ける。打たないが、命令を聞かないと容赦なく打つつもりだ。
「は、はい」
伊吹はおそるおそる自分の男性器を握ると、強く力を入れた。伊吹の目には涙が浮かんでいる。
射精をするな、という瑞希の命令を遂行出来そうにないのだろう。
「ほら、手が止まっているぞ。動かせ」
「すぐにイってしまいそうです」
「イったら罰を与える」
「ひぅ……」
伊吹はゆっくりと男性器を握る手を上下させる。自慰行為というより、機械的な動きだ。
瑞希の命令を遂行しようとしているのに、出来ない事に苦しんでいる。
「こんな事も出来ないのか? 犬以下の家畜は本当に無能だな」
瑞希は鞭を振るった。肩や胸に鞭が飛ぶ。伊吹の色の濃い肌は鞭の跡は目立たない。
瑞希はそれを見ると、少しでも跡を残したくなって多めに打ってしまうのだ。
「あ……あぁ、イってしまいます」
伊吹の目から涙がこぼれた。主人の命令に従いたいのに出来ない辛さ、それが伊吹を心から感じさせているのである。
「じゃあ手を止めろ。僕は優しいからね、伊吹のペニスの根元をキツく縛って、射精出来ないようにしてから、亀頭責めしたりなんてしないからね」
それは伊吹が好きなプレイだ。あえて、伊吹の好きな事はさせずに苦しめている。
瑞希は自然と意地の悪そうな笑みが浮かんでいた。伊吹から見れば「お前の好きなプレイはさせてやらない」と顔に書いてあるかのようだろう。
数分して、伊吹の射精感が落ち着いた頃にまた自慰する事を命じ、伊吹が射精しそうになると止めた。
それを何度か繰り返すと、伊吹は我慢が難しい程射精したくてたまらない様子になった。
「伊吹、ここまでよく頑張ったね」
瑞希は優しい笑顔を向けた。それは慈悲などではなく、伊吹を更に苦しめる為の前触れである。 それは伊吹も分かっている事で、何をしてくれるのだろうと期待の眼差しを瑞希に向けている。
「ご主人様のご指導のお陰です」
「うんうん、よく分かってるね。じゃあ、頑張った伊吹にご褒美だよ。
今から十数えるから、それまでにイってね?」
「……えっ」
「ほら早く。いーち」
伊吹はサッと顔色を青くさせると、すぐに自身の男性器を今までで一番強く握り、必死に上下に擦った。焦りからすぐに出せなくなったようだ。
その様子が滑稽でならない。瑞希は笑みを零しながら数を数えていく。
「ごー」
「ハッ、ハッ、ハッ……」
必死に両手を動かす伊吹は犬のように吐息が漏れている。早く射精しなければ、と必死だ。
「あはは、ワンちゃんみたいだね。犬以下の存在がさ、一丁前に犬の真似? 無様だねぇ」
瑞希の助け舟だ。身体の痛みだけでなく、精神的な屈辱を与える事で、伊吹は余計に興奮出来るのだ。
数え終えるまでに射精させてあげようという、優しさでもある。瑞希はまた数え始める。
「ろーく……しーち……はーち……。
ねぇ、本当にイく気ある? あと二つ数えたら終わりだよ? 罰を受けたいみたいだね?」
「い……嫌。嫌です、嫌……」
伊吹の目から涙がこぼれた。涙は足や床にぽたぽたと落ちていく。
「きゅーう……じゅー」
「イ……くぅ……」
瑞希が最後まで言い終える寸前に、伊吹の男性器の先端から吹き出すように精液が噴出した。
ピュッピュッと飛び出る白濁液が床を汚す。出し切ると伊吹は蕩けた顔で呆然とした。
瑞希は立ち上がり、伊吹の前に膝を着くと抱き締めて頭を撫でた。
「伊吹なら出来るって信じてたよ」
「ご主人様……」
瑞希は伊吹をゆっくりと立ち上がらせると、ベッドに座らせ、そのまま横に倒した。
「ご褒美をあげようね」
瑞希は優しい声でニッコリと優しく微笑んだ。伊吹は期待の眼差しで頷く。
既に瑞希の手には黒い電気マッサージ器が握られている。瑞希が何をするのか、伊吹は分かっているのだ。お互いの視線が合う。
相手が何を考え、何を感じているか、お互いが分かっている。瑞希が「やるぞ」という目を向けると、伊吹は嬉しそうにコクンと頷いた。
瑞希が持っている電マはコードレスタイプで、強弱が五段階に分かれているものだ。マッサージ器として売られている電マとは違い、最初からアダルトグッズとして売られている強力電マである。
瑞希は電マを最初から一番強い振動に設定し、射精したばかりで柔らかくなっている伊吹の男性器に押し当てた。
ただの電マでは得られない刺激が、亀頭から陰茎にまで響く。
「ぎゃあああああっ!」
快楽も過ぎれば苦痛となる。伊吹は過ぎた気持ち良さに喘ぎを通り越して叫んだ。
男性器はまた固くなったが、敏感になり過ぎたそこはこれ以上の刺激を拒んでいる。
「やっ、やめぇぇええええ!! 辛いですっ……いっ、いやぁあああっ!!」
「そんなにイイんだね。イきたい時にイッていいよ」
「いやあああ、イきたくないぃぃっ! イきたくないですぅぅ!!」
次に射精したが最後、苦痛は耐えきれないものとなる事を、伊吹は身をもって体験している。射精したからと、瑞希がやめるわけがない事も知っている。
全てを分かっている上で、瑞希は電マを睾丸に当てた。右と左を交互に当てる。
「ひぁああああっ!! 出ちゃう!! 出ちゃうぅぅうううっ!!」
「伊吹、何度でもイっていいんだよ? ご褒美なんだから」
瑞希の一言で、伊吹は射精してしまった。敏感になり、手で触るのも辛い亀頭の先を狙って、瑞希は電マを当てた。
伊吹の喉から絶叫が迸る。興奮しきった瑞希には聞き心地の良い金切り声だ。
「いああああああああっ!!」
「み、瑞希さんっ!!」
だが、聞き心地が良いのはサディスト全開の瑞希だけだ。そんな瑞希でさえ、普通の状態でならば聞き苦しい事この上ない。
まともな神経の人間であれば聞く事自体が苦痛だろう。
心配した翠がベッドに近寄ってきて、瑞希の肩に触れた。今、興奮しきっている瑞希に近寄るのは危険な行為だが、翠は知らない。
触れられた瞬間、瑞希が振り返りざまに左手で翠の頬を叩いた。
パンッ! と乾いた音が響く。
「邪魔するな。大人しく出来ないなら出てけ!」
「でも! 伊吹さんが苦しんでるじゃないですか!」
水を差されるとサディストとしての火が弱まってくる。瑞希は面倒そうな顔をしながらも電マを止めずに、伊吹の鬼頭、特に先端の穴を塞ぐように当てた。
プレイは中断しないという意志を翠に見せている。
「ひぃぃっ、出せないぃぃっ! 出せないよぉぉぉっ!!」
二度目の射精が近付いていた伊吹は、出せない辛さと強力電マの行き過ぎた快楽で、苦しみながら身を悶えさせている。
「あのねぇ! 伊吹は一度もセーフワード言ってないだろ!」
「えっ……あ……」
「分かった? 僕らが決めてるセーフワードは"ストップ"でしょ。それ言わなきゃ僕は止めないし、伊吹の様子がヤバかったらセーフワード言わなくても止める」
「瑞希さんから見て、今の伊吹さんの様子は止めるレベルじゃないって事ですか?」
「全然耐えられるレベル。伊吹はこういう事をされるって分かって僕に身を預けてる」
「そうなんですか。先に打ち合わせしたんですか?」
「してないよ。僕は伊吹の様子見ながら、どこまで大丈夫かを常に考えながら進めてる。なんせ、伊吹は今本当なら傷の縫合したばっかりで安静にしてなきゃでしょ?
だから一応無理のないプレイをしてるつもりだよ」
「そうだったんですか。あんまり伊吹さんが辛そうに見えたので……すみませんでした」
翠の様子を見て、完全に鎮火した瑞希は伊吹から電マを離し、スイッチを切った。
伊吹のハァハァという荒い声だけが聞こえる中、瑞希はニッコリとした笑顔を翠に向けた。
「そだ、翠君。伊吹が射精したいんだって。翠君がイかせてあげなよ~」
瑞希は命令した。脅しのように鞭を向ける。打たないが、命令を聞かないと容赦なく打つつもりだ。
「は、はい」
伊吹はおそるおそる自分の男性器を握ると、強く力を入れた。伊吹の目には涙が浮かんでいる。
射精をするな、という瑞希の命令を遂行出来そうにないのだろう。
「ほら、手が止まっているぞ。動かせ」
「すぐにイってしまいそうです」
「イったら罰を与える」
「ひぅ……」
伊吹はゆっくりと男性器を握る手を上下させる。自慰行為というより、機械的な動きだ。
瑞希の命令を遂行しようとしているのに、出来ない事に苦しんでいる。
「こんな事も出来ないのか? 犬以下の家畜は本当に無能だな」
瑞希は鞭を振るった。肩や胸に鞭が飛ぶ。伊吹の色の濃い肌は鞭の跡は目立たない。
瑞希はそれを見ると、少しでも跡を残したくなって多めに打ってしまうのだ。
「あ……あぁ、イってしまいます」
伊吹の目から涙がこぼれた。主人の命令に従いたいのに出来ない辛さ、それが伊吹を心から感じさせているのである。
「じゃあ手を止めろ。僕は優しいからね、伊吹のペニスの根元をキツく縛って、射精出来ないようにしてから、亀頭責めしたりなんてしないからね」
それは伊吹が好きなプレイだ。あえて、伊吹の好きな事はさせずに苦しめている。
瑞希は自然と意地の悪そうな笑みが浮かんでいた。伊吹から見れば「お前の好きなプレイはさせてやらない」と顔に書いてあるかのようだろう。
数分して、伊吹の射精感が落ち着いた頃にまた自慰する事を命じ、伊吹が射精しそうになると止めた。
それを何度か繰り返すと、伊吹は我慢が難しい程射精したくてたまらない様子になった。
「伊吹、ここまでよく頑張ったね」
瑞希は優しい笑顔を向けた。それは慈悲などではなく、伊吹を更に苦しめる為の前触れである。 それは伊吹も分かっている事で、何をしてくれるのだろうと期待の眼差しを瑞希に向けている。
「ご主人様のご指導のお陰です」
「うんうん、よく分かってるね。じゃあ、頑張った伊吹にご褒美だよ。
今から十数えるから、それまでにイってね?」
「……えっ」
「ほら早く。いーち」
伊吹はサッと顔色を青くさせると、すぐに自身の男性器を今までで一番強く握り、必死に上下に擦った。焦りからすぐに出せなくなったようだ。
その様子が滑稽でならない。瑞希は笑みを零しながら数を数えていく。
「ごー」
「ハッ、ハッ、ハッ……」
必死に両手を動かす伊吹は犬のように吐息が漏れている。早く射精しなければ、と必死だ。
「あはは、ワンちゃんみたいだね。犬以下の存在がさ、一丁前に犬の真似? 無様だねぇ」
瑞希の助け舟だ。身体の痛みだけでなく、精神的な屈辱を与える事で、伊吹は余計に興奮出来るのだ。
数え終えるまでに射精させてあげようという、優しさでもある。瑞希はまた数え始める。
「ろーく……しーち……はーち……。
ねぇ、本当にイく気ある? あと二つ数えたら終わりだよ? 罰を受けたいみたいだね?」
「い……嫌。嫌です、嫌……」
伊吹の目から涙がこぼれた。涙は足や床にぽたぽたと落ちていく。
「きゅーう……じゅー」
「イ……くぅ……」
瑞希が最後まで言い終える寸前に、伊吹の男性器の先端から吹き出すように精液が噴出した。
ピュッピュッと飛び出る白濁液が床を汚す。出し切ると伊吹は蕩けた顔で呆然とした。
瑞希は立ち上がり、伊吹の前に膝を着くと抱き締めて頭を撫でた。
「伊吹なら出来るって信じてたよ」
「ご主人様……」
瑞希は伊吹をゆっくりと立ち上がらせると、ベッドに座らせ、そのまま横に倒した。
「ご褒美をあげようね」
瑞希は優しい声でニッコリと優しく微笑んだ。伊吹は期待の眼差しで頷く。
既に瑞希の手には黒い電気マッサージ器が握られている。瑞希が何をするのか、伊吹は分かっているのだ。お互いの視線が合う。
相手が何を考え、何を感じているか、お互いが分かっている。瑞希が「やるぞ」という目を向けると、伊吹は嬉しそうにコクンと頷いた。
瑞希が持っている電マはコードレスタイプで、強弱が五段階に分かれているものだ。マッサージ器として売られている電マとは違い、最初からアダルトグッズとして売られている強力電マである。
瑞希は電マを最初から一番強い振動に設定し、射精したばかりで柔らかくなっている伊吹の男性器に押し当てた。
ただの電マでは得られない刺激が、亀頭から陰茎にまで響く。
「ぎゃあああああっ!」
快楽も過ぎれば苦痛となる。伊吹は過ぎた気持ち良さに喘ぎを通り越して叫んだ。
男性器はまた固くなったが、敏感になり過ぎたそこはこれ以上の刺激を拒んでいる。
「やっ、やめぇぇええええ!! 辛いですっ……いっ、いやぁあああっ!!」
「そんなにイイんだね。イきたい時にイッていいよ」
「いやあああ、イきたくないぃぃっ! イきたくないですぅぅ!!」
次に射精したが最後、苦痛は耐えきれないものとなる事を、伊吹は身をもって体験している。射精したからと、瑞希がやめるわけがない事も知っている。
全てを分かっている上で、瑞希は電マを睾丸に当てた。右と左を交互に当てる。
「ひぁああああっ!! 出ちゃう!! 出ちゃうぅぅうううっ!!」
「伊吹、何度でもイっていいんだよ? ご褒美なんだから」
瑞希の一言で、伊吹は射精してしまった。敏感になり、手で触るのも辛い亀頭の先を狙って、瑞希は電マを当てた。
伊吹の喉から絶叫が迸る。興奮しきった瑞希には聞き心地の良い金切り声だ。
「いああああああああっ!!」
「み、瑞希さんっ!!」
だが、聞き心地が良いのはサディスト全開の瑞希だけだ。そんな瑞希でさえ、普通の状態でならば聞き苦しい事この上ない。
まともな神経の人間であれば聞く事自体が苦痛だろう。
心配した翠がベッドに近寄ってきて、瑞希の肩に触れた。今、興奮しきっている瑞希に近寄るのは危険な行為だが、翠は知らない。
触れられた瞬間、瑞希が振り返りざまに左手で翠の頬を叩いた。
パンッ! と乾いた音が響く。
「邪魔するな。大人しく出来ないなら出てけ!」
「でも! 伊吹さんが苦しんでるじゃないですか!」
水を差されるとサディストとしての火が弱まってくる。瑞希は面倒そうな顔をしながらも電マを止めずに、伊吹の鬼頭、特に先端の穴を塞ぐように当てた。
プレイは中断しないという意志を翠に見せている。
「ひぃぃっ、出せないぃぃっ! 出せないよぉぉぉっ!!」
二度目の射精が近付いていた伊吹は、出せない辛さと強力電マの行き過ぎた快楽で、苦しみながら身を悶えさせている。
「あのねぇ! 伊吹は一度もセーフワード言ってないだろ!」
「えっ……あ……」
「分かった? 僕らが決めてるセーフワードは"ストップ"でしょ。それ言わなきゃ僕は止めないし、伊吹の様子がヤバかったらセーフワード言わなくても止める」
「瑞希さんから見て、今の伊吹さんの様子は止めるレベルじゃないって事ですか?」
「全然耐えられるレベル。伊吹はこういう事をされるって分かって僕に身を預けてる」
「そうなんですか。先に打ち合わせしたんですか?」
「してないよ。僕は伊吹の様子見ながら、どこまで大丈夫かを常に考えながら進めてる。なんせ、伊吹は今本当なら傷の縫合したばっかりで安静にしてなきゃでしょ?
だから一応無理のないプレイをしてるつもりだよ」
「そうだったんですか。あんまり伊吹さんが辛そうに見えたので……すみませんでした」
翠の様子を見て、完全に鎮火した瑞希は伊吹から電マを離し、スイッチを切った。
伊吹のハァハァという荒い声だけが聞こえる中、瑞希はニッコリとした笑顔を翠に向けた。
「そだ、翠君。伊吹が射精したいんだって。翠君がイかせてあげなよ~」
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