イヤちゃうよ?困ってるだけ…。

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「2人とも、この部屋で寝て?おやすみ」

『『おやすみー。』』

片付け終わって、るぅと寝室に行くと
ベッドでスヤスヤと幸せそうに丸くなって寝ている花に抱き着いた。

「なぁ…るぅ。僕な、今日どうなるか不安やった。20も歳の離れた子と話す機会はないやんか?花の息子やし…。受け入れてくれるのか?僕らのことで、花との親子関係がギクシャクしたらどうしょう…とか。暴言吐かれても、仕方ないって覚悟してた。でも…そんな心配いらんかった。
遺伝子って凄いな。花が3人になった。」

「俺も思った!俺らのことをどう思うか聞いたら

『ん?何を思うん?』

『別に?』

やって…。やっぱり花の遺伝子や。
それに、橙くんが葵晴くんに話してる時…花が話してるかと思った。
困った顔した葵晴くんも花みたいやった。
俺…そんな2人を見てたらな…なんかこの子らを花と一緒に大事にしたいって思った。きっと、兄弟2人であんな風に色んなことを話して乗り越えて来たんやなって。」

「うん。僕も…大事にして守りたいって思った。葵晴くん…花が笑ってるか?困ってないか?また見に来るんやって。」

「橙くんは、花が居らんくても来るらしいで?ご飯いっぱい用意せなあかんな…。
けい…俺らの諦めて手を離したこと…花は、また手の中に戻してくれる。
まるで、手を離してなかったみたいに…ずっと手の中にあったみたいに…自然に…。どんだけ、俺らを幸せにしてくれるんや…花。ありがとうな…」

るぅが花の瞼にキスをした。
僕も花の瞼にキスをした。

それから、るぅと深い深いキスをして
眠りに着いた。

──────────────

目が覚めた…
キッチンから音がする

花…?
ちゃう。スヤスヤ寝てる。

るぅ?も、居る。
るぅが目を開けて

やっぱり花と僕を確認して
不思議そうにドアの方を見た。

「おはよ」
軽くキスをして
キッチンへ向かった。


『おはようございます!』

寝癖がピョコンとついた葵晴くんがいた。

「おはよう?早起きやな?」

『癖やねん。勝手にキッチン使わせてもらったけど大丈夫やったかな?』

って言いながらも手は動いてる。

「うん?全然かまへんし逆になんか悪いわ。でも…いい匂いや。」

「ホンマや…コーヒーいつものんやろ?なんでこんないい匂いするん?俺コーヒー好きやねん。」

『オレも好き!家では、サイフォンやねん!』

キッチンでわちゃわちゃしてたら
花が起きてきた。

「おはようー。あ!久しぶりの葵晴のコーヒーやん!嬉しー!!って…橙はまだ寝てるわな。相変わらずやなー起こしてくるわ!」

「5人で朝ごはん…なんて幸せ。あたし、今年の運使い果たしたかも知らんな!」

ってニコニコの花。
花が嬉しそうやと、僕らも息子らも嬉しい。

『ほな、またな?ありがとう。るぅさん、けいさん。』

『また、直ぐ来るから!またな!』

って帰ってから…

まさか、1週間もせんうちに来るとは誰も思ってなかった。

玄関で固まる僕ら3人と笑顔の葵晴くん。

『来たで?お邪魔しマース?ただいま?どっちでもええか?』

「ん?えっ?葵晴?どしたん?」

『んー?るぅさん。けいさん。オレしばらくココに居てええ?』

「おぅ…かまへんで?部屋もあるし…な?けい?」

「ん?うん。ええで?な?花?」

「え~?しばらくってどれくらいやな?人様に迷惑かけたらあかんって約束やろ?」

『約束は覚えてるで?るぅさんとけいさんと花ねぇやから”人様”ちゃうやろ?
花ねぇが居るとこがオレの実家やろ?
ちゃうん?』

「うっ…。そうや…な。るぅちゃんとけいちゃん…かまへんかな…。」

「とりあえず、こないだの部屋に荷物置いてきーや?話しはそれからな?僕コーヒー入れるわ!」

『あ!オレがコーヒー入れたい!!ちょっと待っててーや?』

3人でリビングで、待つこと10分…。

『おまたせ~サイフォン持ってきてん!
花ねぇ久しぶりやろ?美味いコーヒー入れるし待ってて?』

「うん!!」

花…ニコニコしてるけど

この状況…大丈夫なんか?
るぅと僕は
静かに息を吐いていた。


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