232 / 263
鍛冶師と調教師ときどき勇者
マッシュ・クライカの逡巡
しおりを挟む
光の種? 何かを現しているのは間違いないが、お伽話の話だ、想像すらつかんな。
マッシュは考えるのを諦め、無駄な努力はしない事とした。
何人もの人間がマッシュと勇者ふたりのやりとりに耳を傾け、マッシュと同じように頭を悩ます。
この短時間で状況が目まぐるしく動く様は、ジェットコースターのように乱高下を繰り返す。
「それについては、向こうが落ち着いたら話そうか」
アステルスが、戯れるキルロ達を差していった。
いつの間にかキノもその輪に加わり、ハルヲやシル達とはしゃいでいる。
その姿は微笑ましくもあり、緊張感が欠落しているようにも見えたが、その姿に安堵を覚えるのもまた事実。
と、それとエーシャだ。
あいつ、あの様子だと知ってやがったな。
「エーシャ。おまえさん、この事を知っていたろう」
「ははー、バレた。まぁね、でも聞いたのはここ(スミテマアルバレギオ)に入れて貰おうと思った頃だよ。結構最近」
「なんで、教えてくれなかったんだよ」
「いやぁ、だって私が言っても信じて貰えなかったでしょう。やっぱり勇者様から言って貰わないとさ。ねぇ~、アルフェン」
アルフェンはいきなりの投げかけに少し困惑して見せたが、すぐにいつもの笑顔を見せる。
「ウィッチであるエーシャも僕達と同じく、救済者に仕えし一族なんだ。先にエーシャと出会っていたから救済者が見つかるまでは、ウチで預かるつもりだったのに、エーシャにはとても悪い事をしてしまった。勇者のパーティーにいた方が安全だと思っていたからね」
「もう、いいわよ。過ぎた事だし」
エーシャは肩をすくめて見せた。
いろいろなものを最初から仕組んでいたのか? まさかオレ達も? いや、オレは自分の意思で入団したし、こっちから誘ったのはフェインだけ? いや、フェインも面接に来たひとりだから自らの意思になるのか。
何から何まで仕組んだわけではない? あんまし深く考えなくていいのか。
逡巡しているマッシュをアルフェンは一瞥する。
「何から何まで仕組んではいないよ。特に君達に関してはハルヲンスイーバ・カラログース以外、僕らはノータッチだよ。彼が自らの意思で選んだ。僕が言ったのは何より信用出来る人間を仲間にしなさいって言っただけ。至って普通の助言でしょ」
「まぁ、確かに⋯⋯」
まるで、心を読んでいるかのようのアルフェンの言葉。
これだから勘のいいやつらは敵わんよ、マッシュは嘆息しながらアルフェンを一瞥した。
「なぁ、アステルスもアルフェンも話を聞いたって事は、キルロがアントワーヌを疑っているって分かっているんだろう? その辺りはどう思っているんだ、オレは正直、まだ信じ切れない部分もある。どうだ?」
話を聞いていたウォルコットが割って入った。ストレートな物言いで気になる事を問いていく。
受け入れると決めたが、煮え切らない心持ちはどうにもならないって所か。
真剣な眼差しを向けふたりの言葉を待った。
マッシュも確かに気になっていた。
団長も気にしているに違いない。
ふたりの言葉をその口からやはり聞きたいものだ。
アステルスとアルフェンのふたりは溜め息をつきつつ、重い口を開く。
「正直な所、残念って所かな。何と言っても兄、身内だしね。信じたくないというのが本心だけど、事実は冷酷だね」
淡々と語るアステルスの言葉にウォルコットは眉をひそめる。
勇者は救済者に付き従う、キルロがクロと言ったらそれに従うが、クロとは思っていないのか⋯⋯いや、残念って事はすでにクロと考えているんだ。
「キルロ・ヴィトーロインの言う通り、兄が反勇者である可能性は高いよ。彼が言った通り、残念な事にいろいろなものがピタリとあてはまってしまうしね。僕もひとつ、兄が反勇者だと、彼が言っている理由とは別の理由で、しっくり来てしまう事があるんだ」
「それはなんだ? しっくりくる事って?」
団長が言っている事以外に当てはまる⋯⋯。
マッシュはアルフェンの言う、もう一つについて考えてみたが、これもまた思いつく事柄がなかった。
「エーシャの襲撃事件。殺さずに再起不能にした。まあ、しっかり再起したけど。エーシャの価値を知っており、エーシャの役割を知っている人物が関与している事は想像がついたけど、反勇者がウィッチの事を知っているとは、とても思えなかった。知る術を持っていないからね。ただ、兄が関与しているとなると話しは別。すべてが噛み合ってしまう」
アルフェンの言葉にマッシュが少し違和感を覚えた。
何だ? 何か引っ掛かる。
目を閉じ、深く逡巡する。
ウィッチの役割と価値。
殺さなかったって事は、価値や役割を利用したい⋯⋯。
あ! そうか。
「反勇者じゃない! 反救済者って事か⋯⋯。いや、ちょっと何かがしっくりこない⋯⋯。でも方向性として間違ってはいないはずなんだが⋯⋯」
「マッシュ? 何を言っているのだ??」
「ウォルコット、アントワーヌは別に勇者に抗おうとしているわけじゃないんだよ! 救済者に抗おうとしている? いや、抗うってのが何かしっくりこない⋯⋯」
マッシュは漠然と何かが掴めそうで掴めない感じがもどかしかった。その場をうろうろと歩き回り、落ち着かない様を見せている。
アントワーヌは救済者をどうしたい?
消したい?
消してどうする?
ひとりでぶつぶつと呟くマッシュに、アステルスとアルフェンのふたりにウォルコットは怪訝な表情でマッシュを見つめた。
「勇者である者が、救済者を消してどうする? ウィッチをどうしたかった?」
見えそうで見えない苛立ちに髪を掻きむしった。
「救済者になりたかったりして⋯⋯だったり⋯⋯なんてですねぇ。あ、でもどうやったってなれませんですね⋯⋯」
フェインが照れを隠しながらボソッと呟く。
マッシュはその言葉に目を剥くと、フェインの両肩を握り、激しく体を揺さぶる。
「それだ! アントワーヌは救済者になりたいんだ! 辻褄があった」
「どういう事だ?」
相変わらず怪訝な表情のウォルコットが、さらに困惑を深めていく。
周りで話を聞いていた者達も顔を見合わせて、首を傾げている。
アステルスとアルフェンも例外ではなく、笑顔は消え困惑の表情を浮かべた。
「どういう事だい? それは。兄は救済者になりたい? なろうとしていると君は考えたのかい?」
「そうだ。アントワーヌは救済者になりたいんだ。団長の言ったようにここを足掛かりにしてミドラスと中央を落とす気だ。その道中、嫌でも【イリスアーラレギオ】、【ノクスニンファレギオ】、【ブルンタウロスレギオ】、【ブラウブラッタレギオ】そして【スミテマアルバレギオ】が迎え撃つ。それを潰す事が出来れば、あとは簡単だ。世界をリセットし、自らが光の種を最北、最果てへて運べば新しい救済者の誕生だ。そしてその過程でウィッチが必要と判断しているんだ」
「うーん、でも、それは無理だと思うよ。光の種は向こうにはないもの」
アルフェンが肩をすくめた、その言葉にマッシュはピクリと反応する。
ウォルコットは眉間に皺を寄せながら口を開いた。
「こっちから奪う気なんじゃないのか?」
「無理だね」
「作るってのはどうだ? 詳しくは知らんがオットとライーネが調べている文献に伝承の内容が多いんだろう? 伝承を自らの手で作ろうと研究していた可能性は?」
「あるな」
「いや⋯⋯、どうだろうか」
ウォルコットの意見にマッシュと勇者ふたりで意見が分かれた。
ウォルコットの意見は辻褄が合うし、アッシモの役割も説明出来る。
「アステルス、アルフェン。ウォルコットの言う事はあり得るぞ。誰がモンスターを増やせると思った? 誰がデカイ化け物を操れると思った? 有り得ないと思う事は逆に危険だ。ウィッチは作れないから殺せなかった。他は準備が出来たと考えてもいいのではないのか? 世界をリセットして、自らが救済者となる。アッシモがそれを支える。有り得ない事をやってのける前人未到の挑戦にヤツの脳味噌は震えているかも知れんぞ」
アステルスとアルフェンの顔はより厳しいものになっていく。
有り得ないと思うのは危険というのはまさしくその通りだ。
現に今、自分の兄弟が裏切りここを危険に陥れるという、有り得ない状況がここにある。
次はこの世界全体を陥れるかもしれない⋯⋯。
「確かに、マッシュ・クライカ。君の言う通りだ。有り得ない事が有り得る可能性はとても高い。しかし、困った兄だね。なんとしても止めないと」
「あんた達が頭の固い輩じゃなくて、助かるよ」
「残るはセルバね」
横でやり取りを見守っていたリベルが口を開いた。
微笑みを絶やさない細い眼が、見開くと瞳の奥が滾る。
冷ややかにも見えるその表情から怒りが溢れ出していた。
マッシュは考えるのを諦め、無駄な努力はしない事とした。
何人もの人間がマッシュと勇者ふたりのやりとりに耳を傾け、マッシュと同じように頭を悩ます。
この短時間で状況が目まぐるしく動く様は、ジェットコースターのように乱高下を繰り返す。
「それについては、向こうが落ち着いたら話そうか」
アステルスが、戯れるキルロ達を差していった。
いつの間にかキノもその輪に加わり、ハルヲやシル達とはしゃいでいる。
その姿は微笑ましくもあり、緊張感が欠落しているようにも見えたが、その姿に安堵を覚えるのもまた事実。
と、それとエーシャだ。
あいつ、あの様子だと知ってやがったな。
「エーシャ。おまえさん、この事を知っていたろう」
「ははー、バレた。まぁね、でも聞いたのはここ(スミテマアルバレギオ)に入れて貰おうと思った頃だよ。結構最近」
「なんで、教えてくれなかったんだよ」
「いやぁ、だって私が言っても信じて貰えなかったでしょう。やっぱり勇者様から言って貰わないとさ。ねぇ~、アルフェン」
アルフェンはいきなりの投げかけに少し困惑して見せたが、すぐにいつもの笑顔を見せる。
「ウィッチであるエーシャも僕達と同じく、救済者に仕えし一族なんだ。先にエーシャと出会っていたから救済者が見つかるまでは、ウチで預かるつもりだったのに、エーシャにはとても悪い事をしてしまった。勇者のパーティーにいた方が安全だと思っていたからね」
「もう、いいわよ。過ぎた事だし」
エーシャは肩をすくめて見せた。
いろいろなものを最初から仕組んでいたのか? まさかオレ達も? いや、オレは自分の意思で入団したし、こっちから誘ったのはフェインだけ? いや、フェインも面接に来たひとりだから自らの意思になるのか。
何から何まで仕組んだわけではない? あんまし深く考えなくていいのか。
逡巡しているマッシュをアルフェンは一瞥する。
「何から何まで仕組んではいないよ。特に君達に関してはハルヲンスイーバ・カラログース以外、僕らはノータッチだよ。彼が自らの意思で選んだ。僕が言ったのは何より信用出来る人間を仲間にしなさいって言っただけ。至って普通の助言でしょ」
「まぁ、確かに⋯⋯」
まるで、心を読んでいるかのようのアルフェンの言葉。
これだから勘のいいやつらは敵わんよ、マッシュは嘆息しながらアルフェンを一瞥した。
「なぁ、アステルスもアルフェンも話を聞いたって事は、キルロがアントワーヌを疑っているって分かっているんだろう? その辺りはどう思っているんだ、オレは正直、まだ信じ切れない部分もある。どうだ?」
話を聞いていたウォルコットが割って入った。ストレートな物言いで気になる事を問いていく。
受け入れると決めたが、煮え切らない心持ちはどうにもならないって所か。
真剣な眼差しを向けふたりの言葉を待った。
マッシュも確かに気になっていた。
団長も気にしているに違いない。
ふたりの言葉をその口からやはり聞きたいものだ。
アステルスとアルフェンのふたりは溜め息をつきつつ、重い口を開く。
「正直な所、残念って所かな。何と言っても兄、身内だしね。信じたくないというのが本心だけど、事実は冷酷だね」
淡々と語るアステルスの言葉にウォルコットは眉をひそめる。
勇者は救済者に付き従う、キルロがクロと言ったらそれに従うが、クロとは思っていないのか⋯⋯いや、残念って事はすでにクロと考えているんだ。
「キルロ・ヴィトーロインの言う通り、兄が反勇者である可能性は高いよ。彼が言った通り、残念な事にいろいろなものがピタリとあてはまってしまうしね。僕もひとつ、兄が反勇者だと、彼が言っている理由とは別の理由で、しっくり来てしまう事があるんだ」
「それはなんだ? しっくりくる事って?」
団長が言っている事以外に当てはまる⋯⋯。
マッシュはアルフェンの言う、もう一つについて考えてみたが、これもまた思いつく事柄がなかった。
「エーシャの襲撃事件。殺さずに再起不能にした。まあ、しっかり再起したけど。エーシャの価値を知っており、エーシャの役割を知っている人物が関与している事は想像がついたけど、反勇者がウィッチの事を知っているとは、とても思えなかった。知る術を持っていないからね。ただ、兄が関与しているとなると話しは別。すべてが噛み合ってしまう」
アルフェンの言葉にマッシュが少し違和感を覚えた。
何だ? 何か引っ掛かる。
目を閉じ、深く逡巡する。
ウィッチの役割と価値。
殺さなかったって事は、価値や役割を利用したい⋯⋯。
あ! そうか。
「反勇者じゃない! 反救済者って事か⋯⋯。いや、ちょっと何かがしっくりこない⋯⋯。でも方向性として間違ってはいないはずなんだが⋯⋯」
「マッシュ? 何を言っているのだ??」
「ウォルコット、アントワーヌは別に勇者に抗おうとしているわけじゃないんだよ! 救済者に抗おうとしている? いや、抗うってのが何かしっくりこない⋯⋯」
マッシュは漠然と何かが掴めそうで掴めない感じがもどかしかった。その場をうろうろと歩き回り、落ち着かない様を見せている。
アントワーヌは救済者をどうしたい?
消したい?
消してどうする?
ひとりでぶつぶつと呟くマッシュに、アステルスとアルフェンのふたりにウォルコットは怪訝な表情でマッシュを見つめた。
「勇者である者が、救済者を消してどうする? ウィッチをどうしたかった?」
見えそうで見えない苛立ちに髪を掻きむしった。
「救済者になりたかったりして⋯⋯だったり⋯⋯なんてですねぇ。あ、でもどうやったってなれませんですね⋯⋯」
フェインが照れを隠しながらボソッと呟く。
マッシュはその言葉に目を剥くと、フェインの両肩を握り、激しく体を揺さぶる。
「それだ! アントワーヌは救済者になりたいんだ! 辻褄があった」
「どういう事だ?」
相変わらず怪訝な表情のウォルコットが、さらに困惑を深めていく。
周りで話を聞いていた者達も顔を見合わせて、首を傾げている。
アステルスとアルフェンも例外ではなく、笑顔は消え困惑の表情を浮かべた。
「どういう事だい? それは。兄は救済者になりたい? なろうとしていると君は考えたのかい?」
「そうだ。アントワーヌは救済者になりたいんだ。団長の言ったようにここを足掛かりにしてミドラスと中央を落とす気だ。その道中、嫌でも【イリスアーラレギオ】、【ノクスニンファレギオ】、【ブルンタウロスレギオ】、【ブラウブラッタレギオ】そして【スミテマアルバレギオ】が迎え撃つ。それを潰す事が出来れば、あとは簡単だ。世界をリセットし、自らが光の種を最北、最果てへて運べば新しい救済者の誕生だ。そしてその過程でウィッチが必要と判断しているんだ」
「うーん、でも、それは無理だと思うよ。光の種は向こうにはないもの」
アルフェンが肩をすくめた、その言葉にマッシュはピクリと反応する。
ウォルコットは眉間に皺を寄せながら口を開いた。
「こっちから奪う気なんじゃないのか?」
「無理だね」
「作るってのはどうだ? 詳しくは知らんがオットとライーネが調べている文献に伝承の内容が多いんだろう? 伝承を自らの手で作ろうと研究していた可能性は?」
「あるな」
「いや⋯⋯、どうだろうか」
ウォルコットの意見にマッシュと勇者ふたりで意見が分かれた。
ウォルコットの意見は辻褄が合うし、アッシモの役割も説明出来る。
「アステルス、アルフェン。ウォルコットの言う事はあり得るぞ。誰がモンスターを増やせると思った? 誰がデカイ化け物を操れると思った? 有り得ないと思う事は逆に危険だ。ウィッチは作れないから殺せなかった。他は準備が出来たと考えてもいいのではないのか? 世界をリセットして、自らが救済者となる。アッシモがそれを支える。有り得ない事をやってのける前人未到の挑戦にヤツの脳味噌は震えているかも知れんぞ」
アステルスとアルフェンの顔はより厳しいものになっていく。
有り得ないと思うのは危険というのはまさしくその通りだ。
現に今、自分の兄弟が裏切りここを危険に陥れるという、有り得ない状況がここにある。
次はこの世界全体を陥れるかもしれない⋯⋯。
「確かに、マッシュ・クライカ。君の言う通りだ。有り得ない事が有り得る可能性はとても高い。しかし、困った兄だね。なんとしても止めないと」
「あんた達が頭の固い輩じゃなくて、助かるよ」
「残るはセルバね」
横でやり取りを見守っていたリベルが口を開いた。
微笑みを絶やさない細い眼が、見開くと瞳の奥が滾る。
冷ややかにも見えるその表情から怒りが溢れ出していた。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
才能ありの妹を才能なしの姉が守ります ~魔力がなくても生まれつき、斧神様に憑かれています!~
フカセ カフカ
ファンタジー
<お知らせ>調整実施後、新エピソードの更新となります。
──世界なんて、私の斧でギラギコバッタンしてやるんだ!──
来栖見アリナはあるとき、アーリナ・クルーセルとして異世界へ転生を果たした。
転生先はフィットリア領を治めるクルーセル家。
前世でも、孤独に奮闘していたアーリナだったが、生まれ変わっても家族からは邪魔者扱い。
理由はただ一つ──彼女には一切の魔力がなかったこと。
この世界では生き抜くことは勿論、親の愛を受けるためにも魔力が必要だった。
転生して間もなく妹が生まれ、両親の心はさらに遠く離れていった。
(皆で笑って暮らしたい……ただそれだけなのに。これって贅沢な願いなのかな?)
あるとき、アーリナは決意した。
蔑ろにする家族なんて要らない──領地を奪い、自分の夢を叶えようと。
『生まれ変わったら、世界をギラギコバッタンしてやるんだ!』
いつだってそう思っていたし、彼女には力があった。
魔力の代わりに、一振りの光輝く斧【斧神ラドニアル】の力が。
アーリナは未来の幸せのため、密かに作戦を開始した。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
愛し子は鈍感で、愛に気付きません。
momo6
恋愛
18歳の誕生日。
千鶴(ちずる)は、友達にお祝いをしようと誘われお店に向かう。
その帰り道・・・千鶴は見知らぬ場所にいた。
そこは、現代の街並みでは無く…森の中。
戸惑っていると、1人の美少女に出会う。
よく見ると瓜二つの少女は、傷を負っており千鶴の前で息絶えた。
「ーーお願い・・・」事切れる前に話した事を千鶴は胸にしまう。
千鶴は、少女のかわりにこの世界で生きる事にした。
“チズル・カーター・ブルック”として。
それが、精霊達の愛し子になるとは思いもよらなかった。
マイペースだけど、意思が強い千鶴。
だけど、恋愛に関しては鈍感な部分も…
※
同時進行で「天狗に溺愛されています」もお手にとっていただけたら嬉しいです\(//∇//)\
不定期連載になります(´・Д・)」
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
異世界は黒猫と共に
小笠原慎二
ファンタジー
我が家のニャイドル黒猫のクロと、異世界に迷い込んだ八重子。
「チート能力もらってないんだけど」と呟く彼女の腕には、その存在が既にチートになっている黒猫のクロが。クロに助けられながらなんとか異世界を生き抜いていく。
ペガサス、グリフォン、妖精が従魔になり、紆余曲折を経て、ドラゴンまでも従魔に。途中で獣人少女奴隷も仲間になったりして、本人はのほほんとしながら異世界生活を満喫する。
自称猫の奴隷作者が贈る、猫ラブ異世界物語。
猫好きは必見、猫はちょっとという人も、読み終わったら猫好きになれる(と思う)お話。
転封貴族と9人の嫁〜辺境に封じられた伯爵子息は、辺境から王都を狙う〜
HY
ファンタジー
主人公は伯爵子息[レインズ・ウィンパルト]。
国内外で容姿端麗、文武両道と評判の好青年。
戦場での活躍、領地経営の手腕、その功績と容姿で伯爵位ながら王女と婚約し、未来を約束されていた。
しかし、そんな伯爵家を快く思わない政敵に陥れられる。
政敵の謀った事故で、両親は意識不明の重体、彼自身は片腕と片目を失う大ケガを負ってしまう。
その傷が元で王女とは婚約破棄、しかも魔族が統治する森林『大魔森林』と接する辺境の地への転封を命じられる。
自身の境遇に絶望するレインズ。
だが、ある事件をきっかけに再起を図り、世界を旅しながら、領地経営にも精を出すレインズ。
その旅の途中、他国の王女やエルフの王女達もレインズに興味を持ち出し…。
魔族や他部族の力と、自分の魔力で辺境領地を豊かにしていくレインズ。
そしてついに、レインズは王国へ宣戦布告、王都へ攻め登る!
転封伯爵子息の国盗り物語、ここに開幕っ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる