44 / 55
後日談 オラはロリと日本さ行ぐだ 1
しおりを挟む
※全三話です
モネアがナッジ家であの衝撃アイテムを見つけていた頃。
ライネベルテは、ドルーガの部屋で昼寝をしようとしていた。
「なんだ、せっかく遊びに来たのに昼寝すんのか?ロリ?」
「はい!いいじゃないですか。ドラ様が側にいたら良い夢が見られそうなんですもの!」
「まぁいいか。オラも食後で眠くなってきたし…腹一杯食える夢がいいなぁ…ぐう」
「え?!もう眠りましたのドラ様?!早っ!」
ドルーガは横になったと思ったら、すぐにグースカと眠っていた。
(もう!夜はさすがに一緒のベッドって訳にはいかないから昼寝に誘ったのに…。これじゃイチャイチャできないじゃないの!)
ちなみに彼女が想像するイチャイチャとは…頭を撫でてもらったり、ぎゅーっと抱きつきながら寝る事だった。純な子である。
ブツブツ文句を言いながらも旅の疲れが出たのか、ライネベルテは彼の隣でスヤスヤと眠るのだった。
・・・・・・・
「………おーい、起きるのだー」
「………うーん……なぁに……?」
ライネベルテは、夢の中で謎の声が聞こえていた。眠くて起きるのも面倒なので、目を瞑ったまま答えた。
「起きんのかい!せっかくわしが素敵なプレゼントをやろうとしているのに」
「何?何かくれるの…?今眠いんだけど。ていうか、誰?」
「横着なヤツなのだ。もういい、そのまま聞け。
わしは…まぁ偉い存在なのだ。今回お主達が頑張って、魔獣からこの国を守っただろ。何か褒美をやろうと思ったのだ。さあ、何がいい?」
それを聞いても、ライネベルテはまだ寝ぼけている。
「えー…特に何も…じゃあ…ドラ様ともっと仲良くなりたい…」
「何なのだ…こいつも欲がない子だな…それならどこか連れてってやろう。デートさせてやるのだ。どこが良い?」
「うーん…じゃあ大阪にある◯◯◯…」
「よしきた、任せるのだ」
そう言って謎の声は聞こえなくなり、ライネベルテはまた眠った。
次に彼女が目を覚ますと、そこは…
「…えっ?!ここって◯◯◯?何で?!」
前世でよく訪れていた、某水族館が目の前にあった。ライネベルテは慌てて自分の手足を確認する。
「このちっちゃいけど細くて綺麗な手足…良かった、ライネベルテね。てっきり前世の姿に戻ったかと思ったわ。
…って、きゃっ!素敵なワンピースだわ」
彼女は他所行きの可愛い花柄のワンピースを着ていた。すると、後ろから予想外の人の声がした。
「あ、ロリじゃねぇか。コレは一体どうなってんだ?」
「その声はドラ様ですわね。どう、って言われても……
ってえええええ?!!その服素敵ーーーーーっ!!!」
振り返った途端に興奮するライネベルテ。
そう。彼、ドルーガは…おそらくイタリア産の上下ブラックスーツを見事に着こなし、その場に立っていた。
「この服ちょっと窮屈なんだが…まぁ後にするか。それよりココはどこだ?」
彼は辺りを見回し困惑しているが、彼女も同じだった。
「ここはロリが前世でよく来ていた場所ですわ…っていうか、これは夢じゃないのかしら?
まあどうでもいいわ!とりあえず抱きつかせてドラ様!!」
そう言うと返事を待たずにドルーガに抱きつくライネベルテ。
「ああ…スーツに遮られたパツンパツンの筋肉も…最高だわ………」
「…筋肉を褒められるのは嬉しいが、現実を見ようぜロリ。前世で…って事はココはニホンなのか?」
「ええ、そのようですわね」
「そうか!じゃあ美味いモンが沢山あるんだな!何処にあるんだ?!!」
ドルーガはここが日本だと知るや否や、ワックワクし始めた。
「それなら繁華街に行けば…いえ、ちょっとお待ちくださいませ。
電車に乗ったりご飯を食べるのにはお金が…」
そう言って、ライネベルテは身につけていたポシェットの中身を見た。
…財布が入っている。開けてみると、水族館のチケットとけっこうな金額が入っていた。誰が入れたのだろうか。
「…やっぱりこの水族館に行け、という事なのかしら?
いいわ。ドラ様、まずは近くで腹ごしらえしましょう!美味しいお店を知ってますの。その後またここへ戻ってくればいいわ!」
「?スイゾクカン?
よくわかんねぇけど…美味しいモンがあるなら行こうぜ!」
そしていざご飯へ!と向かう二人だった。
モネアがナッジ家であの衝撃アイテムを見つけていた頃。
ライネベルテは、ドルーガの部屋で昼寝をしようとしていた。
「なんだ、せっかく遊びに来たのに昼寝すんのか?ロリ?」
「はい!いいじゃないですか。ドラ様が側にいたら良い夢が見られそうなんですもの!」
「まぁいいか。オラも食後で眠くなってきたし…腹一杯食える夢がいいなぁ…ぐう」
「え?!もう眠りましたのドラ様?!早っ!」
ドルーガは横になったと思ったら、すぐにグースカと眠っていた。
(もう!夜はさすがに一緒のベッドって訳にはいかないから昼寝に誘ったのに…。これじゃイチャイチャできないじゃないの!)
ちなみに彼女が想像するイチャイチャとは…頭を撫でてもらったり、ぎゅーっと抱きつきながら寝る事だった。純な子である。
ブツブツ文句を言いながらも旅の疲れが出たのか、ライネベルテは彼の隣でスヤスヤと眠るのだった。
・・・・・・・
「………おーい、起きるのだー」
「………うーん……なぁに……?」
ライネベルテは、夢の中で謎の声が聞こえていた。眠くて起きるのも面倒なので、目を瞑ったまま答えた。
「起きんのかい!せっかくわしが素敵なプレゼントをやろうとしているのに」
「何?何かくれるの…?今眠いんだけど。ていうか、誰?」
「横着なヤツなのだ。もういい、そのまま聞け。
わしは…まぁ偉い存在なのだ。今回お主達が頑張って、魔獣からこの国を守っただろ。何か褒美をやろうと思ったのだ。さあ、何がいい?」
それを聞いても、ライネベルテはまだ寝ぼけている。
「えー…特に何も…じゃあ…ドラ様ともっと仲良くなりたい…」
「何なのだ…こいつも欲がない子だな…それならどこか連れてってやろう。デートさせてやるのだ。どこが良い?」
「うーん…じゃあ大阪にある◯◯◯…」
「よしきた、任せるのだ」
そう言って謎の声は聞こえなくなり、ライネベルテはまた眠った。
次に彼女が目を覚ますと、そこは…
「…えっ?!ここって◯◯◯?何で?!」
前世でよく訪れていた、某水族館が目の前にあった。ライネベルテは慌てて自分の手足を確認する。
「このちっちゃいけど細くて綺麗な手足…良かった、ライネベルテね。てっきり前世の姿に戻ったかと思ったわ。
…って、きゃっ!素敵なワンピースだわ」
彼女は他所行きの可愛い花柄のワンピースを着ていた。すると、後ろから予想外の人の声がした。
「あ、ロリじゃねぇか。コレは一体どうなってんだ?」
「その声はドラ様ですわね。どう、って言われても……
ってえええええ?!!その服素敵ーーーーーっ!!!」
振り返った途端に興奮するライネベルテ。
そう。彼、ドルーガは…おそらくイタリア産の上下ブラックスーツを見事に着こなし、その場に立っていた。
「この服ちょっと窮屈なんだが…まぁ後にするか。それよりココはどこだ?」
彼は辺りを見回し困惑しているが、彼女も同じだった。
「ここはロリが前世でよく来ていた場所ですわ…っていうか、これは夢じゃないのかしら?
まあどうでもいいわ!とりあえず抱きつかせてドラ様!!」
そう言うと返事を待たずにドルーガに抱きつくライネベルテ。
「ああ…スーツに遮られたパツンパツンの筋肉も…最高だわ………」
「…筋肉を褒められるのは嬉しいが、現実を見ようぜロリ。前世で…って事はココはニホンなのか?」
「ええ、そのようですわね」
「そうか!じゃあ美味いモンが沢山あるんだな!何処にあるんだ?!!」
ドルーガはここが日本だと知るや否や、ワックワクし始めた。
「それなら繁華街に行けば…いえ、ちょっとお待ちくださいませ。
電車に乗ったりご飯を食べるのにはお金が…」
そう言って、ライネベルテは身につけていたポシェットの中身を見た。
…財布が入っている。開けてみると、水族館のチケットとけっこうな金額が入っていた。誰が入れたのだろうか。
「…やっぱりこの水族館に行け、という事なのかしら?
いいわ。ドラ様、まずは近くで腹ごしらえしましょう!美味しいお店を知ってますの。その後またここへ戻ってくればいいわ!」
「?スイゾクカン?
よくわかんねぇけど…美味しいモンがあるなら行こうぜ!」
そしていざご飯へ!と向かう二人だった。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
【完結】強制力なんて怖くない!
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のエラリアは、十歳の時に唐突に前世の記憶を取り戻した。
どうやら自分は以前読んだ小説の、第三王子と結婚するも浮気され、妻の座を奪われた挙句、幽閉される「エラリア」に転生してしまったらしい。
そんな人生は真っ平だと、なんとか未来を変えようとするエラリアだが、物語の強制力が邪魔をして思うように行かず……?
強制力がエグい……と思っていたら、実は強制力では無かったお話。
短編です。
完結しました。
なんだか最後が長くなりましたが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」
行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!
それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。
え、「何もしなくていい」?!
じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!
こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?
どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
二人が歩み寄る日は、来るのか。
得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
意外とお似合いなのかもしれません。笑
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる