5 / 5
5
しおりを挟む
「時春……こっちにきて……」
ベッドの脇に座って両手を広げられた。
誘われている……。
「……時晴……」
俺は赤くなりながら部屋の入り口で立ちすくんでいた。
桜司がこんなに積極的だったなんて予想外だ。
「付き合ってからキスはいっぱいしたよね。時春は想像した事ない? 僕はいっぱい想像した。時春に触りたい。時春は?」
そんなのもちろん想像したし、触りたいと思った。
俺は、照れながらも桜司の腕の前に立った。
そっとその腰を抱き寄せられて見上げられた。
ゴクリと喉を鳴らす。
「おわっ!」
グイッと引っ張られて、ドサリとベッドに倒れ込む。
見上げた桜司の顔は、やけに男らしかった。
唇にそっと触れる指先は優しくて、照れ臭くなる。
でも、問題がある……。
「俺、下なの……?」
「ごめんね。僕の方が時春の事を抱きたいって思ってる」
上から落ちてくるキスはおでこに鼻に首筋に……甘くて蕩けそうだ。
「俺も……勉強はしたんだけど……」
「僕に任せてくれればいい……時春は気持ち良くなって……いっぱい甘やかしてあげたいんだ……」
裸にされて、胸の突起を弄られる。
「んぁ……」
変な声、出た!
それを聞いて、桜司は嬉しそうに笑う。
「もっといっぱい声聞かせて……」
恥ずかしすぎる……。
桜司がこんな強引な部分も持ち合わせていたなんて知らなかった。
知らない桜司を知れる事が嬉しかった。
色々と予想外過ぎて笑えてくる。
桜司をギュッと抱き寄せて、覚悟を決めた。
「好きにして……いいよ……」
桜司の表情に欲が見えた。ガバッとされるキスは今までで一番興奮する。
まるで、大好きだって言われているみたいだ。
後ろに指を入れられた時は痛かった。
そう訴えたら、そこばかり攻められた。
痛くなくなるまで慣らされた。もうふやけてしまうんじゃないだろうか……。
「桜司……もういいから……んっ……気持ちよくなってるから……」
「大丈夫?」
「いいから……早く……」
桜司が覆いかぶさって俺の中に挿入ってきた時、痛みとかよりも嬉しかった。
しばらく二人でそのまま抱き合っていた。
生きてるって感じがする。
「動くからね……」
ゆっくりと動き出した桜司に翻弄されて行く。
なにこれ……気持ちいい……。
「んっ、あっ、ちょ、ちょっと……桜司……っ」
もういっぱいいっぱいで、動かれる度に快感の波にのまれていくみたいだ。
いつもと違う男っぽい桜司に胸がキュッとなる。
「時春……すごいね……想像以上に……エロくて……止まらない……」
俺の顔を真っ直ぐに見つめながら、艶のある声で呟かれる。
余裕なんてなくて、自分がどんな風に乱れているのか考えられなかった。
「ば、ばか……っ……そういう事……言うな。あっ、恥ずかすぎて……むりぃ……」
「時春……可愛い……」
濃厚なキスは、桜司の気持ちを表していて好きだ。
「んっ……桜司……好き……」
好きがあふれる。
「時春……僕はもっと好きだ……」
桜司の突いた場所に快感が駆け巡る。
「あ──っ! そこっ……ああっ……!」
「ここだね?」
何度も何度も腰を振られてもう訳がわからなかった。
「あっ、や、やばい……あっ、だめっ! イッちゃう──っ!」
「時春──っ!」
ギュッと抱きしめ合いながら昇り詰めれば、こんなにも満たされる事なんてない。
はぁはぁと二人の呼吸音だけが聞こえるみたいだ。
桜司の体温が心地いい。
「なんか……すごかったな……」
「うん……」
目が合うと気恥ずかしくてクスクスと笑い合う。
「桜司……誕生日おめでとう……」
桜司は、嬉しそうに笑った。
「時春も……おめでとう……」
「そういえば、俺も誕生日だったな……」
「自分の誕生日を忘れてたの?」
「おめでとうって言ってあげたいって思ってたから……」
「時春……」
ギュッと強く抱きしめられた。
俺も抱きしめ返す。
「僕は、時春と会えて嬉しい。時春と仲良くなれて嬉しい。こうやって繋がれて嬉しい。時春が生まれてきてくれて嬉しい。時春のお母さんにも感謝しなきゃ。時春を産んでくれてありがとうって……」
「それ……俺の真似?」
自分が似たような事を言ったことに恥ずかしくなる。
茶化すように言ってやれば、桜司はクスクスと笑う。
「そう。でも、本当の気持ち。僕は……生まれてきて良かった……」
「お、俺も! 生まれてきて良かった!」
「時春……毎年……二人でお祝いしようね」
桜司からそんな未来の言葉が聞けるなんて思っていなかった。
「もちろん──っ」
来年の約束どころか、毎年の約束ができた。嬉しすぎる。
「この先、何があっても時春と絶対別れないよ。覚悟しといてね」
それはこっちのセリフだ。
「桜司にもう一回おめでとうって言っていい?」
「何度だって……言ってよ」
「おめでとう」
ギューッと抱きしめる。
「ねぇ……もう一回したくなった……」
桜司はまた勃ったらしい。
確かに腹の奥で桜司を感じる。
「あっ……! ま、まだ動くなって……っ!」
部屋には二人の呼吸音と、ギシギシとベッドの軋む音が響く。それから、俺の喘ぐ声と桜司の好きだと囁く声。
それらに混じって、俺と桜司は『おめでとう』と何度も言い合っていた。
◆◇◆
十年後──春。
「桜司、だからぁ、あの人は会社の先輩で、全然俺の事に興味なんかねぇよ……」
仕事が終わって帰宅する時に、会社の先輩に声を掛けられていたのを桜司に見られてしまった。
「嘘だ。あの人、今日が時春の誕生日だって知ってて時春の事誘ってた」
会話の内容まで聞かれていたようだ。
桜司は、墓参りに行った帰りに俺を迎えに来てくれた。
それなのに、その現場を見て家に帰ってくる間もずっと不機嫌だった。
家に帰ってきてからも……か……。
「そうだったとしても、俺は桜司と二人で誕生日を祝うよ。ほら、機嫌直してくれよ?」
ダイニングテーブルに並べられたホールケーキと豪華な食事とワイン。
二人で用意したそれらを前に、口論なんてしていられない。
桜司の隣に移動して、そっとケーキにフォークを刺して、桜司の口元に寄せた。
「このケーキ、美味しいぞ~」
円を描くようにフォークをくるくると回す。
「…………」
「桜司が食べないなら、俺が──」
手をガシッと握られて、俺の手からケーキをパクリと食べた。
可愛いやつめ。誕生日に食べるケーキが大好物なのは知っている。
桜司は、ホールケーキだって残さず食べてしまう。
「美味しいだろ?」
ニコニコとしていれば、手を握ったままフォークを取られてテーブルに置かれた。
「美味しい……けど、時春は僕に食べられる方が先だ」
「え?」
グイッと引っ張られて、顔を寄せてきた桜司に唇を奪われる。
言葉通りに食べられてしまいそうな濃厚なキスだ。ケーキの甘い味がする。
「んっ……桜司……」
「ほら、すぐにそんないい顔をする……だから狙われるんだ」
「これはっ……相手がお前だからだろ……」
不機嫌だった顔が少し和らいだ。
そのまま服に手を掛けて脱がそうとしてくる。
「待てって……」
「待たない……」
いやらしい手つきで身体中を撫でられる。
「大事な事……言わないと……あっ」
チュッと繰り返されるキスは、止まることを知らない。
「桜司……ちょっ……待てって……ここじゃ──うわっ!」
「あっ!」
ガタンッと椅子から落ちた……。
桜司も俺に引っ張られるように一緒に落ちた。
二人して床に転がっている。
「だから待てって言ったんだろうが……」
「ごめん……」
桜司と目が合ったら笑えてきた。
「ははっ。桜司、誕生日おめでとう」
「ふふっ。時春も、おめでとう」
二人でクスクスと笑い合ってキスをする。
俺たちは何年経っても、毎年二人のお祝いを欠かすことは一度もなかった。
────────────
※あとがき
最後までお読みいただきありがとうございました。
テーマは『春』と『誕生日』でした。春生まれの皆様、おめでとうございます。
それでは、またお会いできたら嬉しいです。
ベッドの脇に座って両手を広げられた。
誘われている……。
「……時晴……」
俺は赤くなりながら部屋の入り口で立ちすくんでいた。
桜司がこんなに積極的だったなんて予想外だ。
「付き合ってからキスはいっぱいしたよね。時春は想像した事ない? 僕はいっぱい想像した。時春に触りたい。時春は?」
そんなのもちろん想像したし、触りたいと思った。
俺は、照れながらも桜司の腕の前に立った。
そっとその腰を抱き寄せられて見上げられた。
ゴクリと喉を鳴らす。
「おわっ!」
グイッと引っ張られて、ドサリとベッドに倒れ込む。
見上げた桜司の顔は、やけに男らしかった。
唇にそっと触れる指先は優しくて、照れ臭くなる。
でも、問題がある……。
「俺、下なの……?」
「ごめんね。僕の方が時春の事を抱きたいって思ってる」
上から落ちてくるキスはおでこに鼻に首筋に……甘くて蕩けそうだ。
「俺も……勉強はしたんだけど……」
「僕に任せてくれればいい……時春は気持ち良くなって……いっぱい甘やかしてあげたいんだ……」
裸にされて、胸の突起を弄られる。
「んぁ……」
変な声、出た!
それを聞いて、桜司は嬉しそうに笑う。
「もっといっぱい声聞かせて……」
恥ずかしすぎる……。
桜司がこんな強引な部分も持ち合わせていたなんて知らなかった。
知らない桜司を知れる事が嬉しかった。
色々と予想外過ぎて笑えてくる。
桜司をギュッと抱き寄せて、覚悟を決めた。
「好きにして……いいよ……」
桜司の表情に欲が見えた。ガバッとされるキスは今までで一番興奮する。
まるで、大好きだって言われているみたいだ。
後ろに指を入れられた時は痛かった。
そう訴えたら、そこばかり攻められた。
痛くなくなるまで慣らされた。もうふやけてしまうんじゃないだろうか……。
「桜司……もういいから……んっ……気持ちよくなってるから……」
「大丈夫?」
「いいから……早く……」
桜司が覆いかぶさって俺の中に挿入ってきた時、痛みとかよりも嬉しかった。
しばらく二人でそのまま抱き合っていた。
生きてるって感じがする。
「動くからね……」
ゆっくりと動き出した桜司に翻弄されて行く。
なにこれ……気持ちいい……。
「んっ、あっ、ちょ、ちょっと……桜司……っ」
もういっぱいいっぱいで、動かれる度に快感の波にのまれていくみたいだ。
いつもと違う男っぽい桜司に胸がキュッとなる。
「時春……すごいね……想像以上に……エロくて……止まらない……」
俺の顔を真っ直ぐに見つめながら、艶のある声で呟かれる。
余裕なんてなくて、自分がどんな風に乱れているのか考えられなかった。
「ば、ばか……っ……そういう事……言うな。あっ、恥ずかすぎて……むりぃ……」
「時春……可愛い……」
濃厚なキスは、桜司の気持ちを表していて好きだ。
「んっ……桜司……好き……」
好きがあふれる。
「時春……僕はもっと好きだ……」
桜司の突いた場所に快感が駆け巡る。
「あ──っ! そこっ……ああっ……!」
「ここだね?」
何度も何度も腰を振られてもう訳がわからなかった。
「あっ、や、やばい……あっ、だめっ! イッちゃう──っ!」
「時春──っ!」
ギュッと抱きしめ合いながら昇り詰めれば、こんなにも満たされる事なんてない。
はぁはぁと二人の呼吸音だけが聞こえるみたいだ。
桜司の体温が心地いい。
「なんか……すごかったな……」
「うん……」
目が合うと気恥ずかしくてクスクスと笑い合う。
「桜司……誕生日おめでとう……」
桜司は、嬉しそうに笑った。
「時春も……おめでとう……」
「そういえば、俺も誕生日だったな……」
「自分の誕生日を忘れてたの?」
「おめでとうって言ってあげたいって思ってたから……」
「時春……」
ギュッと強く抱きしめられた。
俺も抱きしめ返す。
「僕は、時春と会えて嬉しい。時春と仲良くなれて嬉しい。こうやって繋がれて嬉しい。時春が生まれてきてくれて嬉しい。時春のお母さんにも感謝しなきゃ。時春を産んでくれてありがとうって……」
「それ……俺の真似?」
自分が似たような事を言ったことに恥ずかしくなる。
茶化すように言ってやれば、桜司はクスクスと笑う。
「そう。でも、本当の気持ち。僕は……生まれてきて良かった……」
「お、俺も! 生まれてきて良かった!」
「時春……毎年……二人でお祝いしようね」
桜司からそんな未来の言葉が聞けるなんて思っていなかった。
「もちろん──っ」
来年の約束どころか、毎年の約束ができた。嬉しすぎる。
「この先、何があっても時春と絶対別れないよ。覚悟しといてね」
それはこっちのセリフだ。
「桜司にもう一回おめでとうって言っていい?」
「何度だって……言ってよ」
「おめでとう」
ギューッと抱きしめる。
「ねぇ……もう一回したくなった……」
桜司はまた勃ったらしい。
確かに腹の奥で桜司を感じる。
「あっ……! ま、まだ動くなって……っ!」
部屋には二人の呼吸音と、ギシギシとベッドの軋む音が響く。それから、俺の喘ぐ声と桜司の好きだと囁く声。
それらに混じって、俺と桜司は『おめでとう』と何度も言い合っていた。
◆◇◆
十年後──春。
「桜司、だからぁ、あの人は会社の先輩で、全然俺の事に興味なんかねぇよ……」
仕事が終わって帰宅する時に、会社の先輩に声を掛けられていたのを桜司に見られてしまった。
「嘘だ。あの人、今日が時春の誕生日だって知ってて時春の事誘ってた」
会話の内容まで聞かれていたようだ。
桜司は、墓参りに行った帰りに俺を迎えに来てくれた。
それなのに、その現場を見て家に帰ってくる間もずっと不機嫌だった。
家に帰ってきてからも……か……。
「そうだったとしても、俺は桜司と二人で誕生日を祝うよ。ほら、機嫌直してくれよ?」
ダイニングテーブルに並べられたホールケーキと豪華な食事とワイン。
二人で用意したそれらを前に、口論なんてしていられない。
桜司の隣に移動して、そっとケーキにフォークを刺して、桜司の口元に寄せた。
「このケーキ、美味しいぞ~」
円を描くようにフォークをくるくると回す。
「…………」
「桜司が食べないなら、俺が──」
手をガシッと握られて、俺の手からケーキをパクリと食べた。
可愛いやつめ。誕生日に食べるケーキが大好物なのは知っている。
桜司は、ホールケーキだって残さず食べてしまう。
「美味しいだろ?」
ニコニコとしていれば、手を握ったままフォークを取られてテーブルに置かれた。
「美味しい……けど、時春は僕に食べられる方が先だ」
「え?」
グイッと引っ張られて、顔を寄せてきた桜司に唇を奪われる。
言葉通りに食べられてしまいそうな濃厚なキスだ。ケーキの甘い味がする。
「んっ……桜司……」
「ほら、すぐにそんないい顔をする……だから狙われるんだ」
「これはっ……相手がお前だからだろ……」
不機嫌だった顔が少し和らいだ。
そのまま服に手を掛けて脱がそうとしてくる。
「待てって……」
「待たない……」
いやらしい手つきで身体中を撫でられる。
「大事な事……言わないと……あっ」
チュッと繰り返されるキスは、止まることを知らない。
「桜司……ちょっ……待てって……ここじゃ──うわっ!」
「あっ!」
ガタンッと椅子から落ちた……。
桜司も俺に引っ張られるように一緒に落ちた。
二人して床に転がっている。
「だから待てって言ったんだろうが……」
「ごめん……」
桜司と目が合ったら笑えてきた。
「ははっ。桜司、誕生日おめでとう」
「ふふっ。時春も、おめでとう」
二人でクスクスと笑い合ってキスをする。
俺たちは何年経っても、毎年二人のお祝いを欠かすことは一度もなかった。
────────────
※あとがき
最後までお読みいただきありがとうございました。
テーマは『春』と『誕生日』でした。春生まれの皆様、おめでとうございます。
それでは、またお会いできたら嬉しいです。
10
お気に入りに追加
50
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

台風の目はどこだ
あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。
政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。
そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。
✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台
✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました)
✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様
✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様
✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様
✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様
✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。
✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)

英雄の帰還。その後に
亜桜黄身
BL
声はどこか聞き覚えがあった。記憶にあるのは今よりもっと少年らしい若々しさの残る声だったはずだが。
低くなった声がもう一度俺の名を呼ぶ。
「久し振りだ、ヨハネス。綺麗になったな」
5年振りに再会した従兄弟である男は、そう言って俺を抱き締めた。
──
相手が大切だから自分抜きで幸せになってほしい受けと受けの居ない世界では生きていけない攻めの受けが攻めから逃げようとする話。
押しが強めで人の心をあまり理解しないタイプの攻めと攻めより精神的に大人なせいでわがままが言えなくなった美人受け。
舞台はファンタジーですが魔王を倒した後の話なので剣や魔法は出てきません。
魚上氷
楽川楽
BL
俺の旦那は、俺ではない誰かに恋を患っている……。
政略結婚で一緒になった阿須間澄人と高辻昌樹。最初は冷え切っていても、いつかは互いに思い合える日が来ることを期待していた昌樹だったが、ある日旦那が苦しげに花を吐き出す姿を目撃してしまう。
それは古い時代からある、片想いにより発症するという奇病だった。
美形×平凡
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。

代わりでいいから
氷魚彰人
BL
親に裏切られ、一人で生きていこうと決めた青年『護』の隣に引っ越してきたのは強面のおっさん『岩間』だった。
不定期に岩間に晩御飯を誘われるようになり、何時からかそれが護の楽しみとなっていくが……。
ハピエンですがちょっと暗い内容ですので、苦手な方、コメディ系の明るいお話しをお求めの方はお気を付け下さいませ。
他サイトに投稿した「隣のお節介」をタイトルを変え、手直ししたものになります。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
感想ありがとうございます!
いつもの作品とは違い、暗めになってしまったので受け入れられて良かったです♡
時春の明るさに桜司は救われたと思います。
私も10年後が気に入っていて、ずっと一緒にいてこそ完結だと思っています。10年後もお祝いしてるのは、あの家で……かもしれませんね(〃ω〃)
こちらこそいつもありがとうございます!嬉しいです♡
感想ありがとうございます!
私もあのキスシーン気に入ってます♡ついでに言うと最後のシーンも好きですw
いつもとは違う感じの内容でしたが、受け入れられて良かったです。
春なので、春っぽいものをと思って書いたのですが、暗くなっちゃいました(;^ω^)
でも、少しでもポカポカして頂けたのなら嬉しいです。
ありがとうございました!