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女官ミランダ
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女官長となった私は現在、侍女見習いをしているプラチナブロンドのローザと、茶髪のジョアンナが一通りの仕事を覚えたのを確認し、二人を後宮にある女官長室へと呼んだ。
「ローザ、ジョアンナ」
「はい」
「何でしょうか? ミランダ様」
「あなた達を『侍女見習い』から正式に『侍女』とします」
微笑して告げれば、ジョアンナは茶色い目を見開いて驚き、ローザも青い瞳に驚きの色を浮かべた。
「えっ!?」
「私たちが侍女に……?」
「ただし、見習いの時よりも、さらに仕事に責任を持って励むようにね。これまでは『見習い』だからという理由で、見逃してもらえてたとしても今後は一切、通用しませんからね」
「はいっ!」
「かしこまりました」
ローザとジョアンナが喜びながら頭を垂れ、二人は嬉しそうに女官長室を退出した。室内に静寂が訪れる筈だったが、再び女官長室の扉がノックされ、今度は白髪の王太后付き女官長が入室してきた。
「これはゾフィー様。如何されました?」
「王太后様が『ミランダを呼ぶように……』と」
「分かりました。すぐに参ります」
急いで王太后リオネーラ様の居室に向かえば、金髪金目の王太后様は機嫌が麗しい様子でゆったりとソファに腰かけていた。
「ミランダ。よく来てくれましたね」
「はい。お呼びと聞き、参りました。……王太后様、今日は如何されましたか?」
「実はこの手紙をレオンの婚約者である伯爵令嬢フローラの実家、フルオライト伯爵家へ届けてほしいのです」
王太后リオネーラ様から、赤い封蝋に王家の紋章である獅子の姿を模ったシーリングスタンプが施された手紙を差し出され、それを恭しく受け取った。
「かしこまりました。確かにお預かりします」
「その手紙の内容ですが、ミランダも無関係ではない話です」
「え?」
戸惑っていると、王太后リオネーラ様は真っ赤な口紅をひいた唇に洗練された上品な笑みを浮かべた。
「私は王太后として、新王レオンの婚約者である伯爵令嬢フローラに、一日も早く『お妃教育』を受けさせたいと考えています」
「それは良いお考えですね。……確かにレオン陛下の伴侶になられる、伯爵令嬢フローラ様にお妃教育は必須ですから」
「ええ。伯爵令嬢フローラには、本格的なお妃教育をじゅうぶんに施して新王レオンの妃として、どこへ出ても恥ずかしくない教養や立ち振る舞い、マナーを習得して欲しいですからね」
「素晴らしいご配慮……。さすがリオネーラ様です」
「ローザ、ジョアンナ」
「はい」
「何でしょうか? ミランダ様」
「あなた達を『侍女見習い』から正式に『侍女』とします」
微笑して告げれば、ジョアンナは茶色い目を見開いて驚き、ローザも青い瞳に驚きの色を浮かべた。
「えっ!?」
「私たちが侍女に……?」
「ただし、見習いの時よりも、さらに仕事に責任を持って励むようにね。これまでは『見習い』だからという理由で、見逃してもらえてたとしても今後は一切、通用しませんからね」
「はいっ!」
「かしこまりました」
ローザとジョアンナが喜びながら頭を垂れ、二人は嬉しそうに女官長室を退出した。室内に静寂が訪れる筈だったが、再び女官長室の扉がノックされ、今度は白髪の王太后付き女官長が入室してきた。
「これはゾフィー様。如何されました?」
「王太后様が『ミランダを呼ぶように……』と」
「分かりました。すぐに参ります」
急いで王太后リオネーラ様の居室に向かえば、金髪金目の王太后様は機嫌が麗しい様子でゆったりとソファに腰かけていた。
「ミランダ。よく来てくれましたね」
「はい。お呼びと聞き、参りました。……王太后様、今日は如何されましたか?」
「実はこの手紙をレオンの婚約者である伯爵令嬢フローラの実家、フルオライト伯爵家へ届けてほしいのです」
王太后リオネーラ様から、赤い封蝋に王家の紋章である獅子の姿を模ったシーリングスタンプが施された手紙を差し出され、それを恭しく受け取った。
「かしこまりました。確かにお預かりします」
「その手紙の内容ですが、ミランダも無関係ではない話です」
「え?」
戸惑っていると、王太后リオネーラ様は真っ赤な口紅をひいた唇に洗練された上品な笑みを浮かべた。
「私は王太后として、新王レオンの婚約者である伯爵令嬢フローラに、一日も早く『お妃教育』を受けさせたいと考えています」
「それは良いお考えですね。……確かにレオン陛下の伴侶になられる、伯爵令嬢フローラ様にお妃教育は必須ですから」
「ええ。伯爵令嬢フローラには、本格的なお妃教育をじゅうぶんに施して新王レオンの妃として、どこへ出ても恥ずかしくない教養や立ち振る舞い、マナーを習得して欲しいですからね」
「素晴らしいご配慮……。さすがリオネーラ様です」
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