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落雷と取引
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私から強引に確約を取り付けた魔道具屋の店主が、満足げな表情で部屋を去る際、出口付近でバタバタと音がした。コルニクスさんは音のした方を半目で一瞥した後、何も言わずに自分の店へと帰っていった。
そして、嵐が去った後のように室内に平穏が訪れた時、ドアから双子のメイドがおずおずと猫耳と顔を出した。ルルは両手でフライパンを持ち、ララは料理用の木製麺棒を手にしている。どうやらイザという時には、この台所用品を手に、侵入者でを撃退するつもりだったようだ。
「セリナお嬢様、大丈夫でしたか?」
「あの人、仕事の話だって言って強引に入ってきたんですけど……」
「仕事、そうね……。まぁ、仕事関係の話と言えば、そうなるかしらね」
コルニクスさん的には入手困難な『魔力の実』を融通してほしいという仕事の話だったのだから、その説明も間違いではない。と考えていたら双子はとても深刻そうな表情で、私の顔をのぞき込んでいる。
「本当に仕事の話なんですか?」
「セリナお嬢様、タチの悪いゴロツキに目をつけられてるんじゃないですか?」
「え」
「あの、目つきの悪さは、とても一般人とは思えません!」
「やばいスジの人なんじゃないですか!? 私たちで良かったら相談に乗りますよ?」
双子はコルニクスさんを、完全に悪人だと思い込んでいるようだ。まぁ、口も目つきも悪いから、そう思ってしまうのも分かるが、さすがにこの誤解は解いておかないといけないだろう。
「ちょ、ちょっと待って……。あの人は道をはさんだ、お向かいに住んでいる魔道具屋よ」
「へ?」
「魔道具屋?」
「ええ。魔道具屋の店主で、コルニクスさんって言う人なの……。ゴロツキでも、やばいスジの人でも無いから」
「そうなんですか?」
「一般の人?」
ルルとララは、大きな瞳をまん丸くして驚いている。
「少なくとも、職人として普通に働いてる人よ」
「じゃあ、本当にお仕事関係?」
「ウチで使う保冷用の魔道具について依頼してるわ。……まぁ、突然やって来たのにはビックリしたけど」
私の説明を聞いた双子は、あからさまにホッと息をはき安堵した。
「すごい目つきの悪い人が強引に上がり込んで来たから、てっきりヤバイ人なのかと思っちゃいました~」
「早とちりしちゃいました~」
「うん……。まぁ、気持ちは分かるわ」
てへぺろ状態で談笑する猫耳の双子メイドを見ながら、私は苦笑した。何しろ、さきほどのコルニクスさんは魔道具屋の店主というより、地獄からやってきた魔王の手先とか、魔王その物と言われた方が納得できる迫力があったからだ。私が遠い目をしていると、双子がテーブルの上に置いてある書きかけの紙に気付いた。
そして、嵐が去った後のように室内に平穏が訪れた時、ドアから双子のメイドがおずおずと猫耳と顔を出した。ルルは両手でフライパンを持ち、ララは料理用の木製麺棒を手にしている。どうやらイザという時には、この台所用品を手に、侵入者でを撃退するつもりだったようだ。
「セリナお嬢様、大丈夫でしたか?」
「あの人、仕事の話だって言って強引に入ってきたんですけど……」
「仕事、そうね……。まぁ、仕事関係の話と言えば、そうなるかしらね」
コルニクスさん的には入手困難な『魔力の実』を融通してほしいという仕事の話だったのだから、その説明も間違いではない。と考えていたら双子はとても深刻そうな表情で、私の顔をのぞき込んでいる。
「本当に仕事の話なんですか?」
「セリナお嬢様、タチの悪いゴロツキに目をつけられてるんじゃないですか?」
「え」
「あの、目つきの悪さは、とても一般人とは思えません!」
「やばいスジの人なんじゃないですか!? 私たちで良かったら相談に乗りますよ?」
双子はコルニクスさんを、完全に悪人だと思い込んでいるようだ。まぁ、口も目つきも悪いから、そう思ってしまうのも分かるが、さすがにこの誤解は解いておかないといけないだろう。
「ちょ、ちょっと待って……。あの人は道をはさんだ、お向かいに住んでいる魔道具屋よ」
「へ?」
「魔道具屋?」
「ええ。魔道具屋の店主で、コルニクスさんって言う人なの……。ゴロツキでも、やばいスジの人でも無いから」
「そうなんですか?」
「一般の人?」
ルルとララは、大きな瞳をまん丸くして驚いている。
「少なくとも、職人として普通に働いてる人よ」
「じゃあ、本当にお仕事関係?」
「ウチで使う保冷用の魔道具について依頼してるわ。……まぁ、突然やって来たのにはビックリしたけど」
私の説明を聞いた双子は、あからさまにホッと息をはき安堵した。
「すごい目つきの悪い人が強引に上がり込んで来たから、てっきりヤバイ人なのかと思っちゃいました~」
「早とちりしちゃいました~」
「うん……。まぁ、気持ちは分かるわ」
てへぺろ状態で談笑する猫耳の双子メイドを見ながら、私は苦笑した。何しろ、さきほどのコルニクスさんは魔道具屋の店主というより、地獄からやってきた魔王の手先とか、魔王その物と言われた方が納得できる迫力があったからだ。私が遠い目をしていると、双子がテーブルの上に置いてある書きかけの紙に気付いた。
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