弱みを握られた風紀委員は天敵に奴隷にされる

おみなしづき

文字の大きさ
上 下
11 / 49
本編

獅貴の奴隷 1

しおりを挟む
 放課後、家に帰ってバイトへ行く用意をする。
 週末のバイトはいつもより忙しい。

 バイトを終えて、さて帰ろうという時だった。
 自転車の隣に横付けされた高級車に息を呑んだ。

 嫌な予感しかしないのに、逃げられない緊張感に包まれる。

 後部座席の窓がゆっくり下がり、顔を覗かせたのは獅貴だった。

 やっぱり……。

「兎和。乗って」
「嫌だ。自転車置いとけない」
「自転車なら家に届けさせるから」
「家……わかるのか?」
「まぁね。あんな所に住んでるなんてね」

 クスクスと笑われて項垂れる。
 家もバレた……。

「わかった……乗る」

 仕方なく獅貴の車に乗った。
 両親が交通事故で亡くなってから車は苦手だった。
 普通に車に乗れた事に安堵する。

 弟に連絡しようとスマホを確認すれば、獅貴から【これから行く】というメッセージがあった。

「ごめん。メッセージ今見た。お昼もごめん」
「兎和は忙しいからスマホもあまり意味がないね」
「そうかも……」

 そう言いながら擦り寄ってくるのはなんでなんだ?
 クンクンと匂いを嗅いできた。

「お茶の香りはしないね」
「お茶?」
「穂鷹と何があったか教えて」

 それでお茶か。
 思い出しながら、穂鷹とのやり取りを説明する。
 キスした事は省いて。

「なるほどね。それで穂鷹とキスしたんだ?」

 バレてたんだ……。
 ボッと顔が熱くなる。

「うわっ、その反応……ムカつくなぁ。そうやって隙を見せるから穂鷹がつけ上がるんだ」
「そもそも、獅貴がどこに来いと言わなかった」
「わかってる。今度からお昼は特別室ね」

 車はどこに向かっているのか、俺の知らない場所に進んでいく。
 窓の外の流れる景色を見ていたら、少し具合が悪くなってきた。

「なぁ……あとどれくらいだ?」
「もうすぐ」
「悪いけど……降りたい……」
「どうした? 車酔い? もうすぐだから我慢して」

 それなら大丈夫だろうか。
 目を閉じてやり過ごそうとすれば、ギュッと手を握られてその感触に安心してしまった。

「ありがとう……」
「別に……」

 そのまま数分もせずに着いたのは高級ホテルの駐車場だった。
 別の意味で不安になる。

「なぁ……こんな所で何するんだ?」
「いいから来なよ」

 獅貴の顔パスで連れてかれたのはホテルの最上階だった。
 スイートルームって初めてだ……。
 広い室内に恐縮する。
 大きなテレビに、ソファ。
 部屋がいくつもありそうだ。

「僕はシャワーは浴びて来たから兎和は浴びてきて。そこの扉が浴室だから」
「え……何をするか教えてくれ……」

 嫌な予感しかしないけれど。

「朝の続き。圭虎も穂鷹も手を出そうとするから……絶対今日する」

 最悪だ……。

 ついてくるんじゃなかった。
 逃げようと後ずされば、ガシッと腕を掴まれる。

「約束したよな? 兎和は僕の奴隷」
「わかってるよ……」

 逃げることは許されない。
 充分わかっていても悪あがきしたくなる……。

「兎和が行くのはこっち」

 引っ張られて脱衣所らしき所に連れてかれると、ドアを閉められた。
 容赦なく閉まったドアが恨めしい。

 仕方なくシャワーを浴びようと服を脱ぐ。
 なんだ……この俺の部屋ぐらいある浴室。
 丸いバスタブは大きくて何人も入れそうだ。
 ガラス張りで外の夜景が綺麗に見えて、ものすごい解放感……。
 いちいち考えていたらキリがないな。

 何も考えないようにしてシャワーを浴びた。
 バイトの後だったからか、スッキリした。

 浴室から出ると服が見当たらない……。
 いつの間にか持ってかれた……完璧に逃げられなくなった。
 代わりにあったバスローブ。
 バスローブなんて着た事ない。
 これって裸で着るんだったか?

 仕方なくバスローブで獅貴の所に行った。
 獅貴もバスローブでキングサイズのベッドの上にいた。
 ここまで大きいベッドなんて見た事ない。

「こっち来て」

 獅貴の隣をポンポンと叩かれた。
 恐る恐る近付けば、腕を引かれてドサリと組み敷かれた。
 覆い被さる獅貴に緊張してくる。

「い、一回だけだよな……?」

 獅貴はニッコリ笑うだけだ。

「頼むよ……」
「黙ろっか」

 キスされれば、黙るしかない。
 獅貴の舌を感じる気持ちのいいキス。

 クチュ……ヌル……チュッ。

 唇を離して見つめ合えば、嬉しそうに笑った。

「やっぱり本物だよね」
「どういう意味だ?」
「兎和を想像して拓馬で抜こうとしたんだけど無理だった」
「は? 何をやっているんだ……」

 相変わらずのヤリチンぶりにため息しか出ない。

「圭虎と穂鷹はまだ兎和を知らないから想像でイケた。前の僕もそうだった。けどさ、僕は途中でも本物を知っちゃったから、想像で勃っても相手が違うってわかってしまう。他じゃイケなかった」

 何を聞かされているんだろう……。

「というわけで、僕をイカせて」

 どういうわけだよ……。

「僕さ、今、結構余裕ないんだ。キスだけで勃った」

 獅貴は自分の着ていたバスローブを脱ぐと全裸になった。
 そそり立つ巨大な獅貴のモノ……。
 太さも長さもある。
 自分以外の人のモノって生々しい。

 俺のバスローブの紐も解かれた。
 脱がされそうになって慌てて止めた。

「待った! シャツの時みたいに、前だけじゃダメか?」
「うーん……ダメ。バスローブは脱がすでしょ」
「なら、せめて……電気を消さないか?」
「兎和初めてだっけ。いいよ」

 そこにあったリモコンで、電気を消してくれた。
 オレンジ色の間接照明でも結構見える。

「真っ暗には……」
「ダメ。いい加減に腹くくれ」

 これ以上は無理か……。

「わかった。いいよ」

 バスローブは自分で脱いでベッドに横になった。
 自分以外の誰かに裸を晒すという行為が恥ずかしい。
 再び覆い被さる獅貴に身を任せる。

「やっぱり電気つけたい。兎和の桜色の乳首見たいな……」
「変な事言うな」

 獅貴はクスクスと笑って胸の頂に吸い付いた。
 最初と同じように、交互に口に含んだり、指で摘まれて感じてくる。

「んっ……ん……はっ……んん……ぁん」
「我慢しないで声聞かせてよ」
「こんな……ん……自分じゃないみたいな……声……ぁんっ……聞かせたくない……」
「可愛いよ……すごく興奮する」

 恥ずかしくて、また腕で顔を覆う。

「隠すなよ」

 今度はすぐに腕を取られてしまった。

「あんまり……見ないで……」

 獅貴から視線を逸らす。

「その反応……たまんない……すぐ挿れたい」
「すぐは勘弁して……」

 血が出るのは嫌だ。
 獅貴の食べられてしまいそうなキスを受け入れながら、自分も勃ち上がってしまっている。

「じゃあ、指挿れるから足開いて」

 そっと足を開く。

「もっと開いて」
「も……もっと?」
「そうだよ。足ごと尻あげるようにして」
「無理だ!」

 恥ずかしすぎる!
 戸惑っていれば、グッと足を持ち上げられた。

「これぐらい上げろって言ってんの」

 恥ずかしすぎて震える。
 最初は、優しく尻の蕾の周りを撫で回して、少しずつマッサージするようにほぐされる。
 そのうちにヒクッと自分の尻の蕾が動いてくる。

「指挿れるからな」
 
 獅貴の指がそっと入ってくる。
 最初は入り口を確かめるかのように何度も出し入れされる。
 もっと痛いかと思ったけれど……意外と平気だ……。
 それだけ獅貴がほぐしてくれたんだろうか。
 
「んんっ……」

 奥まで入ると、声が出てしまいそうで口元を手の甲で覆った。

「ははっ。中熱いっ。ああ……めちゃくちゃ動かしたい……」

 獅貴は、俺を気遣ってゆっくりゆっくり動かしてほぐしてくれているみたいだ。

「兎和……キスしよう……」

 腕をどかしたら声が……。
 獅貴は、それがわかっていて言ってるような顔をしている。

「ほら、手どかして」

 観念して手をどかして、獅貴のキスを受け入れる。

「んっ……はっ……んん……」

 キスしながら、中をかき混ぜられて、漏れそうになる声を我慢する。

 ずっとこすられていた一点が段々と気持ちよくなって来ていた。
 獅貴が刺激するそこに何かあるんだろうか?

「あ……!」

 腹から背中に電気が走るような感覚に思わず声が出た。
 なんだこの感覚……。

「ははっ。感じてきた」
「待って……あっ! んぁ……」

 喘ぎ声が止まらなくなる。
 声が我慢できない。

「こんな……あっ……感じるものなのか……?」
「人によるさ。けど、兎和は優秀」
「……んっ! それ……やだっ!」
「ふはっ……やだだって。可愛いすぎ」

 獅貴の指が増やされてく。
 三本目が入った所で、もうぐったりだった。

「これからだからね」

 ペロリと上唇を舐めた獅貴は、獲物を前にした肉食動物みたいだった。
 俺は、今度こそ食べられる……。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

処理中です...