弱みを握られた風紀委員は天敵に奴隷にされる

おみなしづき

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本編

寝顔 side圭虎

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 布団の中を見れば、背中を向けた男がいた。
 覗き込めば、気持ちよさそうに寝ている知らないやつだった。
 寝顔が可愛いくて、端正な顔立ちでまつ毛が長い。

「可愛いじゃん……」
「勝手に見るな!」

 必死な獅貴に笑ってしまう。
 
「寝てるけど、本当にさっきまでやってたのか?」
「え⁉︎ 兎和⁉︎ 起きてよ! これからだったのに!」
「今……兎和って言ったか?」

 これが……兎和? 
 無防備な兎和なんて初めて見る。
 眼鏡を外した所も……。
 いつもは知的なイメージなのに、今は幼い感じがする。

 獅貴はとてもがっかりして、兎和の肩を軽く揺する。
 他のやつに触れるのとは違う、獅貴の優しい手つきになぜかイラッとした。

「まじで兎和とする所だったのかよ……」

 何で獅貴なんだ?
 兎和とできるなら、俺だってしたいに決まっている。
 兎和の事がずっと気に入らなかった。
 綺麗な顔して澄ましていて、俺達を恐れない。
 嫌がるのを無理矢理突っ込んでやりたいと思っていた。

 そもそも、兎和は理事長の愛人だって噂で近付けなかった。

「なぁ、兎和って理事長の愛人だろ? いいのか?」
「それがさ、違うみたいなんだ。キスも初めてだった」

 その時の事を思い出したのか、ニヤける獅貴がムカつく。

「それなら俺もやっていいわけだ。どうやって兎和に了承させたんだ?」
「企業秘密」

 楽しそうな獅貴にまたイラッとした。
 兎和はそう簡単に従うようなやつじゃない。
 獅貴をどかして兎和の肩を強めに揺すった。

「兎和ぁ? 起きろよ。俺の相手もしろ」
「う……ううん……」

 寝返りを打ってこちらを向いた。
 無防備な顔にサラリと前髪がかかる。
 シャツは中途半端にはだけていて、鎖骨がチラリと見えた。
 きめ細かな肌は、とても綺麗で色気を感じた。

 胸の奥がキュッと鳴ったような気がした。

 こいつの鎖骨に噛み付きたい……。
 消えない俺の痕を付けてやりたい。

 そう思ってベッドに乗ろうとしたら、獅貴に引っ張られて邪魔される。

「触るな」
「ちょっとならいいじゃん」
「ダメだ」
「なぁ、俺も兎和とやりたい。いつも通りにみんなでやればいいじゃん」
「嫌だ。兎和は僕のだから手を出すな」

 獅貴は兎和を独り占めしたいのか?
 真っ直ぐこっちを見つめる獅貴には迷いがなかった。

 兎和が獅貴のだって?
 納得いかない。ふざけた事言いやがって……。
 でも、今は引くべきか。

「わかったよ。でも、どうするんだ? 起こすのか?」
「きっと疲れているんだ……寝かせとく……」

 獅貴は兎和にそっと布団をかけ直して服を着始めた。
 驚いた……獅貴が途中でやめるなんて。

「やらねぇの?」
「今はね」
「俺、やりたい気分だから兎和借りていい?」 
「いい加減にしろよ」

 獅貴は本気の目だ。
 へぇ……面白いじゃん。

「冗談だよ。千鹿を呼ぶよ。獅貴はどうする?」
「僕はいいや。兎和の邪魔になるから離れろよ」

 兎和から引き離される前に兎和の寝顔を目に焼き付けた。

 千鹿を呼んで、ソファに寝かせて兎和の寝顔を想像しながら突いた。
 今までで一番興奮したかもしれない。
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