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本編

穂鷹の奴隷 2

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 上に乗った穂鷹は、すごく嬉しそうだった。

「獅貴に従っていた理由もこれですね」
「……まぁな」

 非常にピンチだ。

「私に従いますか?」

 了承しかねる。

「獅貴と私の奴隷ならいいじゃないですか。全校生徒を相手にするよりいいですよ」

 ニコニコと脅してくるなんて恐ろしい……。

「私は兎和とやりたいです。あ……違いますね。兎和と愛し合いたいです」
「いや、俺は愛してないし……」
「じゃあ、犯したいです」

 じゃあってなんだ!
 やりたいより酷くないか?

「どうします? 私とやるか全校生徒に犯されるか?」

 両方嫌なんですけど……。

 穂鷹の目は本気だった。
 そっと頬を撫でられて、恐怖に怯える。

 ああ……本当最悪だ……。

 視線を逸らして、力を抜いた。

「穂鷹と……やる……」

 振り絞った一言は、ずぅーんと気持ちを重くした。

「はい! では、始めましょう!」
「ま、待て! 今すぐ⁉︎」
「決まっているでしょう。黙って下さい」

 もう反論も許されないらしい。
 眼鏡を外されれば、穂鷹は息を呑んだ。

「兎和の素顔はこんなにも素敵だったんですね……」

 嬉しそうに迫られて、キスされる。
 穂鷹の唇も獅貴と同じで柔らかい。
 何度もチュッと触れるだけのキスをしては離れる。
 唇の感触を確かめているような感じがして恥ずかしくなってくる。

「兎和の唇はとても柔らかいですね。マシュマロです。何度でも出来ます……」
「ん……恥ずかしい事言うなって……」

 それが終わると、舌を口内に入れてゆっくり確かめるように舐め回す。
 穂鷹のキスはねちっこい。

 キスが終われば、はぁはぁと息があがった。

「顔真っ赤ですね……この顔を私がさせたんですね。楽しいです」
「俺は楽しくない……」
「ふふっ。これからですよ」

 シャツのボタンを外された。
 脱がされるのかと思ったけれど、ピタリと動きが止まった。

「これ……獅貴の痕ですね……」

 心臓の辺りに付けられた獅貴のキスマークに気付いたらしい。

「隣に付けてやりましょう」

 穂鷹は、隣に唇を寄せて吸うと、チュッと音を立てて離れた。
 二つ並んだ痕を見て、クスクスと笑いながら指でなぞる。
 奴隷の印が増えた……。

「肌が綺麗ですね。吸い付いてきます」

 首から腹までゆっくり指でツーッとなぞる。
 ゾクゾクする感覚に顔を逸らして耐える。
 今度は手で撫で回す。
 穂鷹の手は、俺の体の形を確かめるかのように何度も何度も撫でてくる。

「ん……穂鷹? なんでそんな触り方するんだ……?」 
「確かめているんです。しっかり目に焼き付けて、手で覚えて、舌で味わう……」

 ペロリと首を舐められた。
 そのまま鎖骨を甘噛みして、胸へ行ってすっかり勃ち上がっていた乳首をねっとりと舐められる。
 
「あ……」
「へぇ……敏感ですね」

 何度も舐められて声が出そうになる。

「声出して下さい」
「ん……嫌だ……」
「外になんか聞こえませんよ」
「んん……んっ……」
「強情ですね」

 カリッと甘噛みされた。

「んあっ!」
「ふふっ。良い声なんですから我慢しないで下さい」

 乳首を舐めながら、スラックス越しに俺のモノを上下に撫でられた。

「こんなに大きくして、どうしたんですか? 楽しくないなんて言っておいて勃たせるなんて、はしたないですね」

 クスクスと笑いながらそんな事を言われて、カッと全身が熱くなった。

「おや? 少し大きくなりました? 見てみましょうか」

 スラックスをパンツごと下ろされて勃ち上がったモノをじっくりと見られる。
 恥ずかしすぎて手で隠そうとしたら、その手を取られた。
 やっぱり馬鹿力だった。

「隠したら酷くします」
「そんな……」
「痛いのが好みですか?」

 ニコニコしながら言われると怖い。
 諦めて裸を晒す。

「これが兎和の……まだピンク色で愛おしいですね……」
「あんまり見ないで……」

 俺のモノを手でそっと握られた。
 これも感触を確かめるような動きで、焦らされているようだ。

「あ……我慢汁があふれてきました」

 先っぽを指でクルクルとイジられる。
 思わず出てしまいそうな声を我慢する。

「テカテカと光ってますよ……ほら、硬くなって……もっとして欲しいってねだってます」

 いちいち恥ずかしくなる事を言われてたまらない。
 羞恥心にメーターが付いてたら振り切ってる……。

 そのままパクリと口に含まれて、亀頭の部分だけを舐め回された。

「ふふっ。兎和のだと思うと、我慢汁もはちみつみたいです……」
「そんなわけ……ないだろ……」

 また恥ずかしい事をスラスラと……。
 裏筋を舐めて、玉の周りも舌が這う。
 こんなところまでねちっこい。
 また先っぽを口に含むと唾液でぐちょぐちょにされて、喉の方まで入れられれば快感で震えてくる。

「ああ、んっ……はっ……」

 ゆっくりとした上下の動きに焦ったいような感覚がして、じわじわと追い詰められて行く。
 しばらくそれに耐えていたのに、急に激しく上下に動かされて手で扱かれた。

 ジュポジュポ……ジュポジュポ……チュバッ。

 一気に襲ってきた快感にもう我慢できなかった。

「はっ……! ほだかっ……! ダメだっ! イクッ!」
 
 そう訴えても、穂鷹は止まらなかった。

「ああっ──!」

 我慢できなくて、穂鷹の口の中にドクドクと自分の精液が出てしまった。

 俺のモノが落ち着けば、体を起こした穂鷹は、ゴクリと飲み込んでクスクスと笑った。

「ご馳走様でした。もうイッてしまうなんて、気持ちよかったんですか?」
「…………」
「言って下さい」
「き……気持ち良かった……」

 こんな事を言わされるなんて、真っ赤な顔を逸らした。

「ふふっ。可愛いです……そそられます」

 イッてしまって敏感になったモノをまた手で扱かれた。

「ダメだっ……触るな……! ああっ……はっ……!」
「すぐに勃つか試してみましょう」
「あ……やめてっ……」
「抵抗しないで下さい。痛くしたくありません」

 仕方なくされるがままでいれば、ビクビクと体が反応して悶えた。

「ふふふっ。勃ちましたね」

 再び勃ち上がれば、刺激からやっと解放された。

「まだまだこれからですよ」

 穂鷹がこんなにねちっこいやつだとは思わなかった……。
 楽しそうにクスクスと笑う穂鷹に怖くなる。
 獲物を見つけた猛禽類のように、欲情した瞳が俺を捉えて離さなかった。
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