2 / 28
2
しおりを挟む
どうしたらええかわからんから…
とりあえず、ボーッとしといた。
「また、困らせたな…。そのままでええし、話し聞いてくれる?」
「時間大丈夫?」
「え?大丈夫やけど?」
「ほな、ちょっと着いてきて?」
あたしの後ろから、大人しく着いて来てるイケメンを我が家に招待した。
「どうぞ?」
「え?はなんち?いいの?誰もいないの?僕、お邪魔して大丈夫?」
「嫌なら帰ってや?入るなら鍵締めて?」
「お邪魔します。」
「アラフォーの一人暮らし。適当に座って?」
「公園が見えるんやな。」
「そう。しゃーから、ここに決めた。」
「花?話ししていい?」
「うん。」
「るぅは、昨日から出張でいなくて…1人になるとあかんねん。
僕たちは、カミングアウトしてて一緒に暮らしてるけどパートナーシップは結んでないねん。
るぅの家族には、すごい大事にしてもらってる。僕の方は、絶縁状態なんやけどな。
僕…若い時に色んな人に迷惑かけて、それからもずっと酷いことして裏切って…いろんな人の気持ちを踏みつけて自分の気持ちだけ大事にしてるぅのとこに、逃げて来た。全て捨てて…るぅと生きて行くんやって決意して…。
今、幸せなんやで?怖いくらいに。
でもな…幸せやなって思いが大きくなればなるほど、失う怖さも大きくなるねん。
るぅは、そんな僕ごと受け止めてくれる。僕の方が年上やねんけど甘やかしてくれるんや。るぅのことを愛してるし、愛されてるのも信じて疑うことなんて無い。
だから、怖いねん。
もしもがあったら?僕以外に気持ちが向いたら?1人なる……不安になるねん。
僕は、全て捨ててきたから…何にも残らへん。弱い気持ちがムクムクと溢れる。誰にもどうにもできひん。自分でなんとかせなあかんやんか…ほな、あんな酷い顔になる。
僕は、普通ちゃうからあかんみたいに思ってしまう。こんな気持ち、るぅには見せられへん。」
困ったな…。
こんな、重い話しとは…。
公園で話し聞かんで良かった。
あの時に、帰る選択したあたし…偉い!!
酷い顔してるな…ホンマ。
消えてしまいそうな感じ。
ずっと、1人で抱えてきたんやな。
もうええやろ?うん。
あかん…消えてしまう。
思いに潰される。
自分自身で重い鎖をつけてる。
もうええやんな?
うん。
酷い顔したイケメンの頭に手を伸ばした。
ゆっくり撫でてみた。
髪の毛柔らかいな…。
ってあたしが思ってたら
俯いてた顔を上げて、大っきい目をパチパチしながらびっくりしてるけど逃げへんねや。
「あのな…踏みつけて置いてきた人の気持ちは、わからんやん。けいちゃんが思ってるように悲しみでいっぱいで不幸かも知れん。でも、案外悲しみを糧に恨みを武器にして強く生きて前見て進んで幸せを掴んではるかも?とかは考えへんの?
あの時に、捨ててきた!って思って立ち止まったまんまなんは、けいちゃんだけで…向こうはやっと出て行きよった!!って思ってるとかは考えへんの?
捨ててきた。って言うけど…けいちゃん自身が捨てきれてないし、けいちゃん自身が縛りつけてるんやと思う。
捨てるなら、向こうでの時間も気持ちも思いも記憶も全て捨てなあかん。
そんな重たい鎖あったら、るぅちゃんも一緒に沈んでしまう。
もう、自由になり?誰かに言われたいんやったら、あたしが言う。
『もう自由に生きていいよ。許してあげれへんけど認めてあげる。』
だから、泣きたい時に泣き?
不安なら不安やって、
1人はイヤやって、
幸せが怖いって、
何回でも、言うたらええんやで?
何回でも、あたしも言うから
『困ったことに…そんなけいちゃんも案外好きみたい』って。
ほんで…もし…誰も居らんなったら…あたしんとこに来て?
一緒にボーってしたらええやん。
しゃーから、
1人で泣かんとき?
恵次桜…?おいで?」
両手広げて待ってみた。
「う゛…はな…は…なぁ…。はなぁ…」
泣き顔も、やっぱりイケメンやな。
ぎゅうする気満々やったのに
けいちゃんが大っき過ぎてぎゅうされてるみたいやん。
鼻水たれて、涙でぐちゃぐちゃの大人やのにな…可愛らしいって思ってしまう。
しばらく、そのままで泣いてたけど泣き疲れたみたいで落ち着いた感じやし…
そろそろ離れて欲しいなぁ~って思ってるんやけど、
なんやろ…?
頭なでなでしてるあたし。
この状況がイヤとちゃうんやなぁ
なんか…ちょっと…
やめ時がわからんよな…
やっぱり…困ってる…。
るぅちゃんに、ヤキモチ妬かれるな…
あ~ぁ…困ったなぁ。
仲良しになるのって、時間は関係ないんやな…。
この歳になるまで、知らんかった。
何が1番困ってるんかって言うたら…
もう…誰もあたしのテリトリーに入れない。
誰のことも大事にしーひん。
自分以外のことで、自分の気持ちや思いを動かさへん。
って決めて、ココに来たのに。
あんな酷い顔してるのに、1人でギリギリの気持ちで立ってるのに…
笑ってるけいちゃんが”愛おしい”って思ってしもた。
ホンマあたし自身が面倒くさくて
困ったやつや。
とりあえず、ボーッとしといた。
「また、困らせたな…。そのままでええし、話し聞いてくれる?」
「時間大丈夫?」
「え?大丈夫やけど?」
「ほな、ちょっと着いてきて?」
あたしの後ろから、大人しく着いて来てるイケメンを我が家に招待した。
「どうぞ?」
「え?はなんち?いいの?誰もいないの?僕、お邪魔して大丈夫?」
「嫌なら帰ってや?入るなら鍵締めて?」
「お邪魔します。」
「アラフォーの一人暮らし。適当に座って?」
「公園が見えるんやな。」
「そう。しゃーから、ここに決めた。」
「花?話ししていい?」
「うん。」
「るぅは、昨日から出張でいなくて…1人になるとあかんねん。
僕たちは、カミングアウトしてて一緒に暮らしてるけどパートナーシップは結んでないねん。
るぅの家族には、すごい大事にしてもらってる。僕の方は、絶縁状態なんやけどな。
僕…若い時に色んな人に迷惑かけて、それからもずっと酷いことして裏切って…いろんな人の気持ちを踏みつけて自分の気持ちだけ大事にしてるぅのとこに、逃げて来た。全て捨てて…るぅと生きて行くんやって決意して…。
今、幸せなんやで?怖いくらいに。
でもな…幸せやなって思いが大きくなればなるほど、失う怖さも大きくなるねん。
るぅは、そんな僕ごと受け止めてくれる。僕の方が年上やねんけど甘やかしてくれるんや。るぅのことを愛してるし、愛されてるのも信じて疑うことなんて無い。
だから、怖いねん。
もしもがあったら?僕以外に気持ちが向いたら?1人なる……不安になるねん。
僕は、全て捨ててきたから…何にも残らへん。弱い気持ちがムクムクと溢れる。誰にもどうにもできひん。自分でなんとかせなあかんやんか…ほな、あんな酷い顔になる。
僕は、普通ちゃうからあかんみたいに思ってしまう。こんな気持ち、るぅには見せられへん。」
困ったな…。
こんな、重い話しとは…。
公園で話し聞かんで良かった。
あの時に、帰る選択したあたし…偉い!!
酷い顔してるな…ホンマ。
消えてしまいそうな感じ。
ずっと、1人で抱えてきたんやな。
もうええやろ?うん。
あかん…消えてしまう。
思いに潰される。
自分自身で重い鎖をつけてる。
もうええやんな?
うん。
酷い顔したイケメンの頭に手を伸ばした。
ゆっくり撫でてみた。
髪の毛柔らかいな…。
ってあたしが思ってたら
俯いてた顔を上げて、大っきい目をパチパチしながらびっくりしてるけど逃げへんねや。
「あのな…踏みつけて置いてきた人の気持ちは、わからんやん。けいちゃんが思ってるように悲しみでいっぱいで不幸かも知れん。でも、案外悲しみを糧に恨みを武器にして強く生きて前見て進んで幸せを掴んではるかも?とかは考えへんの?
あの時に、捨ててきた!って思って立ち止まったまんまなんは、けいちゃんだけで…向こうはやっと出て行きよった!!って思ってるとかは考えへんの?
捨ててきた。って言うけど…けいちゃん自身が捨てきれてないし、けいちゃん自身が縛りつけてるんやと思う。
捨てるなら、向こうでの時間も気持ちも思いも記憶も全て捨てなあかん。
そんな重たい鎖あったら、るぅちゃんも一緒に沈んでしまう。
もう、自由になり?誰かに言われたいんやったら、あたしが言う。
『もう自由に生きていいよ。許してあげれへんけど認めてあげる。』
だから、泣きたい時に泣き?
不安なら不安やって、
1人はイヤやって、
幸せが怖いって、
何回でも、言うたらええんやで?
何回でも、あたしも言うから
『困ったことに…そんなけいちゃんも案外好きみたい』って。
ほんで…もし…誰も居らんなったら…あたしんとこに来て?
一緒にボーってしたらええやん。
しゃーから、
1人で泣かんとき?
恵次桜…?おいで?」
両手広げて待ってみた。
「う゛…はな…は…なぁ…。はなぁ…」
泣き顔も、やっぱりイケメンやな。
ぎゅうする気満々やったのに
けいちゃんが大っき過ぎてぎゅうされてるみたいやん。
鼻水たれて、涙でぐちゃぐちゃの大人やのにな…可愛らしいって思ってしまう。
しばらく、そのままで泣いてたけど泣き疲れたみたいで落ち着いた感じやし…
そろそろ離れて欲しいなぁ~って思ってるんやけど、
なんやろ…?
頭なでなでしてるあたし。
この状況がイヤとちゃうんやなぁ
なんか…ちょっと…
やめ時がわからんよな…
やっぱり…困ってる…。
るぅちゃんに、ヤキモチ妬かれるな…
あ~ぁ…困ったなぁ。
仲良しになるのって、時間は関係ないんやな…。
この歳になるまで、知らんかった。
何が1番困ってるんかって言うたら…
もう…誰もあたしのテリトリーに入れない。
誰のことも大事にしーひん。
自分以外のことで、自分の気持ちや思いを動かさへん。
って決めて、ココに来たのに。
あんな酷い顔してるのに、1人でギリギリの気持ちで立ってるのに…
笑ってるけいちゃんが”愛おしい”って思ってしもた。
ホンマあたし自身が面倒くさくて
困ったやつや。
1
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説



【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

じれったい夜の残像
ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、
ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。
そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。
再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。
再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、
美咲は「じれったい」感情に翻弄される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる