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2夜目
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「はっ……んっ……」
──もしかして……。
目を閉じていても呼吸音でわかってしまった。
またかよ……。
なんで俺の目の前でやるわけ?
「ユキ……」
だから……そう呼ぶなよ。
そっと薄目を開けたら、浬は頬をほんのりと赤く染めて、快感に眉根を寄せて薄く口を開けていた。
やけに扇情的でドクンッと胸が鳴った。
見なきゃ良かった……。
目を閉じて少し高鳴った胸を落ち着かせる。
何で俺はいつも横向いて寝てんだ。
「可愛い……」
え? 俺の事?
嘘だろ? 俺に言ったんじゃないよな?
「はぁ……なんで毎日こんな可愛い顔で寝てるの……」
いや、今起きてるけど。
やっぱり俺に言っているらしい。
男に可愛いなんて言うな。
「んっ……ィク……」
よし……寝よ……。
◆◇◆
「……ユキ……ユキ!」
目を開ければいつも俺を必死で起こす浬だ……。
やっぱり昨日のは……夢だ……。
変な夢のおかげで俺は寝不足気味な気がする。
「やっと起きた。今日は朝食を食べるんでしょ?」
「たべりゅ……」
やばっ……寝起きで舌が回らなかった……。
寝不足気味だったから余計に。
恥ずかしすぎる。
浬が口元を押さえて下を向き、プルプルと震えている。
笑いを堪えていないで、いっそうのこと笑え。
ふざけやがって。
のっそりとベッドから起き上がる。
「ユキ、食堂行こう」
あくびをしながら用意して、制服に着替える。
ふと視線を感じたような気がして浬を見る。
こっち見てた。
「なんで見てんだ?」
「別に。早く着替えなよ」
浬の前で着替えるのが嫌な気がするのはなぜだ……。
◆◇◆
食堂で浬と一緒に朝食を食べる。
「ユキにこの卵焼きあげる」
「いいのか⁉︎ ラッキー」
ニコニコと笑いながら、自分の卵焼きを俺の皿に乗せてくれた。
やっぱり優しいんだよな……。
ふと自分の皿の上にあるミニトマトに目がいった。
「これ、お礼にやるよ」
ミニトマトを浬の皿にコロンっと乗せた。
「ユキ……ありがとう」
ミニトマト一つに嬉しそうにお礼を言われた。
照れたように笑った浬が可愛く見えたのは……気のせいだ。
──もしかして……。
目を閉じていても呼吸音でわかってしまった。
またかよ……。
なんで俺の目の前でやるわけ?
「ユキ……」
だから……そう呼ぶなよ。
そっと薄目を開けたら、浬は頬をほんのりと赤く染めて、快感に眉根を寄せて薄く口を開けていた。
やけに扇情的でドクンッと胸が鳴った。
見なきゃ良かった……。
目を閉じて少し高鳴った胸を落ち着かせる。
何で俺はいつも横向いて寝てんだ。
「可愛い……」
え? 俺の事?
嘘だろ? 俺に言ったんじゃないよな?
「はぁ……なんで毎日こんな可愛い顔で寝てるの……」
いや、今起きてるけど。
やっぱり俺に言っているらしい。
男に可愛いなんて言うな。
「んっ……ィク……」
よし……寝よ……。
◆◇◆
「……ユキ……ユキ!」
目を開ければいつも俺を必死で起こす浬だ……。
やっぱり昨日のは……夢だ……。
変な夢のおかげで俺は寝不足気味な気がする。
「やっと起きた。今日は朝食を食べるんでしょ?」
「たべりゅ……」
やばっ……寝起きで舌が回らなかった……。
寝不足気味だったから余計に。
恥ずかしすぎる。
浬が口元を押さえて下を向き、プルプルと震えている。
笑いを堪えていないで、いっそうのこと笑え。
ふざけやがって。
のっそりとベッドから起き上がる。
「ユキ、食堂行こう」
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ふと視線を感じたような気がして浬を見る。
こっち見てた。
「なんで見てんだ?」
「別に。早く着替えなよ」
浬の前で着替えるのが嫌な気がするのはなぜだ……。
◆◇◆
食堂で浬と一緒に朝食を食べる。
「ユキにこの卵焼きあげる」
「いいのか⁉︎ ラッキー」
ニコニコと笑いながら、自分の卵焼きを俺の皿に乗せてくれた。
やっぱり優しいんだよな……。
ふと自分の皿の上にあるミニトマトに目がいった。
「これ、お礼にやるよ」
ミニトマトを浬の皿にコロンっと乗せた。
「ユキ……ありがとう」
ミニトマト一つに嬉しそうにお礼を言われた。
照れたように笑った浬が可愛く見えたのは……気のせいだ。
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