彼女ができたら義理の兄にめちゃくちゃにされた

おみなしづき

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お泊まり会 *

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 雅哉の家にも慣れたものだ。
 勉強は難しいけれど、みんなでワイワイと勉強するのは楽しかった。

 久嗣なんかは、雅哉の家にあるネットゲームが気に入ったようで、一時間勉強して三十分ゲームなんてしていた。
 ずっと勉強するよりかはいいのかもしれない。

「今日はここまででいいだろ? そろそろご飯にして、風呂入るか?」

 雅哉の言葉にみんなで賛成だ。

「夕飯はどうする? パスタぐらいだったら作れるけど?」

 雅哉の言葉に三者三様だ。
 久嗣は「マジで! 助かる!」なんて言うし、彰人は「僕も手伝う」と言って雅哉と一緒にキッチンに並んだ。
 二人が料理をしている光景を見ていた。

「雅哉……料理できるんだな」

 初めて知る雅哉の一面に驚きだ。

「外じゃ外食のが楽だけど、この家にいると逆に外に出るのが面倒になるからな」
「俺……料理できるようにしようかな……」
「ハルはいいんじゃね? 俺とか涼さんが作ればいいんだし」
「そうなのかな」

 そうして、あっという間にできた店で出てくるようなパスタに驚いた。

「……すげー美味い」
「ははっ。大袈裟だ」

 みんなでパスタを食べて、片付けて次は風呂だ。

 雅哉の家は風呂も大きかった。 
 足を悠々と伸ばして入れる風呂は理想だ。
 俺も久嗣も彰人も、満足げな顔で湯上がりを満喫していた。

 問題は、寝る場所だった。
 雅哉の家の客室は二つあって。ベッドも二つ。

「布団ならあるから、俺の部屋に敷くよ。俺がそこに寝るから、誰かが俺のベッドを使えばいい」
「そりゃ、春樹だろ」
「そうだな」
「え? なんで?」
「幼馴染なんだから、雅哉だってそっちのが気が楽だろ?」

 久嗣の言葉に彰人も頷いている。
 確かにその通りなんだろう。

「じゃあ、ハルが俺のベッド使えばいいよ」
「わかった……」

 今日まで雅哉は普通に友達だった。
 だから、普通の友達に戻れたんだと思っている。
 大丈夫……だよな?

     ◆◇◆

 案内された雅哉の部屋は、俺の部屋の倍の広さがあった。
 大きなベッドは、ダブルベッドか?
 大きな本棚には、たくさんの参考書と漫画。
 一緒に並べているのが面白くて少し笑った。

 茶色の絨毯にはシャギーがふんだんに使われていて、その上にガラステーブルが置いてあった。
 そのテーブルを一緒に端にどかして、雅哉が持ってきた布団を敷いた。

「じゃあ、ハル、電気消すぞ」
「あ、うん」

 雅哉の布団はムスクのような香りがした。
 いつもは、雅哉が俺の家に来て泊まって行くことが多かった。
 いつも俺の家に来たがった雅哉は、この家にいるのが寂しかったのかもしれない。
 ふざけ合った日々が脳裏を過ぎる。
 間接照明の明かりだけがシーンと静まり返った暗闇を照らしていた。
 しばらくしてから静かに目を閉じた。

「なぁ、ハル……起きてるか?」
「起きてるよ……」
「ハル……俺にはお前が特別なんだ……」
「俺にも雅哉は特別だよ……」

 だから、涼に黙ってまで雅哉と会った。
 誰も雅哉の代わりになんてならない……。
 この数日、雅哉と普通に過ごせて嬉しかった。
 前と同じようにずっとこのままでいられるのかもしれない……そう思えた。

 ベッドに人が乗る気配に目を開けた。
 そのまま雅哉が布団を剥がして覆い被さってきた。
 両腕を取られて上から見下ろされる。

「おい……何考えてんだ?」
「ハルのこと」
「バカ! そういう事じゃねぇだろ!」
「しぃー……大きな声出すと久嗣達が来るぞ」

 こんな場面を見られるわけにはいかない。
 声を小さくしながら抗議する。

「……俺達……友達に戻れたんじゃないのか……?」
「……すっかり信じちゃって……。可愛いやつだよな……」

 首に口付けられて、チュッと吸われる。

「っ──! おいっ! やめろっ!」

 もがいてもふかふかのベッドに沈み込むだけだった。

「ハル……お前に触れたいんだ……」

 雅哉の瞳が欲情に濡れて俺を見下ろす。
 ああ……もう友達に戻れないんだな……。

「もしかしたらこうなるんじゃないかって気持ちはあったんだ……」
「バカだなぁ……それならどうして来たんだ……」
「友達に戻れるって……お前を信じたかったからだよ!」

 いつだって俺は、雅哉を信じたかった。
 それぐらい雅哉を失いたくなかった。
 今だって信じたい。
 この行為をやめてくれるなら、何度だって友達に戻れるんだって期待する。

「友達でいいよ……だから……受け入れて……」
「雅哉……」

 それって友達って言わないんだよ……。

「……俺と友達でいたいんだろ?」
「いたいに決まってんだろ……!」
「それなら、これも俺だって受け入れて一緒にいよう……」
「なんだよそれ……。雅哉も……涼と同じなんだな……」
「涼さん……か……。俺と涼さんは似ているのかもな……」

 チュッと首や鎖骨に触れる唇が少し震えている気がした。

「俺は……ハルがいたから、一人じゃなかった……」
「雅哉……」
「でもさ、ここでお前が俺を見捨てたら……俺は一人だよ……」

 くしゃりと歪まれた顔。
 俺の顔も同じように歪んでいるんだろう。

「卑怯だ……そんな風に言われたら……突き放せないんだよ……」
「涼さんもそうやって受け入れたんだろ?」
「…………」

 そのままキスされた。
 啄むだけの優しいキス。
 どうすればいいかなんて分かっている……。
 突き放せばいいんだ。それで……もう会わない……。
 雅哉……胸の奥がズキズキと痛いよ……。

 雅哉のキスが啄むものから舌を絡めるものに変わった。
 幼い頃から一緒にいた親友を突き放さなきゃいけないんだ……。
 そう思うのに、侵入してきた舌を拒否できない。

 俺は雅哉を失うのか……?
 そう思うと怖いんだ……。

「ん……まさ……(チュッ)や……んん……ダメだっ……(グチュ)」
「(クチュリ)……だまって……(チュ)」
「はっ……(チュゥ)……やめよう……(クチュ)」
「……ん(ペロッ)……きもちいいくせに……(チュウゥ)」

 雅哉の舌に翻弄されていく……。
 体の力が抜ければ、腕を解放された。
 それでも抵抗はしなかった。
 この感情は、諦めだ。
 服の中に手を入れられた。
 胸を何度も弄って、勃ち上がった乳首をコリコリといじられる。

 そのまま唇がチュッチュッと下に移動して、乳首の片方を舌で転がされる。
 涼とは違う舌使いだ……。
 自分に覆い被さる雅哉を見たくなくて横を向いて目を閉じた。

「ふぁ……ん……はっ……んんっ……」

 両方の乳首の愛撫に、我慢していても声が漏れる。
 散々嬲られた後に一度体を起こした。
 閉じていた目を開ければ、こちらを見下ろしている雅哉と目が合った。

「すっげぇ……俺……お前としてんだ……」
「意味わかんねぇ……」
「ハル……」

 ズボンを脱がされて、完璧に勃ち上がっていた自分のモノに幻滅する。
 雅哉もズボンを脱げば、彼のモノも勃ち上がっていて、涼と同じぐらいの立派なモノにゴクリと喉を鳴らした。
 キスされながら、尻の蕾に指を入れてきた。
 ローションの冷たい感触が体温で温かくなるまでグチュグチュとかき混ぜられた。
 涼より細めの指は、俺の良い所を探そうと動く。

「んっ……はっ……んん……ぁ……ふんっ! ──ああぁぁっ!」

 快感に震えれば、雅哉はニヤリと笑った。
 雅哉の指がとうとう気持ち良い所を見つけてしまった。

「ああ……ここね。声……気をつけろよ」
「んっ……! んんん──! んっ、んっ、はっ!」

 我慢しても出てしまう声を手の甲で覆ってやり過ごす。
 何度も同じ所を攻められて、雅哉の指でどんどん快楽に堕ちていく。
 雅哉は、俺の方を覗き込んでクスクスと笑う。

「ハル……気持ちいいんだ?」
「バッ……ヵ……!」
「ここだろ? ははっ、すげぇエロい顔してるよ……」
「ぁ……んっ!」
「もう良いかな?」

 雅哉は、尻の蕾から指を抜くと自分のモノを押し当てた。
 ソレはギンギンで雅哉の欲望が見てとれた。
 これ以上してしまったら、もう友達になんて戻れない。

 俺は──このままでいいのか?

 この後に及んで少し体を引いた。

「──やっぱ──ダメだ!」
「は?」
「無理だ! 俺はお前と友達のままでいたい!」
「ふざけんな!」

 そのまま突き入れようとする雅哉から体を上に引いてベッドの上まで逃げる。

「これ以上やったら──二度と会わないからな!」
「は⁉︎ 俺を一人にするのか⁉︎」
「してやるさ! お前こそいいのか⁉︎」
「何がだよ⁉︎」
「俺のそばにいたいんじゃないのか⁉︎」

 雅哉の動きが止まった。

「友達に戻れないなら、お前なんか見捨てるぞ!」
「なんだと……?」
「お前は俺と一緒にいたくないのか⁉︎」

 雅哉の情けない顔に手元にあった枕を掴んで投げつけた。
 枕がボフッと雅哉の顔に当たって落ちた。

「目を覚ませよ! 雅哉は、俺のそばにいていつも苦しいだけだったのか⁉︎ 俺はお前と一緒にいて楽しかったよ!」
「ハル……」
「俺を好きだっていうのなら、苦しくても友達でいろよ! その倍は楽しいことあったろ⁉︎ 俺はいつだってお前と一緒にいたい! 俺から離れたがっているのは雅哉だ!」

 はぁはぁと肩で息をしながら一気に捲し立ててやった。
 雅哉は、そのままゴロリとベッドに大の字になった。

「苦しくても友達でいろって……ははっ……残酷なやつ……」
「なんとでも言え……俺は、お前を失いたくない」

 雅哉は、腕で自分の顔を覆った。

「ちっきしょう……俺はこの先もハルで抜いてやるからな……」
「やればいいさ。雅哉がどんな目で俺を見てたって友達なのは変わらないから」
「くっそ……寸止めかよ……。見ろよ……これ……おさまらねぇじゃねぇか……」
「ははっ。ざまぁみろ」

 ガッカリする雅哉に笑ってやれば、体を起こして枕を投げ返された。
 ボフッと顔に当たった。

「ふざけやがって! トイレで抜いてくるからせめて一緒に寝させろ!」

 そこでふと気付く。

「なぁ……結構騒いだけど……久嗣達大丈夫なのか?」
「防音完備だよ!」
「は!? 声我慢しろって言ったじゃねぇか!」
「そう言っときゃあんまり抵抗出来ねぇだろ!」

 口をポカンと開けてしまった。

「はははっ! ばっかだなぁ!」
「くそっ……」

 雅哉は、服を着て部屋から出て行った。
 俺も自分のモノがおさまらず、仕方なく手で抜いた。
 この上ないガッカリ感と脱力感に雅哉も同じ思いをしているんだと思うと面白かった。

 ベッドに横になってうとうとしていれば、雅哉がやってきて俺の背後に入ってきた。

「一緒に寝るだけだからな」
「わかってるよ。抱きしめるぐらいはいいだろ?」
「しょうがねぇなぁ……」

 そっと腕を回してきて、優しく抱き締められながら一緒に眠った。
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