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「一緒に帰ろうか?」
あたしの前に立って見下ろしてる…笑顔やのに目が笑ってへん爽やかなイケメンのるぅちゃん。
「今日こそは、逃がさへんからな!!」
ニッコリ笑顔でぎゅうぎゅう手を握り締めて歩き出した…可愛いイケメンのけいちゃん。
「いややぁ━無理!忙しいねんて!」
半べそで自分の思いとは別の方向に身体が進んでるのが、ぽっちゃりアラフォーの特徴のないモブのあたし…花。
笑顔のマスターからの
「またなぁー!仲良しなんやなぁ!」
なんて声を背中で聴きながら
カランコロンって可愛い音を鳴らして扉が閉まった店を後にした。
るぅちゃんとけいちゃんが2人で暮らしてるらしい家に着いたようで…
「座ってや?」
るぅちゃんホンマに綺麗な笑顔…。
「もぉ~一緒に夕飯食べるんそんなイヤなん?」
あたしの横にちょこんと座ってるけいちゃん。
「イヤとかちゃうよ。うん。」
ただ…何でこんな事になってんのかな…って困ってるだけやねん。
┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄
2人を見かけたのは、たまたま。
公園のお気に入りのベンチでボーっとしてたら、イケメン2人が仲良くイチャイチャしながら歩いてた。
┄ イケメン久しぶりに見たな。あの2人ラブラブやん。眼福眼福 ┄
なんて、思ってたらお気に入りの喫茶店でも出会った。
この喫茶店は、カフェみたいにオシャレじゃなくて昔ながらの喫茶店。
マスターが1人。
常連のおばあちゃんやおじいちゃんがのんびりしてはる。
まぁ、あたしもアラフォーやけど …娘みたいに思ってくれはるみたいで
「はなちゃん。はなちゃん」って、みんなお話してくれはるねん。
何で、そんな喫茶店にイケメン2人が来たのかと思ってたら常連のおじいちゃんの家を借りてるらしくて連れて来られた感じ?
「はなちゃん!男前連れて来たったでー!」
って、紹介してくれたのが1年前。
軽く挨拶だけする関係が変わったのは、半年前のあの日からかな?
公園のいつものベンチでボーってしてるあたしに声かけてきた可愛い方のイケメンけいちゃん。
「横に座っていい?」
ん?って思って顔を見たら…
泣き腫らした顔のイケメン…。
断るのもアレやし…
でも、あんな顔してはる人が横に座ってもあたし困る…。
でも、断る理由もあらへんし…。
って、あたしがグルグル頭で考えてるのを見て…
クスクスと笑い出したイケメン。
「そんな考えなあかん?」
って、さり気なく横に座ってる?!
さすがイケメン!!
隙がない動き!!
「どうぞ?」
って、横に詰めて座り直したらまた…
クスクス笑いながら
「そんな離れんでもええやんか?僕のパートナーが同性なん知ってるやん!」
「誰かがお隣に座るなら詰めて座り直すやん!」
「そうなん?いつも、ここに座ってるよな?」
「ボーッとするためにここに来てる。」
「あ━僕…なんか邪魔してる感じやんな?」
「ボーっとは、できひんな。」
また、クスクス笑いながら
「ほな、僕のことは気にせんとボーッとして?」
「うん。ありがとう?」
何でありがとう?言うたんやろ…
まぁ、気にせんでええ言うてはるから…
クスクスってまた笑ってはる気がしたけど
あたしは、気にせんとそのままボーッと過ごした。
「花ちゃん…はな?はーな?」
呼ばれた?
声がする方を見たら、イケメンがクスクス笑ってた。
「呼んだ?」
「うん。はな…ホンマにボーってしてたな。僕は、恵次桜。」
「ボーってしにきたんやもん。恵次桜のけいちゃんなんやな。」
「僕のこと、知っててくれたんや?」
「逆に、知らん人が隣に座ってたら怖いやんか!?」
クスクス笑いながら
「そらそうやな。なぁ…花?何で何も聞かへんの?僕…凄い酷い顔してたやろ?」
「ん。ボーってしてたら酷い顔した人に、話しかけられて隣に座りたいって言われて断れへんくて困ったけど…あたしから聞くことはない?かな…。」
また、クスクス笑ってはる。
「困ってたんや…。ボーってするのは何でなんかなって考えながら花がボーってしてるの見てたんやけどな…気づいたら僕もボーってしてた…空って動いてて同じじゃないんや。風もふわりって柔らかく吹いたり、ビュンって強く吹いてることに今更ながら気づいた。」
「同じじゃないし、その瞬間は1回しかないねん。でも、みんな"空"ってずっと同じように変わらずあるみたいに思ってるやん?"空は、昔から変わらず今もありました"みたいな感じで表現されることが多いからかな。
皆さん、"同じ"が好きやん?"普通"とか。ちょっとでも、その枠からはみ出たらあかんみたいに。同じ方見て、同じ形にこだわって。1列に並んで同じように同じスピードで進まなあかんみたいに。それを乱す人は、邪魔でダメな人みたいに否定される。まぁ…あたしは皆さんと同じ考えをしていません!ってわざわざ宣言する必要もない。ただ、自分の生きやすいような場所を見つけてる。あたしはそれがここで、ボーってする時間…ん?!え?!」
「…ゴメ…ン。」
イケメンは、泣き顔もイケメンでした…。
…で
…あたしはまたまた困ってる…。
あたしの前に立って見下ろしてる…笑顔やのに目が笑ってへん爽やかなイケメンのるぅちゃん。
「今日こそは、逃がさへんからな!!」
ニッコリ笑顔でぎゅうぎゅう手を握り締めて歩き出した…可愛いイケメンのけいちゃん。
「いややぁ━無理!忙しいねんて!」
半べそで自分の思いとは別の方向に身体が進んでるのが、ぽっちゃりアラフォーの特徴のないモブのあたし…花。
笑顔のマスターからの
「またなぁー!仲良しなんやなぁ!」
なんて声を背中で聴きながら
カランコロンって可愛い音を鳴らして扉が閉まった店を後にした。
るぅちゃんとけいちゃんが2人で暮らしてるらしい家に着いたようで…
「座ってや?」
るぅちゃんホンマに綺麗な笑顔…。
「もぉ~一緒に夕飯食べるんそんなイヤなん?」
あたしの横にちょこんと座ってるけいちゃん。
「イヤとかちゃうよ。うん。」
ただ…何でこんな事になってんのかな…って困ってるだけやねん。
┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄ ┄
2人を見かけたのは、たまたま。
公園のお気に入りのベンチでボーっとしてたら、イケメン2人が仲良くイチャイチャしながら歩いてた。
┄ イケメン久しぶりに見たな。あの2人ラブラブやん。眼福眼福 ┄
なんて、思ってたらお気に入りの喫茶店でも出会った。
この喫茶店は、カフェみたいにオシャレじゃなくて昔ながらの喫茶店。
マスターが1人。
常連のおばあちゃんやおじいちゃんがのんびりしてはる。
まぁ、あたしもアラフォーやけど …娘みたいに思ってくれはるみたいで
「はなちゃん。はなちゃん」って、みんなお話してくれはるねん。
何で、そんな喫茶店にイケメン2人が来たのかと思ってたら常連のおじいちゃんの家を借りてるらしくて連れて来られた感じ?
「はなちゃん!男前連れて来たったでー!」
って、紹介してくれたのが1年前。
軽く挨拶だけする関係が変わったのは、半年前のあの日からかな?
公園のいつものベンチでボーってしてるあたしに声かけてきた可愛い方のイケメンけいちゃん。
「横に座っていい?」
ん?って思って顔を見たら…
泣き腫らした顔のイケメン…。
断るのもアレやし…
でも、あんな顔してはる人が横に座ってもあたし困る…。
でも、断る理由もあらへんし…。
って、あたしがグルグル頭で考えてるのを見て…
クスクスと笑い出したイケメン。
「そんな考えなあかん?」
って、さり気なく横に座ってる?!
さすがイケメン!!
隙がない動き!!
「どうぞ?」
って、横に詰めて座り直したらまた…
クスクス笑いながら
「そんな離れんでもええやんか?僕のパートナーが同性なん知ってるやん!」
「誰かがお隣に座るなら詰めて座り直すやん!」
「そうなん?いつも、ここに座ってるよな?」
「ボーッとするためにここに来てる。」
「あ━僕…なんか邪魔してる感じやんな?」
「ボーっとは、できひんな。」
また、クスクス笑いながら
「ほな、僕のことは気にせんとボーッとして?」
「うん。ありがとう?」
何でありがとう?言うたんやろ…
まぁ、気にせんでええ言うてはるから…
クスクスってまた笑ってはる気がしたけど
あたしは、気にせんとそのままボーッと過ごした。
「花ちゃん…はな?はーな?」
呼ばれた?
声がする方を見たら、イケメンがクスクス笑ってた。
「呼んだ?」
「うん。はな…ホンマにボーってしてたな。僕は、恵次桜。」
「ボーってしにきたんやもん。恵次桜のけいちゃんなんやな。」
「僕のこと、知っててくれたんや?」
「逆に、知らん人が隣に座ってたら怖いやんか!?」
クスクス笑いながら
「そらそうやな。なぁ…花?何で何も聞かへんの?僕…凄い酷い顔してたやろ?」
「ん。ボーってしてたら酷い顔した人に、話しかけられて隣に座りたいって言われて断れへんくて困ったけど…あたしから聞くことはない?かな…。」
また、クスクス笑ってはる。
「困ってたんや…。ボーってするのは何でなんかなって考えながら花がボーってしてるの見てたんやけどな…気づいたら僕もボーってしてた…空って動いてて同じじゃないんや。風もふわりって柔らかく吹いたり、ビュンって強く吹いてることに今更ながら気づいた。」
「同じじゃないし、その瞬間は1回しかないねん。でも、みんな"空"ってずっと同じように変わらずあるみたいに思ってるやん?"空は、昔から変わらず今もありました"みたいな感じで表現されることが多いからかな。
皆さん、"同じ"が好きやん?"普通"とか。ちょっとでも、その枠からはみ出たらあかんみたいに。同じ方見て、同じ形にこだわって。1列に並んで同じように同じスピードで進まなあかんみたいに。それを乱す人は、邪魔でダメな人みたいに否定される。まぁ…あたしは皆さんと同じ考えをしていません!ってわざわざ宣言する必要もない。ただ、自分の生きやすいような場所を見つけてる。あたしはそれがここで、ボーってする時間…ん?!え?!」
「…ゴメ…ン。」
イケメンは、泣き顔もイケメンでした…。
…で
…あたしはまたまた困ってる…。
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