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本編
助かった?
しおりを挟む起き上がりたいのに体が動かない。
「三人とも……本当にありがとう……」
さっきまでの紫狼が嘘みたいに優しく見つめられて照れる。
紫狼はどうしてこんなにも俺に優しいんだろう……。
「兎和ぁ? 大丈夫ぅ?」
「あ……うん……」
俺が動けないのだとわかったのか、紫狼がそっとシャツを直そうとしてくれたけれど、シャツが擦れる感触を、肌が敏感に感じ取った。
「ひゃんっ……!」
変な声出た……。
三人にまじまじと見られて恥ずかしい。
「もしかしてぇ、薬盛られたぁ?」
「ご、ごめん……」
何を思ったのか、スッと紫狼が手を伸ばして首を撫でた。
「ひゃあっ……! ふぁっ……し、しろう……? や……やめて……」
腹の奥に熱が集まって、体が熱い。
さっきまでと全く違う感覚。
俺は紫狼に触られるのは嫌じゃないらしい。
ドクンッドクンッと胸が音を立てて鳴っている。
触れてもいないのに、自分のモノに熱が集まっていくのがわかる。
紫狼の手がスッと鎖骨をなぞった。
その手の感触も敏感に感じとる。
「あんっ……!」
「かぁわいい!」
紫狼は嬉しそうだ……。
「紫狼のスイッチ、入りました」
「さっきまで怒りで興奮状態だったもんね」
「兎和、そのままでは辛いです。紫狼に抜いてもらうといいです」
抜いてもらう……え?
頭がボーッとして、訳がわからなくなってくる。
涙で視界が滲む。
体が……熱い……。
どんどん熱くなって、呼吸が荒くなる。
「どこ触られたぁ?」
紫狼に問いかけられて、なぜか素直に答えてしまう。
「首と……腹と……乳首とか……」
「オレが全部上書きしてぇ、忘れさせてあげるぅ」
さっきのやつらに撫でられた所を優しく撫でてくる。
そのたびに敏感になった肌の感覚に喘ぐ。
触っているのが紫狼だと思うと気持ちいい。
乳首をスリスリと擦られればビリビリした快感をより強く感じた。
どうしたんだ俺……全然嫌じゃない……。
それどころかどんどん気持ち良くなる……。
鼻歌混じりの紫狼に体を起こされて支えられながら、ブレザーごとシャツを脱がされる。
服が肌にこすれる感触にビクビクと体を震わせた。
背中も隠す余裕がない。
「この兎和の背中の傷ってぇ事故のなんだよねぇ?」
「な、何で知って……」
「あはっ。どうして知ってるんだろうねぇ。傷痕とかオレ全然気にしないからねぇ」
抱きしめるようにしながら、そっと背中の傷痕を優しく撫でられてゾクゾクとする。
「あ……! 紫狼……んん……」
しばらくして脱がされた制服の上に横たえられる。
ふと胸元にある三個並んだキスマークを見て、笑顔が急に無くなって険しくなった。
隠したいのに、隠す力も出ない……。
「兎和ぁ……オレぇ、気にしない様にしてたけど、やっぱりこっちは気になるなぁ。超気に入らなぁい」
怒っているような紫狼に怖くなる。
段々と紫狼の顔が俺の肌に近付いてくる。
「ああっ──!」
鎖骨に吸いつかれてビクッと体が反応してしまった。
紫狼の唇の感触に震える。
胸や腹に何度も吸い付いては、チュッと音を立てて離れる。
時々舌で肌を舐められて、その度に声が出て耐えられない。
触れられるだけで、快感が一気に駆け抜ける。
「あはっ。オレの印の方がいっぱいだぁ」
そのうちにスラックスに手をかけて、パンツにされた。
「兎和のパンツ……先走りでグッショグショだねぇ……」
いつもならそんな事を言われたら恥ずかしいのに、今はそれどころじゃない。
イキたい……イキたい……イキたい……。
苦しくて我慢ができない。
手を伸ばして、自分のモノを扱こうとした。
その手をガシッと掴まれた。
「なん……で……」
「兎和ぁ、オレがしてあげるから、自分でしないでぇ」
「しろうぅ……イキたいんだよぉ……」
潤んだ瞳で紫狼を見つめれば、ゴクリと喉を鳴らした紫狼が妖しく笑う。
紫狼は、あっという間に自分の服を脱いでいく。
スポーツ万能の紫狼は、しなやかな肉体と立派なモノを持っていた。
「兎和にいっぱい触ったから勃っちゃった」
アレが欲しい……。
俺はもう挿入されれば気持ちいいと知ってしまっている。
腹の奥の熱い部分を突いて欲しい。
この苦しいのをどうにかして欲しい。
紫狼が欲しい……。
俺は純粋な欲求以外、もう何も考えられなくなってしまっていた。
「しろうぅ……たすけてぇ……」
「兎和……大丈夫。オレが助けてあげるからね……」
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