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森の出口は、波乱の入口 ①
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「こんなザコ魔物を相手にしなきゃいけないのぉ?」
「その通りです! アダマゼイン様。私めが、すべて消滅いたしましょう!」
もう一ヶ月近く森を歩き、平和すぎて飽きたのか、魔王(仮)が文句を言いだした。
かなりレベルが高すぎる一行になってしまって、戦闘がつまらないらしい。
君主の言葉に忠実なガーゼルが、焼き尽くそうと、大きな黒いモヤモヤした玉を上に放り投げる。
「ちょ、ちょっと、待って下さいーーーー!!」
魔物を消し炭にされては、アイテムも無くなってしまうではないか。
この魔物の中に持っていない石もあるかもしれないのに。
慌てて、そのモヤモヤ玉を発動させないように徐々に力を失わせて霧散させる。
な、なんとか、無事に消え去ったようだ。
「落ち着いて! 落ち着いて下さい!! 飴あげるから!!」
つい、とっさに子供みたいな取引をしてしまった。
まずいな。怒るだろうか。
「……まぁ、良いわぁ。放っておきましょ。こんな、ザコ」
「その通りです。アダマゼイン様」
良かった!! 案外、チョロいみたいだ。
これ幸いと、家から持ってきた飴を一つずつ渡す。
また交換材料として使えそうだから、残った飴は手元に残しておこう。
「私も食べよっと」
ユーディアも、自分で持ってきた分を美味しそうに口に入れて転がす。
「んんんーーー! やっぱり美味しい。これ、私が作ったのよ。」
「ええぇ? ユーちゃんの手作りなの? 天才!! 大好き!!」
「で、出来たら、レシピを教えて頂きたい!!」
飴ひとつで、盛り上がっているなぁ。
同じ事が起こらないように、グランはみんなの少し前を歩き、こっそりと倒しながらジャスキル石を集めていく。
もう、これでもか、というほど集めるが、意外と合わせたりすると量が少ないので多いに越したことはない。
「ん?」
ようやく、森を脱出できそうだ。
明るい光と、村人の声が聞こえてくる。
きっと、王都へ行くための一番端にある辺境の村だろう。
あと一息だ。
門の所で、前もって手に入れていた通行許可書を出せば、中に入れるだろう。
そう思って、後ろを振り向き、みんなに手を降る。
長旅も終わりだと、幸せ気分で飛び跳ねるが……。
そんなに上手くはいかないようで、グランの背後には屈強の体をした警備兵が、こわーい顔をして立っていた。
ゆっくりと、振り返りたずねる。
「……えっと、何か、僕、しましたか?」
まったく思い当たる節はないのだが、あきらかに動いたら刺される位置に槍が当たっている。
どけてくれないだろうか。
「思い当たる節はないか?」
疑問を疑問で返される。
だから、心のなかで無いって言ってるじゃないですかーー! と叫ぶ。
魔王なら分かるけれど、何で僕が?
清廉潔白で生きてきたというのに。
目の前の3人は、とっさに物陰に隠れて様子をうかがっている。
ユーディアは良いけど、魔王も?
ご飯作ってあげたってのに、恩知らずだ。
「まーーったく、無いですね」
そういって、とりあえず笑っておこう。
「その通りです! アダマゼイン様。私めが、すべて消滅いたしましょう!」
もう一ヶ月近く森を歩き、平和すぎて飽きたのか、魔王(仮)が文句を言いだした。
かなりレベルが高すぎる一行になってしまって、戦闘がつまらないらしい。
君主の言葉に忠実なガーゼルが、焼き尽くそうと、大きな黒いモヤモヤした玉を上に放り投げる。
「ちょ、ちょっと、待って下さいーーーー!!」
魔物を消し炭にされては、アイテムも無くなってしまうではないか。
この魔物の中に持っていない石もあるかもしれないのに。
慌てて、そのモヤモヤ玉を発動させないように徐々に力を失わせて霧散させる。
な、なんとか、無事に消え去ったようだ。
「落ち着いて! 落ち着いて下さい!! 飴あげるから!!」
つい、とっさに子供みたいな取引をしてしまった。
まずいな。怒るだろうか。
「……まぁ、良いわぁ。放っておきましょ。こんな、ザコ」
「その通りです。アダマゼイン様」
良かった!! 案外、チョロいみたいだ。
これ幸いと、家から持ってきた飴を一つずつ渡す。
また交換材料として使えそうだから、残った飴は手元に残しておこう。
「私も食べよっと」
ユーディアも、自分で持ってきた分を美味しそうに口に入れて転がす。
「んんんーーー! やっぱり美味しい。これ、私が作ったのよ。」
「ええぇ? ユーちゃんの手作りなの? 天才!! 大好き!!」
「で、出来たら、レシピを教えて頂きたい!!」
飴ひとつで、盛り上がっているなぁ。
同じ事が起こらないように、グランはみんなの少し前を歩き、こっそりと倒しながらジャスキル石を集めていく。
もう、これでもか、というほど集めるが、意外と合わせたりすると量が少ないので多いに越したことはない。
「ん?」
ようやく、森を脱出できそうだ。
明るい光と、村人の声が聞こえてくる。
きっと、王都へ行くための一番端にある辺境の村だろう。
あと一息だ。
門の所で、前もって手に入れていた通行許可書を出せば、中に入れるだろう。
そう思って、後ろを振り向き、みんなに手を降る。
長旅も終わりだと、幸せ気分で飛び跳ねるが……。
そんなに上手くはいかないようで、グランの背後には屈強の体をした警備兵が、こわーい顔をして立っていた。
ゆっくりと、振り返りたずねる。
「……えっと、何か、僕、しましたか?」
まったく思い当たる節はないのだが、あきらかに動いたら刺される位置に槍が当たっている。
どけてくれないだろうか。
「思い当たる節はないか?」
疑問を疑問で返される。
だから、心のなかで無いって言ってるじゃないですかーー! と叫ぶ。
魔王なら分かるけれど、何で僕が?
清廉潔白で生きてきたというのに。
目の前の3人は、とっさに物陰に隠れて様子をうかがっている。
ユーディアは良いけど、魔王も?
ご飯作ってあげたってのに、恩知らずだ。
「まーーったく、無いですね」
そういって、とりあえず笑っておこう。
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