弱みを握られた風紀委員は天敵に奴隷にされる

おみなしづき

文字の大きさ
上 下
22 / 49
本編

兎和は三人の奴隷 side獅貴

しおりを挟む
『んっ! あんっ! しきっ……でんわ……きってっ……!』
『兎和、俺またイク……めちゃくちゃ興奮する……』

 兎和の気持ち良さそうな声で勃ちそうだった……。
 恍惚とした圭虎の声に悔しくなった。
 これ以上聞いていたら兎和とやらないと気が済まなくなる。
 そう思って通話を切った。

「圭虎のやつ……」
 
 兎和に遊びで手を出されるのは嫌だった。
 それが、圭虎も兎和が好きだと言い放った。

 圭虎の家か……南條院のホテルか……。
 連れ出してるならホテルの方だな。

 この現状を穂鷹にも報告すべきだと判断して、穂鷹に連絡して事情を説明する。
 車で迎えに行って、穂鷹と一緒に圭虎がいるであろうホテルに向かった。

「まさか圭虎に出し抜かれるとは思いませんでしたね」

 穂鷹は、クスクスと笑っていて気にした様子はない。

「あいつ……本気なのかな?」
「だと思いますよ。圭虎は気付いてないみたいでしたけど、兎和が好きだったみたいです」

 穂鷹はまるで気付いていたように言う。

「圭虎が誰かを好きなるってあると思う?」

 とても信じられない。

「違いますよ。今までずっと兎和を好きだったから、他の人を好きになれなかったんです。一人が長続きしなかったのもそのせいでしょう。私達より随分前から好きだったんじゃないですかね? だから私はやらせたくなかったんですよね」

 なんて事だ。
 それが本当なら、圭虎が一番兎和に執着していたのかもしれない。

「だからって、僕は兎和を諦めるつもりはないよ」
「私もです」

 兎和の代わりなんていない。
 好きな気持ちは負けない。

 圭虎は僕達が来る事を予想していたようで、ホテル側は僕達が来る事は了承済みだった。
 圭虎がいつも使うスイートルームに案内される。
 中に入れば、圭虎は上半身裸という格好で、シャワーを浴びた後みたいだった。

「兎和寝てるから静かにな」

 怒鳴りそうになったのをグッと堪えて、穂鷹とソファに座る。
 ニコニコしている圭虎が忌々しい。

「で、俺に文句を言いに来たか?」
「文句というか確認です。圭虎も兎和を奴隷にしたのですね?」
「そうだ」
「兎和が圭虎を好きになったわけじゃないのですね?」
「まぁな……」

 圭虎も僕達と同じか……。
 全員が同じ立場になった。

「でも、俺はこの先も兎和とやる。兎和としかやらない」
「それは僕もだよ」
「私もです」

 誰も譲るつもりはないらしい。
 この二人が一人に決めるなんて信じられない。
 きっと僕もそう思われている。

「なら、こうしませんか?」

 穂鷹は、ニッコリ笑って僕達を見回した。

「兎和が誰かを好きなるまで、三人で可愛がってあげましょう」
「「…………」」

 全員奴隷として抱いてしまっている。
 兎和は僕達に逆らえない。 
 僕達が命令すれば受け入れる。
 やりたくなって、我慢するようなやつはこの中にいない。

 さっきみたいに、僕の知らない所でやられるよりは、把握している方がマシか。

「仕方ない。そうするよ」

 そうするしかない。

「俺は……嫌だ。俺だけのものにしたい」

 圭虎がそんな事を言い出した。
 勝手な事を言いやがって。

「そんなの、僕だってそう思ってるさ! それなのにやったのはお前だろ⁉︎」

 圭虎を睨めば気まずそうに視線を逸らした。
 あれだけやるなと言ったのに。

「まぁまぁ。みんなそう思ってますけど、譲る人はいないのでしょう?」
「「…………」」
「じゃあ、決まりですね」

 穂鷹の言葉に僕も圭虎も了承する。

「ふふっ。では、私は兎和の可愛い寝顔を覗きに行ってきます」
「あ、待て。僕も行く」

 穂鷹と一緒に寝室へ行き、横になって布団を掛けられている兎和を見つけた。
 穂鷹は、それを見て嬉しそうに微笑む。
 僕も覗いてみて、幼く見える寝顔にキュンッと胸が鳴る。
 やっぱり好きだ。

「この下は……裸ですか?」

 布団をめくろうとする穂鷹の手を圭虎が止めた。
 僕達の後ろをついて来ていたらしい。

「起きるだろ?」

 圭虎にそんな優しさがあるなんて驚きだ。
 兎和の事本気なのか……。

「少しですよ」

 そっと肩まで布団をめくった穂鷹の手が止まった。

「「あ……」」

 穂鷹と二人で肩や背中に残る赤い痕を発見して圭虎を睨む。

「こんなにいっぱい痕をつけるなよ!」
「しょうがねぇだろ……」
「キスマークは一人一箇所に決めましょう……こんなの見せられたら、私は倍付けたくなります。兎和が痕だらけになって可哀相です」
「気分が乗っちゃって……悪かったって……」

 圭虎め……僕だって身体中に痕を残すのを我慢したのに。
 僕達も見る可能性があるとわかっていてこんな事するんだから、独占欲丸出しじゃないか。

「中イキはさせられました?」

 それは僕も気になる。
 圭虎は悔しそうに唸った。

「ダメだった……二回しても俺が先にイった……」

 穂鷹と顔を見合わせて吹き出す。

「圭虎もダメだったなんて、兎和はすごいですね」
「それだけ兎和は最高なんだよね」

 それにしても、可愛い寝顔を見ていたらムラムラしてくる。
 兎和の頬にチュッとキスをした。

「「あ!」」

 二人の抗議なんて関係ない。
 兎和に触れると気分がいい。

「なら、私は……」

 穂鷹は、兎和の唇にチュッとして……離れない。
 思わず圭虎と肩を掴んで引き離す。

「「長い!」」
「えぇ……もう少し……」
「「ふざけんな」」

 兎和の横で攻防戦を繰り広げていれば、兎和が目を開けた。三人の動きが止まる。
 まだ寝ぼけているのかボーッとこちらを見ていた。

「兎和。起こしたか?」
「獅貴……? あれ? どうして?」

 そっと上半身を起こした兎和からパサリと腰まで布団が落ちる。
 やっぱり裸で、桜色だった乳首は圭虎のせいでさくらんぼのように赤く色づいていた。
 美味しそう……。

 胸に残る三角形の痕が、僕達のものだと主張しているようで、優越感と同時に嫉妬が湧き上がる。
 圭虎と穂鷹も同じようだ。

 目をこすって欠伸をする……可愛い。
 抱かれるたびに前よりも色気を感じる兎和の妖艶な姿に、三人でゴクリと喉を鳴らす。

 兎和は、そこで自分が裸だということに気づいたのか、恥ずかしそうに布団にくるまった。

「圭虎……シャワー貸りる」
「ああ。なんなら俺が洗ってやろうか?」

 穂鷹と一緒に圭虎を小突く。

「冗談だって」

 兎和は、布団にくるまったまま、服をかき集めて浴室へ行ってしまった。

 残された三人で目を合わす。

「嫌だけど、兎和は三人の奴隷で我慢するよ」
「そうだな。お前らなら俺も我慢する」
「はい。でも、兎和が私を選んだら諦めて下さいね」

 今度は、圭虎と一緒に穂鷹を小突いた。

「「選ばれるのは僕だ(俺だ)」」

 僕達は、すぐに揉める。
 みんな出し抜こうと考えてるに違いなかった。
 僕達にはもっと話し合いが必要みたいだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

病んでる愛はゲームの世界で充分です!

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
ヤンデレゲームが好きな平凡男子高校生、田山直也。 幼馴染の一条翔に呆れられながらも、今日もゲームに勤しんでいた。 席替えで隣になった大人しい目隠れ生徒との交流を始め、周りの生徒たちから重い愛を現実でも向けられるようになってしまう。 田山の明日はどっちだ!! ヤンデレ大好き普通の男子高校生、田山直也がなんやかんやあってヤンデレ男子たちに執着される話です。 BL大賞参加作品です。よろしくお願いします。 11/21 本編一旦完結になります。小話ができ次第追加していきます。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

処理中です...