恋のヤンキー闇日記

あらき奏多

文字の大きさ
上 下
44 / 107
遅かれ早かれ(side美夜飛)

30

しおりを挟む



 ぼろん、と飛び出したそれを目の当たりにした瞬間、卒倒しそうな目眩とともに、全身の血の気が引いた。

「──む、りだ……。むり、むり、なんだそれ……っ」

 信じがたい光景に、声が、呼吸が震えた。

「……俺のちんちん、みーちゃんに挿れたい……」

「……っいや、」

 ふるふると小さく首を横に振る。

 ちんちんっつーか……、魔羅!それ、魔羅だわ!
 痩せてる女の腕の太さくらいはある。
 よく今までパンツに収まってたな?
 平常時もこんなだっけ?
 いや、そんなことはなかったはずだ。
 膨張率が規格外で、これは幻覚なんじゃないかと自分の目を疑う。

 腹につくほど屹立し、グロテスクに血管の浮き出た赤黒いそれ。
 テラテラと怪しく濡れていて、何となくクリーチャーや醜いモンスターを想起させて、釘付けになる。

 いっそ作り物みたいな現実味のないサイズに、見たくもないのに目が離せない。

「……はあ、みーちゃん、みーちゃん……っ」

 余裕のない必死な顔で息まいて、左右に開いた双丘の中心に熱い切っ先が宛がわれる。

 性急すぎるそれに、ハッと我に返る。

──抵抗、しないと……っ!

「っい、やだッ、兼嗣っ、かねつ──ッッ!!!」

 ブチブチと、身体を切り裂かれたみたいだった。

 背骨に熱された鉄杭が突き刺さったような衝撃に、目を見開いたまま硬直した。

 ぐんっと背筋が伸びる。
 あげた脚の付け根が、押し入ってくる腰が、自らの上体を支える肘が、油の切れた機械みたいにミシミシと壊れそうに軋む。

「うあっ、み、ちゃ……きっつ……ッ、!」

「はぁ……っ、は……ッ、──!」

 声も出せずに、干上がった魚のようにパクパクと口だけが動いた。

 焼石みたいな熱しか感じない中心から、手足の末端までぶわりと総毛立って。
 尋常じゃない汗が、背中や髪の内側までドッと吹き出す感覚がする。

 心の準備も、何もなかった。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

処理中です...