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一章
二十話 蝋燭責め
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「それで、やらしい伊吹さんはどうして欲しいんですか?」
翠はニヤニヤと嬉しそうな笑みを浮かべていた。
今まで冷たい表情しか向けられず、恋人になったと言っても大学からラブピーチまでの下校デートしか許されず、一切心を開かなかった伊吹が子供のように甘えて翠に縋ってくるのだ。
嬉しくない筈がなかった。
「手を、拘束して下さい」
しかも、して欲しい事を全て口に出してくれる上に、立場が逆転したように伊吹の腰は低い。
翠は自分が伊吹より偉い立場にでもなったような気分になった。
「俺、縄の縛り方分からないですよ?」
「簡単なので大丈夫です」
伊吹はベッドから下りると、隅に置いてある黒いカバンから手錠を出した。手を巻く部分は革製のバンドになっており、翠は少し着けるのに手こずった。
伊吹は両手を背中の後ろで拘束されており、一切抵抗が出来ない。
翠はベッドに座った。
「伊吹さん、俺の前に立って下さい」
ガードの堅い伊吹が全裸で防御力ゼロ状態の姿をしている。それだけで楽しくなった。
左右の胸に付いているピンクの突起を同時に抓ると、伊吹は身体をくねらせた。
「ひぁんっ!」
伊吹は高い声を上げて、足をぷるぷると震わせている。
「感じるんですか? このままの状態で立っていて下さい。抵抗したり逃げたりしたらダメですよ」
「はい……」
コリコリと固くなっていく突起。途中、ベッドヘッドに置かれているローションを手に取って両手を濡らして、またいじめた。
「あっ、あっ、あん、んんんー!」
快楽に目を潤ませ、下半身を勃起させている伊吹。翠自身の肉棒も熱くなっていくのが分かった。
すぐに伊吹の中に入れたい……そんな気持ちが湧き上がるが我慢した。それは今ではないと悟ったのだ。
メインディッシュをいただく一番最高の時を、二人で作り上げていく。
「SMも似たようなものですかね?」
「ふぇ……?」
伊吹は翠の言葉が分からずに困った顔をした。翠の言葉の意味を考えているのだろう。
「はぁ……ご主人様が、Sで、俺がMだから……これはSMですよ」
伊吹がニコッと優しい笑顔を浮かべる。翠は全身が熱くなるのを感じた。
鼻血が出るような、そんな熱さ。急速に血の巡りが早くなって、身体中の血管がどうにかなりそうだ。
「そうでしたか。じゃあ、続きはどうして欲しいですか?」
「蝋燭……を」
「蝋燭?」
「黒い鞄の中に、赤い蝋燭があります。俺に使って下さい」
言われた通り鞄を開くと赤い蝋燭が五つも入っていた。蝋燭一つと一緒に入っていたチャッカマンを持って、伊吹の前に出して見せる。
期待している伊吹の目。翠は脳の神経が切れたようなプツンという音が、頭のどこかから聞こえた気がした。
「これが欲しいんですか?」
「はい、俺の身体に熱いのかけてください」
翠は伊吹の首を掴み、持ち上げるとベッドに投げ飛ばした。
「あっ!」
伊吹にはそれすら快感となるようで、嬉しそうな笑顔を浮かべている。目はどこを見ているのか、焦点が合っていない。
「して欲しい事言ったら全部やってもらえるなんて思わない事ですね」
翠は膝立ちで、伊吹の髪を片手で掴んで頭を持ち上げると自分の肉棒を伊吹の口に押し付けた。
伊吹は抵抗する事なく、嬉しそうに口を開いて受け入れる。
そして、髪を掴んだまま頭を前後させた。伊吹の喉の奥を突き抜けるように肉棒を最奥まで押し込む。
息が出来ないのか、伊吹はんーんーと唸っていた。
十秒ほどで一度空気を吸わせてやり、四、五回大きな呼吸をしたところを見てから、また十秒肉棒で空気を奪う。
「苦しいですか? 伊吹さんのココ、凄く固いですよ」
翠は伊吹の肉棒を掴んで、ぎゅうっと強く潰すような勢いで握った。
「ん────!!」
喉奥を塞がれている状態で、叫び声も呻き声も出ない。痛みで涙を浮かべているが、翠には伊吹が悦んでいるのがよく分かった。
目は幸せそうなのだ。
イマラチオをやめて、髪を掴んだまま上を向かせる。
「嬉しいですか?」
「はい……とても」
「じゃあそんな可愛い伊吹さんにご褒美をあげましょうね」
横たわる伊吹を離し、翠は蝋燭に火をつけた。低音蝋燭だ、すぐに蝋が溶ける。
自分の手に掛からないよう気を付けながら、伊吹の身体にポタポタと垂らしていく。
「ひぁっ、あっ、ひぃぃっ……あっ、熱っ……熱いの、あんっ」
まるで花が咲いたみたいだった。
「伊吹さん、今度低音蝋燭じゃなくて普通の白い蝋燭でやりましょうか? 伊吹さんの肌、茶系だから赤よりも白の方が映えると思うんですよ」
「はいぃ、高温の蝋燭も好きです」
「だと思いました」
最初は腕や腹部に垂らしていたが、身体中が蝋に塗れ、後に残しておいた敏感な場所──乳首に垂らす。
「あぁっ、そこっ、だめ、だめえっ!」
伊吹は涙を流して抵抗するように頭を左右に振った。
「本当に嫌じゃないですよね? セーフワード言わないですし。もっと痛いところにかけてあげますね」
翠は伊吹の硬くなり、腹に付くように上を向いている肉棒の亀頭から陰茎、睾丸にかけて、ゆっくりと熱い蝋を垂らす。
「あっああああっ!! やだっ、それ、やっ! 痛い、痛いの、熱いぃっ!!」
伊吹は半泣きで喚くが、翠は止めない。セーフワードを言わないのが悦んでいる証拠だ。
やめて欲しくないのだと信じて続けたのだった。
翠はニヤニヤと嬉しそうな笑みを浮かべていた。
今まで冷たい表情しか向けられず、恋人になったと言っても大学からラブピーチまでの下校デートしか許されず、一切心を開かなかった伊吹が子供のように甘えて翠に縋ってくるのだ。
嬉しくない筈がなかった。
「手を、拘束して下さい」
しかも、して欲しい事を全て口に出してくれる上に、立場が逆転したように伊吹の腰は低い。
翠は自分が伊吹より偉い立場にでもなったような気分になった。
「俺、縄の縛り方分からないですよ?」
「簡単なので大丈夫です」
伊吹はベッドから下りると、隅に置いてある黒いカバンから手錠を出した。手を巻く部分は革製のバンドになっており、翠は少し着けるのに手こずった。
伊吹は両手を背中の後ろで拘束されており、一切抵抗が出来ない。
翠はベッドに座った。
「伊吹さん、俺の前に立って下さい」
ガードの堅い伊吹が全裸で防御力ゼロ状態の姿をしている。それだけで楽しくなった。
左右の胸に付いているピンクの突起を同時に抓ると、伊吹は身体をくねらせた。
「ひぁんっ!」
伊吹は高い声を上げて、足をぷるぷると震わせている。
「感じるんですか? このままの状態で立っていて下さい。抵抗したり逃げたりしたらダメですよ」
「はい……」
コリコリと固くなっていく突起。途中、ベッドヘッドに置かれているローションを手に取って両手を濡らして、またいじめた。
「あっ、あっ、あん、んんんー!」
快楽に目を潤ませ、下半身を勃起させている伊吹。翠自身の肉棒も熱くなっていくのが分かった。
すぐに伊吹の中に入れたい……そんな気持ちが湧き上がるが我慢した。それは今ではないと悟ったのだ。
メインディッシュをいただく一番最高の時を、二人で作り上げていく。
「SMも似たようなものですかね?」
「ふぇ……?」
伊吹は翠の言葉が分からずに困った顔をした。翠の言葉の意味を考えているのだろう。
「はぁ……ご主人様が、Sで、俺がMだから……これはSMですよ」
伊吹がニコッと優しい笑顔を浮かべる。翠は全身が熱くなるのを感じた。
鼻血が出るような、そんな熱さ。急速に血の巡りが早くなって、身体中の血管がどうにかなりそうだ。
「そうでしたか。じゃあ、続きはどうして欲しいですか?」
「蝋燭……を」
「蝋燭?」
「黒い鞄の中に、赤い蝋燭があります。俺に使って下さい」
言われた通り鞄を開くと赤い蝋燭が五つも入っていた。蝋燭一つと一緒に入っていたチャッカマンを持って、伊吹の前に出して見せる。
期待している伊吹の目。翠は脳の神経が切れたようなプツンという音が、頭のどこかから聞こえた気がした。
「これが欲しいんですか?」
「はい、俺の身体に熱いのかけてください」
翠は伊吹の首を掴み、持ち上げるとベッドに投げ飛ばした。
「あっ!」
伊吹にはそれすら快感となるようで、嬉しそうな笑顔を浮かべている。目はどこを見ているのか、焦点が合っていない。
「して欲しい事言ったら全部やってもらえるなんて思わない事ですね」
翠は膝立ちで、伊吹の髪を片手で掴んで頭を持ち上げると自分の肉棒を伊吹の口に押し付けた。
伊吹は抵抗する事なく、嬉しそうに口を開いて受け入れる。
そして、髪を掴んだまま頭を前後させた。伊吹の喉の奥を突き抜けるように肉棒を最奥まで押し込む。
息が出来ないのか、伊吹はんーんーと唸っていた。
十秒ほどで一度空気を吸わせてやり、四、五回大きな呼吸をしたところを見てから、また十秒肉棒で空気を奪う。
「苦しいですか? 伊吹さんのココ、凄く固いですよ」
翠は伊吹の肉棒を掴んで、ぎゅうっと強く潰すような勢いで握った。
「ん────!!」
喉奥を塞がれている状態で、叫び声も呻き声も出ない。痛みで涙を浮かべているが、翠には伊吹が悦んでいるのがよく分かった。
目は幸せそうなのだ。
イマラチオをやめて、髪を掴んだまま上を向かせる。
「嬉しいですか?」
「はい……とても」
「じゃあそんな可愛い伊吹さんにご褒美をあげましょうね」
横たわる伊吹を離し、翠は蝋燭に火をつけた。低音蝋燭だ、すぐに蝋が溶ける。
自分の手に掛からないよう気を付けながら、伊吹の身体にポタポタと垂らしていく。
「ひぁっ、あっ、ひぃぃっ……あっ、熱っ……熱いの、あんっ」
まるで花が咲いたみたいだった。
「伊吹さん、今度低音蝋燭じゃなくて普通の白い蝋燭でやりましょうか? 伊吹さんの肌、茶系だから赤よりも白の方が映えると思うんですよ」
「はいぃ、高温の蝋燭も好きです」
「だと思いました」
最初は腕や腹部に垂らしていたが、身体中が蝋に塗れ、後に残しておいた敏感な場所──乳首に垂らす。
「あぁっ、そこっ、だめ、だめえっ!」
伊吹は涙を流して抵抗するように頭を左右に振った。
「本当に嫌じゃないですよね? セーフワード言わないですし。もっと痛いところにかけてあげますね」
翠は伊吹の硬くなり、腹に付くように上を向いている肉棒の亀頭から陰茎、睾丸にかけて、ゆっくりと熱い蝋を垂らす。
「あっああああっ!! やだっ、それ、やっ! 痛い、痛いの、熱いぃっ!!」
伊吹は半泣きで喚くが、翠は止めない。セーフワードを言わないのが悦んでいる証拠だ。
やめて欲しくないのだと信じて続けたのだった。
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