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本編
奴隷に自分の時間はない
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学園のチャイムの音でふと目が覚めた。
俺は……獅貴とやろうとして……圭虎が来て……寝たのか?
まだチャイムが鳴っていた。
チャイム……授業……やばい!
慌てて起き上がる。遠くは良く見えない。
椅子に座っているのは獅貴か?
圭虎はどこかへ行ったようで、他に人はいなそうだ。
すぐに獅貴に声を掛けた。
「獅貴! 俺はどれくらい寝ていた⁉︎」
「一時間ぐらいかな」
授業をサボってしまった!
すかさずシャツのボタンを留めて、ベッドの上にあったブレザーを着る。
獅貴はこちらに来て、ベッドの上に座った。
「兎和? なんでそんなに急ぐの?」
「授業に出るんだ」
「僕と一緒にいようよ。続きは?」
「お前と違って勉強しないと成績が落ちる」
そうなると特待生でいられなくなってしまう。
「成績が落ちたら学園を辞めなければならなくなる……」
「あぁ……なるほど」
本当にわかっているんだろうか?
「だから、授業がある時は授業を優先したい」
「いいよ。学園に兎和がいないとつまらないし」
やけに物分かりがいいと思って見つめればニヤリと笑った。
嫌な予感……。
「その代わり、お昼は一緒に食べよう。放課後もここに来てよ」
「それ……俺の時間がなくなる……」
「奴隷に自分の時間があるとでも?」
楽しそうな獅貴に、がっくりと項垂れる。
「バイトもあるんだ。放課後はバイトがない時にしか来れない」
「まぁ……それでいっか」
眼鏡はどこだ?
辺りをキョロキョロと見回す。
「なぁ、眼鏡は?」
「そっちのテーブルの上」
そういえば、ソファでキスした時に外されたんだった。
濃厚だったキスを思い出しそうになって、忘れるように首を振る。
獅貴が指差した方に行って、眼鏡を発見してかけた。
「獅貴は授業は……?」
「出ないよ」
聞くだけ無駄だった……。
授業に出ろと言いたいが、自分がサボってしまって言えない……。
さっさと授業に行こうとスタスタと歩いて扉に手を掛けた時だった。
背後から肩を掴まれた。
「兎和」
「え?」
クルリと回転させられて、目に飛び込んできたのは獅貴の顔。
そのまま唇を塞がれた拍子に、扉に勢いよくドンッと背が当たる。
入り込んできた舌に口内を舐め回される。
忘れようとしていたキスが蘇って体が熱くなる。
少しして、そっと離れた獅貴は嬉しそうに笑った。
急にキスされるなんて思っていなくて、口元を押さえて真っ赤になる。
「約束のキス。またお昼にね」
獅貴の顔が真っ直ぐに見れない。
「……お前がその服装をどうにかしたらな……」
「ははっ。こんな時まで真面目だね」
口を押さえていたので、今度はおでこにチュッとされて、獅貴の胸を押した。
「やめろ……」
「可愛い反応……行かせたくなくなるな……」
「もう行くからどけ」
「仕方ないか」
獅貴に見送られながら、特別室を出た。
わけのわからない緊張感から解放されて、うずくまりそうになるのを堪えた。
何度か深呼吸をしてから気持ちを切り替えて、授業に出ようと足を進めた。
俺は……獅貴とやろうとして……圭虎が来て……寝たのか?
まだチャイムが鳴っていた。
チャイム……授業……やばい!
慌てて起き上がる。遠くは良く見えない。
椅子に座っているのは獅貴か?
圭虎はどこかへ行ったようで、他に人はいなそうだ。
すぐに獅貴に声を掛けた。
「獅貴! 俺はどれくらい寝ていた⁉︎」
「一時間ぐらいかな」
授業をサボってしまった!
すかさずシャツのボタンを留めて、ベッドの上にあったブレザーを着る。
獅貴はこちらに来て、ベッドの上に座った。
「兎和? なんでそんなに急ぐの?」
「授業に出るんだ」
「僕と一緒にいようよ。続きは?」
「お前と違って勉強しないと成績が落ちる」
そうなると特待生でいられなくなってしまう。
「成績が落ちたら学園を辞めなければならなくなる……」
「あぁ……なるほど」
本当にわかっているんだろうか?
「だから、授業がある時は授業を優先したい」
「いいよ。学園に兎和がいないとつまらないし」
やけに物分かりがいいと思って見つめればニヤリと笑った。
嫌な予感……。
「その代わり、お昼は一緒に食べよう。放課後もここに来てよ」
「それ……俺の時間がなくなる……」
「奴隷に自分の時間があるとでも?」
楽しそうな獅貴に、がっくりと項垂れる。
「バイトもあるんだ。放課後はバイトがない時にしか来れない」
「まぁ……それでいっか」
眼鏡はどこだ?
辺りをキョロキョロと見回す。
「なぁ、眼鏡は?」
「そっちのテーブルの上」
そういえば、ソファでキスした時に外されたんだった。
濃厚だったキスを思い出しそうになって、忘れるように首を振る。
獅貴が指差した方に行って、眼鏡を発見してかけた。
「獅貴は授業は……?」
「出ないよ」
聞くだけ無駄だった……。
授業に出ろと言いたいが、自分がサボってしまって言えない……。
さっさと授業に行こうとスタスタと歩いて扉に手を掛けた時だった。
背後から肩を掴まれた。
「兎和」
「え?」
クルリと回転させられて、目に飛び込んできたのは獅貴の顔。
そのまま唇を塞がれた拍子に、扉に勢いよくドンッと背が当たる。
入り込んできた舌に口内を舐め回される。
忘れようとしていたキスが蘇って体が熱くなる。
少しして、そっと離れた獅貴は嬉しそうに笑った。
急にキスされるなんて思っていなくて、口元を押さえて真っ赤になる。
「約束のキス。またお昼にね」
獅貴の顔が真っ直ぐに見れない。
「……お前がその服装をどうにかしたらな……」
「ははっ。こんな時まで真面目だね」
口を押さえていたので、今度はおでこにチュッとされて、獅貴の胸を押した。
「やめろ……」
「可愛い反応……行かせたくなくなるな……」
「もう行くからどけ」
「仕方ないか」
獅貴に見送られながら、特別室を出た。
わけのわからない緊張感から解放されて、うずくまりそうになるのを堪えた。
何度か深呼吸をしてから気持ちを切り替えて、授業に出ようと足を進めた。
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