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一章
佐々木君④
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「お、おい佐々木ぃ! なにしてんだよっ!?
人が優しくしてりゃ良い気になりやがって!!」
誰だ、コイツ? そこにいるのは可愛かった永瀬ではない。
俺の想像じゃ「んんっ、あっ、お口にミルクが……佐々木君、気持ち良いよぅ」って喘ぎだすと思ってたのに。
実際の永瀬は、オエッと口から精液を吐き出して、気持ち悪そうに顔色を青くしている。
「とにかく、話聞いてやる。縛ってるの外せよ」
「嫌だっ!」
「ここに監禁するつもりか? バカじゃねぇの、僕が帰ってこなかったら葵唯が探しに来る。
お前と会うって言ってここに来てるんだ、あいつの事だから絶対この家割り出して、すぐに来るよ」
「出掛ける時わざわざ小倉に連絡入れてるのか?」
「そりゃあ、一緒に住んでる奴にどこ行くか言ってから出てもおかしくないだろ。
ちょうど夏希もいたから、二人とも知ってる」
そんな……。小倉と同棲!?
じゃあ俺が監禁したって、バレるじゃないか。
それも込みで脅さないと。
「僕の愛人になりたいんだっけ?
お前も知っただろうけど、普段の僕ってこんなだよ。どうせ可愛いとか優しいとか、そんなん期待してたんじゃない?
だとしたら大間違いだからな!」
今まで別れた愛人も、俺のように勘違いしたんじゃないか。永瀬の本性を知って離れていったのかもしれない。
だから、愛人にするのは永瀬を好きじゃない人って決めているのかもしれない。
俺は何度も永瀬から説明をされたのに……。
いや、だからなんだっていうんだ?
そんな永瀬でもいいじゃないか。受け入れられない方がいけないんだ。
「そんなの、嫌いになる理由にはならないよ。お……俺を愛人にしなきゃ拘束は外さない! あと、俺が君を監禁したのも皆に黙ってるって約束して欲しい」
「お前さ、自分が優位に立ったつもりかよ」
「そんな事は、ないっ。俺が守るんだ君を……。永瀬と何もないこのままで、いじめに関わってたと思われるのは嫌だ。
せめて君の大事な人になりたいんだ。君を守る為なら汚れ役でもなんでもする」
「だから。何度も言うが君を愛人にはしない。今回の事でよく分かった、君は危険人物だ。
今後の輪姦プレイにも関わらないでくれ。僕は帰る」
ギロリと睨む顔が怖い。
縛られて抵抗出来ない筈なのに、何故か恐怖で背筋が凍る。
永瀬は自分がSだと言っていた。それは俺を諦めさせる嘘だと思っていたのに……。
「嫌だっ! どうすればいい、どうすれば俺は受け入れてもらえる?」
「今の佐々木と付き合うの、僕は怖いよ。付き合ってからも何言い出すか分からないじゃん。
葵唯と夏希を妬まれても困るし……」
「妬まないっ。お願い、お願いだから……」
君の事がどうしようもなく好きなんだ。こんなに好きになった人、君以外にいない。
どんな事だってする、君さえいてくれれば他に何も要らないよ。
だから……──。
「はぁ。じゃあ分かった、こうしよう。一ヶ月期間限定で愛人にする。その間に無理ってなったら愛人やめていいよ。
俺が嫌だった場合は大人しく引き下がってくれる?」
「分かっ……分かった……永瀬」
「莉紅でいいよ。愛人は下の名前で呼ぶのがルールだから、和秋って呼ぶね」
「俺の名前……」
お母さん以外に呼ばれた事なんてないんじゃないかって位、自分の下の名前は馴染みがなくて聞き慣れない。
それを永瀬が知っていたってだけで、嬉しい。
「ごめん、ごめんな、永瀬ぇ……ひぐっ」
涙? あぁ、俺って泣くんだ。
パシリにされてた時も泣いた事はなかったっていうのに、好きな人に下の名前で呼ばれただけでこんなに胸が熱くなるなんて……。
「そんなに僕の事……。とりあえずさ、外してくれない? チンコと足の関節が痛いんだけど」
「あっ! ごめん、ごめんよっ」
すぐにM字開脚のまま縛った足の縄を解いた。両腕も解いて自由にした。
チンコに刺した綿棒を取る時永瀬は「いだだだだ! ざけんじゃねぇよこのバカ!」と本気で痛がっていた。
それからチンコを縛っていた縄を取る。こんなプレイは永瀬の興奮材料ではなかったんだろう、チンコはすぐに萎えた。
ここまでしてようやく愛人になれたんだ。頑張らないと……。
あれ、頑張るって何を?
「さて、夜はこれからだよ。観念しているね? 和秋」
「え?」
永瀬はニッコリと笑顔のまま、俺に近寄ってきた。なんだろう? と思ったのは束の間、あっという間に俺の腕を、縄で縛ってしまった。
両腕を背中に回したまま縛られて、身動きが取れない。
「な、永瀬?」
「莉紅だよ。莉紅」
「り、莉紅、もしかして仕返し?」
「もしかしなくても、だよ。悪い子にはお仕置きだ。でも今後君の扱いはこんなものだよ?」
やっぱ怒らせた!?
……と思ったけど、振り向いてみると永瀬は楽しそうな笑顔を浮かべていた。
「君はMじゃなさそうだから、最初は優しくするね。調教してMになったら一ヶ月以降も考えてあげるよ」
俺は上半身だけをベッドにうつ伏せにして、下半身は尻を永瀬に向ける形で床に膝を着いた。
すぐにズボンも下着も脱がされて、誰にも見せた事のない後ろの穴を見られる事になってしまった。
「なっ、なぁこれって愛人じゃなくてSMプレイのパートナーじゃないの?」
「多頭飼いだよねぇ。やっぱやめる?」
「やめないけど!」
「じゃあ黙っててね」
どこから取り出したのか、永瀬は俺の口にギャグボールを取り付け、喋らせないようにした。
俺はこんなの持ってない。永瀬が持っていた鞄に入っていたんだろうか。
──パシッ!
尻に衝撃が走る。叩かれた……? もしかしてスパンキングってやつ?
「僕にこんな事をした罰だよ」
永瀬の小さな手で、鋭く打撃を打ってくる。けれど我慢できない痛みではない。こんな事が罰でいいのか?
そう思えていたのは最初だけだった。二十回程数えた頃、何度も打たれたところが痛みで熱を帯びてきた。
「うんん、んんっ……!」
痛みに汗が滲む。けれど、永瀬はやめる気配がない。痛みを発しているところに何度も力を緩める事無く平手で打ち付けてくる。
痛い、痛い、痛い、痛い――!!
「あれ、泣いちゃった? 可愛いね、今日はこれくらいで許してあげるね」
永瀬に優しく頭を撫でられる。
頭を撫でられるなんて何年ぶりだろう。子供の頃は、よく撫でられていたのに……。
優しい。俺、永瀬のものになりたいよ。だから、一ヶ月で捨てないで欲しい。
「さて、君を僕のものにしようか」
今までずっと叩かれて、熱の籠っている尻を撫でられる。触られるとズキズキという痛みと熱を感じる。
今ので終わりじゃないのか?
永瀬は俺の左右の尻臀を開いた。誰にも見せた事のない、尻穴が露わになる。
「んんーっ! うんんんっ」
身体を起こそうとしたり、脚をばたつかせたりして逃れようとする。永瀬が俺の身体を起こして床に正座をさせた。
永瀬はにっこりとした笑顔だ。
やめてくれるのか。と期待したのがいけなかった。顔を平手で叩(はた)かれる。バシッと音はしたが、そこまでの痛みはない。
「和秋はいい子だよね? 僕の言う事聞けるかな?」
ノーとは言えない。永瀬の愛人にしてもらったのに、それが出来ないから愛人をやめろと言われてしまうかもしれない。
俺は必死に頷いた。捨てないで欲しい、永瀬のものにして欲しい。
「いい子だね。そういう子は好きだよ」
優しい永瀬の顔が視界に広がる、そう思ったらギャグボールを外されて、涎まみれの俺の口にキスをしてくれた。
「君は誰のもの?」
「莉紅のもの……」
「よく出来ました」
また頭を撫でられる。優しい手付きで。心が温かくなる。
「ほら上半身だけベッドに預けて、お尻を向けてね。君の処女をもらうから」
不安はあるけれど、永瀬に自分の全てを預ける安心感があった。
永瀬はローションを俺の尻穴に塗った。ヒヤリと冷たくて身体が一瞬強ばったけど、触っているのが永瀬だって思うと力が抜けた。
「頑張ってね」
小さな永瀬の指が俺の中に侵入してくる。
ブワッと冷や汗が流れたけれど、俺はもう抵抗はしなかった。
人が優しくしてりゃ良い気になりやがって!!」
誰だ、コイツ? そこにいるのは可愛かった永瀬ではない。
俺の想像じゃ「んんっ、あっ、お口にミルクが……佐々木君、気持ち良いよぅ」って喘ぎだすと思ってたのに。
実際の永瀬は、オエッと口から精液を吐き出して、気持ち悪そうに顔色を青くしている。
「とにかく、話聞いてやる。縛ってるの外せよ」
「嫌だっ!」
「ここに監禁するつもりか? バカじゃねぇの、僕が帰ってこなかったら葵唯が探しに来る。
お前と会うって言ってここに来てるんだ、あいつの事だから絶対この家割り出して、すぐに来るよ」
「出掛ける時わざわざ小倉に連絡入れてるのか?」
「そりゃあ、一緒に住んでる奴にどこ行くか言ってから出てもおかしくないだろ。
ちょうど夏希もいたから、二人とも知ってる」
そんな……。小倉と同棲!?
じゃあ俺が監禁したって、バレるじゃないか。
それも込みで脅さないと。
「僕の愛人になりたいんだっけ?
お前も知っただろうけど、普段の僕ってこんなだよ。どうせ可愛いとか優しいとか、そんなん期待してたんじゃない?
だとしたら大間違いだからな!」
今まで別れた愛人も、俺のように勘違いしたんじゃないか。永瀬の本性を知って離れていったのかもしれない。
だから、愛人にするのは永瀬を好きじゃない人って決めているのかもしれない。
俺は何度も永瀬から説明をされたのに……。
いや、だからなんだっていうんだ?
そんな永瀬でもいいじゃないか。受け入れられない方がいけないんだ。
「そんなの、嫌いになる理由にはならないよ。お……俺を愛人にしなきゃ拘束は外さない! あと、俺が君を監禁したのも皆に黙ってるって約束して欲しい」
「お前さ、自分が優位に立ったつもりかよ」
「そんな事は、ないっ。俺が守るんだ君を……。永瀬と何もないこのままで、いじめに関わってたと思われるのは嫌だ。
せめて君の大事な人になりたいんだ。君を守る為なら汚れ役でもなんでもする」
「だから。何度も言うが君を愛人にはしない。今回の事でよく分かった、君は危険人物だ。
今後の輪姦プレイにも関わらないでくれ。僕は帰る」
ギロリと睨む顔が怖い。
縛られて抵抗出来ない筈なのに、何故か恐怖で背筋が凍る。
永瀬は自分がSだと言っていた。それは俺を諦めさせる嘘だと思っていたのに……。
「嫌だっ! どうすればいい、どうすれば俺は受け入れてもらえる?」
「今の佐々木と付き合うの、僕は怖いよ。付き合ってからも何言い出すか分からないじゃん。
葵唯と夏希を妬まれても困るし……」
「妬まないっ。お願い、お願いだから……」
君の事がどうしようもなく好きなんだ。こんなに好きになった人、君以外にいない。
どんな事だってする、君さえいてくれれば他に何も要らないよ。
だから……──。
「はぁ。じゃあ分かった、こうしよう。一ヶ月期間限定で愛人にする。その間に無理ってなったら愛人やめていいよ。
俺が嫌だった場合は大人しく引き下がってくれる?」
「分かっ……分かった……永瀬」
「莉紅でいいよ。愛人は下の名前で呼ぶのがルールだから、和秋って呼ぶね」
「俺の名前……」
お母さん以外に呼ばれた事なんてないんじゃないかって位、自分の下の名前は馴染みがなくて聞き慣れない。
それを永瀬が知っていたってだけで、嬉しい。
「ごめん、ごめんな、永瀬ぇ……ひぐっ」
涙? あぁ、俺って泣くんだ。
パシリにされてた時も泣いた事はなかったっていうのに、好きな人に下の名前で呼ばれただけでこんなに胸が熱くなるなんて……。
「そんなに僕の事……。とりあえずさ、外してくれない? チンコと足の関節が痛いんだけど」
「あっ! ごめん、ごめんよっ」
すぐにM字開脚のまま縛った足の縄を解いた。両腕も解いて自由にした。
チンコに刺した綿棒を取る時永瀬は「いだだだだ! ざけんじゃねぇよこのバカ!」と本気で痛がっていた。
それからチンコを縛っていた縄を取る。こんなプレイは永瀬の興奮材料ではなかったんだろう、チンコはすぐに萎えた。
ここまでしてようやく愛人になれたんだ。頑張らないと……。
あれ、頑張るって何を?
「さて、夜はこれからだよ。観念しているね? 和秋」
「え?」
永瀬はニッコリと笑顔のまま、俺に近寄ってきた。なんだろう? と思ったのは束の間、あっという間に俺の腕を、縄で縛ってしまった。
両腕を背中に回したまま縛られて、身動きが取れない。
「な、永瀬?」
「莉紅だよ。莉紅」
「り、莉紅、もしかして仕返し?」
「もしかしなくても、だよ。悪い子にはお仕置きだ。でも今後君の扱いはこんなものだよ?」
やっぱ怒らせた!?
……と思ったけど、振り向いてみると永瀬は楽しそうな笑顔を浮かべていた。
「君はMじゃなさそうだから、最初は優しくするね。調教してMになったら一ヶ月以降も考えてあげるよ」
俺は上半身だけをベッドにうつ伏せにして、下半身は尻を永瀬に向ける形で床に膝を着いた。
すぐにズボンも下着も脱がされて、誰にも見せた事のない後ろの穴を見られる事になってしまった。
「なっ、なぁこれって愛人じゃなくてSMプレイのパートナーじゃないの?」
「多頭飼いだよねぇ。やっぱやめる?」
「やめないけど!」
「じゃあ黙っててね」
どこから取り出したのか、永瀬は俺の口にギャグボールを取り付け、喋らせないようにした。
俺はこんなの持ってない。永瀬が持っていた鞄に入っていたんだろうか。
──パシッ!
尻に衝撃が走る。叩かれた……? もしかしてスパンキングってやつ?
「僕にこんな事をした罰だよ」
永瀬の小さな手で、鋭く打撃を打ってくる。けれど我慢できない痛みではない。こんな事が罰でいいのか?
そう思えていたのは最初だけだった。二十回程数えた頃、何度も打たれたところが痛みで熱を帯びてきた。
「うんん、んんっ……!」
痛みに汗が滲む。けれど、永瀬はやめる気配がない。痛みを発しているところに何度も力を緩める事無く平手で打ち付けてくる。
痛い、痛い、痛い、痛い――!!
「あれ、泣いちゃった? 可愛いね、今日はこれくらいで許してあげるね」
永瀬に優しく頭を撫でられる。
頭を撫でられるなんて何年ぶりだろう。子供の頃は、よく撫でられていたのに……。
優しい。俺、永瀬のものになりたいよ。だから、一ヶ月で捨てないで欲しい。
「さて、君を僕のものにしようか」
今までずっと叩かれて、熱の籠っている尻を撫でられる。触られるとズキズキという痛みと熱を感じる。
今ので終わりじゃないのか?
永瀬は俺の左右の尻臀を開いた。誰にも見せた事のない、尻穴が露わになる。
「んんーっ! うんんんっ」
身体を起こそうとしたり、脚をばたつかせたりして逃れようとする。永瀬が俺の身体を起こして床に正座をさせた。
永瀬はにっこりとした笑顔だ。
やめてくれるのか。と期待したのがいけなかった。顔を平手で叩(はた)かれる。バシッと音はしたが、そこまでの痛みはない。
「和秋はいい子だよね? 僕の言う事聞けるかな?」
ノーとは言えない。永瀬の愛人にしてもらったのに、それが出来ないから愛人をやめろと言われてしまうかもしれない。
俺は必死に頷いた。捨てないで欲しい、永瀬のものにして欲しい。
「いい子だね。そういう子は好きだよ」
優しい永瀬の顔が視界に広がる、そう思ったらギャグボールを外されて、涎まみれの俺の口にキスをしてくれた。
「君は誰のもの?」
「莉紅のもの……」
「よく出来ました」
また頭を撫でられる。優しい手付きで。心が温かくなる。
「ほら上半身だけベッドに預けて、お尻を向けてね。君の処女をもらうから」
不安はあるけれど、永瀬に自分の全てを預ける安心感があった。
永瀬はローションを俺の尻穴に塗った。ヒヤリと冷たくて身体が一瞬強ばったけど、触っているのが永瀬だって思うと力が抜けた。
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