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第1話 王子様と踊りたい
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「リアム、変じゃないかしら?」
スチュアート伯爵令嬢ルシア・スチュワートは、今日何度目かになる質問を口にした。
問われたのはリアム・ロード。ルシア専属の執事である。
「とてもかわいいですよ、お嬢様」
「そうかしら…?」
「ええ」
一級品のシルクのドレスを身にまとったルシアは、ハーフアップにして肩に自然にたらした髪を指でいじりながら、自信なさげに眉を下げている。
「でも、王子様はきれいな女性がお好きなのではないかしら?」
今日は第二王子ナリスの生誕を祝うパーティーが王宮で行われる。
すべての貴族が招待され、ナリス王子と同じ年ごろの子供たちも参加をすることになっている。
公言はされていないが、将来の側近候補と婚約者候補を探すという裏の目的があるためだ。
生誕パーティーの招待状がルシア宛てにも届いたとき、ルシアはまるで物語が始まるような胸のときめきを感じた。
(王子様にダンスに誘われたりして…!)
ルシアは想像する。
ナリス王子が自分の前にひざまずいて誘いの言葉を口にする。
「美しい人、私と踊ってくれないか」
白いドレスに身を包み、恥じらう自分。
「ええ、よろこんで」
大きなチェスナットブラウンの瞳を輝かせて王子とのダンスを夢見るルシアの姿を、リアムは微笑ましく見守っていた。
今年16歳になったばかりのルシアは、このパーティーが初めての公式行事である。
そのため、身に着けているのはデビュタントの白いドレスだ。
靴もドレスもアクセサリーも、王子様と踊りたい、というルシアの夢を叶えるためにリアムが手配した物で、どれも一流の職人が手掛けた。
美しく踊るためのぴったりとフィットした、それでいて華奢に見える細いヒールの靴。
質にも色味にもこだわった特別な白のシルクのドレス。
スカートは踊ってターンをした時に最も美しく広がるように計算されている。
オフショルダーの襟ぐりに、領地で産出された質の良いパールを存分に使った繊細なビブスネックレス。
耳には金の繊細な細工にぶら下がったパールのイヤリングが揺れる。
髪にはドレスと共布にパールを縫い込んで作れた花飾りを清楚にあしらっている。
まるで泉から姿を現した女神のように、瑞々しく麗しい姿となった。
リアムはにっこり笑うと音もなくルシアの目の前に近づき、ルシアの癖のないサラサラの髪をひと房、手に取った。
「お嬢様が一番かわいくて綺麗に決まっています」
そして手に持った髪に口づけを落とす。
ルシアは照れて赤くなった頬を両手で押さえ、ぷくっとむくれる。
「もう!リアム、まじめに答えてよ!」
「まじめにお答えしましたよ。さ、馬車の用意ができています。参りましょう」
リアムの腕に掴まりながらエントランスに出ると、すでに支度をすませたルシアの父と母が待っていた。
「おお!ルシア。なんてかわいいんだ。よく見せておくれ」
「ルシア、素敵よ。きっと今日は注目の的よ。ナリス王子の目にも留まってしまうわ」
「それは困るな。隠しておかなくては」
「でもあなた、挨拶にはいかなくてはいけないもの。隠せないわ」
夫婦の会話にルシアは小さくため息をついた。
「お父様、お母様。親のひいき目ですわ。ナリス王子の目になんて、きっと留まりません」
「何を言っているんだ、ルシア。目に留めないとしたら、そいつの目はとんだ節穴だ!」
「そうよ!」
「もう…どちらがいいのよ」
かわいい娘を自慢に思う親心。
それでいて王家に目を付けられていらぬ苦労を掛けたくないと思うのもまた本音である。
伯爵が王子をそいつ呼ばわりしたことなど華麗にスルーし、リアムは薄くほほ笑んだまま、家族の会話に終止符を打つ。
「だれしも目を奪われることでしょうね。さ、出発のお時間でございます」
伯爵夫妻は馬車に乗り込んだ。
「お嬢様は私とこちらの馬車ですよ」
「ええ」
今日のルシアのエスコートはリアムが務める。
デビュタントのエスコートはすでに婚約者がいれば婚約者が、いなければ親族が務める。
近親者に程よい男性がいないときは、リアムのように従者が務めることもある。
令嬢たちの間でひそかに憧れなのは、己に忠誠を誓った騎士にエスコートされることである。
騎士に守られる令嬢、身分違いの恋、永遠の忠誠。
こういった、うるわしのワードが巷では大人気なのだった。
そういう意味では、リアムにエスコートされるルシアはこの流行に乗っている。
騎士ではなく執事だが、ルシアにだけ忠誠を誓っている。
しかもリアムは際立って美しい顔立ちをしている。
まるでビスクドールのように白く、なめらかな肌に、吸い込まれそうな紫紺の瞳、ヘーゼルナッツ色の髪は柔らかくウェーブがかかっている。
礼儀正しいリアムが時々ルシアにだけ見せる俺様な素顔。
令嬢たちの垂涎のシチュエーションである。
しかし悲しいかな、身近過ぎてルシアはおいしい立ち位置に気が付かず、王子とのダンスを夢見ている。
かと言って、ルシアは王子に恋しているわけではない。
幼い頃に参加した王子のお茶会では、一言も話すことなく、遠目に王子を拝見しただけだったし、王家に嫁ぐほど家柄がいいわけでもない。
ただ、多くの同世代の令嬢たちがナリス王子を恋慕っているから、なんとなくそんな王子様と踊れたら素敵だなと思っているだけだ。
王宮に着くと、たくさんの馬車が列をなし、1台ずつ案内されるのを待っている。
身分の低い下級貴族はすでに入場を終え、いま列になっているは同格の伯爵家のみである。
1台、また1台と進むにつれ、ルシアの緊張感も高まっていた。
手が小さく震えていることに気が付いたリアムが、そっと手を包み込んでくれる。
その手が温かくて、ルシアはホッと肩の力が抜けるのを感じた。
リアムはにこっと笑顔を見せ、握った手をそっと放すと、掌を上に向けてふっと息を吹きかける。
すると、吐息がきらきらと光を持って舞い上がり、光の粒子が空中で蝶をかたどって羽ばたく。
少し経つとすっと光は消えていく。
ルシアは嬉しそうに蝶を眺めたあと、ふーっと息を吐いて笑顔を見せた。
「ありがとう、リアム。緊張が解けたわ」
「どういたしまして」
ルシアはリアムが魔術で作り出す蝶が大好きだった。
子どもの頃から、ルシアが泣いたり落ち込んだりしたときに、いつもリアムが作って見せてくれた。
ルシアに笑顔が戻るとリアムも嬉しそうに笑う。
光の蝶を作り出すのに、繊細な魔力操作が必要なことを、ルシアは知らない。
落ち着きを取り戻したルシアが、リアムのエスコートで会場に入ると、色とりどりに着飾った貴婦人たちと、煌びやかなシャンデリアの輝きが目に飛び込んできた。
スチュアート伯爵令嬢ルシア・スチュワートは、今日何度目かになる質問を口にした。
問われたのはリアム・ロード。ルシア専属の執事である。
「とてもかわいいですよ、お嬢様」
「そうかしら…?」
「ええ」
一級品のシルクのドレスを身にまとったルシアは、ハーフアップにして肩に自然にたらした髪を指でいじりながら、自信なさげに眉を下げている。
「でも、王子様はきれいな女性がお好きなのではないかしら?」
今日は第二王子ナリスの生誕を祝うパーティーが王宮で行われる。
すべての貴族が招待され、ナリス王子と同じ年ごろの子供たちも参加をすることになっている。
公言はされていないが、将来の側近候補と婚約者候補を探すという裏の目的があるためだ。
生誕パーティーの招待状がルシア宛てにも届いたとき、ルシアはまるで物語が始まるような胸のときめきを感じた。
(王子様にダンスに誘われたりして…!)
ルシアは想像する。
ナリス王子が自分の前にひざまずいて誘いの言葉を口にする。
「美しい人、私と踊ってくれないか」
白いドレスに身を包み、恥じらう自分。
「ええ、よろこんで」
大きなチェスナットブラウンの瞳を輝かせて王子とのダンスを夢見るルシアの姿を、リアムは微笑ましく見守っていた。
今年16歳になったばかりのルシアは、このパーティーが初めての公式行事である。
そのため、身に着けているのはデビュタントの白いドレスだ。
靴もドレスもアクセサリーも、王子様と踊りたい、というルシアの夢を叶えるためにリアムが手配した物で、どれも一流の職人が手掛けた。
美しく踊るためのぴったりとフィットした、それでいて華奢に見える細いヒールの靴。
質にも色味にもこだわった特別な白のシルクのドレス。
スカートは踊ってターンをした時に最も美しく広がるように計算されている。
オフショルダーの襟ぐりに、領地で産出された質の良いパールを存分に使った繊細なビブスネックレス。
耳には金の繊細な細工にぶら下がったパールのイヤリングが揺れる。
髪にはドレスと共布にパールを縫い込んで作れた花飾りを清楚にあしらっている。
まるで泉から姿を現した女神のように、瑞々しく麗しい姿となった。
リアムはにっこり笑うと音もなくルシアの目の前に近づき、ルシアの癖のないサラサラの髪をひと房、手に取った。
「お嬢様が一番かわいくて綺麗に決まっています」
そして手に持った髪に口づけを落とす。
ルシアは照れて赤くなった頬を両手で押さえ、ぷくっとむくれる。
「もう!リアム、まじめに答えてよ!」
「まじめにお答えしましたよ。さ、馬車の用意ができています。参りましょう」
リアムの腕に掴まりながらエントランスに出ると、すでに支度をすませたルシアの父と母が待っていた。
「おお!ルシア。なんてかわいいんだ。よく見せておくれ」
「ルシア、素敵よ。きっと今日は注目の的よ。ナリス王子の目にも留まってしまうわ」
「それは困るな。隠しておかなくては」
「でもあなた、挨拶にはいかなくてはいけないもの。隠せないわ」
夫婦の会話にルシアは小さくため息をついた。
「お父様、お母様。親のひいき目ですわ。ナリス王子の目になんて、きっと留まりません」
「何を言っているんだ、ルシア。目に留めないとしたら、そいつの目はとんだ節穴だ!」
「そうよ!」
「もう…どちらがいいのよ」
かわいい娘を自慢に思う親心。
それでいて王家に目を付けられていらぬ苦労を掛けたくないと思うのもまた本音である。
伯爵が王子をそいつ呼ばわりしたことなど華麗にスルーし、リアムは薄くほほ笑んだまま、家族の会話に終止符を打つ。
「だれしも目を奪われることでしょうね。さ、出発のお時間でございます」
伯爵夫妻は馬車に乗り込んだ。
「お嬢様は私とこちらの馬車ですよ」
「ええ」
今日のルシアのエスコートはリアムが務める。
デビュタントのエスコートはすでに婚約者がいれば婚約者が、いなければ親族が務める。
近親者に程よい男性がいないときは、リアムのように従者が務めることもある。
令嬢たちの間でひそかに憧れなのは、己に忠誠を誓った騎士にエスコートされることである。
騎士に守られる令嬢、身分違いの恋、永遠の忠誠。
こういった、うるわしのワードが巷では大人気なのだった。
そういう意味では、リアムにエスコートされるルシアはこの流行に乗っている。
騎士ではなく執事だが、ルシアにだけ忠誠を誓っている。
しかもリアムは際立って美しい顔立ちをしている。
まるでビスクドールのように白く、なめらかな肌に、吸い込まれそうな紫紺の瞳、ヘーゼルナッツ色の髪は柔らかくウェーブがかかっている。
礼儀正しいリアムが時々ルシアにだけ見せる俺様な素顔。
令嬢たちの垂涎のシチュエーションである。
しかし悲しいかな、身近過ぎてルシアはおいしい立ち位置に気が付かず、王子とのダンスを夢見ている。
かと言って、ルシアは王子に恋しているわけではない。
幼い頃に参加した王子のお茶会では、一言も話すことなく、遠目に王子を拝見しただけだったし、王家に嫁ぐほど家柄がいいわけでもない。
ただ、多くの同世代の令嬢たちがナリス王子を恋慕っているから、なんとなくそんな王子様と踊れたら素敵だなと思っているだけだ。
王宮に着くと、たくさんの馬車が列をなし、1台ずつ案内されるのを待っている。
身分の低い下級貴族はすでに入場を終え、いま列になっているは同格の伯爵家のみである。
1台、また1台と進むにつれ、ルシアの緊張感も高まっていた。
手が小さく震えていることに気が付いたリアムが、そっと手を包み込んでくれる。
その手が温かくて、ルシアはホッと肩の力が抜けるのを感じた。
リアムはにこっと笑顔を見せ、握った手をそっと放すと、掌を上に向けてふっと息を吹きかける。
すると、吐息がきらきらと光を持って舞い上がり、光の粒子が空中で蝶をかたどって羽ばたく。
少し経つとすっと光は消えていく。
ルシアは嬉しそうに蝶を眺めたあと、ふーっと息を吐いて笑顔を見せた。
「ありがとう、リアム。緊張が解けたわ」
「どういたしまして」
ルシアはリアムが魔術で作り出す蝶が大好きだった。
子どもの頃から、ルシアが泣いたり落ち込んだりしたときに、いつもリアムが作って見せてくれた。
ルシアに笑顔が戻るとリアムも嬉しそうに笑う。
光の蝶を作り出すのに、繊細な魔力操作が必要なことを、ルシアは知らない。
落ち着きを取り戻したルシアが、リアムのエスコートで会場に入ると、色とりどりに着飾った貴婦人たちと、煌びやかなシャンデリアの輝きが目に飛び込んできた。
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