蝦夷地推理日誌【怪しい江戸者】

弘化二年 (1845年)、旧暦4月初旬。北西から吹き付ける冷たい風に真っ向抗うように、菅笠を盾にしながら海沿いを北に向かって黙々と進む一人の男がいた。場所は幕末の蝦夷地。松前から江差に辿り着き、さらに北に向かおうとした男が巻き込まれた事件とは――。
(なお、本作は史実を元にしたフィクションです。短編完結としますが、機会あれば続きを書きたいと思っております)
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