いろいろあって、俺の進路希望調査票はまだ白紙のままである。

たま「ねぎ

文字の大きさ
上 下
6 / 16
本編第一章:高二になりました、進級して早々に波乱の展開が続いております。

♤第六話:陽キャたちと班を組まされることになった校外学習が波乱の展開過ぎる(一)♡

しおりを挟む



 「よし、じゃあ始めましょうか」

 昼休みだというのに、教壇に人が立っているのを見るのは、やはり不快なものである。学級委員の二人は、黒板にいくつか文章を記入すると、俺たちに校外学習の班を決めるように指示を出した。

 ・・・まったく、授業時間中に終わらなかったからといって、休み時間を使うというのはいかがなものか、と物申したい。
 
 大体、俺は結局、余った人と組むことになるんだし、ここで議論に参加する必要はないのだ。これさえなければいつものように、部室で優雅な時間を過ごせていたというのに・・・。

 そう、しぶしぶ心の中で考えながら、俺は男子たちが集まっている廊下側に移動した。誰のものかわからないが椅子を引っ張り出して座り、周りがワイワイと盛り上がっているのをぼーっと眺める。


 (山梨の湖畔でカレーライスづくり・・・か。そうなると料理が得意な奴とかと組めればラッキーだな。あとは、うるさくないやつだとありがたい)

 クラス替えがあって新顔も多いため、どのような組み合わせになるのかは全く想像がつかない。俺は自分が班に欲しいタイプを、頭の中で列挙し始めた。

 (あ、でもよく考えれば誰がどんなやつなのかすら、わからんな・・・)
 
 そんなことを考えていると、おそらく何度か声をかけられていたのだろう、少しいらだったような声で俺の名前が呼ばれた。
 決して無視をしていたわけではなく、先ほども言ったように、こういう話し合いに俺がかかわることなどほとんどないため、自分が呼ばれるなど思ってもいなかったのである。

 「―――あ、すまん。ぼーっとしてた。なにか用か?」

 (バスケ部の・・・・高松・・・だったっけ?それと、サッカー部の島田・・・いずれもクラスでも人気の高い人物だ)
 「はあ?・・・まあ、いいけどよ。俺らと班組まないかって言ったんだ」


 「・・・⁉」

 意外過ぎる高松の一言に、俺はまさに、鳩が豆鉄砲を食ったような感じだった。

 「一緒にいる男子の中でちょっと余っちゃってさ、良かったら一緒に組もうよ」
 俺が黙っていると、島田もフォローに入る。

 (余るって感じのやつらじゃないけどな・・・てか、もし仮に余ったとして、俺のとこまでくるとは思えんが)

 「別に断ってもいいんだけど、他の男子はもうほとんど決まっちゃってるっぽいから、たぶん俺たち三人が余ると思うんだ」

 半ば強制とも取れるような発言だ。そこまでして俺と組みたいのか?いったいなんのメリットがあるのか、気になるところではある。




 「・・・まあ、別にグループを組むくらい構わんが・・・どうせ最後に余ったやつと組もうと思ってたからな」
 「助かるよ」

 そう言うと、島田は女子側に「こっちも終わったよ」と声をかけた。
 すると男子が決まるのを待ってたらしい彼女らは、一斉にこちら側にあるグループの吟味を始めた。

 その中で、元気よくこちらに飛び込んでいたのは、咲菜。俺の名前を呼んで、班を組もうと提案してくる。



 「あ、そういうことか・・・」
 「え?なにが?」
 「いや、なんでもない。こっちの話だ」
 俺は黒板に記された咲菜グループのメンバーを確認した。

 甘沢咲菜、天海みや、皆川優希・・・いずれもクラス内で非常に評判のいい女子たちだ。
 そのなかでも、咲菜が俺とよくつるんでるのは周知の事実だし、天海も最近俺と同じ部活に入ったわけで、こいつらが俺のいる男子グループを選ぶ確率はまあまあ高かったはず。

 (つまり俺は餌にされたってことか・・・)

 この野郎、優しそうな面して・・・とんだ策士じゃねえか。

 
 なんにせよ、嫌な予感しかしなかったが、ここまで来たしまった以上、もはや俺にどう止めろというのか。


 結局、そのまま話が進み、校外学習の二年三組五班は、俺、高松、島田、咲菜、天海、皆川の六人に決まった。



 (はあ・・当日台風でも来ないかな・・・・)



 *・・・・・・*



 【一週間後:校外学習当日】

 「んんっ~」

 大空の下、俺は大きく伸びをした。きれいな空気、一面の自然と幸か不幸か、空は一面青く染まっている。
 ―――これで一人旅なら完璧なんだが・・・。

 「ミスター・ストレート?班長が呼んでるよ」

 (・・・)

 さっそくか・・・もう少しゆっくりさせてほしかった。

 「ああ、今行くよ・・・てかその名前やめてくれないか?」
 「嫌だった?私は結構気に入ってたんだけど」

 「インスタの件でミスター・スラントが使えなくなったからって、いくらなんでも適当すぎるだろ・・・」

 (なんか野球選手みたいになってるし・・・)


 天海は残念そうな表情を浮かべると、「じゃあなんて呼べばいい?」と俺に問う。
 「そこは、榮倉でも、右代でも好きにしてくれ」


 「―――じゃあ、右代にしようかな。右代も、私のことみやって呼んでくれていいよ」


 「・・・それはちょっと」


 俺は少し考えてから答える。クラスでも彼女を名前呼びしてるのは数人の女子だけで、そんな中、男子の、まして俺なんかが下の名前で呼んだらどうなるかわからない。

 「ああ、そう。じゃあこの話はなしで、ミスター・ストレート」
 「分かった、分かったから。」

 彼女を名前呼びするより、そのあだ名で呼ばれる方が変人感増す気がする。
 「じゃあさっきのところからやり直しだね?」

 彼女はそう言って、先ほど来た道を戻っていく。


 
 「おはよう右代。今日もいい天気だね」


 (―――いやそっからやり直すのかよ)
 俺はすぐに彼女のやらんとすることをくみ取った。先ほどの、天海とミスター・ストレートのやり取りをやり直そうというのだろう。

 「なにもそこからやらなくても・・・」

 「おはよう右代。今日もいい天気だね」
 みやは、まるでロボットのように表情も語気さえを変えず、本日三度目もセリフを繰り返した。

 なんとしてもやり通す気のようである。



 「うっす・・・み・・みや」

 「・・・・まあ、合格でいいか」
 少しためらいつつ、つまりながらになったが、なんとかみやを納得させることができたようで、彼女はいつも通りのクールさで俺に合格を出した。


 「ところで、右代は料理できるの?」
 「・・・・俺は料理に関しては全然だめ、かな・・」

 料理場へと移動する際、話題はこれから始まるカレー作りの話に移った。

 高校生でカレーかよ、と思うかもしれないが、まあその辺は屋外でできてかつ単純な料理と言えば、カレーが筆頭だろうというのが、学校側の主張なんだろうか?俺としては、山梨まで来たんだから、ほうとうとか作りたいと思ったが。

 「ふうん、そういえば、そういうのなにも考えずに班決めしちゃったよね」
 「まあ、カレーぐらいなんとかなる・・・よな・・?」
 一抹の不安がよぎり、俺たちの足取りは心なしか速くなり、ほどなくして調理場へと到着した。


 (にぎわってんな・・・)
 一学年六クラスが集まればこんな感じにもなるか・・・。下手すれば迷子にもなりかねない。自分の班のテーブルと、調理スペースの場所は最低限記憶しておくべきだろう。


 「もう~、どこ行ってたの?右代、心配したじゃん!」

 そのテーブルに着くや否や、俺は咲菜から軽いお叱りを受けた。
 島田は「まあまあ」とそれをなだめ、話を調理担当決めに持っていった。

 「ごめん、俺もクラス替えしてすぐだから、みんなのことよくわかってないんだけど、この中で料理が得意な人がいたら教えてほしいんだけど・・・」

 俺と天海はもちろん、イメージ通りと言ったら失礼かもしれないが、高松と皆川も料理が得意とは言えないらしく、島田の問いに答えることはなかった。

 その中で、唯一咲菜だけはシャキッと手を挙げた。

 「はーい!私、家でたまに料理しまーす!」

 「・・・よかった、一人でも多く料理経験者は欲しいからね」
 島田は心底安堵したようにそう言った。こいつが実は一番心配していたのかもしれないな。

 「じゃあ、調理担当なんだけど・・・・材料の下準備に、俺、優希、天海さん。実際に調理するのが、甘沢さんと剛太。榮倉君は、炊飯の担当をお願いできるかな?」

 (おいなんで俺だけ一人なんだよ・・・)

 「ん?どうした?」
 俺の恨めしそうな心の声が聞こえたのか、島田はまるで何度話しかけてもセリフが変わらないゲームキャラのようにそう答えた。

 「いや、別に」
 まあ、考えようによっては悪くない分け方だったかもしれない。皆川さんや高松と二人きりになる地獄はひとまず、避けることができたのだからな。

 俺は焦げ付いた飯盒を持ち出すと、五班に割り当てられた炊事場へと向かった。既にほとんどの班が炊飯を始めているようで、俺は多少急いで準備を進めた。


 (これでよし・・・)
 起こした火の上に、中身を入れて重くなった飯盒を吊るす。あとはぐつぐつとちょうどよく炊けるのを待つだけだ。

 ずっとしゃがんだままというのも体が痛くなるので、俺はちょうどよく後ろにあった岩にもたれかかった。周りは、話し声や笑い声で騒がしいが、よく耳を澄ませると、水の音や鳥のさえずりも聞こえてくる。

 (いいところだな・・・またいつか来よ)

 「・・・よそ見してると、焦げるぞ・・・・?」
 あまりに放心して見えていたのか、ちょうど俺の隣の場所で同じように飯盒を火にかけていた女性が俺にそう警告した。

 「あ・・ああ、どうも」
 「気にするな、教師として当然の務めだ」
 
 「「・・・・・・・」」

 (あーあ・・・ナチュラルに避けてたんだけどな~~~)
 しかしこうなればもう、なにも話さないというのは、それはそれで空気悪くなるよな~~~。

 「せ、先生はどうして?」
 「これは教員用だ・・・なにか面倒なことがあれば若手、とりわけ女に任せるというのは、日本社会の腐った一面だ。そう思わないか?榮倉・・・」
 岩切先生は、いつも以上に尖った口調でそう言い放った。

 「いや、たしかに・・・そ、それな~~~」
 (なにしてる俺・・・動揺してJK口調になってんじゃねえか⁉相手はもう二十七だぞ)

 「私は二十六だ榮倉・・・」
 「さ、さいですか・・・・」
 (なんでわかるのまじで怖いんだけどぉぉぉ)

 「榮倉、お前はあんな老害には成長するんじゃないぞ」
 「―――は、はあ・・・そのつもりです」
 (教師の闇・・・怖し‼)

 やっぱ人間関係とか、極力作らない方がいいんじゃねえの⁇怖いんだけど俺、こんな風に思われるの怖いんだけど⁉

 「「・・・・・・・」」

 ・・・まずーーーいっ‼いつのまにかこの辺に校外学習とは思えない空気が漂い始めている・・・・この空気はやばい・・・少なくともこの大自然には似合わなーい!



 (・・・それにしても)
 よほど完璧主義なのか、話している間も先生はずっと動かず、熱せられ続ける飯盒を見ている。ていうか、こんな日くらいスーツじゃなくてもいいのに・・・この人私服持ってないのか?相当熱いだろ・・・。

 「―――体制きつくないですか?」


 「それなりにきつい」
 「だったら・・・・」

 「・・・だが、料理とは忍耐とよく言うだろ?焦がして「あーあ女のくせに、料理もできないのか」なんて目で見られた日には、私はなにをするかわからない」

 (あ゛ーーー!先生、料理できない系女子か~~~~~)
 たしかにそれはむかつくわ・・・でもさすがにそこまでじっと見る必要ないと思うんだけどな。自炊とか絶対してないな、この人。
 


 「・・・し、しりとりでも?」
 「そうだな・・・久しぶりにやるか」
 
 「「・・・・・・」」
 (―――俺からかっ・・・)
 
 「そうですね・・・じゃあ、<やま>でどうでしょう?正直、こんなにきれいに見れるとは思いませんでした」
 「たしかにな、天候に恵まれた。<やま>・・・<まどぎわ>」
 
 「・・・・?<わいんぐらす>」
 「すー、すー・・・ああ、<すみっこ>・・・・・なんてのはどうだ?」
 
 (・・・・・)
 「でしたら俺は<こーひー>で、<ひ>でも、<こ>でもいいですよ?」
 「だったら、<ひ>で、<ひとり>だな・・ははは、楽しいな、これ」
 
 (この人、絶対俺で遊んでストレス解消してるだろ・・・)
 
 「―――あれ、続きはどうした?」
 「ああ、なんか、むなしくなるからやめましょう」
 
 
 「残念だ・・・」
 彼女はそう言って小さくうつむいた。
 
 (――え?無意識・・・?)

 だとしたら本当に気の毒になってきた。きっと両親からも早くいい人紹介しなさいとか、言われてるんだろうな・・・。
 ・・・そう考えると、ストレス社会を体現したような人だな、本当に。
 
 そんな感じで時間が経つと、岩切教諭は急に立ち上がってこちらに困った表情を向けた。どうやら、飯盒が「ぐつぐつ」と良い感じの音をたて始めたらしい。白い泡があふれ出し、もうそろそろ炊き上がることを暗示している。
 
 「お、おい・・・どうすればいいんだ?これ・・・」
 「・・・気になるなら、トングを使って中の状態を見てみたらいかがでしょう?」

 「え、と、トング、トング・・・」
 (―――まったく、あんたは教える側でしょうが・・・)
 
 「俺、やりますよ・・・」
 俺は先生からトングを受け取ると、器用に蓋をずらし、中の状態を確認した。

 「すまんな・・・やっぱり持つべきは、榮倉のようなできる生徒だ・・・担任として、誇りに思うよ、若人」

 (できる・・・ねえ)
 まあ、そう言われて嫌な気にはならないが、どこか薄っぺらい気がするのは俺だけじゃないはずだ。


 「・・・・・おそらく、いい感じに出来上がっているかと」

 「本当か?」
 「気になるなら、自分でも確認してみてくださいよ」

 「・・・あ、いや、大丈夫だ・・・私は見てもわからんしな」
 
 (あーあ、とうとう白状しちゃったよこの人)



 「―――それより、なにか焦げ臭いが・・・そっちは大丈夫か?」

 (・・・あ)

 振り返ると、俺たちの班の飯盒が灰色の煙を上げているところだった。蓋の横についている黒いものは、泡が焦げた後だろうか?なんにせよ、中身がどうなっているかは一目瞭然だった。






 「・・・・・・まったく、持つべきは優しくて美人の先生・・・ですねえ?」


 *

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。

久野真一
青春
 羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。  そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。  彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―  「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。  幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、  ある意味ラブレターのような代物で―  彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。  全三話構成です。

如月さんは なびかない。~クラスで一番の美少女に、何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。

ながしょー
青春
 ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。  このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

処理中です...