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ワンナイトじゃ終わらないラブ
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朝方になってやっと解放された俺はそのまま爆睡した。
目覚めてもたっつんの腕の中だった。
馬鹿力……抜け出せない……。
それにしても……俺はたっつんを知っていたのか?
ジーッと観察しても心当たりがない。
それどころか……寝顔が可愛い……。
そっと髪に触れたらたっつんは身じろぎして目を覚ました。
「んん……正親さん……?」
「起きたか? 離せ」
「離したら……どこかに行っちゃいませんか?」
「休みのうちに家を探さないとだからな」
「ダメです!」
そのままギューっと抱きしめられた。
「どこにも行かないで下さい。このままここにいて下さい」
必死に引き止められる。
(自分では)初めて会ったのに、このままここに居るのも悪くないって思ってしまっている。
「俺は大人だし、このままお世話になる訳にはいかないだろ?」
「いいんです! 僕は構いませんから!」
「なぁ、俺達会ったことがあるのか?」
こんなに必死だと、そこが気になってしまう。
「あります。でも、正親さんが僕の事を覚えてなくても全然構いません。僕は正親さんが好きです。ここに居て下さい」
う……こんな真剣な愛の告白をされると胸がドキドキして恥ずかしくなる。
突き放す事ができないのは、俺も結構たっつんを気に入っているからなのかもしれない……。
「わ、わかった……」
「本当ですか⁉︎」
パッと嬉しそうな顔をするから、ほだされそうで視線を逸らす。
「でも、ずっといるわけにはいかない。一ヶ月。それまでにアパート見つけて出てく」
「そんなぁ……ずっとここに居て下さいよ」
残念そうな顔に罪悪感が……。
なんで俺が罪悪感を感じなきゃならないんだ。
「なんで一緒に暮らしてくれないんですか?」
だって……一緒に暮らす理由がないだろ……。
昨日までの俺はケンちゃんが好きで、ケンちゃん以外あり得ないと思っていた。
たっつんの事も一回だけだと思っていたからできたわけで……。
あれ……? そういえば、ケンちゃんの事今まで忘れていた。
居酒屋で一人で飲んでいた時のあの暗い気持ちが全くなくなっていた。
たっつんのおかげ……なのかな……。
感謝はするけれど、一緒に住むのは違うよな……。
俺を見つめるたっつんの目が見れない。
「と、兎に角そういう事だから」
「わかりました。とりあえずはそれでいいです。それじゃあ僕は朝食──って、もうお昼ですね。昼食作ってきますね。正親さんは、もう少し寝ていて下さいね」
「居候の俺がやるべきじゃないのか?」
「いいんです。ゆっくりして下さい」
そっと俺の髪を撫でてから、ベッドを降りるたっつんをジッと見ていた。
付き合っている訳でもない赤の他人の俺を住まわせるなんてどうかしてるよ……。
彼は俺を知っているのに、俺は知らない。
何とも不思議な感覚だった。
◆◇◆
たっつんは、昼食も夕食も美味しいご飯を作ってくれた。
家の外には出させてもらえなかったけれど、まぁ今日は仕方ない。
今はお風呂にも入って、パジャマに着替えて寝る準備万端だ。
たっつんに急にスマホを向けられた。
パシャ。
「おい。勝手に撮るな。消せ」
何を考えているんだ。
「嫌です。スマホの待ち受けにします」
「やめろ! 恥ずかしすぎるだろ!」
「正親さんのパジャマ姿可愛いです……」
ニコニコしながら見つめるな。
恥ずかしい。
「俺は寝る時はパジャマじゃないと寝づらいんだ。お前はスウェットなんだな」
昨日はお風呂で軽くシャワー浴びて、そのままベッドインだったから……。
そのお風呂でもずっとキスしっぱなしだったと思い出して急に恥ずかしくなる。
「僕もパジャマにします! お揃いのブランドにします!」
「スウェットで充分だろ」
だから……シュンとするなって……。
ところで、当たり前のように寝室に誘導されたけれど、一緒に寝るつもりなのか?
「たっつん、布団借りてもいい?」
「この家に布団はありません」
「え? それならソファで寝るよ」
「ダメです! 一緒に寝ましょうよ?」
捨てられた仔犬のようにこちらを見るな!
「あのさ……その……昨日のは、俺も酔っていたし……浮気されて弱ってたから……」
「じゃあ……またその弱みにつけ込みます……」
ギュッと抱きつかれた。
弱みって言われても……もう気にしてないんだよな……。
背中をなぞられて、首筋をベロリと舐められる。
「んっ……ちょっと……たっつん……」
背中からパジャマに手を突っ込まれた。
「下は何も着ていないんですね……」
「パ、パジャマの肌触りが好きだから……」
ボタンを上から外されれば、チラリと乳首が見えて恥ずかしい。
「やめろよ……」
「なんかこれ……エロ過ぎます……下も履いてないんですか?」
「あ! 待て!」
パジャマのズボンにも手を突っ込まれた。
直接お尻を触られて、何も履いてないのがバレた……恥ずかしい。
だって楽なんだもん!
「おい? なんだ? なんで押すんだ。おい! ちょ、ちょっと! うわっ──!」
ボスッとベッドに押し倒された。
両手を押さえられて、欲情した顔で上から見下ろされれば、胸がキュゥゥンと鳴ってしまう。
「パンツ一枚でいるようなものじゃないですか……」
「ち、違う! パジャマのズボンだもん!」
「そうですね。パンツ一枚よりエロいです。正親さん、一緒に寝ましょ?」
「だめだ……俺はただの居候だって忘れるなよ……」
首筋に顔を埋められて、鎖骨をなぞって乳首に吸いつかれた。
「んぁ……はっ……あ……やめろって……」
「乳首もビンビンですよ……これでも一緒に寝ない?」
ピンッと乳首を指先で弾かれた。
「あんっ!」
「ほら、体は正直ですね」
ペロペロ舐められると声が止まらない。
うぅ……流されそうだ……。
「そ、そういえば……たっつんは、何の仕事をしてるんだ? 明日は仕事じゃないのか?」
誤魔化そうと話を変えてみる。
「来週から新入社員で入社する事になっているんです。だから、心配いりません」
「新入社員って……今22歳⁉︎」
「はい! あと一ヶ月で23になります!」
俺はそんなにも年下に手を出したなんて……。
すると、乳首にカリッと歯を立てられてビクッと反応してしまう。
「正親さん……余計な事考えないで下さい……こっちに集中して……」
気持ちのいい手がサワサワと俺の脇腹を撫でる。
「んっ……あ……たっつん……」
「正親さんのいい所、もっといっぱい教えて下さい……」
「あっ──!」
俺は結局流された……。
目覚めてもたっつんの腕の中だった。
馬鹿力……抜け出せない……。
それにしても……俺はたっつんを知っていたのか?
ジーッと観察しても心当たりがない。
それどころか……寝顔が可愛い……。
そっと髪に触れたらたっつんは身じろぎして目を覚ました。
「んん……正親さん……?」
「起きたか? 離せ」
「離したら……どこかに行っちゃいませんか?」
「休みのうちに家を探さないとだからな」
「ダメです!」
そのままギューっと抱きしめられた。
「どこにも行かないで下さい。このままここにいて下さい」
必死に引き止められる。
(自分では)初めて会ったのに、このままここに居るのも悪くないって思ってしまっている。
「俺は大人だし、このままお世話になる訳にはいかないだろ?」
「いいんです! 僕は構いませんから!」
「なぁ、俺達会ったことがあるのか?」
こんなに必死だと、そこが気になってしまう。
「あります。でも、正親さんが僕の事を覚えてなくても全然構いません。僕は正親さんが好きです。ここに居て下さい」
う……こんな真剣な愛の告白をされると胸がドキドキして恥ずかしくなる。
突き放す事ができないのは、俺も結構たっつんを気に入っているからなのかもしれない……。
「わ、わかった……」
「本当ですか⁉︎」
パッと嬉しそうな顔をするから、ほだされそうで視線を逸らす。
「でも、ずっといるわけにはいかない。一ヶ月。それまでにアパート見つけて出てく」
「そんなぁ……ずっとここに居て下さいよ」
残念そうな顔に罪悪感が……。
なんで俺が罪悪感を感じなきゃならないんだ。
「なんで一緒に暮らしてくれないんですか?」
だって……一緒に暮らす理由がないだろ……。
昨日までの俺はケンちゃんが好きで、ケンちゃん以外あり得ないと思っていた。
たっつんの事も一回だけだと思っていたからできたわけで……。
あれ……? そういえば、ケンちゃんの事今まで忘れていた。
居酒屋で一人で飲んでいた時のあの暗い気持ちが全くなくなっていた。
たっつんのおかげ……なのかな……。
感謝はするけれど、一緒に住むのは違うよな……。
俺を見つめるたっつんの目が見れない。
「と、兎に角そういう事だから」
「わかりました。とりあえずはそれでいいです。それじゃあ僕は朝食──って、もうお昼ですね。昼食作ってきますね。正親さんは、もう少し寝ていて下さいね」
「居候の俺がやるべきじゃないのか?」
「いいんです。ゆっくりして下さい」
そっと俺の髪を撫でてから、ベッドを降りるたっつんをジッと見ていた。
付き合っている訳でもない赤の他人の俺を住まわせるなんてどうかしてるよ……。
彼は俺を知っているのに、俺は知らない。
何とも不思議な感覚だった。
◆◇◆
たっつんは、昼食も夕食も美味しいご飯を作ってくれた。
家の外には出させてもらえなかったけれど、まぁ今日は仕方ない。
今はお風呂にも入って、パジャマに着替えて寝る準備万端だ。
たっつんに急にスマホを向けられた。
パシャ。
「おい。勝手に撮るな。消せ」
何を考えているんだ。
「嫌です。スマホの待ち受けにします」
「やめろ! 恥ずかしすぎるだろ!」
「正親さんのパジャマ姿可愛いです……」
ニコニコしながら見つめるな。
恥ずかしい。
「俺は寝る時はパジャマじゃないと寝づらいんだ。お前はスウェットなんだな」
昨日はお風呂で軽くシャワー浴びて、そのままベッドインだったから……。
そのお風呂でもずっとキスしっぱなしだったと思い出して急に恥ずかしくなる。
「僕もパジャマにします! お揃いのブランドにします!」
「スウェットで充分だろ」
だから……シュンとするなって……。
ところで、当たり前のように寝室に誘導されたけれど、一緒に寝るつもりなのか?
「たっつん、布団借りてもいい?」
「この家に布団はありません」
「え? それならソファで寝るよ」
「ダメです! 一緒に寝ましょうよ?」
捨てられた仔犬のようにこちらを見るな!
「あのさ……その……昨日のは、俺も酔っていたし……浮気されて弱ってたから……」
「じゃあ……またその弱みにつけ込みます……」
ギュッと抱きつかれた。
弱みって言われても……もう気にしてないんだよな……。
背中をなぞられて、首筋をベロリと舐められる。
「んっ……ちょっと……たっつん……」
背中からパジャマに手を突っ込まれた。
「下は何も着ていないんですね……」
「パ、パジャマの肌触りが好きだから……」
ボタンを上から外されれば、チラリと乳首が見えて恥ずかしい。
「やめろよ……」
「なんかこれ……エロ過ぎます……下も履いてないんですか?」
「あ! 待て!」
パジャマのズボンにも手を突っ込まれた。
直接お尻を触られて、何も履いてないのがバレた……恥ずかしい。
だって楽なんだもん!
「おい? なんだ? なんで押すんだ。おい! ちょ、ちょっと! うわっ──!」
ボスッとベッドに押し倒された。
両手を押さえられて、欲情した顔で上から見下ろされれば、胸がキュゥゥンと鳴ってしまう。
「パンツ一枚でいるようなものじゃないですか……」
「ち、違う! パジャマのズボンだもん!」
「そうですね。パンツ一枚よりエロいです。正親さん、一緒に寝ましょ?」
「だめだ……俺はただの居候だって忘れるなよ……」
首筋に顔を埋められて、鎖骨をなぞって乳首に吸いつかれた。
「んぁ……はっ……あ……やめろって……」
「乳首もビンビンですよ……これでも一緒に寝ない?」
ピンッと乳首を指先で弾かれた。
「あんっ!」
「ほら、体は正直ですね」
ペロペロ舐められると声が止まらない。
うぅ……流されそうだ……。
「そ、そういえば……たっつんは、何の仕事をしてるんだ? 明日は仕事じゃないのか?」
誤魔化そうと話を変えてみる。
「来週から新入社員で入社する事になっているんです。だから、心配いりません」
「新入社員って……今22歳⁉︎」
「はい! あと一ヶ月で23になります!」
俺はそんなにも年下に手を出したなんて……。
すると、乳首にカリッと歯を立てられてビクッと反応してしまう。
「正親さん……余計な事考えないで下さい……こっちに集中して……」
気持ちのいい手がサワサワと俺の脇腹を撫でる。
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