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雨の降る日は初恋を思い出す
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ザァーザァーと激しい音が響いて、舞い上がりたちこめるアスファルトの匂い。
突然の夕立。
雨の降る日は、初恋を思い出す。
高校二年生、夏休みの始まりの日を。
昇降口は楽しい休みの始まりに浮かれるイカれた高校生でごった返していた。
「じゃ、またなー」
「ああ、楽しい夏休みをー」
「オマッ、明日また会うじゃん。約束、忘れんなよ」
「ハッハッハッ。忘れねーよ」
ボクのボケに付き合ってくれた友人は、颯爽と自転車に乗って去っていった。
ザァーザァーと雨が降る。
突然の夕立に道行く人は無防備だ。
目前には同級生。
濡れ細る黒髪の先、夏服の胸元あたりでは下着がクッキリ透けていた。
ボクの視線に気付いた彼女は、「エッチッ!」と、一言わめくとボクの頬に平手を入れて走り去った。
ボクの初恋は終わった。
いや、始まったのかもしれない。
「お待たせ」
傘を畳めば現れる黒髪。
短いボブの毛先には、大きく弧を描く赤い唇。
元気な声と共に現れた明るい笑顔が見つめる先にあるのは、ボクの姿。
紆余曲折を経て。
ボクの初恋は今、目の前に。
突然の夕立。
雨の降る日は、初恋を思い出す。
高校二年生、夏休みの始まりの日を。
昇降口は楽しい休みの始まりに浮かれるイカれた高校生でごった返していた。
「じゃ、またなー」
「ああ、楽しい夏休みをー」
「オマッ、明日また会うじゃん。約束、忘れんなよ」
「ハッハッハッ。忘れねーよ」
ボクのボケに付き合ってくれた友人は、颯爽と自転車に乗って去っていった。
ザァーザァーと雨が降る。
突然の夕立に道行く人は無防備だ。
目前には同級生。
濡れ細る黒髪の先、夏服の胸元あたりでは下着がクッキリ透けていた。
ボクの視線に気付いた彼女は、「エッチッ!」と、一言わめくとボクの頬に平手を入れて走り去った。
ボクの初恋は終わった。
いや、始まったのかもしれない。
「お待たせ」
傘を畳めば現れる黒髪。
短いボブの毛先には、大きく弧を描く赤い唇。
元気な声と共に現れた明るい笑顔が見つめる先にあるのは、ボクの姿。
紆余曲折を経て。
ボクの初恋は今、目の前に。
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