3 / 12
新たなる婚約者は王弟殿下
しおりを挟む
(もう終わったことだわ。今はこれからのことを考えなければ……)
リネットが王弟殿下邸宅の入り口へと差し掛かった頃、奥からひとりの男性が現れた。
「あぁ……。馬車まで出迎えにも行けず、すまない。急なことで間に合わなかったのだ」
「お気になさらず。事情が事情なのですから……」
王弟アスランを見て、まずリネットが感じたのは。
(あっ、詰んだ……私、詰んだわ……)
と、いう軽い絶望だった。
屋敷の大きさに見合って、エントランスは広かった。重厚な色合いの扉が両サイドを彩る広い入り口をくぐれば、高い吹き抜けの天井にはステンドグラスにシャンデリアが輝いている。大理石の床は手入れが行き届いているし、玄関から続く階段には深い青色の絨毯が敷かれていた。そこに現れたアスランは、白いシャツに濃紺のウエストコートとトラウザーズを身につけただけのシンプルな装いであるにも関わらず輝いて見えた。
(見栄えが良い。良すぎます。これは私、詰みましたね)
呪われているとされて隠されていた王弟に、リネットは会ったことがない。王太子婚約者である自分にすら会わせられないとは、呪いによってどれだけ醜い姿になっているのだろうか、と、想像したことはある。しかし、美しすぎるとは想像すらしたことがなかった。
(これは……モテますわね……)
王弟であるアスランは四十四歳。なのに、現れたのは少年のように若々しい金髪碧眼の青年である。背はスラっと高く、手足は長い。鍛えているのか体には厚みがあり、それでいて整った顔には柔和な笑みが浮かんでいる。大きな目には、キラキラと輝く青い瞳。緩いウェーブを描く長い金髪も手入れが行き届いているのか艶があり、風になびけばサラサラと音がしそうだ。
家系なのかヒゲも薄く、肌そのものが少年のように若々しい。
(そういえばケンドリックさまもヒゲは薄かったですわ……。ですが、アスランさまは更に薄いですし、肌そのものが綺麗です。女性のように、いや、女性よりも美しい整った顔に鍛えた体。さらに肌もツルツルピカピカとなれば、女性から……いえ、男女を問わずにモテますわね……)
そんな男性の元に、いきなりウエディングドレスを着せられて送り込まれた令嬢。それが自分であると自覚するのがリネットは辛かった。
(どんな罰ゲームですの? 私、そこまで恨まれるような事を何かしましたか? ケンドリックさま……)
侍女すら連れずに現れた自分が相手からどう思われているのか、想像するだけで怖ろしい。
(惨めです……結婚相手として送り込まれましたけれど。こんな私が王弟殿下のような美しい方に、愛されるはずがありませんわ)
彼女が危惧したことは、まさにそれだった。愛されない貴族女性の惨めさを嫌というほど耳にしていたからだ。
(王妃ならば、王妃としての役割を果たせばよいだけのこと。愛など求める必要もありませんわ。でも、ひとりの貴族女性として結婚するのなら話は変わります。爵位が下、もしくは経済状態が下の男性をえらぶか。愛されるか、ですわ。貴族女性が幸せな人生を望むなら、選択肢はそのくらいです)
王弟であるアスランの方が公爵家よりも身分は当然、上である。経済状態も、屋敷をみれば分かる通り、悪くはないだろう。残るひとつ。それは愛されることだ。
(貴族の結婚など取引のひとつですけれど、美しい令嬢や従順な令嬢であれば愛される。愛されるために、令嬢たちが必死であることくらいは私だって知っています。そして愛されることが結婚生活をしていく上で有利に働くことも知っていますわ。あぁ、でも。私にその道は閉ざされてしまったわ。愛されない貴族女性は冷遇される。最悪、屋敷から叩き出されてしまいますのよ。レティシア・スカルノ男爵令嬢のような女性が現れたら、私、ここからも追い出されてしまうのよ。愛を得るのは、貴族女性にとって生活のため、お金の為ですわ。愛とお金をイコールで結ぶのはどうかと思いますが。世の中、そういうものですのよね。仕方ありません)
リネットは物心つく頃には王妃教育を受けていて、一般的な貴族女性の事情には疎かった。そのせいで少々、勘違いしている部分がある。さらに言うなら、リネットは思い込みが激しいタイプでもあった。
「ご挨拶が遅れましたが。私はセナケリア公爵の娘、リネットと申します。ケンドリックさまの命により、王弟殿下であるアスランさまの元へ参りました」
リネットはウエディングドレスの裾をつまんで美しいカーテシーを披露した。
「あ……あぁ、挨拶すらまだだったね。私は国王の弟、アスランだ。よろしくね」
優しい物腰で上品なお辞儀を返すアスランを見て、彼女のなかの危惧は勝手に確信へと変わっていく。
(やはり、私に興味はなさそうです。興味がないなら、愛されるはずもないわ。愛されないなら、自立の道を探らねばなりません。タダ飯喰らいは性に合いませんもの。私、何か商売を始めませんとね)
リネットはアスランから愛されることはないと決めつけて、自立の道を探ることに決めた。
(経済的に自立していれば、命まで取られるようなことにはならないでしょう)
勝手にドツボにはまって勝手に解決策を得たリネットがどう見えたのか、アスランは眉毛を下げるといかにも申し訳なさそうに謝ってきた。
「すまないね、甥っ子がわがままを言って」
「ケンドリックさまは、ケンドリックさまでしかないので仕方ありませんわ」
「ん……んん?……そうだね……」
二人の間に微妙な空気が流れたところで使用人が声をかけてきた。
「旦那さま、お部屋の用意が整いました」
「ん、ご苦労。リネットさま。我が家の執事だ」
スラッと背が高く隙のないお辞儀をして見せる執事は、ピッチリと整えた白髪にグレーの瞳をした高齢の男性だ。
「初めまして、お嬢さま。アルフレッドと申します。何かご用がございましたら、お申し付けください」
「わかりましたわ。何かあったらお願いするわね、アルフレッド」
「彼は長年、仕えてくれていてね。早く結婚しろ、とうるさかったから。今回のことをとても喜んでくれているひとりだ」
「まぁ!」
「すまないね、他の使用人たちも、ちょっと浮かれているから。もしも失礼があったらごめんなさい」
落ち着いて周りを観察してみれば、確かに使用人たちの視線が痛い。
(あぁ、皆さん……私のこと……どう思っているのかしら?)
供の者もつけず、ひとりエントランスで結婚衣装に身を包む自分の姿が他人にどう映るのか。リネットはウエディングドレスのスカート部分を思わず握りしめた。
「ウエディングドレスでは窮屈だろう。何か適当なものを選んで持って行かせよう」
「ありがとう……ございます」
リネットは案内されるまま、アルフレッドの後に続いた。
案内されたのは、居心地の良さそうな客室だ。
「こちらのお部屋をお使い下さい」
「ありがとう」
高齢の執事は、身のこなし軽やかに音もなく出て行った。残されたリネットは、次にどうすべきかを考えてみた。
(あぁ、疲れ過ぎていて頭が回りません。結局、昨夜はウエディングドレスを着せられたり、馬車に揺られたりして、一晩中振り回されてしまいましたし)
フカフカのベッドは寝心地が良さそうだ。
(ん。疲れ過ぎて何も考えられない。寝ちゃいましょう)
リネットはベッドの上にゴロンと横になった。
(夜会の会場にいたのに、なぜ今はココにいるのかしら? まさか、アスランさまのお屋敷に来ることになるなんて。しかも、ウエディングドレスを着せられて……。昨夜は怒涛の展開でしたもの。疲れて当然よね)
リネットはそのまま寝てしまい、着替えを持って来たメイドたちは令嬢の寝息を聞きながら黙って待機していた。彼女が目覚めた時には、もう外は暗くなっていて。リネットのお腹はグーと鳴って空腹であることを訴えていた。
リネットが王弟殿下邸宅の入り口へと差し掛かった頃、奥からひとりの男性が現れた。
「あぁ……。馬車まで出迎えにも行けず、すまない。急なことで間に合わなかったのだ」
「お気になさらず。事情が事情なのですから……」
王弟アスランを見て、まずリネットが感じたのは。
(あっ、詰んだ……私、詰んだわ……)
と、いう軽い絶望だった。
屋敷の大きさに見合って、エントランスは広かった。重厚な色合いの扉が両サイドを彩る広い入り口をくぐれば、高い吹き抜けの天井にはステンドグラスにシャンデリアが輝いている。大理石の床は手入れが行き届いているし、玄関から続く階段には深い青色の絨毯が敷かれていた。そこに現れたアスランは、白いシャツに濃紺のウエストコートとトラウザーズを身につけただけのシンプルな装いであるにも関わらず輝いて見えた。
(見栄えが良い。良すぎます。これは私、詰みましたね)
呪われているとされて隠されていた王弟に、リネットは会ったことがない。王太子婚約者である自分にすら会わせられないとは、呪いによってどれだけ醜い姿になっているのだろうか、と、想像したことはある。しかし、美しすぎるとは想像すらしたことがなかった。
(これは……モテますわね……)
王弟であるアスランは四十四歳。なのに、現れたのは少年のように若々しい金髪碧眼の青年である。背はスラっと高く、手足は長い。鍛えているのか体には厚みがあり、それでいて整った顔には柔和な笑みが浮かんでいる。大きな目には、キラキラと輝く青い瞳。緩いウェーブを描く長い金髪も手入れが行き届いているのか艶があり、風になびけばサラサラと音がしそうだ。
家系なのかヒゲも薄く、肌そのものが少年のように若々しい。
(そういえばケンドリックさまもヒゲは薄かったですわ……。ですが、アスランさまは更に薄いですし、肌そのものが綺麗です。女性のように、いや、女性よりも美しい整った顔に鍛えた体。さらに肌もツルツルピカピカとなれば、女性から……いえ、男女を問わずにモテますわね……)
そんな男性の元に、いきなりウエディングドレスを着せられて送り込まれた令嬢。それが自分であると自覚するのがリネットは辛かった。
(どんな罰ゲームですの? 私、そこまで恨まれるような事を何かしましたか? ケンドリックさま……)
侍女すら連れずに現れた自分が相手からどう思われているのか、想像するだけで怖ろしい。
(惨めです……結婚相手として送り込まれましたけれど。こんな私が王弟殿下のような美しい方に、愛されるはずがありませんわ)
彼女が危惧したことは、まさにそれだった。愛されない貴族女性の惨めさを嫌というほど耳にしていたからだ。
(王妃ならば、王妃としての役割を果たせばよいだけのこと。愛など求める必要もありませんわ。でも、ひとりの貴族女性として結婚するのなら話は変わります。爵位が下、もしくは経済状態が下の男性をえらぶか。愛されるか、ですわ。貴族女性が幸せな人生を望むなら、選択肢はそのくらいです)
王弟であるアスランの方が公爵家よりも身分は当然、上である。経済状態も、屋敷をみれば分かる通り、悪くはないだろう。残るひとつ。それは愛されることだ。
(貴族の結婚など取引のひとつですけれど、美しい令嬢や従順な令嬢であれば愛される。愛されるために、令嬢たちが必死であることくらいは私だって知っています。そして愛されることが結婚生活をしていく上で有利に働くことも知っていますわ。あぁ、でも。私にその道は閉ざされてしまったわ。愛されない貴族女性は冷遇される。最悪、屋敷から叩き出されてしまいますのよ。レティシア・スカルノ男爵令嬢のような女性が現れたら、私、ここからも追い出されてしまうのよ。愛を得るのは、貴族女性にとって生活のため、お金の為ですわ。愛とお金をイコールで結ぶのはどうかと思いますが。世の中、そういうものですのよね。仕方ありません)
リネットは物心つく頃には王妃教育を受けていて、一般的な貴族女性の事情には疎かった。そのせいで少々、勘違いしている部分がある。さらに言うなら、リネットは思い込みが激しいタイプでもあった。
「ご挨拶が遅れましたが。私はセナケリア公爵の娘、リネットと申します。ケンドリックさまの命により、王弟殿下であるアスランさまの元へ参りました」
リネットはウエディングドレスの裾をつまんで美しいカーテシーを披露した。
「あ……あぁ、挨拶すらまだだったね。私は国王の弟、アスランだ。よろしくね」
優しい物腰で上品なお辞儀を返すアスランを見て、彼女のなかの危惧は勝手に確信へと変わっていく。
(やはり、私に興味はなさそうです。興味がないなら、愛されるはずもないわ。愛されないなら、自立の道を探らねばなりません。タダ飯喰らいは性に合いませんもの。私、何か商売を始めませんとね)
リネットはアスランから愛されることはないと決めつけて、自立の道を探ることに決めた。
(経済的に自立していれば、命まで取られるようなことにはならないでしょう)
勝手にドツボにはまって勝手に解決策を得たリネットがどう見えたのか、アスランは眉毛を下げるといかにも申し訳なさそうに謝ってきた。
「すまないね、甥っ子がわがままを言って」
「ケンドリックさまは、ケンドリックさまでしかないので仕方ありませんわ」
「ん……んん?……そうだね……」
二人の間に微妙な空気が流れたところで使用人が声をかけてきた。
「旦那さま、お部屋の用意が整いました」
「ん、ご苦労。リネットさま。我が家の執事だ」
スラッと背が高く隙のないお辞儀をして見せる執事は、ピッチリと整えた白髪にグレーの瞳をした高齢の男性だ。
「初めまして、お嬢さま。アルフレッドと申します。何かご用がございましたら、お申し付けください」
「わかりましたわ。何かあったらお願いするわね、アルフレッド」
「彼は長年、仕えてくれていてね。早く結婚しろ、とうるさかったから。今回のことをとても喜んでくれているひとりだ」
「まぁ!」
「すまないね、他の使用人たちも、ちょっと浮かれているから。もしも失礼があったらごめんなさい」
落ち着いて周りを観察してみれば、確かに使用人たちの視線が痛い。
(あぁ、皆さん……私のこと……どう思っているのかしら?)
供の者もつけず、ひとりエントランスで結婚衣装に身を包む自分の姿が他人にどう映るのか。リネットはウエディングドレスのスカート部分を思わず握りしめた。
「ウエディングドレスでは窮屈だろう。何か適当なものを選んで持って行かせよう」
「ありがとう……ございます」
リネットは案内されるまま、アルフレッドの後に続いた。
案内されたのは、居心地の良さそうな客室だ。
「こちらのお部屋をお使い下さい」
「ありがとう」
高齢の執事は、身のこなし軽やかに音もなく出て行った。残されたリネットは、次にどうすべきかを考えてみた。
(あぁ、疲れ過ぎていて頭が回りません。結局、昨夜はウエディングドレスを着せられたり、馬車に揺られたりして、一晩中振り回されてしまいましたし)
フカフカのベッドは寝心地が良さそうだ。
(ん。疲れ過ぎて何も考えられない。寝ちゃいましょう)
リネットはベッドの上にゴロンと横になった。
(夜会の会場にいたのに、なぜ今はココにいるのかしら? まさか、アスランさまのお屋敷に来ることになるなんて。しかも、ウエディングドレスを着せられて……。昨夜は怒涛の展開でしたもの。疲れて当然よね)
リネットはそのまま寝てしまい、着替えを持って来たメイドたちは令嬢の寝息を聞きながら黙って待機していた。彼女が目覚めた時には、もう外は暗くなっていて。リネットのお腹はグーと鳴って空腹であることを訴えていた。
5
あなたにおすすめの小説
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する
3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
婚約者である王太子からの突然の断罪!
それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。
しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。
味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。
「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」
エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。
そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。
「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」
義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる