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最終話 **
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しばらくすると、涼は力を抜いた。
そっと体を起こして涼を見下ろした。
「ハル……」
「なんだよ……」
「ふふっ。ハル……しよっか」
「やだよ……風呂にも入ってない」
「そんなこと僕は気にしない。今だってハルの全身を舐められる」
なんてやつ……。
「変態……俺は気にする」
今日は変な汗をいっぱいかいた。
お互い涙でぐちゃぐちゃで、ちゃんと綺麗にしたい。
「じゃあ、一緒に入って、それからしよ」
「輝さんの家なんだろ? そんな事していいのかよ?」
輝さんの名前を出した途端、涼の顔が曇った。
「輝と会ったの?」
「じゃなきゃ、こうやって涼に会えてない」
「あいつに貸し作った……」
「なんでそんなに嫌ってんだ?」
「僕の悪い所全部詰め込んで、それなのに自分が悪いって少しも思わないタイプだから」
「…………」
なんともまぁ、クセの強そうな人だ……。
「ハルはあまり近付かないで。もう輝の話はいいよ。ほら、行こう」
そのまま風呂場まで連れてかれて、全身洗われた。
涼の手が隅から隅まで撫で回す。
「あ、ん、ちょっと……ふぁ……涼! そういう洗い方すんなよ!」
「ふふっ。洗ってるだけなのに感じちゃった?」
もうすっかりいつもの涼だ。
いたずらっぽく笑う涼を睨んで、さっさとシャワーで流して先に出た。
服は涼のシャツ。
なんとなく涼の香りがする気がして照れる。
部屋の中に入ってどこで待とうか迷う。
ベッドじゃやる気満々な気が……いや、やる気満々なんだけど……。
開き直ってベッドの上で待っていれば、笑顔でやってきた涼はすぐに覆い被さってくる。
「ハル、さっき言った事、証明してあげる」
「え?」
涼は、俺の足首を持って持ち上げると足の指に口付けた。
そのまま指と指の間を舐められた。
ゾクゾクとした感覚に震える。
「──あっ! そんなとこっ……舐めるなよっ……!」
「全身綺麗に洗ったんだからいいでしょ?」
そのまま指を口に入れられて舐め回された。
足の指も感じるなんて……。
涼を蹴り飛ばしてしまいそうな快感に耐える。
丁寧に全部の指を舐められた。
「んぁ! りょう……!」
ゾクゾクした感覚が何度も俺を襲う。
そのうちに、段々とふくらはぎ、膝、太もも、腹、ヘソ、脇腹、と順番に上がってきて──全身を隈無く舐められた。
それと同時に服も脱がされた。
全身が涼の唾液でべちょべちょだ……。
もう既に自分の息がはぁはぁとあがっている。
涼は、上から俺の顔を覗き込んで微笑む。
「ほら、言った通りでしょ?」
「へん……たい……」
優しく啄むようにキスされれば、そのままゴロリと位置を変えてやった。
今度は俺の方が涼を見下ろす。
「ハル?」
「今度は俺の番……」
涼にキスして、舌を入れた。
歯列をなぞり、涼の舌に舌を絡ませて二人の唾液を混ぜ合わせる。
舌のネチョリとする感触が気持ちいい。
涼は、俺の首に腕を回してきて、もっと欲しいとキスを強請る。
角度を変えて何度も繰り返す。
唇を離せば、涼は少し赤くなった顔で「はぁっ」と息を吐く。
そうやって時々こぼれる涼の吐息が好きだ。
首筋にチュッと口付けて舌を這わす。
鎖骨に吸い付いて、そこに残った赤い痕をそっと指でなぞった。
「俺のものって印……」
「ふふっ。僕はハルのものだよ……」
服を全部脱がして腹に口付けてから、涼の勃ち上がっていたモノに手を伸ばして口を寄せた。
いつも以上に丁寧に涼のモノを舐め回してから手で扱いた。
期待の蜜が涼からどんどんあふれてくる。
「ははっ……ギンギン……」
「ハルのせいだよっ……」
「一度イッとく……?」
「口に出していい……? イッても離さないでね」
「うん……」
涼が気持ちいいように唾液でグチュグチュにして、上下に動かす頭を早くする。
口に入らない部分を扱く手も、少しだけ強めに握った。
弱過ぎず、強すぎない絶妙な加減が気持ちいいと自分で知っている。
そのうちにドクンッと涼のモノから精液が飛び出してくれば、それをゴクンッと飲み込みながら口を離さないようにした。
咥えたままゆっくりと精液を舐めとっていて気付く。
今、涼はイッたはずなのに……あまり萎えない……。
それどころか、俺が舐めているからか、また硬くなってくる。
嘘だろ? 勃ちっぱなしって……。
「ふふっ……ハル、咥えたままこっちに体寄越して……」
言われるまま、涼の方に反対むきに跨がれば、涼の目の前に俺のモノが晒される。
それどころか、尻の蕾まで見えてそうだ。
「これ……恥ずかしい……」
一度この形でお仕置きされた時は、俺が下だったけれど、上がこんな恥ずかしいだなんて思ってもいなかった。
涼には羞恥心がないんだろうか……。
涼の手が尻を撫でて尻にキスしてくる。
「ハルの全部が丸見えで可愛いよ。あ、ヒクって動いたよ」
「そういう事言うなよ……」
実況はやめてほしい。
恥ずかしさを誤魔化すように涼のモノを夢中で舐めしゃぶった。
そのまま俺のモノに口を寄せて、丁寧に舐められながら扱かれる。
お互いのモノを舐め回して、愛おしいと伝え合う。
上の方が有利だと思ってたけど……そうでもないらしい。
「──んあぁ!」
舐めしゃぶる事に集中していたら、尻の蕾に指を入れられた。
急な事に思わず涼のモノを口から離してしまった。
そのまま噛まなかっただけマシだと思って欲しい。
「りょうっ! あっ、そんな事したら──!」
「ふふっ……気持ち良くなっちゃう?」
涼は下からしゃぶりながら、俺の中をかき混ぜる。
両方の刺激にビクビクと体を震わせる。
涼の上に倒れないように一生懸命に手足に力を入れた。
「あ、ん……はっ……! んんっ……!」
グチュグチュと音をさせて、俺の気持ちいい所を何度も執拗に攻めてくる。
両方の快感で、段々と昇り詰めて行く。
「はっ! ……りょう! ぁんっ──ダメだっ! ──イッちゃう!」
涼は、そのまま一際強く俺のモノに吸いつきながら、指を少し強めにグリグリと押した。
「くっ……っんああぁ──っ!」
絶頂の快感に震えた。
ドクドクと自分のモノが脈打つのが落ち着くまで、ずっとしゃぶられた。
その間も指を動かし続けられて喘ぎ続ける。
涼が俺のモノから口を離して精液をゴクンッと飲み込めばやっと解放された。
「ふふっ。可愛かった……」
起きあがろうとした涼を静止し仰向けのままにして、キスしながら上に跨った。
「え? まさか……ハルがやってくれるの?」
「わりぃかよ……」
「ふふっ。嬉しい」
涼のモノを自身の蕾に押し当てた。
いつも涼にされるがままだったけれど、自分で涼に気持ち良くなって欲しかった。
上からゆっくりと体重をかけた。
段々と自分の体に入ってくる涼をしっかりと受け止める。
「んんっ……くっ……はっ……はぁぁ……」
全部入った……。
自分の体重で涼のモノがコツコツと奥まで届く。
「すごい……ハルの事、下から見上げるなんて……」
「恥ずかしいから……あんまり見ないで……」
「やだよ……ちゃんと見てるから、いっぱい動いて」
涼は、俺の腹に手を伸ばしてそっと撫でた。
「ハルの中……あったかいよ……」
涼の胸の上に手を置いて、そっと体を上下に動かした。
涼の反応を確かめながら、自分で自分の気持ちいい場所に当てて動く。
そんな自分を想像すると羞恥心が湧いて体が真っ赤に染まる。
「あっ……はっ……! ぁ……ぅんっ……りょう……気持ち……ぃぃ?」
「はっ……いいよっ、気持ちいい……」
眉根を寄せながら、快楽に耐えている涼の顔を見下ろすとすごく興奮する。
一度出した自分のモノも快楽と欲望でまた勃ち上がる。
「あっ、はっ、ふぁ……あぁ……!」
「ハル……可愛すぎ……我慢できないよ……動きたい」
涼が俺の乳首に手を伸ばして弄れば、更に涼を締め付けた。
上下に動くタイミングに合わせるように下から突き上げられた。
そんな事をされると、段々と自分では動けなくなってしまう。
涼の与えられる快感に体が倒れないように必死で自分を支えるしかない。
「ハルの気持ちいい所……いっぱい突いてあげるっ……」
「あっ! あんっ! ぅあっ! くっ、んっ──!」
激しくズンズンと何度も気持ちいい所を刺激されてイキそうだ。
「あっ! ……りょう! あんっ! もぅ……イクよ!」
「イッて! ほら、ハルのイク所、全部見てるっ!」
涼に見られていると意識すればさらに感じてしまう。
「あンッ! ンンンッ──! はっ! ンああああぁぁぁ──っ!」
中でイク時の絶頂は、叫ばずにはいられない。
倒れそうになった俺の体を、涼が体を起こして支えてくれた。
そのままベッドに押し倒されて覆い被さってくる。
今度は涼が俺を見下ろして何度も突いてくる。
「……まって! ……りょうっ! あっ! ダメッ! はぁっ! おかしくっ……なりそうっ!」
「なればいいよ! もっと僕で気持ち良くなればいい!」
終わらない絶頂に、トロトロに溶けてしまいそうだ。
涼の頰に手を伸ばして触れれば、笑ってその手に手を重ねて口付けられる。
「りょう……わかるっ⁉︎ あっ! ……俺がっ! りょうを……愛してるのがっ!」
「ハル……! わかるよ! 僕は、こんなにも、幸せなんだから……!」
涼に思い切り抱き締められれば、そのまましがみついて、永遠に続くんじゃないかと思う快感に必死に耐えた。
◆◇◆
「もう無理……」
力の入らなくなった体を横たえて、ぐったりとしていた。
「ふふっ。可愛かったなぁ……」
涼は、そんな俺の背後から腰に腕を回してピッタリとくっついていた。
「お前……なんでそんなに絶倫なんだよ……」
「ハルが可愛いからだよ」
涼は、嬉しそうにクスクスと笑う。
そのうちに、首や肩、腕や背中にチュッチュッと口付けてくる。
「やめろ……」
「ハルが僕のものだって確かめてるの」
「まったく……」
チュッチュッと終わらないキスを受け入れる。
それで安心するならと、しばらく好きにさせてやる。
そのうちに首筋を舐めて甘噛みしてくる。
耳を舐められてゾクリとした。
視線だけで軽く睨むと嬉しそうに笑う。
その顔を見ると睨んでいたはずなのに、自分も微笑んでしまうのだからどうしようもない。
「ハル……愛してるよ」
「……俺も……」
「えへへっ」
あれ? なんか……腰の辺りに当たっている涼のモノがムクムクと……。
「ねぇ、ハル……勃っちゃった」
「嘘だろ……」
「めちゃくちゃにして……いいんだよね?」
こちらを覗き込んでニコニコしている涼に青ざめた。
俺は……早まったのかもしれない……。
◆◇◆
それからは、涼と離れて暮らした。
思い出いっぱいの家は、あんなに苦しかったのに、今は微笑ましく思うなんて笑ってしまう。
気持ち次第でこうも変わるのか。
高三は、大学受験の為にずっと勉強の毎日だった。
大学は、涼が行っていた大学と同じにした。
雅哉も行くような名門大学に挑戦しようなんて、俺の人生最大の無謀だった。
涼にほとんど会わずに過ごしていたと思う。
その甲斐あって、無事に大学生になれて、雅哉と一緒に学内を並んで歩く。
桜がヒラヒラと舞い降る学内には、賑やかな声が響いている。
「まさかハルが俺と同じ大学に受かるなんてな……」
「雅哉のおかげだよ。いっぱい勉強教えてくれたからな。雅哉こそ、法学部なんてすごすぎだ」
雅哉は少し照れたように笑う。
「涼さんと一緒に暮らすんだろ?」
「うん。涼の職場からも俺の大学からも丁度いい場所に部屋探してる」
「幸せそうで何よりだよ」
「雅哉も幸せになれよ……」
「わかってるよ」
微笑む雅哉に手を振って別れ、涼の所へ行く。
輝さんは、マンションのカードキーを俺にも預けてくれた。
俺も自由に出入りしていいなんて、輝さんは優しい人なんだと思っている。
涼が一緒だとあまり話をさせてもらえないけれど。
誰もいない涼の部屋に入って、涼が帰ってくるのを待っていた。
涼の書斎机の上には、俺の作ったスノードームがそっと置かれていた。
引っ越しの時に何も持たなかったのかと思っていたけれど、涼はこれを持ってきていた。
涼の部屋でこれを見つけた時には、なんとも言えない嬉しさが込み上げた。
その明かりのついた家を見て微笑む。
これから借りる二人の家も、この家のように二人の思い出でいっぱいになるんだろう。
そのうちに玄関の開く音が聞こえれば、急いで出迎えに行った。
「涼! おかえり!」
「ハル! ただいま!」
ギューッと抱きつかれるのは通常運転。
おかえりのキスを強請る涼にキスしてやれば蕩けた顔で微笑む。
そんな涼を可愛いと思いながら、今日も俺は涼のそばにいる。
──────────
*あとがき
これで完結になります。
最後までお読み頂き感謝致します。
他の作品でも会えると嬉しいです。
本当にありがとうございました。
そっと体を起こして涼を見下ろした。
「ハル……」
「なんだよ……」
「ふふっ。ハル……しよっか」
「やだよ……風呂にも入ってない」
「そんなこと僕は気にしない。今だってハルの全身を舐められる」
なんてやつ……。
「変態……俺は気にする」
今日は変な汗をいっぱいかいた。
お互い涙でぐちゃぐちゃで、ちゃんと綺麗にしたい。
「じゃあ、一緒に入って、それからしよ」
「輝さんの家なんだろ? そんな事していいのかよ?」
輝さんの名前を出した途端、涼の顔が曇った。
「輝と会ったの?」
「じゃなきゃ、こうやって涼に会えてない」
「あいつに貸し作った……」
「なんでそんなに嫌ってんだ?」
「僕の悪い所全部詰め込んで、それなのに自分が悪いって少しも思わないタイプだから」
「…………」
なんともまぁ、クセの強そうな人だ……。
「ハルはあまり近付かないで。もう輝の話はいいよ。ほら、行こう」
そのまま風呂場まで連れてかれて、全身洗われた。
涼の手が隅から隅まで撫で回す。
「あ、ん、ちょっと……ふぁ……涼! そういう洗い方すんなよ!」
「ふふっ。洗ってるだけなのに感じちゃった?」
もうすっかりいつもの涼だ。
いたずらっぽく笑う涼を睨んで、さっさとシャワーで流して先に出た。
服は涼のシャツ。
なんとなく涼の香りがする気がして照れる。
部屋の中に入ってどこで待とうか迷う。
ベッドじゃやる気満々な気が……いや、やる気満々なんだけど……。
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「ハル、さっき言った事、証明してあげる」
「え?」
涼は、俺の足首を持って持ち上げると足の指に口付けた。
そのまま指と指の間を舐められた。
ゾクゾクとした感覚に震える。
「──あっ! そんなとこっ……舐めるなよっ……!」
「全身綺麗に洗ったんだからいいでしょ?」
そのまま指を口に入れられて舐め回された。
足の指も感じるなんて……。
涼を蹴り飛ばしてしまいそうな快感に耐える。
丁寧に全部の指を舐められた。
「んぁ! りょう……!」
ゾクゾクした感覚が何度も俺を襲う。
そのうちに、段々とふくらはぎ、膝、太もも、腹、ヘソ、脇腹、と順番に上がってきて──全身を隈無く舐められた。
それと同時に服も脱がされた。
全身が涼の唾液でべちょべちょだ……。
もう既に自分の息がはぁはぁとあがっている。
涼は、上から俺の顔を覗き込んで微笑む。
「ほら、言った通りでしょ?」
「へん……たい……」
優しく啄むようにキスされれば、そのままゴロリと位置を変えてやった。
今度は俺の方が涼を見下ろす。
「ハル?」
「今度は俺の番……」
涼にキスして、舌を入れた。
歯列をなぞり、涼の舌に舌を絡ませて二人の唾液を混ぜ合わせる。
舌のネチョリとする感触が気持ちいい。
涼は、俺の首に腕を回してきて、もっと欲しいとキスを強請る。
角度を変えて何度も繰り返す。
唇を離せば、涼は少し赤くなった顔で「はぁっ」と息を吐く。
そうやって時々こぼれる涼の吐息が好きだ。
首筋にチュッと口付けて舌を這わす。
鎖骨に吸い付いて、そこに残った赤い痕をそっと指でなぞった。
「俺のものって印……」
「ふふっ。僕はハルのものだよ……」
服を全部脱がして腹に口付けてから、涼の勃ち上がっていたモノに手を伸ばして口を寄せた。
いつも以上に丁寧に涼のモノを舐め回してから手で扱いた。
期待の蜜が涼からどんどんあふれてくる。
「ははっ……ギンギン……」
「ハルのせいだよっ……」
「一度イッとく……?」
「口に出していい……? イッても離さないでね」
「うん……」
涼が気持ちいいように唾液でグチュグチュにして、上下に動かす頭を早くする。
口に入らない部分を扱く手も、少しだけ強めに握った。
弱過ぎず、強すぎない絶妙な加減が気持ちいいと自分で知っている。
そのうちにドクンッと涼のモノから精液が飛び出してくれば、それをゴクンッと飲み込みながら口を離さないようにした。
咥えたままゆっくりと精液を舐めとっていて気付く。
今、涼はイッたはずなのに……あまり萎えない……。
それどころか、俺が舐めているからか、また硬くなってくる。
嘘だろ? 勃ちっぱなしって……。
「ふふっ……ハル、咥えたままこっちに体寄越して……」
言われるまま、涼の方に反対むきに跨がれば、涼の目の前に俺のモノが晒される。
それどころか、尻の蕾まで見えてそうだ。
「これ……恥ずかしい……」
一度この形でお仕置きされた時は、俺が下だったけれど、上がこんな恥ずかしいだなんて思ってもいなかった。
涼には羞恥心がないんだろうか……。
涼の手が尻を撫でて尻にキスしてくる。
「ハルの全部が丸見えで可愛いよ。あ、ヒクって動いたよ」
「そういう事言うなよ……」
実況はやめてほしい。
恥ずかしさを誤魔化すように涼のモノを夢中で舐めしゃぶった。
そのまま俺のモノに口を寄せて、丁寧に舐められながら扱かれる。
お互いのモノを舐め回して、愛おしいと伝え合う。
上の方が有利だと思ってたけど……そうでもないらしい。
「──んあぁ!」
舐めしゃぶる事に集中していたら、尻の蕾に指を入れられた。
急な事に思わず涼のモノを口から離してしまった。
そのまま噛まなかっただけマシだと思って欲しい。
「りょうっ! あっ、そんな事したら──!」
「ふふっ……気持ち良くなっちゃう?」
涼は下からしゃぶりながら、俺の中をかき混ぜる。
両方の刺激にビクビクと体を震わせる。
涼の上に倒れないように一生懸命に手足に力を入れた。
「あ、ん……はっ……! んんっ……!」
グチュグチュと音をさせて、俺の気持ちいい所を何度も執拗に攻めてくる。
両方の快感で、段々と昇り詰めて行く。
「はっ! ……りょう! ぁんっ──ダメだっ! ──イッちゃう!」
涼は、そのまま一際強く俺のモノに吸いつきながら、指を少し強めにグリグリと押した。
「くっ……っんああぁ──っ!」
絶頂の快感に震えた。
ドクドクと自分のモノが脈打つのが落ち着くまで、ずっとしゃぶられた。
その間も指を動かし続けられて喘ぎ続ける。
涼が俺のモノから口を離して精液をゴクンッと飲み込めばやっと解放された。
「ふふっ。可愛かった……」
起きあがろうとした涼を静止し仰向けのままにして、キスしながら上に跨った。
「え? まさか……ハルがやってくれるの?」
「わりぃかよ……」
「ふふっ。嬉しい」
涼のモノを自身の蕾に押し当てた。
いつも涼にされるがままだったけれど、自分で涼に気持ち良くなって欲しかった。
上からゆっくりと体重をかけた。
段々と自分の体に入ってくる涼をしっかりと受け止める。
「んんっ……くっ……はっ……はぁぁ……」
全部入った……。
自分の体重で涼のモノがコツコツと奥まで届く。
「すごい……ハルの事、下から見上げるなんて……」
「恥ずかしいから……あんまり見ないで……」
「やだよ……ちゃんと見てるから、いっぱい動いて」
涼は、俺の腹に手を伸ばしてそっと撫でた。
「ハルの中……あったかいよ……」
涼の胸の上に手を置いて、そっと体を上下に動かした。
涼の反応を確かめながら、自分で自分の気持ちいい場所に当てて動く。
そんな自分を想像すると羞恥心が湧いて体が真っ赤に染まる。
「あっ……はっ……! ぁ……ぅんっ……りょう……気持ち……ぃぃ?」
「はっ……いいよっ、気持ちいい……」
眉根を寄せながら、快楽に耐えている涼の顔を見下ろすとすごく興奮する。
一度出した自分のモノも快楽と欲望でまた勃ち上がる。
「あっ、はっ、ふぁ……あぁ……!」
「ハル……可愛すぎ……我慢できないよ……動きたい」
涼が俺の乳首に手を伸ばして弄れば、更に涼を締め付けた。
上下に動くタイミングに合わせるように下から突き上げられた。
そんな事をされると、段々と自分では動けなくなってしまう。
涼の与えられる快感に体が倒れないように必死で自分を支えるしかない。
「ハルの気持ちいい所……いっぱい突いてあげるっ……」
「あっ! あんっ! ぅあっ! くっ、んっ──!」
激しくズンズンと何度も気持ちいい所を刺激されてイキそうだ。
「あっ! ……りょう! あんっ! もぅ……イクよ!」
「イッて! ほら、ハルのイク所、全部見てるっ!」
涼に見られていると意識すればさらに感じてしまう。
「あンッ! ンンンッ──! はっ! ンああああぁぁぁ──っ!」
中でイク時の絶頂は、叫ばずにはいられない。
倒れそうになった俺の体を、涼が体を起こして支えてくれた。
そのままベッドに押し倒されて覆い被さってくる。
今度は涼が俺を見下ろして何度も突いてくる。
「……まって! ……りょうっ! あっ! ダメッ! はぁっ! おかしくっ……なりそうっ!」
「なればいいよ! もっと僕で気持ち良くなればいい!」
終わらない絶頂に、トロトロに溶けてしまいそうだ。
涼の頰に手を伸ばして触れれば、笑ってその手に手を重ねて口付けられる。
「りょう……わかるっ⁉︎ あっ! ……俺がっ! りょうを……愛してるのがっ!」
「ハル……! わかるよ! 僕は、こんなにも、幸せなんだから……!」
涼に思い切り抱き締められれば、そのまましがみついて、永遠に続くんじゃないかと思う快感に必死に耐えた。
◆◇◆
「もう無理……」
力の入らなくなった体を横たえて、ぐったりとしていた。
「ふふっ。可愛かったなぁ……」
涼は、そんな俺の背後から腰に腕を回してピッタリとくっついていた。
「お前……なんでそんなに絶倫なんだよ……」
「ハルが可愛いからだよ」
涼は、嬉しそうにクスクスと笑う。
そのうちに、首や肩、腕や背中にチュッチュッと口付けてくる。
「やめろ……」
「ハルが僕のものだって確かめてるの」
「まったく……」
チュッチュッと終わらないキスを受け入れる。
それで安心するならと、しばらく好きにさせてやる。
そのうちに首筋を舐めて甘噛みしてくる。
耳を舐められてゾクリとした。
視線だけで軽く睨むと嬉しそうに笑う。
その顔を見ると睨んでいたはずなのに、自分も微笑んでしまうのだからどうしようもない。
「ハル……愛してるよ」
「……俺も……」
「えへへっ」
あれ? なんか……腰の辺りに当たっている涼のモノがムクムクと……。
「ねぇ、ハル……勃っちゃった」
「嘘だろ……」
「めちゃくちゃにして……いいんだよね?」
こちらを覗き込んでニコニコしている涼に青ざめた。
俺は……早まったのかもしれない……。
◆◇◆
それからは、涼と離れて暮らした。
思い出いっぱいの家は、あんなに苦しかったのに、今は微笑ましく思うなんて笑ってしまう。
気持ち次第でこうも変わるのか。
高三は、大学受験の為にずっと勉強の毎日だった。
大学は、涼が行っていた大学と同じにした。
雅哉も行くような名門大学に挑戦しようなんて、俺の人生最大の無謀だった。
涼にほとんど会わずに過ごしていたと思う。
その甲斐あって、無事に大学生になれて、雅哉と一緒に学内を並んで歩く。
桜がヒラヒラと舞い降る学内には、賑やかな声が響いている。
「まさかハルが俺と同じ大学に受かるなんてな……」
「雅哉のおかげだよ。いっぱい勉強教えてくれたからな。雅哉こそ、法学部なんてすごすぎだ」
雅哉は少し照れたように笑う。
「涼さんと一緒に暮らすんだろ?」
「うん。涼の職場からも俺の大学からも丁度いい場所に部屋探してる」
「幸せそうで何よりだよ」
「雅哉も幸せになれよ……」
「わかってるよ」
微笑む雅哉に手を振って別れ、涼の所へ行く。
輝さんは、マンションのカードキーを俺にも預けてくれた。
俺も自由に出入りしていいなんて、輝さんは優しい人なんだと思っている。
涼が一緒だとあまり話をさせてもらえないけれど。
誰もいない涼の部屋に入って、涼が帰ってくるのを待っていた。
涼の書斎机の上には、俺の作ったスノードームがそっと置かれていた。
引っ越しの時に何も持たなかったのかと思っていたけれど、涼はこれを持ってきていた。
涼の部屋でこれを見つけた時には、なんとも言えない嬉しさが込み上げた。
その明かりのついた家を見て微笑む。
これから借りる二人の家も、この家のように二人の思い出でいっぱいになるんだろう。
そのうちに玄関の開く音が聞こえれば、急いで出迎えに行った。
「涼! おかえり!」
「ハル! ただいま!」
ギューッと抱きつかれるのは通常運転。
おかえりのキスを強請る涼にキスしてやれば蕩けた顔で微笑む。
そんな涼を可愛いと思いながら、今日も俺は涼のそばにいる。
──────────
*あとがき
これで完結になります。
最後までお読み頂き感謝致します。
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涼と春樹のこのお話がすごく好きです。
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