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一章
八話 屈服させたい
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その日の乱交パーティーは、いつも参加するメンバーが殆どだった。
公開処刑を見に来ていた人達ばかりだったが、珍しく受けが多い。十二人中五人が受けだ。
乱交パーティーは、受けが輪姦を楽しむイベントでもある。伊吹や幼馴染みの瑞希を含め、他の受けも輪姦願望が強い。
あまり受けが多いと目的が果たされないのだ。
他の参加者に遠慮して、伊吹と瑞希は参加せずにソファーに座ってプレイを鑑賞していた。勿論二人とも全裸のままでだ。
「瑞希があっち参加しないなんて。どうかした?」
「伊吹こそ」
瑞希はかなり華奢な体型をしている。見た目だけ見ると中学生くらいに見えるくらい童顔だ。
伊吹とは小学校の時からの友人で、知り合いの中では最も古い付き合いである。
サディストだが、輪姦プレイが大好物で、乱交パーティーの出席率は百パーセントである。
「今日は嫌な事があったんだ」
伊吹はそう言いながら思い出すと、嫌そうに眉間に皺を寄せた。
「えージム行ってきたんでしょ? やる気満々だったんじゃないの?」
「……された」
「うん?」
「痴漢されたんだよ、電車の中でさぁ!」
伊吹が半泣きで騒ぐと、瑞希は目を丸くして驚いた。意味不明だとい言いたそうだ。
「えっ!? 怒る要素ある?」
「いや、だから痴漢!」
「だって伊吹って痴漢されたらその犯人脅して、痴漢プレイからのレイププレイを強要する奴じゃん」
「いつもはそうだけど……」
「で、犯人はどうなったの?」
「次の日曜日、公開処刑でお仕置きする事になった」
「ははぁ、また問題児のスイ君か」
「アイツ、マジ許さねぇ」
「そういえばこの前の公開処刑さぁ、参加した人から聞いたけど、ぬるめだったんだって?」
瑞希に言われて、伊吹はカッとなった。見てない癖に、参加者の一方的な感想を真に受けるなんて、言語道断である。
「ぬるくねーよ! だって初心者じゃん! 処女だったし、この前の初参加の時に童貞捨てたんだぜ?
素人にはキツめの罰にしたんだよ。そりゃあここで慣れてる奴からしたら罰の内にも入らないだろうけど……」
「そうだよねぇ。ここにいると外の常識忘れちゃいそうになるよね。伊吹はまだ常識ある方なんだっけ?
でも、伊吹も大概だよねぇ。あはは」
「一番の常識外れが何言ってんだよ。お前が言い出したんだろ、好きに乱パ出来る場所作れって。
ホテル経営も大変なのに全部俺に押し付けて、お前がしてる事ってセックスだけじゃん」
「その分金落としてるでしょ」
瑞希がぷーっと頬を膨らませた。一番の太客は瑞希であるが、伊吹は瑞希になかなか料金的サービスはしない。
その分、瑞希が地下イベントに参加した時の報酬額を他のキャストより多く渡している。だが、結局得た分は乱交パーティーの参加費に充ててしまうので、伊吹も頭が痛い。
こうなってしまったのは伊吹に責任がある。二人にはある確執があった。
「……まぁな。参加者は厳選してるけど、今のところ良客ばっかだから成り立ってるようなもんだ」
「乱パに参加するのもかなり厳しい審査してるもんね。完全紹介制で、基本僕が紹介した人が殆どでしょ?
あれ、でもスイ君は未成年なのにどうやって参加したんだろう?」
「アイツ兄貴の身分証コピって送ってきやがったんだよ。ソラさん騙したらしいけど……。
そういや、ソラさん最近見ないけど、何か裏でもあんのか?」
「そこまでして参加したのは何が目的だったんだろうね? スイ君はどうやってこの乱パの存在を知ったんだろう? ソラさんって人との関係も、色々疑問が浮かぶね~。僕が紹介した人じゃないし」
二人は黙り込んだ。それぞれ疑念を頭の中で整理している。だが、先に口を割ったのは瑞希の方だ。
「もし、この乱パの運営が出来なくなるような事があったら……伊吹、分かってるよね?」
スっと、瑞希の目が冷たいものになる。伊吹を蔑むような、脅しをかけるような目だ。
伊吹には瑞希の命令に背けない理由がある。瑞希が「乱交パーティーを定期的に開催しろ」と命令したら、遂行するしかないのだ。
例え、その結果伊吹が社会的制裁を受ける事になったとしても──。
「分かってる。そうならないようにするのがお前への償いだから」
「分かってればいいよ。今後も伊吹には期待してるからね」
瑞希がまた天真爛漫な笑顔に戻った。怒らせずに済んだ安堵と、怒らせて罰を受ける選択肢もあっただろうかと、心が揺れる。
だが、他の参加者の一人が話しかけてきた事によって、伊吹は葛藤を止めた。
「二人で何してるの? また百合プレイに混ざらせてよ~」
参加者が伊吹と瑞希の前に立ち、顔を覗き込んできた。乱交に混ざらないのが不思議なようだ。
見ると、散々回されていたらしい受け二人は疲れてぐったりとしている。
「良いですよぉ~」
瑞希に手を引かれてベッドに押し倒された。両脚を上に開かされ、M字開脚にされる。尻穴を客達に丸見えだ。
伊吹は今更そんな事で羞恥心を覚える事もなく、そのままされるがままとなっている。
そして瑞希は、M字開脚のままの伊吹の太ももの上に跨り、伊吹と同じ様に尻穴が見えるように尻を突き出した。
お互いの男性器が擦れあう。伊吹はトロンと目を潤ませた。
(瑞希の、擦れて、気持ちいい……)
二人はお互いの舌を出して客に見せるようにペロペロ舐め合った。
その様子を見て興奮した男達がベッド周りに群がった。
客達は指で伊吹と瑞希の穴を広げていたが、段々と玩具を挿入するようになり、太くて大きなディルドを入れたりして遊んでいた。
残り時間が短かった事もあるが、二人が射精するまで玩具で遊ばれたのだった。
次の日曜、約束通りに翠は六時半にホテル「ラブピーチ」に現れた。
前回同様、地下一階の舞台裏に連れて行き、伊吹はご主人様スタイルで翠をエックス字の拘束器具に張り付けた。
「お前って実はドMで、ルール違反するのも、この罰を受けるのが目的だったりするわけ?」
「違いますよ。あ、俺が痴漢してから今日まで伊吹さんに近寄らなかったから寂しかったですか?」
「は?」
ガッ、と伊吹は翠の髪を掴んで上を向かせた。髪の数本が抜ける程の強い力だ。
だが、翠はものともしない平然とした表情をしている。
「お前、今日は本当に覚悟しろよ。どんなにやめろって言ってもやめねーから」
「分かりましたよ」
それでも余裕な態度を見せる翠に苛立った。
何がしたいのか分からないが、今回で付きまといをやめさせると、伊吹は気を引き締める。
「今日はマイクを付けてもらう」
今回はヘッドセットタイプの小型マイクを翠に付けてから舞台へと向かった。
伊吹と翠が現れると客席からは拍手で出迎えられた。ふと翠を見ると、余裕そうな顔付きだ。
屈服させてやる、と強く決意して司会を始める。
「お待たせしました~!
もースイ君ったら、俺に電車の中で痴漢プレイするなんて、いい度胸してますよね!
というわけで! 今日のスイ君には、苦痛プレイを楽しんでもらおうかと思います~!
最初にお伝えしている通り、苦手な方は参加しないようお願いしていますので、ここにいるのは過激な事が好きな変態さん達だと信じてスイ君をいじめちゃいます!」
拍手をして喜びだす観客達。伊吹はニヤリと嫌な笑みを翠に向けていた。だが、翠は一切怯える事も、怖がる事もなく、普段と同じように澄ました顔をしている。
「ただ痛めつけても面白くないですよね?
だからね、スイ君。一言でも声を上げたらアナルにディルドを入れるから我慢してね!
スイ君が声を上げるごとに、一センチずつ太いアナルバイブに入れ替えます。最終的には俺の腕突っ込むからそのつもりで」
流石の翠もまずいと思ったのか、微妙な顔付きで冷や汗を浮かべている。そんな様子を見て、初めて勝てたような気がした。
公開処刑を見に来ていた人達ばかりだったが、珍しく受けが多い。十二人中五人が受けだ。
乱交パーティーは、受けが輪姦を楽しむイベントでもある。伊吹や幼馴染みの瑞希を含め、他の受けも輪姦願望が強い。
あまり受けが多いと目的が果たされないのだ。
他の参加者に遠慮して、伊吹と瑞希は参加せずにソファーに座ってプレイを鑑賞していた。勿論二人とも全裸のままでだ。
「瑞希があっち参加しないなんて。どうかした?」
「伊吹こそ」
瑞希はかなり華奢な体型をしている。見た目だけ見ると中学生くらいに見えるくらい童顔だ。
伊吹とは小学校の時からの友人で、知り合いの中では最も古い付き合いである。
サディストだが、輪姦プレイが大好物で、乱交パーティーの出席率は百パーセントである。
「今日は嫌な事があったんだ」
伊吹はそう言いながら思い出すと、嫌そうに眉間に皺を寄せた。
「えージム行ってきたんでしょ? やる気満々だったんじゃないの?」
「……された」
「うん?」
「痴漢されたんだよ、電車の中でさぁ!」
伊吹が半泣きで騒ぐと、瑞希は目を丸くして驚いた。意味不明だとい言いたそうだ。
「えっ!? 怒る要素ある?」
「いや、だから痴漢!」
「だって伊吹って痴漢されたらその犯人脅して、痴漢プレイからのレイププレイを強要する奴じゃん」
「いつもはそうだけど……」
「で、犯人はどうなったの?」
「次の日曜日、公開処刑でお仕置きする事になった」
「ははぁ、また問題児のスイ君か」
「アイツ、マジ許さねぇ」
「そういえばこの前の公開処刑さぁ、参加した人から聞いたけど、ぬるめだったんだって?」
瑞希に言われて、伊吹はカッとなった。見てない癖に、参加者の一方的な感想を真に受けるなんて、言語道断である。
「ぬるくねーよ! だって初心者じゃん! 処女だったし、この前の初参加の時に童貞捨てたんだぜ?
素人にはキツめの罰にしたんだよ。そりゃあここで慣れてる奴からしたら罰の内にも入らないだろうけど……」
「そうだよねぇ。ここにいると外の常識忘れちゃいそうになるよね。伊吹はまだ常識ある方なんだっけ?
でも、伊吹も大概だよねぇ。あはは」
「一番の常識外れが何言ってんだよ。お前が言い出したんだろ、好きに乱パ出来る場所作れって。
ホテル経営も大変なのに全部俺に押し付けて、お前がしてる事ってセックスだけじゃん」
「その分金落としてるでしょ」
瑞希がぷーっと頬を膨らませた。一番の太客は瑞希であるが、伊吹は瑞希になかなか料金的サービスはしない。
その分、瑞希が地下イベントに参加した時の報酬額を他のキャストより多く渡している。だが、結局得た分は乱交パーティーの参加費に充ててしまうので、伊吹も頭が痛い。
こうなってしまったのは伊吹に責任がある。二人にはある確執があった。
「……まぁな。参加者は厳選してるけど、今のところ良客ばっかだから成り立ってるようなもんだ」
「乱パに参加するのもかなり厳しい審査してるもんね。完全紹介制で、基本僕が紹介した人が殆どでしょ?
あれ、でもスイ君は未成年なのにどうやって参加したんだろう?」
「アイツ兄貴の身分証コピって送ってきやがったんだよ。ソラさん騙したらしいけど……。
そういや、ソラさん最近見ないけど、何か裏でもあんのか?」
「そこまでして参加したのは何が目的だったんだろうね? スイ君はどうやってこの乱パの存在を知ったんだろう? ソラさんって人との関係も、色々疑問が浮かぶね~。僕が紹介した人じゃないし」
二人は黙り込んだ。それぞれ疑念を頭の中で整理している。だが、先に口を割ったのは瑞希の方だ。
「もし、この乱パの運営が出来なくなるような事があったら……伊吹、分かってるよね?」
スっと、瑞希の目が冷たいものになる。伊吹を蔑むような、脅しをかけるような目だ。
伊吹には瑞希の命令に背けない理由がある。瑞希が「乱交パーティーを定期的に開催しろ」と命令したら、遂行するしかないのだ。
例え、その結果伊吹が社会的制裁を受ける事になったとしても──。
「分かってる。そうならないようにするのがお前への償いだから」
「分かってればいいよ。今後も伊吹には期待してるからね」
瑞希がまた天真爛漫な笑顔に戻った。怒らせずに済んだ安堵と、怒らせて罰を受ける選択肢もあっただろうかと、心が揺れる。
だが、他の参加者の一人が話しかけてきた事によって、伊吹は葛藤を止めた。
「二人で何してるの? また百合プレイに混ざらせてよ~」
参加者が伊吹と瑞希の前に立ち、顔を覗き込んできた。乱交に混ざらないのが不思議なようだ。
見ると、散々回されていたらしい受け二人は疲れてぐったりとしている。
「良いですよぉ~」
瑞希に手を引かれてベッドに押し倒された。両脚を上に開かされ、M字開脚にされる。尻穴を客達に丸見えだ。
伊吹は今更そんな事で羞恥心を覚える事もなく、そのままされるがままとなっている。
そして瑞希は、M字開脚のままの伊吹の太ももの上に跨り、伊吹と同じ様に尻穴が見えるように尻を突き出した。
お互いの男性器が擦れあう。伊吹はトロンと目を潤ませた。
(瑞希の、擦れて、気持ちいい……)
二人はお互いの舌を出して客に見せるようにペロペロ舐め合った。
その様子を見て興奮した男達がベッド周りに群がった。
客達は指で伊吹と瑞希の穴を広げていたが、段々と玩具を挿入するようになり、太くて大きなディルドを入れたりして遊んでいた。
残り時間が短かった事もあるが、二人が射精するまで玩具で遊ばれたのだった。
次の日曜、約束通りに翠は六時半にホテル「ラブピーチ」に現れた。
前回同様、地下一階の舞台裏に連れて行き、伊吹はご主人様スタイルで翠をエックス字の拘束器具に張り付けた。
「お前って実はドMで、ルール違反するのも、この罰を受けるのが目的だったりするわけ?」
「違いますよ。あ、俺が痴漢してから今日まで伊吹さんに近寄らなかったから寂しかったですか?」
「は?」
ガッ、と伊吹は翠の髪を掴んで上を向かせた。髪の数本が抜ける程の強い力だ。
だが、翠はものともしない平然とした表情をしている。
「お前、今日は本当に覚悟しろよ。どんなにやめろって言ってもやめねーから」
「分かりましたよ」
それでも余裕な態度を見せる翠に苛立った。
何がしたいのか分からないが、今回で付きまといをやめさせると、伊吹は気を引き締める。
「今日はマイクを付けてもらう」
今回はヘッドセットタイプの小型マイクを翠に付けてから舞台へと向かった。
伊吹と翠が現れると客席からは拍手で出迎えられた。ふと翠を見ると、余裕そうな顔付きだ。
屈服させてやる、と強く決意して司会を始める。
「お待たせしました~!
もースイ君ったら、俺に電車の中で痴漢プレイするなんて、いい度胸してますよね!
というわけで! 今日のスイ君には、苦痛プレイを楽しんでもらおうかと思います~!
最初にお伝えしている通り、苦手な方は参加しないようお願いしていますので、ここにいるのは過激な事が好きな変態さん達だと信じてスイ君をいじめちゃいます!」
拍手をして喜びだす観客達。伊吹はニヤリと嫌な笑みを翠に向けていた。だが、翠は一切怯える事も、怖がる事もなく、普段と同じように澄ました顔をしている。
「ただ痛めつけても面白くないですよね?
だからね、スイ君。一言でも声を上げたらアナルにディルドを入れるから我慢してね!
スイ君が声を上げるごとに、一センチずつ太いアナルバイブに入れ替えます。最終的には俺の腕突っ込むからそのつもりで」
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