イヤちゃうよ?困ってるだけ…。

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言葉にしてから、どうしたらええかわからんくなって…
2人にギューってしがみついてた。

そんなあたしのことを2人は抱きしめて
けいちゃんは背中をポンポンとして
るぅちゃんは頭をなでなでしてくれた。

「花?こっち向いて?」

「顔みせて?」

どこ見たらええかわからんから
胸の前でギュッて握ってた両手を見てた。
お祈りしてるみたいやな…あたし。
そうか…願ってるんや。
あたし…凄く凄く望んでるんやな。
もしかしたら…
この気持ちが?
今あたしの心が、2人を必要としてる。
あたしも2人に必要とされたい。
一方通行じゃなくて、
2人の気持ちと同じように
あたしも2人を必要で大事なんやって
伝わって欲しいって願ってる。
息子らには、絶対的に迷惑なくらい言葉と態度で伝えてきた。

あたしの気持ちが伝わって欲しいって思ったの初めてかも知らん。
心が喧しいくらい、いろんな感情が忙しくしてる。
どうしたらええんやろ…
苦しいなぁ

「はーな?またちゃうとこ行ってるやん?僕ここやで?見て?」

「花?俺ここに居るやろ?」

2人の声が聞こえた。
2人の顔が見えた…

「うん。2人とも居るよ?見えてる…けど…」

2人の顔見たら…急にめちゃくちゃ恥ずかしなった。

顔両腕で隠して

「無理無理無理ー見たらあかん。イケメン2人が眩しい。あたしには、眩しすぎる。あかんー恥ずかしいからぁー」

クスクス笑って
「なんやな」
ってけいちゃんが両腕を優しく外した。

「ほんまやで?」
るぅちゃんもクスクス笑ってあたしの頬を優しく撫でて

「はな?俺、けいとの幸せな時間を過ごせるだけでこれ以上望んだらあかんって決めつけてた。欲張りしたら今ある幸せが崩れるかもって思ってたんやけど…気づいてん。欲張りしても崩れへんくらい、守り続けたらええんやって。それくらい、強い気持ちがあればええんやって。俺は、けいとの幸せだけじゃなくて花と息子らと生きる幸せも守ってくから。けいと花と息子らと5人で生きてこう。」

「花…僕は今まで、自分で自分を閉じ込めてたって思ってん。沼は僕が作ってて自分でハマってた。僕のことは、るぅだけが理解してくれたらええって思ってたけど…
花が認めてくれて、息子らもいる。もう、沼に落ちることは無い5人で生きてくから…コレって今の僕最強やん?」

ポロポロなんか可愛いもんちゃうくらい涙がボロボロ零れた。
言葉もでーへん。
しばらく、泣いて泣いて、
鼻水と涙でぐちゃぐちゃのあたしが
落ちつくまでずっとそばに居てくれた。

「もう、大丈夫。ありがとう。
あたしな…るぅちゃんとけいちゃんがもし、もうあたしと一緒に居たくないって言うたら前みたいに…“そうなんや…ほなしゃーないな”って引くことは出来ひんくなってしもた。あたしとちゃう人に、笑ってたり抱きしめたり…って考えるだけでも心が痛い…初めての気持ち。あたし意外と執着と独占欲が強いんかも知らん。もう、2人とも離してあげられへんで?」

にひひって笑った。

2人は、そんなあたしを愛おしそうに
ギューって抱きしめて
キスをした。

あたしらは、
5人で家族なかまになる。

多数の人達が属する方を“普通”って言う世界。
枠の中に入ってないと違うって認識されて窮屈な世界。

“普通”じゃないとあかん。
“違う”ことはあかん。
“同じ”みんなと足並み揃えて。

みんながみんな
同じちゃうやん。
だけど、その枠から外れたら怖い、
違うってバレたら怖い。
だから、心が苦しくなる。

普通ちゃうから認めません。
違うから認められません。
同じちゃうくせに認めてもらおうなんてあつかましい。

おかしいよな?

見た目や噂だけで
話もせんのに認めへんのは、
おかしいやろ?
相手のことを理解できひんくても
知ることはできるやん。
知ってみて、初めてわかることもあるやん。

あたし達は、みんなと違うんやろうけど

違うからこそ、感じることができる幸せがある。
これからも、

ずっと幸せに笑ってく。





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