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おかわり
ライバル side浬
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透はユキを狙っている。
わかっていないのはユキ本人だけだ。
だから、気軽に透の誘いに乗ってしまう。
救いなのは、ユキが自分だけが誘われたと思っていない所。
今日も、透に誘われて気軽に部屋を訪れている。
みんなで。
ユキは、10時近くになるとあくびを繰り返す。
いつもそれを見た透が自分のベッドに誘うのだ。
「ユキちゃん、俺のベッド使っていいよ」
「いいよ……ここで寝る」
ユキは、そこにあったクッションにポスっと寝転んだ。
「ユキちゃん……それなら、俺が隣で寝ようかな」
透のやつ! 気軽にユキの髪を撫でるのでイラッとする。
その髪の毛一本も透にあげるつもりはない。
「ユキ……部屋に戻るよ」
揺すっても起きない。
連日僕に付き合わせているからか相当眠いらしい。
「浬一人で部屋戻れよ」
「そんな危ない事できない」
透と睨み合う。
透と僕の攻防は続く。
今日は透が邪魔をしてユキを連れ出せない。
「雪彦、本格的に寝たな」
「透が雪彦の隣に枕置いたぞ」
「浬が反対側にクッション持ってきた」
「川の字ウケる。あいつらって見ていて飽きないよな」
クラスメイト達がお菓子を食べたりジュースを飲みながら、僕達を見て楽しんでいる。
みんな他人事だと思って……。
「雪彦可愛いからな。二人が夢中になるのもわかるな」
クラスメイトの言葉が聞き捨てならない。
思わず耳を傾けた。
「顔もそうなんだけどさ、中身っていうの?」
「そうそう。可愛い顔を気にして俺とかいう所とかさ」
「身長を気にして、いつも牛乳飲む所とかな」
「「「わかる」」」
僕もすごくよくわかる。
でも、ユキは可愛いけれど、とてもカッコいいんだ。
「見ろよ、あの寝顔。雪彦って普段口悪いだろ? 可愛い寝顔のギャップがいいよな……」
みんなでユキの顔を覗き込む。
ユキ……狙われてる!
僕と透でクラスメイト達を睨む。
「ユキを変な目で見るな」
「それ……お前らだろ……」
「ユキちゃんの隣は譲らないよ」
「マスコット的な存在だから。本気なお前らには負ける……」
◆◇◆
クラスメイト達が寝静まった頃に、透がユキに手を出そうとする。
ユキは僕が守る。
仰向けでぐっすり寝ているユキを挟んで透と言い合いをしていた。
「ユキちゃんの寝顔超可愛い……」
「透は見るな」
「浬、いつもこの寝顔見ててよく我慢できるな」
「…………」
我慢なんかできなかった。
可愛すぎて毎日オカズにしてた。
「ユキちゃん……もっとこっちに」
透がそっと誘導すると、ユキがゴロリと透の方を向いてしまう。
「へへっ。来た来た」
透がギュッと抱きしめるのを見て透の腕を抓った。
透は、思わず手を引っ込める。
「いっつ──! お前! 大きい声出るところだったぞ!」
「離せ。ユキ、こっち」
今度はゴロリと僕の方を向かせる。
ユキを抱き寄せてギュッとする。
「お前こそ離せよな」
ふと思い立って、ブツブツ言う透に見せつけるようにユキの唇にチュッとキスをする。
「浬! 俺だってそこまでやってないぞ! ユキちゃん返せ!」
「やだよ。そもそもユキは僕のだ」
「はぁ? ふざけんなよ」
「証拠ならあるよ」
そこで、ニヤリと笑ってユキの襟足をそっとあげて、うなじを見せてやった。
薄暗い室内でも白い肌に浮かんで見える痕。
「──キスマーク⁉︎」
「僕のね。普段は見えないのがたまらないよね」
透の悔しそうな顔にドヤ顔をしてやる。
「はっ……ははっ……そんなのお前が勝手に付けただけかもしれないだろ?」
う……胸に付けたら怒られたから、うなじはユキには内緒で付けた。
言ってる事は間違ってない。
こうなったら!
またもユキにキスして服の中に手を突っ込んで背中をツーっと撫でる。
ユキを起こして見せつけてやる。
「ん……ぁ……」
寝ていても微かに声が出るんだよね。
ユキの可愛い声を聞かせると、透はゴクリと喉を鳴らした。
「んん……かいり……? んっ……だめ……」
「ユキ? 起きた?」
返事はない。
寝ぼけているみたいだ。
なにその寝ぼけ方……!
僕の名前を呼んで優しくだめって言った!
「ユ、ユキは……僕が好きだよね?」
「ん……好きぃ……あっ……」
言った……! 寝ぼけながら言った!
初めて言われた!
これ、いつも起こす前にやろう!
「ユキちゃん……! 本当に⁉︎」
透に僕のものだと見せつけるだけのつもりだったのに、可愛くて手が止まらなくなってしまった。
もう少しだけ……。
そう思いながら、勃ち上がった乳首をスリスリして、キュッと摘んだ。
「んっ……かぃ……り……」
な、名前呼んだぁぁ!
感動と興奮で、ここが自分達の部屋だったら飛びついている……!
どうしよう! ユキが可愛すぎる!
「ちくしょう……ああ……俺のユキちゃんが……」
まずい! 今日のユキは起きない。
これ以上やると透のやつが可愛いユキに欲情する。
我慢我慢我慢がまんがまんがまん──
どうにか手を止めることができて、大きく深呼吸をする。
ちょっと勃ったのを悟られないようにまたドヤ顔をした。
「これでわかったでしょ? ユキに手を出さないで」
「俺は諦めが悪いんだ。浬相手じゃユキちゃんもすぐに別れるかも」
透は、僕達が付き合っていると知っても諦めないらしい。
しつこいやつだ。
「……うぅん……あっちぃ……」
ドカッ!
「いっ──!」
ユキが僕のモノを蹴って仰向けになった。
あまりの痛さに股間を押さえて悶絶する。
ユキ……使い物にならなくなるよ……。
完全に勃ってなくてよかった……。
「調子に乗るからさ。ばかだな」
透が肩を揺らしてクスクスと笑う。
悔しい。
すると、ユキは透の方にもゴロリ寝返りを打った。
ドカッ!
「うっ──!」
透も僕と同じように自分のモノを蹴られて悶絶する。
透のモノなんて使えなくなってしまえばいいのに。
二人で痛さに耐えて冷や汗をかきながらも、お互いに笑ってみせる。
「浬……ここは……休戦と行こうか……」
「そうだね……仕方ない……」
◆◇◆
「あっちぃ! お前らどけ!」
目覚めたユキが僕の腕をどかして上半身を起こした。
「ユキ……おはよう」
腰に腕を回せば、透も真似をしたのでムッとしてその腕を外そうとする。
抵抗する透と密かに攻防中。
「ユキちゃん……もうちょっと寝てようよぉ」
「お前ら離せ。俺は朝食を食べに行くんだ」
「じゃあ、僕もユキと一緒に行く」
「なら、俺も行く……」
ユキと透の三人で朝食を食べて、透を自分の部屋に追い払って、自分達の部屋に戻ってきた。
すかさず背後からユキを抱きしめる。
「ユキぃ……」
「なんだよ?」
「僕の事好き?」
「は? 何言ってんだよ……」
やっぱり言ってくれない。
でも、今日の僕は一味違う!
昨日の一言で元気いっぱいだ!
「僕はユキが好き。昨日できなかったから今させて?」
夜に中途半端にユキに触ったせいで、ずっとおあずけ状態だった。
チュッチュッと首筋にキスをする。
「ん……今?」
「いーま。朝食のデザートは……ユキ」
耳をハムっとしてペロッとして、首筋をツーと舌で味わう。
「んっ……あっ……浬……待て……」
「もう待てない……」
「ベッド行くんだよ」
なんて男らしい!
ユキはベッドに横になって両手を広げた。
「ほら、来い」
僕に尻尾が付いてたら、千切れんばかりに振っている。
その尻尾をブンブンと振りながらユキに思い切り飛び付いた。
わかっていないのはユキ本人だけだ。
だから、気軽に透の誘いに乗ってしまう。
救いなのは、ユキが自分だけが誘われたと思っていない所。
今日も、透に誘われて気軽に部屋を訪れている。
みんなで。
ユキは、10時近くになるとあくびを繰り返す。
いつもそれを見た透が自分のベッドに誘うのだ。
「ユキちゃん、俺のベッド使っていいよ」
「いいよ……ここで寝る」
ユキは、そこにあったクッションにポスっと寝転んだ。
「ユキちゃん……それなら、俺が隣で寝ようかな」
透のやつ! 気軽にユキの髪を撫でるのでイラッとする。
その髪の毛一本も透にあげるつもりはない。
「ユキ……部屋に戻るよ」
揺すっても起きない。
連日僕に付き合わせているからか相当眠いらしい。
「浬一人で部屋戻れよ」
「そんな危ない事できない」
透と睨み合う。
透と僕の攻防は続く。
今日は透が邪魔をしてユキを連れ出せない。
「雪彦、本格的に寝たな」
「透が雪彦の隣に枕置いたぞ」
「浬が反対側にクッション持ってきた」
「川の字ウケる。あいつらって見ていて飽きないよな」
クラスメイト達がお菓子を食べたりジュースを飲みながら、僕達を見て楽しんでいる。
みんな他人事だと思って……。
「雪彦可愛いからな。二人が夢中になるのもわかるな」
クラスメイトの言葉が聞き捨てならない。
思わず耳を傾けた。
「顔もそうなんだけどさ、中身っていうの?」
「そうそう。可愛い顔を気にして俺とかいう所とかさ」
「身長を気にして、いつも牛乳飲む所とかな」
「「「わかる」」」
僕もすごくよくわかる。
でも、ユキは可愛いけれど、とてもカッコいいんだ。
「見ろよ、あの寝顔。雪彦って普段口悪いだろ? 可愛い寝顔のギャップがいいよな……」
みんなでユキの顔を覗き込む。
ユキ……狙われてる!
僕と透でクラスメイト達を睨む。
「ユキを変な目で見るな」
「それ……お前らだろ……」
「ユキちゃんの隣は譲らないよ」
「マスコット的な存在だから。本気なお前らには負ける……」
◆◇◆
クラスメイト達が寝静まった頃に、透がユキに手を出そうとする。
ユキは僕が守る。
仰向けでぐっすり寝ているユキを挟んで透と言い合いをしていた。
「ユキちゃんの寝顔超可愛い……」
「透は見るな」
「浬、いつもこの寝顔見ててよく我慢できるな」
「…………」
我慢なんかできなかった。
可愛すぎて毎日オカズにしてた。
「ユキちゃん……もっとこっちに」
透がそっと誘導すると、ユキがゴロリと透の方を向いてしまう。
「へへっ。来た来た」
透がギュッと抱きしめるのを見て透の腕を抓った。
透は、思わず手を引っ込める。
「いっつ──! お前! 大きい声出るところだったぞ!」
「離せ。ユキ、こっち」
今度はゴロリと僕の方を向かせる。
ユキを抱き寄せてギュッとする。
「お前こそ離せよな」
ふと思い立って、ブツブツ言う透に見せつけるようにユキの唇にチュッとキスをする。
「浬! 俺だってそこまでやってないぞ! ユキちゃん返せ!」
「やだよ。そもそもユキは僕のだ」
「はぁ? ふざけんなよ」
「証拠ならあるよ」
そこで、ニヤリと笑ってユキの襟足をそっとあげて、うなじを見せてやった。
薄暗い室内でも白い肌に浮かんで見える痕。
「──キスマーク⁉︎」
「僕のね。普段は見えないのがたまらないよね」
透の悔しそうな顔にドヤ顔をしてやる。
「はっ……ははっ……そんなのお前が勝手に付けただけかもしれないだろ?」
う……胸に付けたら怒られたから、うなじはユキには内緒で付けた。
言ってる事は間違ってない。
こうなったら!
またもユキにキスして服の中に手を突っ込んで背中をツーっと撫でる。
ユキを起こして見せつけてやる。
「ん……ぁ……」
寝ていても微かに声が出るんだよね。
ユキの可愛い声を聞かせると、透はゴクリと喉を鳴らした。
「んん……かいり……? んっ……だめ……」
「ユキ? 起きた?」
返事はない。
寝ぼけているみたいだ。
なにその寝ぼけ方……!
僕の名前を呼んで優しくだめって言った!
「ユ、ユキは……僕が好きだよね?」
「ん……好きぃ……あっ……」
言った……! 寝ぼけながら言った!
初めて言われた!
これ、いつも起こす前にやろう!
「ユキちゃん……! 本当に⁉︎」
透に僕のものだと見せつけるだけのつもりだったのに、可愛くて手が止まらなくなってしまった。
もう少しだけ……。
そう思いながら、勃ち上がった乳首をスリスリして、キュッと摘んだ。
「んっ……かぃ……り……」
な、名前呼んだぁぁ!
感動と興奮で、ここが自分達の部屋だったら飛びついている……!
どうしよう! ユキが可愛すぎる!
「ちくしょう……ああ……俺のユキちゃんが……」
まずい! 今日のユキは起きない。
これ以上やると透のやつが可愛いユキに欲情する。
我慢我慢我慢がまんがまんがまん──
どうにか手を止めることができて、大きく深呼吸をする。
ちょっと勃ったのを悟られないようにまたドヤ顔をした。
「これでわかったでしょ? ユキに手を出さないで」
「俺は諦めが悪いんだ。浬相手じゃユキちゃんもすぐに別れるかも」
透は、僕達が付き合っていると知っても諦めないらしい。
しつこいやつだ。
「……うぅん……あっちぃ……」
ドカッ!
「いっ──!」
ユキが僕のモノを蹴って仰向けになった。
あまりの痛さに股間を押さえて悶絶する。
ユキ……使い物にならなくなるよ……。
完全に勃ってなくてよかった……。
「調子に乗るからさ。ばかだな」
透が肩を揺らしてクスクスと笑う。
悔しい。
すると、ユキは透の方にもゴロリ寝返りを打った。
ドカッ!
「うっ──!」
透も僕と同じように自分のモノを蹴られて悶絶する。
透のモノなんて使えなくなってしまえばいいのに。
二人で痛さに耐えて冷や汗をかきながらも、お互いに笑ってみせる。
「浬……ここは……休戦と行こうか……」
「そうだね……仕方ない……」
◆◇◆
「あっちぃ! お前らどけ!」
目覚めたユキが僕の腕をどかして上半身を起こした。
「ユキ……おはよう」
腰に腕を回せば、透も真似をしたのでムッとしてその腕を外そうとする。
抵抗する透と密かに攻防中。
「ユキちゃん……もうちょっと寝てようよぉ」
「お前ら離せ。俺は朝食を食べに行くんだ」
「じゃあ、僕もユキと一緒に行く」
「なら、俺も行く……」
ユキと透の三人で朝食を食べて、透を自分の部屋に追い払って、自分達の部屋に戻ってきた。
すかさず背後からユキを抱きしめる。
「ユキぃ……」
「なんだよ?」
「僕の事好き?」
「は? 何言ってんだよ……」
やっぱり言ってくれない。
でも、今日の僕は一味違う!
昨日の一言で元気いっぱいだ!
「僕はユキが好き。昨日できなかったから今させて?」
夜に中途半端にユキに触ったせいで、ずっとおあずけ状態だった。
チュッチュッと首筋にキスをする。
「ん……今?」
「いーま。朝食のデザートは……ユキ」
耳をハムっとしてペロッとして、首筋をツーと舌で味わう。
「んっ……あっ……浬……待て……」
「もう待てない……」
「ベッド行くんだよ」
なんて男らしい!
ユキはベッドに横になって両手を広げた。
「ほら、来い」
僕に尻尾が付いてたら、千切れんばかりに振っている。
その尻尾をブンブンと振りながらユキに思い切り飛び付いた。
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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よろしくお願いします!




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