とびきりのクズに一目惚れし人生が変わった俺のこと

未瑠

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初めてがあるなんて ※R18

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「あっ、あんっ、……あぁー!!」

 歓迎されるようにゆっくりと後ろに入り込んだ俺のものを、もっと、もっとと奥へ導く。短く途切れさせながら吐く息が熱く甘く、どれだけ舌を絡め取ってもまだ足りない。時々苦しそうにするため、息継ぎのために口を離すが、いつまで経っても深いキスに慣れないミコトが可愛い。その間にも深くゆっくり腰を進めると、耐えきれないといった様子で声が漏れる。

「せっかく息継ぎさせようと思ったのに、お前は」

 ミコトの可愛く啼く声に煽られ、つい腰を激しく動かしてしまう。優しくしようと思っても、心と裏腹に俺の身体は激しくミコトを求めてしまう。

「ん、ん、はぁ…はぁ…んんっ」

 舌を深く絡めようとするとミコトの舌はするりと逃げたがる。ずっと腰を進める最中もミコトの口内で歯列から上顎から俺の舌が舐め尽くしている。もう蕩けているというのに、足りない酸素を求めてミコトの舌が逃げ回る。

 ちゅっと音を立ててもう一度唇を離す。
 は、は、とミコトは口から浅い呼吸を繰り返し、酸素を吸い込もうとするが、俺が小刻みに腰を揺らしているせいか上手く吸い込めないようだ。

「は、あ……ん、はぁ…だ、だめぇ、ちょっと止まって、あっ、あー、は、はぁ、はぁ」

 銀糸でつながったままの唇に再び食らいつく。
 そんなに俺より酸素を求めるなんて気に入らない。あぁ、ミコトの中はどこも甘い。

 さらに質量を増したのを自覚する俺のものはミコトの奥の奥に早急に入り込みたがる。ぐ、ぐ、と腰を進めると、ミコトの舌から力が抜ける。








 最初にミコトを抱いたとき、やや強引に割り開いた孔は初めての異物を拒むように俺を押し出そうとしていた。ただ気まぐれに、真っ直ぐな黒い瞳に興味をもって、俺をその瞳に映すだけで染まる頬が面白くて、いつも見慣れた光景のはずなのに、片時も見逃したくなかった。痛みも不快感も羞恥心も、そして感じる姿も全部俺のものだと思うと興奮した。

 その後は自分の恋心に気付かずに、ただただ思いのままミコトを貪った。

 あの頃は、抱かれながら見せるミコトの泣き顔を見るのが好きだった。ミコトは抱くときは大体いつも泣いていた。痛いのか感じているのか、それすら気遣う余裕もなく、あの濡れた瞳に自分が映り込んでいるのがたまらなかった。

 今もミコトの泣き顔は好きだ。
 でも切なく不安な泣き顔よりも、とろとろに蕩けたなかで俺が与える更なる快楽に耐えきれずにこぼす涙の方が断然良い。



 唇を離すと、はくはくと口が動く。もう瞳が潤んでいる。
 くるりと繋がったまま向きを変え、後ろから抱き込む。
 右手は腰に、左手は頬から首筋へ触れていく。
 優しく、優しく、触れるか触れないかくらいのフェザータッチを繰り返し徐々に下に降りていき、胸の先端にたどり着く。ミコトの胸のそれはツンと立ち早く触って欲しいと存在を主張している。白い肌にピンク色の飾りを掠めるように何度か往復すると、耐えきれないというようにミコトが自分から後ろへ仰け反り胸を前へ差し出す。

「ああっ!」

 ぎゅうと摘めば可愛い矯正が響く。と同時に俺のものを包むこむ後孔もギュッと締まる。はぁ、と息を吐いたのは俺の方。持っていかれるかと思った。
 そのまま腰を動かさず、どんどん硬くなるミコトの薄い胸の先端を捏ねくり、潰し、転がすように愛撫するとミコトの腰がぎこちなく揺れ出す。それに合わせて俺も腰をグラインドさせ、首筋に舌を這わせると、すでに荒い呼吸となっているミコトが腰を掴んでいた俺の手に触れる。

「タクト、こっちも……さ、触って」

 そう言ってもう片方の胸の先端へ誘う。
 俺は自分理性が弾けるのを感じた。













「あぁ、ん、もう……無理っ!」

 両腕をミコトの脇の下から差し込み、ぐいと持ち上げ完全に俺の上にミコトの赤く染まった熱い身体を乗せる。そのまま両手で大きくミコトの足を広げたあと、左右の胸の飾りを鷲掴みにしながら、強く下から腰を突き上げる。

「んっあ! はげしっ……あ、あっん!」

 ミコトの中が熱く蠢き、どんどん息が上がる。

「はぁ、はぁ……あん、あ、あん、あー……だめ、タクミっ!もうダメ、壊れちゃうっ」
「違うだろ、ミコ。ちゃんと言って」

 耳元で囁くと、それだけでびくりと反応する。

「あん、あっ、むりっ、無理だからぁ」
「無理、じゃねーだろ、ほら、教えたろ?」

 甘く優しく吐息を吹きかけ、そのまま耳朶を舐め外耳へ舌を差し込み内側を蹂躙し、さらに腰を深く打ち付ける。

「ん、んんぁあ、あっ、あっ、い、イく……イクイクイクーーっ!」

 びゅっとミコトがは白濁を溢すと全身をびくびくと震わす。

「はぁ、んんっ……出るっ」

 俺はひどく蠢き絡みつくミコトの肉壁に熱杭を突き立て、どぷりとさらに熱いものを注ぎ込んだ。








 ぱちゅん、ぱちゅんと水音と肉がぶつかり合う音が繰り返し響く。

 うつ伏せで腰だけをタクトに掴まれ、高く持ち上げられている。この格好だけでも恥ずかしいのにその音が自分の後孔から聞こえることにさらに恥ずかしさが募る。
時折タクトが覆いかぶさり、後ろから深い深いキスをされる。

「ん……はぁ、はは、今締まった……また恥ずかしいとか考えたな、ミコ」

 唇を離すと伝うどちらのものともわからない唾液をぺろりと舐め取ると、片方の口角だけをあげ、にやりと俺を見下ろす。

「余裕だな、もう蕩けきったと思ってたのに……なら、もっと強くしてもいいな」

 そう言うと、ぐりぐりと腰を回しながら奥まで打ち付けてくる。

「や、あんっ、あっ、だめっ! それダメっ!!」
「ダメじゃないだろ、これ好きだろ」

 弱い部分を余すこと無く擦り上げられ、目の奥がチカチカとする。

「あ、はぁ、はぁ……んんーっ」
「ミコ、ミコ。気持ちいいか」

 頭がふわふわして、身体が熱くて、下半身はもう溶けてなくなっているような気分なのにちゃんと刺激は拾ってしまい快感が突き抜ける。

「いい……きもち…いい…あん、あ、あっ…ん…あっ、やだ、だめ、いっく……イっちゃうっ!」

 俺の言葉を聞いた途端、タクトの抽挿が激しく強くなる。タクトの熱い息と汗が俺に落ちてくる。

「はぁ、はぁ、いいよ、何度もイって……はぁ、可愛い、かわいいミコ」
「あん……あんっ、あぁ、ダメぇ…!」
「ん、俺も、はぁ、はぁ……あー、俺もいい、ミコ、……んんっ、ミコ好きだ、好きだ、イクっ」

 俺の中でタクトの熱が爆発する。ドクドクと脈打ち、さらにその熱を俺の中に擦り付けるように腰を回される。その熱を感じながら俺のものから勢いよく出たものは、見慣れた白いものではなく、びゅーびゅーと音を立てて飛び出す液体だった。

「ん、はぁ、はぁ、な、なに? これぇ」

 なかなか止まらない液体に自分が驚く。あることに思い至るとどんどん恥ずかしくなり、あまり力の入らない足腰でずるずるとベッドサイドへ手を伸ばす。

「イッたばっかだと動けないんじゃなかったのか? 逃げんなよ、ミコト」

 伸ばした手は簡単に捉えられ、覆いかぶさってきたタクトが耳元で囁く。さっき確かにタクトも欲を吐き出したばかりのはずなのに、俺の中がこんなにも熱いのに、まだ俺の中にあるタクトの芯が存在感を増してきている。

「えぇ? なんで……」
「なんで? こんなに可愛い姿みせられちゃな、当然だろ」
「か、可愛くなんて……」

 枕に顔を埋めながらふるふると首を振る。そんな俺をタクトがどんな顔をして見ていたのかはわからない。けれど、そのままそのままピタリと身体を張り付かせ、もうはっきりと存在が確認できる熱芯に揺さぶられる。両手はタクトの両手に握り込まれ、つむじから首筋、耳裏までキスが降る。はぁはぁと荒く熱い息を間近で感じるだけで、くらくらとしてしまう。
 恥ずかしくて枕に逃げ込んだはずなのに、キスを求めて顔を上げるとすかさず顎を取られ唇を塞がれる。

 わずかに反り返ったことで抉られる角度が変わり、激しい快感が突き抜ける。びくびくと勝手に後孔が反応すると、さらに大きくなったタクトの抽送が早く大きくなる。

「可愛いよ、かわいい。……あぁ、好きだ。ミコ、俺のミコト。好きだ、好きだ。愛してる……」








 もう何度達したのか分からない。

 身体には全然力が入らないのに、後ろだけはタクトのものを離したくないようだ。ゆっくりとした大きなストロークでタクトが自身のものを引く時は痺れるほど気持ちがいいのに、奥が寂しくなってしまう。それもちゃんとタクトは分かっていて、ギリギリまで引き出してからさらに強く深く腰を打ち付けてくる。
 すでに俺のものからは白いものではなく、透明のものしか出てこない。なのに深い快感は治まらず、突かれるたびにとろとろと雫をこぼす。

「タクト……タクト……」

 ゆさゆさと揺さぶられながら、とうとう俺は意識を手離した。





 気がつくと新しいパジャマを上半身だけ着させられ、柔らかなタオルケットが掛けられていた。清潔なシーツの上でしばしまどろむ。
 いつ眠ってしまったのか最後の方は記憶がない。最近はいつもこうだ。
 それでも気がつくと身体もシーツ綺麗になっている。

 以前は同じ様に寝てしまったあと、一人で起きるのが嫌だった。身体の表面だけは拭われていたが、それだけだった。申し訳程度に上掛けやタオルが掛かっていることもあったが、その下の俺の身体は裸のままシーツもそのままで、バリバリとした冷たいシーツが動くたびにちくりちくりと肌を突き刺し、俺とタクトの関係性をご丁寧に教えてくるようで、それに気が付かないふりをしながら、これから夜明けを迎える世界をただベッドからぼんやりと見つめていた。重たい身体をのそりと動かして起き上がるとこぼれ出た太ももを伝う白いものにため息をつき、ふらふらとシャワーへ行くのが常だった。
 
 同じ薄明けの空であるのに、あの頃はだんだんと強くなる光が眩しいだけで、こんなにも色鮮やかに空が彩られていることも知らなかった。いや、目にしていたのかもしれないけど、感じてなかったんだろうと思う。あの頃は自分の心を守るために無意識に色々なことを感じないようにしていたんだろうな……って。


 今も隣にはタクトはいない。
 伸ばした手に触れるシーツにもぬくもりはない。


 だけど胸はあたたかなまま。
 だってもう俺は知っているから。









「身体は大丈夫か? ほら、飲んで」

 カチャリとドアを開けタクトがミネラルウォーターを持って入ってくる。
 乾ききらない髪から雫が滴り落ち、首筋を伝う。単にそれだけなのに壮絶な色気を放つタクトを見ると、身体の奥の熱が再燃しそうになる。

「ありがと、シャワー?」
「ん。洗濯したついで。ミコも入る?」
「うーん、後で入る。ごめんね、いつもキレイにしてくれてありがと」

 タクトはそのままペットボトルの蓋を開けると、ミコトに渡す。
 こくこくと飲んでいる側に座ると、思い出したようにくすりと笑う。

「なに?」

 タクトを見ると、そのままキスされる。

「んん……ちょ、お水こぼれちゃう」
「お水、ねぇ。そこが気になるんだ。昨日はもっとすごいものこぼしてたのになー」
「なっ!」

 みるみる赤くなり俯くミコトにタクトがもたれかかる。いや、どうにかミコトの顔見ようと下から覗き込んでくる。

「そう、だ。ご、ごめん。俺……あんなこと」
「いや、ぜーんぜん? 俺は嬉しかったけど?」

 ええぇ。
 う、嬉しい? そんなことある?

「俺は、恥ずかしい……から」
「そ? まぁミコ初めてだったもんな」
「う、うん。もうしないから」
「なんで?」
「なんで??」

 俺はビックリしてタクトを見るけど、相変わらず片側の口角をあげて笑っている。

「だって、えっと、あの、ほら、普通はしないでしょ」
「んー、まあ普通じゃ出ないかもな」
「そうでしょ! だからもう俺もしないよ、汚してごめんね」
「大丈夫だって。また絶対出させてあげるから」
「え?」
「え?……あはは、もうダメ」

 今度は大口で笑い始めたタクト。俺はひとり混乱する。

「あー、ミコは可愛いねぇ」

 ひとしきり笑ったあとのタクトが言う。もう意味が分からない。

「もう、笑うなんて酷いよ……」
「あー、うん。きっと勘違いしてると思うけど、ミコト昨日あれは違うんだよ」
「え? 違うって?」
「あれはシオだから」
「塩?」

 よく分からない顔をしていた俺に、タクトは笑ったまま説明してくれた。説明を聞き終わった俺はさっきよりも赤い顔になるしかなかった。漏らしたわけじゃないって聞いて安心した反面、どよんと重くなる気持ち。だって、それって今までもそういう事があったってことだよね。過去のタクトに今更嫉妬するなんて。

「俺も初めて見たけど」
「え?」

 俯いてしまった顔をタクトに向ける。

「やっと、こっち向いた」

 ちゅっ、ちゅとバードキスをしてくるタクトを手で押しながら聞く。

「初めて……なの?」
「んー」

 タクトはキスを止めない。でも俺には大事なこと。ちゃんと聞きたい。

「ねぇ、タクト。ほんと? 初めてなの?」
「そうだよ」

 今度はちゃんと目をみて言ってくれる。
 嘘……嬉しい。
 正直、こういう……えっちな事でタクトの初めてなんてないと思ってた。


「ん、だからさ、また頑張って出そうな、ミコ」
「!!や、やだ」

 それとこれとは別の話し。
 恥ずかしいのは恥ずかしい。





 指輪をもらってからタクトはすごくすごく優しくて、俺を大事にしてくれるのがよく分かるのに、セックスのときはこうして時々いじわるだ。
 でもそんなタクトが大好きだと思う俺も、大概タクトに惚れているんだろうな。


 うん、今とっても幸せだ。





※誤字のご連絡ありがとうございます。
まさかの間違いを、、タクトとミコトがくっついてましたw 

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