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朝ごはんできた。
まだ7:30やけど…絃起きてんかな?
ってアイツまだ5歳やけど1人で寝かせて良かったんか?
今まで子供と接点なんかあらへんかったから、わからんな。
食べ物とか、オレらと一緒で大丈夫なんかな?
弁護士が持ってきた書類も読まなあかんな。
とりあえず、部屋見に行くか…。
「颯人?一緒に絃起こしに行こか?」
「うん。行く。」
トントン。
「絃?起きてるかぁ?オレ協や。開けんで?」
カチャ…中から絃が出てきた!
「うん。起きてるよ。」
「おはよう。早起きやんか!寝れたんか?」
「おはよう。朝はいつも、7時に起きてたから。寝れたよ。」
「早起きしてたんやな。」
「うん。朝ごはんの前にいつも洗濯を干すのが僕のお仕事だったから」
「お!偉いなぁ。今度手伝ってや。」
「うん。」
「協?ご飯食べよ?いただきます。」
「ホンマや!喋ってたらあかんな!ほな、いただきま~す。」
「いただきます。」
「絃?アレルギーや好き嫌いはないのかな?」
「ないけど…酸っぱいのはきらい」
「あ~俺も嫌いだなぁ」
「オレもや!な~んやみんな一緒やな!」
「ごちそうさま!オレな、書類を見るわ。2人で洗いもんしといてくれるか?」
「うん。」
「わかった。あとで俺も見るから。」
食器を運んで、2人がキッチンにいる後ろ姿はやっぱり似てるよな。
何か…心の真ん中がポカポカするわ。
書類みたけど、話しの内容が書類にしてあるだけやった。
んで、絃がここの近所の保育園に来月から通うことになってた。
年中クラスの星組やってさ。
前の保育園の友達とも会えへんようになって寂しいやろな。
母親も死んでしもたし…。
忘れてたわ。
あいつ、普通やから…。
あんなもんなんか?いきなり、父親やいうても知らん大人たちの家に暮らさなあかんねんで?泣いたり凹んだりするもんやろ?手紙に書いてある通りの無い無い尽くしやな。
絃…ちゃんと泣いたんかな?もしかしたら、まだ泣けてないからあんな普通なんかも…。
「片付け終わった。協?書類見せて?」
オレのほっぺたにキス。
「颯人ありがとうな」
ぎゅーってして、オレもキスをした。
近くにいる、絃にも
「ありがとうなー」
ぎゅーってして、颯人とほっぺたにキスしたら…
固まったで?
「絃?おーい?」
って言うたら、ハッと表情を戻して
「大丈夫…。初めてでびっくりしただけ」
「え?!初めてって…マジか…。」
「そ…うなんだ…」
「うん。母は、しなかったから…。」
「キス?ぎゅーってするの?どっちが初めてやったんや?」
「両方…。母は、僕の近くにはいなかったから。近くてびっくりしたんだ。」
「絃…お風呂や寝る時は1人だったのかな?」
「え?1人じゃないの?保育園のお兄ちゃんクラスになったらお風呂も寝る時も1人で出来なきゃダメだから!って母が言ってたよ?違うの?」
オレと颯人は、2人で顔を見合わせて…
頷きあってん。
きっと、思ってることは一緒やと思う。
「颯人…オレの思ってること全部話してええか?今ここで絃にもちゃんと聞いて欲しいねん。」
「うん。俺も、協の話し聞いてからちゃんと話す。」
「颯人…オレな、颯人がホンマにホンマに大事やねん。他の誰よりも颯人を思う気持ちは負けへん。颯人だけ居ってくれたらそれだけで、ええって思ってた。でもな…心の隅っこに何があっても開かへんように何重にも何重にもぐるぐる巻きにしてでっかい鍵かけてた気持ちが1個あるねん。それが絃や。颯人の子供が欲しかった。オレは、産むことはできんから…。大好きな颯人の子供をこの手で抱きしめられる未来まで望んだら…これ以上の幸せ望んだらバチあたるって思うくらい…神様に感謝してたんやで?
『颯人と同じ時代に生まれさしてくれてありがとう。出会わせてくれてありがとう。颯人を愛する気持ちに気づかせてくれてありがとう。んで…一番感謝してたことはな…颯人に愛されること・愛することが怖くないって伝えてくれてありがとう。』ってな。これ以上の幸せはないで!!って思ってたんや。でもな ┄ 昨日、絃が来た時に…ホンマは逃げ出したかった。
同じ空間にいるのも辛かった。
怖いくらいに、似てるんやもん。
絃の目は、颯人の目と同じやって思ったしな。だから、辛かった。
だってな…オレは絶対に颯人に産んであげられへんし。オレと颯人には、永遠に手に入れられへんもんやんか…。オレじゃ無かったら…颯人はもっと別の幸せがあるんちゃうのかな…オレのこといらんなるかな…
って不安とか嫌な気持ちとかが胸ん中の奥の奥で真っ黒いモヤモヤが渦巻いたんや。
でも、弁護士からの話し聞いてたらな
俺の辛いことなんかぶっ飛んでくくらい、腹が立った。
生まれてたった5年しか生きてない子供に聞かせる話しちゃうし、態度、対応ちゃうやろ?
もう、聞かせたくなかった。
5歳で母親が死んだんやで?
んで、生まれてから母親しかおらん環境やったんやで?って思ったら…我慢出来んかった…颯人に確認もせんと勝手に弁護士帰らせてしもてたんや。
オレな、さっきキッチンで片付けしてる2人の後ろ姿見てな…心の真ん中がポカポカしてん。
なぁ…颯人。
オレな…颯人と絃と家族になりたい。
オレを颯人と絃の家族にしてくれへんか?」
「協…。」
颯人が、ぎゅーぎゅー抱きしめた。
まだ7:30やけど…絃起きてんかな?
ってアイツまだ5歳やけど1人で寝かせて良かったんか?
今まで子供と接点なんかあらへんかったから、わからんな。
食べ物とか、オレらと一緒で大丈夫なんかな?
弁護士が持ってきた書類も読まなあかんな。
とりあえず、部屋見に行くか…。
「颯人?一緒に絃起こしに行こか?」
「うん。行く。」
トントン。
「絃?起きてるかぁ?オレ協や。開けんで?」
カチャ…中から絃が出てきた!
「うん。起きてるよ。」
「おはよう。早起きやんか!寝れたんか?」
「おはよう。朝はいつも、7時に起きてたから。寝れたよ。」
「早起きしてたんやな。」
「うん。朝ごはんの前にいつも洗濯を干すのが僕のお仕事だったから」
「お!偉いなぁ。今度手伝ってや。」
「うん。」
「協?ご飯食べよ?いただきます。」
「ホンマや!喋ってたらあかんな!ほな、いただきま~す。」
「いただきます。」
「絃?アレルギーや好き嫌いはないのかな?」
「ないけど…酸っぱいのはきらい」
「あ~俺も嫌いだなぁ」
「オレもや!な~んやみんな一緒やな!」
「ごちそうさま!オレな、書類を見るわ。2人で洗いもんしといてくれるか?」
「うん。」
「わかった。あとで俺も見るから。」
食器を運んで、2人がキッチンにいる後ろ姿はやっぱり似てるよな。
何か…心の真ん中がポカポカするわ。
書類みたけど、話しの内容が書類にしてあるだけやった。
んで、絃がここの近所の保育園に来月から通うことになってた。
年中クラスの星組やってさ。
前の保育園の友達とも会えへんようになって寂しいやろな。
母親も死んでしもたし…。
忘れてたわ。
あいつ、普通やから…。
あんなもんなんか?いきなり、父親やいうても知らん大人たちの家に暮らさなあかんねんで?泣いたり凹んだりするもんやろ?手紙に書いてある通りの無い無い尽くしやな。
絃…ちゃんと泣いたんかな?もしかしたら、まだ泣けてないからあんな普通なんかも…。
「片付け終わった。協?書類見せて?」
オレのほっぺたにキス。
「颯人ありがとうな」
ぎゅーってして、オレもキスをした。
近くにいる、絃にも
「ありがとうなー」
ぎゅーってして、颯人とほっぺたにキスしたら…
固まったで?
「絃?おーい?」
って言うたら、ハッと表情を戻して
「大丈夫…。初めてでびっくりしただけ」
「え?!初めてって…マジか…。」
「そ…うなんだ…」
「うん。母は、しなかったから…。」
「キス?ぎゅーってするの?どっちが初めてやったんや?」
「両方…。母は、僕の近くにはいなかったから。近くてびっくりしたんだ。」
「絃…お風呂や寝る時は1人だったのかな?」
「え?1人じゃないの?保育園のお兄ちゃんクラスになったらお風呂も寝る時も1人で出来なきゃダメだから!って母が言ってたよ?違うの?」
オレと颯人は、2人で顔を見合わせて…
頷きあってん。
きっと、思ってることは一緒やと思う。
「颯人…オレの思ってること全部話してええか?今ここで絃にもちゃんと聞いて欲しいねん。」
「うん。俺も、協の話し聞いてからちゃんと話す。」
「颯人…オレな、颯人がホンマにホンマに大事やねん。他の誰よりも颯人を思う気持ちは負けへん。颯人だけ居ってくれたらそれだけで、ええって思ってた。でもな…心の隅っこに何があっても開かへんように何重にも何重にもぐるぐる巻きにしてでっかい鍵かけてた気持ちが1個あるねん。それが絃や。颯人の子供が欲しかった。オレは、産むことはできんから…。大好きな颯人の子供をこの手で抱きしめられる未来まで望んだら…これ以上の幸せ望んだらバチあたるって思うくらい…神様に感謝してたんやで?
『颯人と同じ時代に生まれさしてくれてありがとう。出会わせてくれてありがとう。颯人を愛する気持ちに気づかせてくれてありがとう。んで…一番感謝してたことはな…颯人に愛されること・愛することが怖くないって伝えてくれてありがとう。』ってな。これ以上の幸せはないで!!って思ってたんや。でもな ┄ 昨日、絃が来た時に…ホンマは逃げ出したかった。
同じ空間にいるのも辛かった。
怖いくらいに、似てるんやもん。
絃の目は、颯人の目と同じやって思ったしな。だから、辛かった。
だってな…オレは絶対に颯人に産んであげられへんし。オレと颯人には、永遠に手に入れられへんもんやんか…。オレじゃ無かったら…颯人はもっと別の幸せがあるんちゃうのかな…オレのこといらんなるかな…
って不安とか嫌な気持ちとかが胸ん中の奥の奥で真っ黒いモヤモヤが渦巻いたんや。
でも、弁護士からの話し聞いてたらな
俺の辛いことなんかぶっ飛んでくくらい、腹が立った。
生まれてたった5年しか生きてない子供に聞かせる話しちゃうし、態度、対応ちゃうやろ?
もう、聞かせたくなかった。
5歳で母親が死んだんやで?
んで、生まれてから母親しかおらん環境やったんやで?って思ったら…我慢出来んかった…颯人に確認もせんと勝手に弁護士帰らせてしもてたんや。
オレな、さっきキッチンで片付けしてる2人の後ろ姿見てな…心の真ん中がポカポカしてん。
なぁ…颯人。
オレな…颯人と絃と家族になりたい。
オレを颯人と絃の家族にしてくれへんか?」
「協…。」
颯人が、ぎゅーぎゅー抱きしめた。
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