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クズ教師編 創志視点
隣の家にいた優等生 創志視点
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引っ越しをしたのは、ちょっとした気分転換だった。
見慣れた自分の部屋で気持ちいい事をするのに飽きたと言っていい。
新しいアパートに越してきて、心機一転、色んな男女と関係を持つのが楽しかった。
前のアパートよりも築年数があり、家賃も安くて、鉄骨でカンカンと鳴る階段が割と気に入っていた。
朝、自分のアパートの鍵をカチャリと閉める。
ふと隣の住人に会えていない事に気付く。
俺の部屋の方が奥にあって、いつも通り過ぎる部屋のドアを盗み見た。
朝は俺の出勤が早いから会えないのはわかるが、夜にいる気配がしない。
いなきゃいないで面倒ごとにならなくていい。
そう思うだけだった。
その日も、暗くなるまで残業して、そのまま家に帰るのもつまらなくて、学校から離れたバーで酒を飲んだ。
カウンターに座っていれば、隣に座った綺麗な女性がこちらを見て頬を染める。
気があるのがバレバレで、その女性に微笑んで声を掛けた。
「お姉さん、一人?」
「はい……」
「俺も一人。寂しい者同士、一緒に慰め合えたらいいね」
頬を染めた女性と会話を楽しんで、連絡先を交換して家に帰った。
今日の収穫は二人……何を理由に家に呼ぼうかと考えると楽しい。
向こうも誘われるのを待っている。
この裸の付き合いをするまでのやり取りも楽しまないと。
そう思いながら、アパートの2階に行く階段を登っていれば、家の前にいた女性に気付いて足が止まった。
この女性は、この前攻略した人だ。セックスがつまらなかった。一回すれば、もう飽きた。
「どうして電話に出てくれないの?」
「電話に出ないといけない理由は?」
「だ、だって……」
ふぅとため息をついてネクタイを緩めた。
面倒な事この上ない。
「こういう待ち伏せとか正気? 君とはもう二度と会うつもりないから」
「そんな……! 好きになったの! また会ってよ!」
ありきたりな言葉で縛り付けるのはどうかと思う。
時々いるんだよな。勘違いするやつ。
「君も楽しい思いしたでしょ? それでお互い終わりにしようよ」
笑顔でそう言えば、顔を真っ赤にして泣き出しそうだ。
「最っ低な男ね!」
キッと睨まれても、悪いのは俺だけか?
こういうのは、お互い様だと思うけれど。
「一回寝ただけで彼女気取り? いい迷惑。やめて欲しいね」
この言葉でパァンッと頬を殴られた。
怒りながら帰る背中を見て、ため息をつく。
「ちっ。ハズレだったね」
イライラした気持ちを誤魔化すように舌打ちしてタバコを吸う。
殴られたのは久しぶりだ。
向こうだって楽しんでいたのに、どうして俺が殴られるんだ?
でも、まぁこれで二度と来ないだろう。
すると、視線を逸らしながら俺の横を通ろうとする若い男がいた。
黒い髪に整った綺麗な顔立ちは、見覚えがある。
「君──碓氷だよね?」
これが俺と千宙の始まりだった。
最初は、俺の本性を知られた口止めのつもりで近付いた。
優等生は、少し脅せば言う事を聞くかと思ったけれど、予想外に優等生の千宙が俺に噛み付いてきた事に、驚きと楽しさが湧き上がった。
学校でジッと観察すれば、笑顔が作り笑いだと気付く。
猫を被る姿に絶対に俺と同じ人種だと思った。
俺の本性を知っているなら、うまく使わせてもらうつもりで指導室に呼び出した。
碓氷千宙という人物がどういう人物なのか興味があった。
「君も息抜きが必要でしょ? 素を出していいんだよ? 俺は驚かない」
そう言った俺に返ってきた言葉に俺は驚く事になる。
「先生……俺は行く所があるんだ。悪いけど、先生の息抜きはまた今度にしろよ」
鋭い眼差しは、俺が知っている優等生の千宙では見た事のない彼だった。
ゾクゾクして、千宙を構うのが楽しくて、ますます興味が出た。
だから、夜に俺が仕事が終わって家に帰っても、千宙が家にいない事が気になった。
「創志さん、ずっと何かに気を取られてる気がするけど、何を気にしてるの?」
少し前に知り合った可愛い男の子は、俺の上に乗ってくる。
「まさか。君以外に気にしてる事なんてないよ」
そっとその髪を撫でれば、嬉しそうに笑う。
「ふふっ。創志さん……」
目の前の快楽より楽しい事なんてない。
そう思うのに、隣の家のドアの鍵を開ける音とドアが閉まる音が聞こえると、帰ってきたのかと頭の片隅で思っていた。
◆◇◆
目の前でうずくまる男の子を見てため息をつく。
「悪いけど、もう君じゃ勃たない。帰ってくれない?」
俺の悪い所は、一人がずっと続かない事だ。すぐに飽きてしまう。
この子はセフレとして、もった方だ。
「やだ! 創志さんは、恋人いないんでしょ? だったらもう少しセフレでいてもいいじゃん」
面倒になって恋人がいると言えば、信じないと言い張った。
時計を確認すれば、もうすぐ千宙がバイトから帰ってくる頃で、いい事を思いついてニンマリと笑ってしまう。
「これから恋人に会うから、本当に帰って」
「嘘! だったら会わせて」
そのうちに隣の鍵を開ける音が聞こえて、千宙を呼んだ。
ちぃくんと呼んだ時の顔がすごく嫌そうで面白くて、必要以上にちぃくんと呼んでしまう。
目の前のすぐにやらせてくれる可愛い男の子より、千宙の嫌そうな反応が俺の心をくすぐる。
千宙が突き飛ばされて支える。いつも俺が相手にする男の子よりも少し体格が良かった。それなのに、その抱き心地が癖になりそうだった。
こちらを睨む瞳は相変わらずで、笑ってしまう。
バイトをしている事を黙っておくという条件で面倒な相手を追い返す事に協力をしてくれる事になった。
大人しく従うのも嫌だったのか、俺をまた睨む。
「それなら、窓を開けて性行為をするのはやめて下さい」
そう言った千宙に内心で驚いていた。
隣の家の事を気にしていたのは俺だけじゃなかったみたいだ。
そう思うと顔がにやける。
「聞いてたんだ。エッチだね~」
からかったら真っ赤になって怒る。
「お互いに窓開けてれば聞こえてくるでしょ! 最中に直接乗り込んであげましょうか⁉︎」
「はいはい。わかったよ、ちぃくん」
今の俺は、何を言われても嬉しいみたいだ。
体の関係がなくても、千宙だけはどうしてか構いたくなる。
「どこでバイトしてるのか教えてよ」
千宙が、学校や家以外でどんな風に過ごしているのか見てみたかった。
きっと同じように猫を被る姿が目に浮かぶ。
今度はどうやってからかってやろうかと思うと楽しくて仕方なかった。
見慣れた自分の部屋で気持ちいい事をするのに飽きたと言っていい。
新しいアパートに越してきて、心機一転、色んな男女と関係を持つのが楽しかった。
前のアパートよりも築年数があり、家賃も安くて、鉄骨でカンカンと鳴る階段が割と気に入っていた。
朝、自分のアパートの鍵をカチャリと閉める。
ふと隣の住人に会えていない事に気付く。
俺の部屋の方が奥にあって、いつも通り過ぎる部屋のドアを盗み見た。
朝は俺の出勤が早いから会えないのはわかるが、夜にいる気配がしない。
いなきゃいないで面倒ごとにならなくていい。
そう思うだけだった。
その日も、暗くなるまで残業して、そのまま家に帰るのもつまらなくて、学校から離れたバーで酒を飲んだ。
カウンターに座っていれば、隣に座った綺麗な女性がこちらを見て頬を染める。
気があるのがバレバレで、その女性に微笑んで声を掛けた。
「お姉さん、一人?」
「はい……」
「俺も一人。寂しい者同士、一緒に慰め合えたらいいね」
頬を染めた女性と会話を楽しんで、連絡先を交換して家に帰った。
今日の収穫は二人……何を理由に家に呼ぼうかと考えると楽しい。
向こうも誘われるのを待っている。
この裸の付き合いをするまでのやり取りも楽しまないと。
そう思いながら、アパートの2階に行く階段を登っていれば、家の前にいた女性に気付いて足が止まった。
この女性は、この前攻略した人だ。セックスがつまらなかった。一回すれば、もう飽きた。
「どうして電話に出てくれないの?」
「電話に出ないといけない理由は?」
「だ、だって……」
ふぅとため息をついてネクタイを緩めた。
面倒な事この上ない。
「こういう待ち伏せとか正気? 君とはもう二度と会うつもりないから」
「そんな……! 好きになったの! また会ってよ!」
ありきたりな言葉で縛り付けるのはどうかと思う。
時々いるんだよな。勘違いするやつ。
「君も楽しい思いしたでしょ? それでお互い終わりにしようよ」
笑顔でそう言えば、顔を真っ赤にして泣き出しそうだ。
「最っ低な男ね!」
キッと睨まれても、悪いのは俺だけか?
こういうのは、お互い様だと思うけれど。
「一回寝ただけで彼女気取り? いい迷惑。やめて欲しいね」
この言葉でパァンッと頬を殴られた。
怒りながら帰る背中を見て、ため息をつく。
「ちっ。ハズレだったね」
イライラした気持ちを誤魔化すように舌打ちしてタバコを吸う。
殴られたのは久しぶりだ。
向こうだって楽しんでいたのに、どうして俺が殴られるんだ?
でも、まぁこれで二度と来ないだろう。
すると、視線を逸らしながら俺の横を通ろうとする若い男がいた。
黒い髪に整った綺麗な顔立ちは、見覚えがある。
「君──碓氷だよね?」
これが俺と千宙の始まりだった。
最初は、俺の本性を知られた口止めのつもりで近付いた。
優等生は、少し脅せば言う事を聞くかと思ったけれど、予想外に優等生の千宙が俺に噛み付いてきた事に、驚きと楽しさが湧き上がった。
学校でジッと観察すれば、笑顔が作り笑いだと気付く。
猫を被る姿に絶対に俺と同じ人種だと思った。
俺の本性を知っているなら、うまく使わせてもらうつもりで指導室に呼び出した。
碓氷千宙という人物がどういう人物なのか興味があった。
「君も息抜きが必要でしょ? 素を出していいんだよ? 俺は驚かない」
そう言った俺に返ってきた言葉に俺は驚く事になる。
「先生……俺は行く所があるんだ。悪いけど、先生の息抜きはまた今度にしろよ」
鋭い眼差しは、俺が知っている優等生の千宙では見た事のない彼だった。
ゾクゾクして、千宙を構うのが楽しくて、ますます興味が出た。
だから、夜に俺が仕事が終わって家に帰っても、千宙が家にいない事が気になった。
「創志さん、ずっと何かに気を取られてる気がするけど、何を気にしてるの?」
少し前に知り合った可愛い男の子は、俺の上に乗ってくる。
「まさか。君以外に気にしてる事なんてないよ」
そっとその髪を撫でれば、嬉しそうに笑う。
「ふふっ。創志さん……」
目の前の快楽より楽しい事なんてない。
そう思うのに、隣の家のドアの鍵を開ける音とドアが閉まる音が聞こえると、帰ってきたのかと頭の片隅で思っていた。
◆◇◆
目の前でうずくまる男の子を見てため息をつく。
「悪いけど、もう君じゃ勃たない。帰ってくれない?」
俺の悪い所は、一人がずっと続かない事だ。すぐに飽きてしまう。
この子はセフレとして、もった方だ。
「やだ! 創志さんは、恋人いないんでしょ? だったらもう少しセフレでいてもいいじゃん」
面倒になって恋人がいると言えば、信じないと言い張った。
時計を確認すれば、もうすぐ千宙がバイトから帰ってくる頃で、いい事を思いついてニンマリと笑ってしまう。
「これから恋人に会うから、本当に帰って」
「嘘! だったら会わせて」
そのうちに隣の鍵を開ける音が聞こえて、千宙を呼んだ。
ちぃくんと呼んだ時の顔がすごく嫌そうで面白くて、必要以上にちぃくんと呼んでしまう。
目の前のすぐにやらせてくれる可愛い男の子より、千宙の嫌そうな反応が俺の心をくすぐる。
千宙が突き飛ばされて支える。いつも俺が相手にする男の子よりも少し体格が良かった。それなのに、その抱き心地が癖になりそうだった。
こちらを睨む瞳は相変わらずで、笑ってしまう。
バイトをしている事を黙っておくという条件で面倒な相手を追い返す事に協力をしてくれる事になった。
大人しく従うのも嫌だったのか、俺をまた睨む。
「それなら、窓を開けて性行為をするのはやめて下さい」
そう言った千宙に内心で驚いていた。
隣の家の事を気にしていたのは俺だけじゃなかったみたいだ。
そう思うと顔がにやける。
「聞いてたんだ。エッチだね~」
からかったら真っ赤になって怒る。
「お互いに窓開けてれば聞こえてくるでしょ! 最中に直接乗り込んであげましょうか⁉︎」
「はいはい。わかったよ、ちぃくん」
今の俺は、何を言われても嬉しいみたいだ。
体の関係がなくても、千宙だけはどうしてか構いたくなる。
「どこでバイトしてるのか教えてよ」
千宙が、学校や家以外でどんな風に過ごしているのか見てみたかった。
きっと同じように猫を被る姿が目に浮かぶ。
今度はどうやってからかってやろうかと思うと楽しくて仕方なかった。
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