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その後
帰還 7
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パァン!!
「………うわ」
村に入った直後に、大きな音が鳴り響く。
直後にグランの頭の上に紙テープが飛んできて、紙吹雪が口の中に入ってきた。
ペッと、その紙を出す。
この音はもしかして……と思いつつも、落ち着いて状況を把握する。
……うん。
歓迎が、大げさ。
横断幕に、豚の丸焼き、飛び散るビールに、踊る村人。
ここまでとは思わず、目がチカチカしてきた。
「予想はしていたけど。フォ……、」
隣りにいるフォンシルに話しかけようとしたら、騒ぎ声でかきけされた。
「わぁーーー。殿下がいらしたぞ!」
「グラン、あなたはこの村の救世主よ!」
「これで、王都に楽に行ける!」
「おしゃれなケーキとやらを、食べてみたいもんだ」
小さな頃から面倒を見てくれた村の人が、あたたかくも、さわがしく帰還を喜んでくれたようだ。
こんなお祭り騒ぎをしている場合なのだろうか。
もっと、先にやらなくてはいけないことがあるような気がする。
人口の増加とか、物流とか。
問題は山積みのはずだ。
早く人口減少をとめて、人の流れをつくり村を活性化させたいのだけど深刻感が感じられない。
村の気風なんだろうな。そう思い、ため息を付く。
こうならないようにエンジュとユーディアにお願いしたつもりだが、無理だったのだろう。
それはまぁ、仕方ない。
ともかくフォンシルに謝ろうと横を見ると、微笑んで手を軽く振っている。
順応性が高すぎる!
「………フォンシル様、動じないですね」
「こういう場面には慣れている。条件反射で体が勝手に動いてしまうんだ」
「はぁ。大変ですね。王族も」
他人事のように感想を言うと、目の端に元凶を見つけた。
………その相手は、にっこり笑いつつダッシュしてグランに抱きついてくる。
「久しぶりー!!会いたかったわぁ」
まったく年を取らないで、美しさを保っているアダマゼインがギュウッと抱きついてくる。
「……はい。知ってた」
「グランも私に会いたかったわよねぇ」
すると、エンジュとユーディアもこちらに駆け寄ってくる。
「あっ。グランはみんなのものなのにっー!アーちゃんったら」
「そうよっ!抜け駆けは禁止」
「いいの。おばあちゃんだから」
やたらと色気のある、おばあちゃんだ。
「ユーディア、それなら、私達だって家族だから抱きついて良いよねっ!」
「そうよ!負けないから」
反対側から、姉2人が下から抱きついてくる。
とても柔らかいが苦しい。
「モテモテ?だな。グラン」
「そう見えますか?これ、けっこうな攻撃力ですけど」
今なら彼女たちより身長が高くなって息が出来るが、昔だったら体に埋もれて窒息していただろう。
とくに、エンジュだ。
「僕の事を好きじゃないのに、こんなにくっつくのどうかと思うよ」
「王妃を諦めただけだし。グランのことは好きは好き。別問題なの」
……もう、女の子の気持ちが良く分からない。
その横でフォンシルが村人に囲まれつつ、家に向かっている。
「先に、コンティに会ってくる」
「えっ、僕も行くよ。待って!」
そうだ。
川の道について相談しなければ。
トンネルよりも水の上は通路を作る難易度が高い。
魔法を使わずに、どうしたら良いだろうか。
まだ考え中だ。
軽くジャンプをして上へスルリと抜け出す。
「僕も、挨拶に行ってくるね!」
「………うわ」
村に入った直後に、大きな音が鳴り響く。
直後にグランの頭の上に紙テープが飛んできて、紙吹雪が口の中に入ってきた。
ペッと、その紙を出す。
この音はもしかして……と思いつつも、落ち着いて状況を把握する。
……うん。
歓迎が、大げさ。
横断幕に、豚の丸焼き、飛び散るビールに、踊る村人。
ここまでとは思わず、目がチカチカしてきた。
「予想はしていたけど。フォ……、」
隣りにいるフォンシルに話しかけようとしたら、騒ぎ声でかきけされた。
「わぁーーー。殿下がいらしたぞ!」
「グラン、あなたはこの村の救世主よ!」
「これで、王都に楽に行ける!」
「おしゃれなケーキとやらを、食べてみたいもんだ」
小さな頃から面倒を見てくれた村の人が、あたたかくも、さわがしく帰還を喜んでくれたようだ。
こんなお祭り騒ぎをしている場合なのだろうか。
もっと、先にやらなくてはいけないことがあるような気がする。
人口の増加とか、物流とか。
問題は山積みのはずだ。
早く人口減少をとめて、人の流れをつくり村を活性化させたいのだけど深刻感が感じられない。
村の気風なんだろうな。そう思い、ため息を付く。
こうならないようにエンジュとユーディアにお願いしたつもりだが、無理だったのだろう。
それはまぁ、仕方ない。
ともかくフォンシルに謝ろうと横を見ると、微笑んで手を軽く振っている。
順応性が高すぎる!
「………フォンシル様、動じないですね」
「こういう場面には慣れている。条件反射で体が勝手に動いてしまうんだ」
「はぁ。大変ですね。王族も」
他人事のように感想を言うと、目の端に元凶を見つけた。
………その相手は、にっこり笑いつつダッシュしてグランに抱きついてくる。
「久しぶりー!!会いたかったわぁ」
まったく年を取らないで、美しさを保っているアダマゼインがギュウッと抱きついてくる。
「……はい。知ってた」
「グランも私に会いたかったわよねぇ」
すると、エンジュとユーディアもこちらに駆け寄ってくる。
「あっ。グランはみんなのものなのにっー!アーちゃんったら」
「そうよっ!抜け駆けは禁止」
「いいの。おばあちゃんだから」
やたらと色気のある、おばあちゃんだ。
「ユーディア、それなら、私達だって家族だから抱きついて良いよねっ!」
「そうよ!負けないから」
反対側から、姉2人が下から抱きついてくる。
とても柔らかいが苦しい。
「モテモテ?だな。グラン」
「そう見えますか?これ、けっこうな攻撃力ですけど」
今なら彼女たちより身長が高くなって息が出来るが、昔だったら体に埋もれて窒息していただろう。
とくに、エンジュだ。
「僕の事を好きじゃないのに、こんなにくっつくのどうかと思うよ」
「王妃を諦めただけだし。グランのことは好きは好き。別問題なの」
……もう、女の子の気持ちが良く分からない。
その横でフォンシルが村人に囲まれつつ、家に向かっている。
「先に、コンティに会ってくる」
「えっ、僕も行くよ。待って!」
そうだ。
川の道について相談しなければ。
トンネルよりも水の上は通路を作る難易度が高い。
魔法を使わずに、どうしたら良いだろうか。
まだ考え中だ。
軽くジャンプをして上へスルリと抜け出す。
「僕も、挨拶に行ってくるね!」
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