同室のイケメンに毎晩オカズにされる件

おみなしづき

文字の大きさ
上 下
2 / 15

2夜目

しおりを挟む
「はっ……んっ……」

 ──もしかして……。

 目を閉じていても呼吸音でわかってしまった。
 またかよ……。
 なんで俺の目の前でやるわけ?

「ユキ……」

 だから……そう呼ぶなよ。

 そっと薄目を開けたら、浬は頬をほんのりと赤く染めて、快感に眉根を寄せて薄く口を開けていた。
 やけに扇情的でドクンッと胸が鳴った。

 見なきゃ良かった……。

 目を閉じて少し高鳴った胸を落ち着かせる。
 何で俺はいつも横向いて寝てんだ。

「可愛い……」

 え? 俺の事?
 嘘だろ? 俺に言ったんじゃないよな?

「はぁ……なんで毎日こんな可愛い顔で寝てるの……」

 いや、今起きてるけど。
 やっぱり俺に言っているらしい。
 男に可愛いなんて言うな。

「んっ……ィク……」

 よし……寝よ……。

     ◆◇◆

「……ユキ……ユキ!」

 目を開ければいつも俺を必死で起こす浬だ……。
 やっぱり昨日のは……夢だ……。
 変な夢のおかげで俺は寝不足気味な気がする。

「やっと起きた。今日は朝食を食べるんでしょ?」
「たべりゅ……」

 やばっ……寝起きで舌が回らなかった……。
 寝不足気味だったから余計に。
 恥ずかしすぎる。

 浬が口元を押さえて下を向き、プルプルと震えている。
 笑いを堪えていないで、いっそうのこと笑え。
 ふざけやがって。

 のっそりとベッドから起き上がる。

「ユキ、食堂行こう」

 あくびをしながら用意して、制服に着替える。
 ふと視線を感じたような気がして浬を見る。
 こっち見てた。

「なんで見てんだ?」
「別に。早く着替えなよ」

 浬の前で着替えるのが嫌な気がするのはなぜだ……。

     ◆◇◆

 食堂で浬と一緒に朝食を食べる。

「ユキにこの卵焼きあげる」
「いいのか⁉︎ ラッキー」

 ニコニコと笑いながら、自分の卵焼きを俺の皿に乗せてくれた。
 やっぱり優しいんだよな……。

 ふと自分の皿の上にあるミニトマトに目がいった。

「これ、お礼にやるよ」

 ミニトマトを浬の皿にコロンっと乗せた。

「ユキ……ありがとう」

 ミニトマト一つに嬉しそうにお礼を言われた。
 照れたように笑った浬が可愛く見えたのは……気のせいだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...