19 / 27
15 三枚のお札(後編)
しおりを挟む
それから一週間、僕は作り置きのカレーやカップ麺、魚の缶詰などを食べてひっそりと過ごした。日がな一日、テレビをぼんやりと見て過ごす毎日。もちろん、宿題など手にはつかない。困ったことに、その間に何も事態は変わらなかった。
音のない朝に味のしないパンを食べ終わったとき、再び玄関の呼び鈴が鳴った。
――母さん!?
喜び勇んで玄関へと走る。
けれど、僕の期待はすぐに外れてしまった。玄関扉の向こうから聞こえた声が、母さんのものじゃなかったからだ。
「おはよう、エス君。皆川です」
「なんだ、おばさんか……」
明らかにがっかりした声を出してしまったことに後ろめたい気持ちを抱きながら、玄関の鍵を開ける。すぐさま、おばさんが中に飛び込んできた。
「その様子だと、お母さん、まだ帰ってきてないね……」
「うん」
「食べ物は大丈夫?」
「それがもう、あんまり……」
そう答えた途端。
大きく目を見開いたおばさんが、ころころと丸い掌を僕の前に差し出した。
「わかった。おばさんにこの前のお金を預けなさい。食べ物、買ってきてあげる」
「買い物だったら僕でもできるから……」
「いいから、よこしなさい!」
むきになったおばさんがずかずかと家の中へと進み、テーブルの上の一万円札を一枚、鷲掴みにする。
「じゃあ、後でまた来るからね」
「う、うん……ありがとう」
それから一時間後。おばさんが戻って来た。
この前と比べると、ずいぶんと荷物が少ない気がする。買い物袋の中にあったのは、コンビニ弁当ひとつと、いくつかのインスタント食品、そして少々のパンとお菓子だった。
「……これで、全部?」
「そうだよ。とりあえず、これだけ。人に世話してもらって文句を言うもんじゃないよ……。とにかく、また来るから」
僕にそれ以上言わせず、おばさんは家から出て行った。
テーブルに残った一万円札を掴んだ僕は、ズボンのポケットへとそれを突っ込んだ。母さんから貰ったお金だし、大事にしなきゃならない。そして母さんが帰って来るまで、できるだけ自分一人の力で生きていこう――。
おばさんが買ってきたコンビニ弁当は、きゅんと胃が縮むほどに冷たかった。
それから、また一週間が経った。
また来ると言っていたおばさんも、母さんも家に来ることはなかった。
なくなりかけた食べ物を前に、残りのお金で買い物をしようと決意したときだった。一週間ぶりに、玄関のベルが鳴ったんだ。
「エス君、開けて! そろそろ食べ物なくなったんじゃない?」
この前にも増して、切羽詰まったようなおばさんの口調。
背筋に寒さを感じた僕は、そのまま居ない振りしてやり過ごそうかとも思った。けれど、人の家をずっと覗いているおばさんの事だ。きっと僕が中にいることは十分にわかっていることだろう。
玄関扉を叩くその勢いが、時間とともに増していく。
今にもガラスが割れそうだ。
仕方なく、鍵を開けることにした。
「おはよう、エス君。もう、食べ物ないでしょ? おばさんが、買ってきてあげる」
「いえ、結構です。後は自分で何とかしますので――」
刹那、おばさんの髪がまるで山姥のようにぶわりと逆立ち、ビー玉のように丸くなった目がぐいぐいと強烈な圧力で僕の体を床に押し付けた。
「折角、面倒見てあげるって言ってるんだから、アンタは大人しく従えばいいの!」
ずかずかと家に入り込んだおばさんが、お金の置いてあったリビングテーブルのところへと進んでいく。
「……残りの一万円はどうしたの?」
「え、あ、それは……」
「分かった……。アンタが持ってるんでしょ!?」
すごい勢いで近寄って来たおばさんが、僕の体をまさぐった。
ズボンのポケットにあったお金を探し当てるのに、そんなに時間はかからなかった。
「ほらあった! やっぱりアンタが持ってたのね……。とにかくこれで何か買って来るから、ちょっと待ってなさい」
一万円を握りしめたおばさんが、髪を振り乱しつつ外へ出て行った。
その三十分後――。
一万円の代わりにおばさんが持ち帰ったのは、コンビニのおにぎり二つと、ペットボトルに入ったジュースが三本だけだった。
「たった一万円だし、買えるのもこんなものよね……。あとは自分で何とかしなさいな。じゃあね!」
玄関に荷物の入った袋を投げ捨てるように置いたおばさんは、そう言って何処かへ行ってしまった。
あっけにとられつつ、僕は思った。
――世の中、捨てたもんじゃないと思ったのは間違いだった。その考えを捨てなくちゃ。
涙味のしょっぱいおにぎりを立ったまま玄関先で頬張っていた、そのときだ。
キイィという軋み音とともに、玄関の扉が開いたのだ。
そこにはなんと、髪の毛ぼさぼさ、服はボロボロ、顔は真っ黒の母さんがいた。その後ろには、薄汚れた格好でニヤニヤと笑う高木もいる。
「か、母さん……!」
待ち望んでいた場面のはずなのに、僕の口から出た言葉はそれだけ。
だってそうでしょう? 自分を捨てて何処かに行ってしまった親を、誰がいきなり信じられるというの!?
そんな僕の思いとは裏腹に、母さんが、あの懐かしい優しい笑顔を見せた。
「よく頑張ったね、エス。でも、もう大丈夫だから」
「大丈夫って、何がだよ!」
不意に、体の中から湧いて来た怒り。
母さんに抱き着いた僕は、両手でかわるがわる、その肩を叩いた。母さんは、痛がることもなく「ごめんごめん」と謝りながら僕を抱きしめ続ける。
「大丈夫ってのはね、もうお金に困らなくなったってこと」
「お金?」
まるで結び目を解くように、僕を体から離した母さんが言う。
「噂どおり、お隣の奥さんはお金にガメツかったわ。アタシが家を出るところを見せ、お金をエスに残せば、何やかんやと言ってそれをちょろまかしに来ると思ったのよ。で、あの人が小金に目が眩んでいる隙を狙って――」
「そんな話、聞きたくない。淋しくて死ぬかと思ったんだからな!」
「ごめんごめん。でもね、アタシたちの格好を見て。――今までトンネルを掘ってたんだよ」
「ト、トンネルを……堀ってた?」
何が何だかわからない僕に、母さんが自慢げな顔をする。
母さんの後ろで、高木が右手で勝利のサムアップをした。
「知ってた? あの奥さん、税金払うのが嫌で庭にたくさんのお金を埋めてるって噂があるのを」
「知らない。でも、それってもしかして……」
「そう。そのとおりよ。アタシたち、それを見つけるために穴を掘ってたの」
「……」
「そして昨日の晩、ついにお隣の広い庭でお金の詰まったアタッシュケースを掘り当てたの。あの奥さん、噂どおりがっつりとお金を貯め込んでたわ……。でもお陰で、しばらくお金に困ることはないと思う。すぐにどこか遠いところへ引っ越しよ!」
――この世の中、まだまだ捨てたもんじゃないな。やっぱり。
もう一度母さんを抱きしめた僕は、自分の部屋の荷物をまとめると、すぐに黒い車の後部座席に乗り込んだのだった。
音のない朝に味のしないパンを食べ終わったとき、再び玄関の呼び鈴が鳴った。
――母さん!?
喜び勇んで玄関へと走る。
けれど、僕の期待はすぐに外れてしまった。玄関扉の向こうから聞こえた声が、母さんのものじゃなかったからだ。
「おはよう、エス君。皆川です」
「なんだ、おばさんか……」
明らかにがっかりした声を出してしまったことに後ろめたい気持ちを抱きながら、玄関の鍵を開ける。すぐさま、おばさんが中に飛び込んできた。
「その様子だと、お母さん、まだ帰ってきてないね……」
「うん」
「食べ物は大丈夫?」
「それがもう、あんまり……」
そう答えた途端。
大きく目を見開いたおばさんが、ころころと丸い掌を僕の前に差し出した。
「わかった。おばさんにこの前のお金を預けなさい。食べ物、買ってきてあげる」
「買い物だったら僕でもできるから……」
「いいから、よこしなさい!」
むきになったおばさんがずかずかと家の中へと進み、テーブルの上の一万円札を一枚、鷲掴みにする。
「じゃあ、後でまた来るからね」
「う、うん……ありがとう」
それから一時間後。おばさんが戻って来た。
この前と比べると、ずいぶんと荷物が少ない気がする。買い物袋の中にあったのは、コンビニ弁当ひとつと、いくつかのインスタント食品、そして少々のパンとお菓子だった。
「……これで、全部?」
「そうだよ。とりあえず、これだけ。人に世話してもらって文句を言うもんじゃないよ……。とにかく、また来るから」
僕にそれ以上言わせず、おばさんは家から出て行った。
テーブルに残った一万円札を掴んだ僕は、ズボンのポケットへとそれを突っ込んだ。母さんから貰ったお金だし、大事にしなきゃならない。そして母さんが帰って来るまで、できるだけ自分一人の力で生きていこう――。
おばさんが買ってきたコンビニ弁当は、きゅんと胃が縮むほどに冷たかった。
それから、また一週間が経った。
また来ると言っていたおばさんも、母さんも家に来ることはなかった。
なくなりかけた食べ物を前に、残りのお金で買い物をしようと決意したときだった。一週間ぶりに、玄関のベルが鳴ったんだ。
「エス君、開けて! そろそろ食べ物なくなったんじゃない?」
この前にも増して、切羽詰まったようなおばさんの口調。
背筋に寒さを感じた僕は、そのまま居ない振りしてやり過ごそうかとも思った。けれど、人の家をずっと覗いているおばさんの事だ。きっと僕が中にいることは十分にわかっていることだろう。
玄関扉を叩くその勢いが、時間とともに増していく。
今にもガラスが割れそうだ。
仕方なく、鍵を開けることにした。
「おはよう、エス君。もう、食べ物ないでしょ? おばさんが、買ってきてあげる」
「いえ、結構です。後は自分で何とかしますので――」
刹那、おばさんの髪がまるで山姥のようにぶわりと逆立ち、ビー玉のように丸くなった目がぐいぐいと強烈な圧力で僕の体を床に押し付けた。
「折角、面倒見てあげるって言ってるんだから、アンタは大人しく従えばいいの!」
ずかずかと家に入り込んだおばさんが、お金の置いてあったリビングテーブルのところへと進んでいく。
「……残りの一万円はどうしたの?」
「え、あ、それは……」
「分かった……。アンタが持ってるんでしょ!?」
すごい勢いで近寄って来たおばさんが、僕の体をまさぐった。
ズボンのポケットにあったお金を探し当てるのに、そんなに時間はかからなかった。
「ほらあった! やっぱりアンタが持ってたのね……。とにかくこれで何か買って来るから、ちょっと待ってなさい」
一万円を握りしめたおばさんが、髪を振り乱しつつ外へ出て行った。
その三十分後――。
一万円の代わりにおばさんが持ち帰ったのは、コンビニのおにぎり二つと、ペットボトルに入ったジュースが三本だけだった。
「たった一万円だし、買えるのもこんなものよね……。あとは自分で何とかしなさいな。じゃあね!」
玄関に荷物の入った袋を投げ捨てるように置いたおばさんは、そう言って何処かへ行ってしまった。
あっけにとられつつ、僕は思った。
――世の中、捨てたもんじゃないと思ったのは間違いだった。その考えを捨てなくちゃ。
涙味のしょっぱいおにぎりを立ったまま玄関先で頬張っていた、そのときだ。
キイィという軋み音とともに、玄関の扉が開いたのだ。
そこにはなんと、髪の毛ぼさぼさ、服はボロボロ、顔は真っ黒の母さんがいた。その後ろには、薄汚れた格好でニヤニヤと笑う高木もいる。
「か、母さん……!」
待ち望んでいた場面のはずなのに、僕の口から出た言葉はそれだけ。
だってそうでしょう? 自分を捨てて何処かに行ってしまった親を、誰がいきなり信じられるというの!?
そんな僕の思いとは裏腹に、母さんが、あの懐かしい優しい笑顔を見せた。
「よく頑張ったね、エス。でも、もう大丈夫だから」
「大丈夫って、何がだよ!」
不意に、体の中から湧いて来た怒り。
母さんに抱き着いた僕は、両手でかわるがわる、その肩を叩いた。母さんは、痛がることもなく「ごめんごめん」と謝りながら僕を抱きしめ続ける。
「大丈夫ってのはね、もうお金に困らなくなったってこと」
「お金?」
まるで結び目を解くように、僕を体から離した母さんが言う。
「噂どおり、お隣の奥さんはお金にガメツかったわ。アタシが家を出るところを見せ、お金をエスに残せば、何やかんやと言ってそれをちょろまかしに来ると思ったのよ。で、あの人が小金に目が眩んでいる隙を狙って――」
「そんな話、聞きたくない。淋しくて死ぬかと思ったんだからな!」
「ごめんごめん。でもね、アタシたちの格好を見て。――今までトンネルを掘ってたんだよ」
「ト、トンネルを……堀ってた?」
何が何だかわからない僕に、母さんが自慢げな顔をする。
母さんの後ろで、高木が右手で勝利のサムアップをした。
「知ってた? あの奥さん、税金払うのが嫌で庭にたくさんのお金を埋めてるって噂があるのを」
「知らない。でも、それってもしかして……」
「そう。そのとおりよ。アタシたち、それを見つけるために穴を掘ってたの」
「……」
「そして昨日の晩、ついにお隣の広い庭でお金の詰まったアタッシュケースを掘り当てたの。あの奥さん、噂どおりがっつりとお金を貯め込んでたわ……。でもお陰で、しばらくお金に困ることはないと思う。すぐにどこか遠いところへ引っ越しよ!」
――この世の中、まだまだ捨てたもんじゃないな。やっぱり。
もう一度母さんを抱きしめた僕は、自分の部屋の荷物をまとめると、すぐに黒い車の後部座席に乗り込んだのだった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
月夜のさや
蓮恭
ミステリー
いじめられっ子で喘息持ちの妹の療養の為、父の実家がある田舎へと引っ越した主人公「天野桐人(あまのきりと)」。
夏休み前に引っ越してきた桐人は、ある夜父親と喧嘩をして家出をする。向かう先は近くにある祖母の家。
近道をしようと林の中を通った際に転んでしまった桐人を助けてくれたのは、髪の長い綺麗な顔をした女の子だった。
夏休み中、何度もその女の子に会う為に夜になると林を見張る桐人は、一度だけ女の子と話す機会が持てたのだった。話してみればお互いが孤独な子どもなのだと分かり、親近感を持った桐人は女の子に名前を尋ねた。
彼女の名前は「さや」。
夏休み明けに早速転校生として村の学校で紹介された桐人。さやをクラスで見つけて話しかけるが、桐人に対してまるで初対面のように接する。
さやには『さや』と『紗陽』二つの人格があるのだと気づく桐人。日によって性格も、桐人に対する態度も全く変わるのだった。
その後に起こる事件と、村のおかしな神事……。
さやと紗陽、二人の秘密とは……?
※ こちらは【イヤミス】ジャンルの要素があります。どんでん返し好きな方へ。
「小説家になろう」にも掲載中。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる